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処遇改善加算は給与明細のどこに反映されているの?具体的に解説

給与欄は職場によって異なるため、処遇改善手当がどこを記載されているのか気になる方も多いのではないでしょうか。処遇改善加算の支給サイクルは施設によって異なります。そのため給与明細の欄を知っていても、どのような支給方法があるのかを理解しておく必要もあります。

今回では、処遇改善加算の基礎知識を紹介します。

処遇改善加算の現在や今後の動向もわかるので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

処遇改善加算は給与明細のどこに反映されているの?

処遇改善加算の金額は、給与明細の支給項目の欄に記載されています。通常は「処遇改善手当」という名称で表示されますが、支給方法は施設によって異なります。

給与への上乗せやボーナス、一時金での支給など、様々な方法があります。ボーナスや一時金で支給される場合は、給与明細に特定の時期にのみ記載されます。

給与明細に加算が反映されていない場合は、上司に支給のタイミングを確認してみてください。

処遇改善加算とは?基本的な知識

処遇改善加算について知る前に「そもそもどのような手当なの?」と考えている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、処遇改善加算の基本知識を紹介します。処遇改善加算について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

処遇改善加算の目的

処遇改善加算は、介護職の賃金や労働環境の改善を目的とした制度です。事業所は、いくつかの要件を満たすことで国から加算を受け取ることができますが、これらの要件を満たさない場合は加算を受け取れません。

事業所は業務改善を進める必要があります!

処遇改善加算を受け取るためには、職員の離職率を低下させる取り組みが必要です。

処遇改善加算の取得率

処遇改善加算を受け取っている事業所は9割以上です。令和4年度の調査によると、91%の事業所が加算を受け取っています。特に介護老人福祉施設では加算を受け取る割合が高く、97.9%に達しています。

一方で、加算を受け取っていない施設も存在します。その理由の中で最も多いのは、「事務作業が煩雑になるため」が40%、「計画書や実績報告書の作成が煩雑なため」が35.7%と報告されています。

加算制度の複雑さが理由で、書類作成が煩雑と感じられる事業所が申請をしていない状況です。

処遇改善加算の動向

令和5年11月30日に行われた「第233回社会保障審議会介護給付費分科会」で、処遇改善加算の一本化が決定されました。

令和6年度の6月の報酬改定で、「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3つが統合されます。それぞれの加算は異なる要件や加算率があるため、一本化により事務作業の負担が軽減される見込みです。

処遇改善加算の対象職員

処遇改善加算の対象職員は以下のとおりです。

  • 介護サービスを提供している職員
  • 兼務をしている他職種

自身が対象となっているか確認しましょう。

介護サービスを提供している職員

処遇改善加算の対象職員は、直接介護に携わる介護職です。

直接介護とは、食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介護と、洗濯や料理などの生活支援を提供している方々のことです。

現場で働いている介護職のほぼ全員が対象となるでしょう。

自身が対象者に該当するか心配な方は、上司に確認することをおすすめします。

兼務をしている他職種

処遇改善加算は直接介護を行う職員が対象です。そのため、現場にいない管理者や生活相談員、ケアマネジャーは支給の対象外です。

ただし、2022年10月に開始された「介護職員等ベースアップ等支援加算」は、厚生労働省が事業所側に柔軟な運用を任せています。

そのため、兼務で働く職員や事務職、リハビリ職などにも支給されます。

処遇改善加算の現在と今後の流れ

処遇改善加算は2024年(令和6年)で新要件へと移行します。

そこでここでは、現行と今後の処遇改善加算をそれぞれ解説します。ぜひ参考にしてみてください。

現行の処遇改善加算

現行の処遇改善加算は、3種類で構成されています。

  • 処遇改善加算
  • 特定処遇改善加算
  • ベースアップ等加算

現在の処遇改善加算は3つあり、合計によって加算率が決まっています。処遇改善加算にはⅠ〜Ⅲがあり、特定処遇改善加算にはⅠとⅡが含まれます。

さらに近年では、ベースアップ等の加算も導入されました。そのため、計算方法は複雑になり、加算を行わない事業所も存在しています。

今後の処遇改善加算

現在は処遇改善加算と特定処遇改善加算、そしてベースアップ加算の3つで構成されています。しかし2024年(令和6年)からは「福祉・介護職員等処遇改善加算」という名称で一本化されます。

3つの加算が1つになるため、加算率の計算がより容易になるでしょう!

令和6年度中は、経過措置として新たな加算Ⅴ(1)〜Ⅴ(14)が設けられます。これにより、現行の3つの加算の取得状況に基づいて加算率を維持しつつ、改訂される加算率の引き上げが行われます。

よくある質問

処遇改善加算に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 処遇改善加算はいくら受け取れるの?
  • 処遇改善加算は管理者にピンハネされる可能性があるの?
  • 処遇改善加算はパートや無資格でも受け取れるの?

それぞれ解説します。

処遇改善加算はいくら受け取れるの?

処遇改善加算には配分ルールが決まっています。具体的な内容は以下のとおりです。

「経験・技能のある介護職員」は月額8万円、または役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)を設定すること
「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」より処遇改善額を高く設定すること
「その他の職種」は「その他の介護職員」の処遇改善額の2分の1を上回ってはならない

「経験・技能のある介護職員」とは、勤続10年以上の介護福祉士のことを指します。勤続年数の長い介護福祉士には、月額8万円が給与に上乗せされます。ただし、ほかの職員と職種に支給される金額は低くなるルールです。

処遇改善加算は管理者にピンハネされる可能性があるの?

処遇改善加算が管理者にピンハネされていた事例は過去にあります。そのため支給額がすべて介護職員に還元されるとは限りません。しかし労働基準法の観点から考えると、ピンハネするのは難しくなっています。

第89条
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、勤務時間や休憩時間、賃金の計算方法などを行政官庁に届け出なければならない。
引用:労働基準法|e-Gov法令検索

10人以上の職員がいる事業所では、賃金や労働時間を労働基準監督署への届け出が義務付けられています。そのため処遇改善加算の金額や支給方法は、就業規則に記載されています。

処遇改善加算はパートや無資格でも受け取れるの?

処遇改善加算はパートや無資格の方でも受け取れます。加算の対象者は直接介護にかかわる職員なので、身体介護や生活支援を提供している方であれば、誰でも支給される権利があります。

処遇改善加算の反映方法を知っておきましょう!

給与明細から処遇改善加算を確認する際は、支給項目をご覧ください。支給項目の「処遇改善手当」と記載されている欄を確認すると、支給額が反映されているかがわかります。

ただし、職場によっては、処遇改善手当を支給するタイミングが異なります!

毎月ではなく、ボーナスや一時金で付与されている場合、1年に1〜2度のみ給与明細に反映されるので、注意が必要です。処遇改善加算が支払われるタイミングを知りたい方は、ぜひ上長に確認してみてください。

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