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【表でわかりやすく解説】スピーチロックが介護に与える影響とその対策

コミュニケーションは介護において重要な要素ですが、スピーチロックをしてしまうことに悩んでいる方もいるでしょう。

今回では、スピーチロックの言い換え方法を表で解説します。

利用者さんに与える悪影響やその対策を知ることで介護中の悩みが軽減されることでしょう。

新人を指導する立場の方にとっても、後輩職員の教育に役立つ内容が含まれているため、ぜひ最後まで読んでみてください。

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目次

【表あり】現場でよく起こるスピーチロックの言い換え

スピーチロックは、介護職員が日々の業務の中で無意識に使ってしまうことが多く、特に「急かす」「制止する」「命令する」といった言葉が該当します。

以下では、利用者さんへの配慮を忘れずに、より尊重した表現に言い換えるための例を、場面別にまとめました。

入浴・排泄ケア時の声かけ

清拭や排泄介助は、利用者さんにとってプライバシーに関わるデリケートな時間です。焦りや不安から強い言葉になってしまいがちですが、安心感を与える声かけが求められます。

NG表現言い換え例
「早くしてください」「ご自分のペースで大丈夫ですよ」
「もう終わらせますよ」「寒くないように手早く進めますね」
「立ってください」「一緒に少しずつ動いていきましょうか」

移乗・移動介助の場面

車いすやベッドへの移動時は、利用者さんにとって恐怖心や緊張が伴います。命令口調は不安を強める原因になります。

NG表現言い換え例
「動かないで」「不安があったら教えてくださいね」
「立てるでしょ?」「無理のない範囲で一緒にやってみましょうか」
「早く座って」「ゆっくり座れば大丈夫ですよ」

食事や服薬のタイミング

「全部食べて」などの強制的な言葉は、食事や服薬の意欲を下げる可能性があります。尊重と選択の余地を与える声かけが効果的です。

NG表現言い換え例
「全部食べてください」「お好きなものから召し上がってくださいね」
「薬、ちゃんと飲んで」「お薬は今、飲めそうですか?」
「残したらダメ」「食べられる分だけで大丈夫ですよ」

拒否や混乱があるときの対応

認知症や混乱による拒否反応が見られるときこそ、穏やかな声かけが必要です。否定せず、寄り添う姿勢を見せましょう。

NG表現言い換え例
「ダメ!やめて!」「どうしましたか?お話聞かせてくださいね」
「そんなこと言わないで」「お気持ちを教えてもらえますか?」
「言うこと聞いてください」「一緒にどうしたらいいか考えましょうか」

これらの言い換えを意識することで、利用者さんとの信頼関係を築きやすくなり、安心感のあるケアが提供できます。

施設内で共有し、声かけの見直しに活用していただくことをおすすめします。

【基礎知識】スピーチロックとは

ここではスピーチロックについて以下の内容を紹介します。

  • スピーチロックとは
  • 3つのロックに気をつける

スピーチロックとは何か、そのほかに気をつけることをもう一度考えていきましょう。

スピーチロックとは

スピーチロックとは、言葉によって他者の行動を制御しようとする声かけのことを指します。

介護職員が無意識に使用してしまうことがあり、以下にその具体例を挙げます。

  • 「動いちゃダメ!」
  • 「座ってて!」
  • 「ちょっと待ってて!」

これらの表現は、悪気なく使用されているものかもしれませんが、実は相手の行動を制御するスピーチロックとなってしまう可能性があるのです。

介護現場でのコミュニケーションにおいては、このような表現を避けることが重要となります。

3つのロックに気をつける

介護においては、3つのロックに注意する必要があります。それぞれのロックとは以下の通りです。

  • スピーチロック:言葉によって行動を抑制すること
  • フィジカルロック:身体的に拘束して行動を抑制すること
  • ドラッグロック:薬を投与して行動を抑制すること

フィジカルロック

ベルトやひもなどを使用して利用者の身体の動きを制御する状態のことを指します。

やむを得ない理由がない限り、ベッドに四方から柵を設置したり、手袋を装着させるなどの行為はフィジカルロックに該当します。

ドラッグロック

不適切な量の薬を投与して行動を制御する行為を指します。

具体的な例としては、睡眠薬の使用が挙げられます。

一部の利用者は夜間に眠れなかったり、徘徊行動を示したりすることがあり、これらの行動を抑制するために睡眠薬や安定剤を導入することがあります。

しかし、投与量が過剰になると、それはドラッグロックとなる可能性があります。

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なぜスピーチロックが起こってしまうのか?(原因と背景)

スピーチロックは、身体を直接拘束していなくても、言葉によって行動や自由を制限してしまう行為です。

利用者の尊厳や自己決定権を損なう恐れがあり、法的にも問題となることがあります。以下では、その本質や倫理的・制度的な観点からの重要性を整理します。

スピーチロックは言葉による拘束である

スピーチロックとは、「〜しないで」「早くして」といった命令的・否定的な言葉を使い、利用者の行動を制限してしまう声かけのことです。

これは厚生労働省の「身体拘束ゼロへの手引き」においても、「身体拘束に準ずるもの」として問題視されています。

身体的な抑制がないからといって安全とは限らず、心理的なストレスや萎縮を招く要因になります。言葉による拘束は見えにくいため、なおさら注意が必要です。

利用者の自己決定権を奪う行為になる

介護において最も大切にされるのが、「利用者の意思の尊重」です。しかしスピーチロックは、利用者に選択の余地を与えず「こうしなければならない」と一方的に決めてしまう声かけです。

これは、自己決定権(自分で選ぶ権利)を侵害する行為にあたり、利用者の自尊心を傷つける結果になりかねません。

たとえば「全部食べてください」という声かけではなく、「どれから召し上がりますか?」という選択肢のある声かけが望まれます。

法的・倫理的な問題点を知っておくことが大切

スピーチロックは、介護保険法や高齢者虐待防止法の観点からも注意が必要です。言葉による行動制限が継続すれば、それは「虐待」に該当する恐れがあります。

また、施設内の「身体拘束廃止に向けた委員会」などで報告義務があるケースもあります。

倫理的な観点でも、介護職は利用者の人権を守る立場にあることを忘れてはいけません。言葉づかいひとつが、その人の尊厳を守るか、損なうかを左右します。

スピーチロックで起こる利用者さんへの3つの悪影響

スピーチロックで起こる利用者さんの悪影響は以下のとおりです。

  • 認知機能の低下
  • 意欲の低下
  • 信頼関係の悪化

ここでは利用者さんに与える悪影響を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

認知症の進行

スピーチロックが継続的に行われると、これは特に認知症のある利用者にとって、認知機能の低下を引き起こす可能性があります。

認知症の方々は具体的な指示を忘れてしまうことがよくありますが、一方で怒られたり叱られた記憶は継続して残ります。

これらネガティブな感情は、認知症の進行に大きな影響を与えるとされています。その結果として、利用者の徘徊頻度が増加したり、夜間せん妄が発生したりといった症状の悪化が起こる可能性が高まります。

認知症の進行を防ぎ、利用者の生活品質を維持するためにも、スピーチロックに対する注意が必要となります。

意欲の低下

スピーチロックは、利用者に「これを言ったら怒られる」や「どうせ言っても無駄」という感情を抱かせ、自主性が奪われ、意欲の低下を引き起こす可能性があります。

これにより、利用者はレクリエーションやイベントへの参加を止めてしまうかもしれません。これは生活の刺激を失い、他の利用者との交流の機会も減少するという意味です。

更には、歩行可能な筋力を持つ利用者であっても、スピーチロックを受けることで歩行する意欲が低下し、その結果筋力が衰えてしまう可能性もあります。

スピーチロックは長期的な視点でみると、利用者の日常生活動作(ADL)の低下につながるという危険性を孕んでいます。

信頼関係の悪化

介護の現場では、利用者の身体に触れる機会が頻繁にあります。

そのため、信頼関係の構築が大切となります。しかし、スピーチロックを用いてしまうと、その信頼関係の形成が難しくなります。場合によっては、利用者が介護職員に対して不信感を抱くこともあります。

信頼関係が損なわれた結果、利用者は介護職員からの介助を拒否し、適切なケアが行えなくなる可能性があります。

利用者との信頼関係を維持、または良好に保つためにも、言葉遣いには特別な注意が必要です。

スピーチロックと身体拘束・人権擁護の関係

スピーチロックは、見た目には拘束とわかりにくい「言葉による抑制」であるため、介護職の間でも軽視されがちです。

しかし、内容によっては身体拘束と同じように利用者の人権を侵害する行為となる場合があり、職員一人ひとりの意識が重要になります。

以下では、介護における基本的価値観「自己決定権の尊重」と、制度的な注意点を整理します。

利用者の自己決定権を奪う行為になる

「立たないでください」「今はやめておいて」といった言葉は、一見すると丁寧な声かけに見えるかもしれませんが、利用者の自由な選択を封じる発言になっていることがあります。

介護の現場では、利用者が「どうしたいか」「やめたいか」を自分で決めること=自己決定権を尊重することが原則です。

たとえ良かれと思っての言葉でも、本人の意思を無視するかたちになっていないかを常に振り返る姿勢が求められます。

法的・倫理的な問題点を知っておくことが大切

スピーチロックは、内容や継続性によっては高齢者虐待防止法や介護保険制度における身体拘束の定義に抵触するおそれがあります。

たとえば、「黙ってて」「言うこと聞いて」という言葉が日常的に使われていれば、心理的虐待として報告対象になる場合もあります。

また、施設では「身体拘束廃止のための委員会」「記録義務」「研修の実施」などが制度として求められており、職員の言動ひとつが法的責任につながるリスクもあります。

スピーチロックの対策3選

スピーチロックの対策は以下の3つです。

  • 言葉を言い換える
  • 研修やセミナーでスピーチロックの危険性を理解する
  • スピーチロックをしちたらすぐに指摘を受けて自覚する

スピーチロックをしないためにも、確認しておきましょう。

言葉を言い換える

スピーチロックを防ぐためには、言葉の言い換えが必要となります。特に、前置きの言葉に注意を払うと良いでしょう。

例えば、業務が忙しく、歩行が不安定な利用者が一人で立ち上がろうとしている場合、つい「立たないでください」と言ってしまいがちです。

しかし、そのような状況でも焦らず、「どうしたのですか?」と問いかけるだけでも印象は大きく変わります。

急な状況で即座に言葉を発する必要があるときでも、前置きの言葉を意識して追加すると、スピーチロックを避けることが可能となります。

研修やセミナーを受けてスピーチロックの危険性を理解する

介護の現場では、利用者の主体性や自主性を尊重することが重要です。そのためには、介護の権利擁護を深く理解することが必要となります。これにより、スピーチロックに対する意識が薄れることでしょう。

権利擁護を学ぶ機会として、以下のような方法があります。

  • 研修を受ける
  • セミナーに参加する
  • 専門の著書を読む

これらの機会を通じて、権利擁護が守られていない現場での失敗談や、それが裁判に発展した事例を学ぶことができます

知識は、スピーチロックの危険性を具体的にイメージする助けとなり、自然と注意深さを持つ意識を育てるでしょう。

スピーチロックをしていたらすぐに指摘を受けて自覚する

スピーチロックを避けるための一つの方法は、利用者を抑制するような言葉遣いをしてしまった場合に、他者からの指摘を受け入れ、自己認識を高めることです。

スピーチロックは、自分では気づきにくい行動であるため、重要となります。

そのため、職場全体で協力し、スピーチロックのような発言があった場合は互いに指摘し合う文化を作り上げることが求められます。

ただし、指摘する際は責めるのではなく、相手が気づくきっかけを提供するような形で伝えるのが効果的です。

スピーチロックが与える悪影響を理解して日常から気をつけよう!

スピーチロックは、自覚せずに使ってしまうことがしばしばあります。

特に業務が忙しいときには、利用者の声に耳を傾けることが後回しになってしまいがちです。しかしながら、ちょっとした工夫でスピーチロックを避けることは可能です。

利用者が満足できる生活を提供するためにも、今回紹介した対策を参考に、自分の言葉遣いに気を付けてみてください。

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