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【現場で実施済】認知症レクリエーション16選!プロが教える選び方と実践例
「認知症の利用者さんが楽しめるレクリエーションが思いつかない」「いつも同じ内容になってマンネリ化している」そのような悩みを抱えていませんか?
介護現場では、認知症の方の症状やレベルに合わせたレクリエーションを毎日考えるのは大きな負担です。
無理に参加を促しても拒否されたり、途中で飽きてしまったりと、スタッフの苦労は絶えません。
脳の活性化を促す回想法レクや身体機能を維持する運動系レク、創作意欲を刺激する手工芸レクなど、すぐに実践できるアイデアを具体的な進め方とともに解説します。
現場で成果が出ている内容なので、利用者が楽しめるのはもちろん、認知機能によい影響を与え、生活の質を高められるでしょう。
レクリエーションをさらに充実させ、利用者さんの笑顔を見たいと考えている方は、参考にしてみてください。
認知症の方が高齢者レクリエーションをする目的
認知症の方がレクリエーションをする目的は以下のとおりです。
- 脳の活性化と言語能力の維持
- 感情の安定とストレス発散(BPSDの緩和)
- 他者との交流による孤立感の解消
- 「自分にもできる」という役割・自信の獲得
認知症の方にとって、レクリエーションは心身の機能維持や生活の質を高める面も含んでいます。
ここでは、認知症の方がレクリエーションに取り組む具体的な目的を解説します。
脳の活性化と言語能力の維持
認知症の方にとって、レクリエーションを通じた言語能力の維持・向上は、コミュニケーション力を保つために欠かせません。
認知症の進行により、言葉を思い出せなくなる人や会話が困難になる人がいます。
しかし、たとえば歌を歌う合唱レクリエーションをすることで歌詞を声に出し発声できます。
そのため、言語能力を自然と活性化させることにつなげられるでしょう。
また、クイズやしりとりなどの言葉遊びでは、思考しながら言葉を選ぶ訓練になり、語彙力の低下を防ぐ効果が期待できます。
こうした活動を継続すると、日常会話でも言葉が出やすくなり、家族や職員とのコミュニケーションが円滑になる可能性があります。
感情の安定とストレス発散(BPSDの緩和)
レクリエーションは、認知症の方が抱えるストレスや不安を解消し、感情を健全に発散する場になります。
認知症になると、脳機能の低下により自分の思いをうまく表現できなくなり、感情が内にこもりやすくなります。
そのため、風船バレーや射的のような運動レクリエーションで、体を動かすことで気持ちが上がり気分転換できます。
また、音楽療法や合唱で昔の思い出を語り、ポジティブな感情を表に出すのもおすすめです。
こうした活動により、認知症の方は感情を適切に表現できて心の安定を取り戻しやすくなります。
他者との交流による孤立感の解消
レクリエーションは認知症の方と周囲の人々をつなぎ、人間関係を豊かにします。
認知症が進むと、理解力や言語能力が低下してしまう人もいます。
その結果、周囲とコミュニケーションをしようとしなくなり、孤立しがちです。
そのためレクリエーションを通じて、社会的な交流を意図的に作るのが大切です。
たとえば、グループで取り組むゲームや創作活動に取り組むなかで、ほかの利用者や職員と自然に会話が生まれることも少なくありません。
チームで協力するレクリエーションでは、互いに声をかけ合う機会が増え、社会性が維持されることもあるでしょう。
さらに定期的な交流は、孤独感を減らし精神的な健康にもプラスに働きます。
「自分にもできる」という役割・自信の獲得
レクリエーションを通じて、認知症の方は自分の役割を見出し、生活に張り合いを感じられる人もいます。
認知症になると「何もできない」という無力感を抱きやすく、自信を失いがちです。
しかし、レクリエーションを通じて自身が得意な料理や創作物を周囲に見せると、褒められる場合もあるでしょう。
こうしたかかわりを通じて、認知症の方は「自分も誰かの役に立てている」との感覚を得られます。
このような体験は、高齢者の自己肯定感を高め、自立心や前向きな気持ちを育めます。
認知症の方にレクリエーションを提供する際の重要ポイント
認知症の方にレクリエーションを提供する際のポイントは以下のとおりです。
- 利用者さんの「過去の職業・趣味・生活歴」を活かす
- 「子供だまし」にならないよう自尊心に配慮する
- 当時の思い出や共通の記憶(回想法)を取り入れる
- できたことを褒めるのではなく「感謝」を伝える
認知症の方にレクリエーションを提供する際は、個々の状態や背景に配慮した工夫が必要です。
ここでは、レクリエーションの効果を最大限に引き出すためのポイントを紹介します。
利用者さんの「過去の職業・趣味・生活歴」
利用者さんの特技や趣味を活かしたレクリエーションを提供すると、意欲的な参加が期待できます。
なぜなら、慣れ親しんだ活動は認知症になっても忘れにくいからです。
料理をしたり楽器を演奏したりといった手続き記憶は、認知症になったあとでも記憶として保持されやすいといわれています。
そのため、自信を持って取り組めるので、認知症の利用者さんに特技や趣味を活かす活動を提供するのがポイントです。
たとえば、若い頃に書道を習っていた方には書道レクリエーション、園芸が好きだった方には花壇の手入れを提案するのがおすすめです。
特技や趣味の活動は、職員や他利用者さんから賞賛を受けやすくなり、利用者さんの自己肯定感が上がります。
個々の得意分野を尊重したレクリエーションは、参加意欲と満足度を大きく向上させるのでおすすめです。
子供だましにならないよう自尊心に配慮する
認知症の方へのレクリエーションでは、参加者の尊厳を守る姿勢が大切です。
認知機能が低下していても、長年培ってきた人生経験やプライドは損なわれていません。
そのため幼稚な内容や子供向けの活動は、参加者の自尊心を傷つける恐れがあります。
たとえば簡単すぎる課題や子どもに話すように過剰な褒め言葉は、かえって不快感を与えてしまいます。
昔の歌謡曲を用いた活動や、料理や手芸などご本人の能力や人生経験を活かせる内容がおすすめです。
レクリエーションを企画する際は、常に「この内容は参加者の尊厳を尊重しているか」という視点で見直す必要があります。
当時の思い出や共通の記憶(回想法)を取り入れる
レクリエーションを通じて当時の思い出や共通の記憶を語ることは、認知症の方の心を開きます。
認知症になると短期記憶が失われやすい一方、昔の記憶は比較的保たれています。
昭和の歌謡曲を流しながら「この歌が流行った頃、何をしていましたか?」と尋ねると、思い出話が自然と広がるでしょう。
また、季節の行事に合わせて「子どもの頃のお正月はどのような様子でしたか?」といった質問をすると、昔の記憶が引き出されます。
こうした回想は、楽しい記憶が呼び起こされ、利用者さんの笑顔やポジティブな気持ちを引き出せます。
その結果、認知機能の維持や心の安定につながり、利用者さんの生活の質を高めることが可能です。
できたことを褒めるのではなく「感謝」を伝える
感謝の言葉を積極的に伝えると、認知症の方の自尊心が育まれ、レクリエーションへの参加意欲が高まります。
認知症の方は脳機能の低下により、気持ちが塞ぎがちになるので、肯定的な言葉かけが大切です。
たとえば、料理レクで作った物を食べたあと「〇〇さんのおかげでおいしいご飯が食べられました。ありがとうございます。」と伝えます。
また、グループ活動でほかの参加者を気遣う姿があれば「〇〇さんのおかげで皆が楽しめました」と具体的に感謝を示すと、本人の自信につながります。
感謝の言葉は認知症の方の心を温め、自分の存在価値を実感できるので、レクリエーション時には積極的に使用しましょう。

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【お悩み解決】参加を拒否された時の誘い方と対応
利用者さんにレクリエーションの参加を促すと、参加を拒否されることがあります。
ここでは、参加拒否をされたときの対処法を紹介します。
レクリエーションになかなか参加してもらえない方がいる場合は、参考にしてみてください。
無理強いは逆効果!一度引いてタイミングを変える
参加を拒否された際は、無理に勧めず一度引くことが最善の対応です。
強引に誘うと、かえって拒否感を強めてしまい、今後の関係性にも悪影響を及ぼします。
拒否する理由もさまざまで、体調不良の場合もあれば、活動内容に不安を感じていることもあります。
そのため、まずは相手の気持ちを尊重し、タイミングを見計らって再度声をかける柔軟な姿勢をもちましょう。
一度引いてもう一度「参加しませんか?」というと、参加してもらえるケースも少なくありません。
「手伝ってください」と役割をお願いするアプローチ
役割をお願いすることで、利用者さんも心理的な負担が少なく受け入れやすくなります。
たとえば「○○さんは歌がお上手だと伺っていますので、皆さんのお手本になっていただけますか?」と特技を活かした役割を提案するのは効果的です。
「いつも○○さんがいてくださると場が和むので、隣に座っていただけませんか?」と存在そのものを必要としている言葉もよいでしょう。
役割をお願いするアプローチは、相手の尊厳を守りながら参加を促せる優れた方法です。
準備段階から関わってもらい自然に誘導する
参加者としてではなく、準備段階からかかわってもらうことで、自然なかたちでレクリエーションに加わってもらえます。
「参加してください」という直接的な誘いよりも、「力を貸してください」というお願いの方が、心理的な負担が少なく受け入れやすくなります。
実践例としては、「○○さん、申し訳ないのですが椅子を並べるのを手伝っていただけませんか?」「歌詞カードを配るのをお願いできますか?」といった具体的な役割をお願いします。
準備を手伝っているうちに、自然とレクリエーションに参加する流れができる場合もあるでしょう。
役割をお願いするアプローチは、相手の尊厳を守りながら参加を促せる優れた方法といえます。
認知症の方へ実際に実施しているレクリエーションの種類一覧
実際の現場で認知症の方に提供しているレクリエーションは以下の4種類です。
- 運動系レクリエーション
- 頭脳系レクリエーション
- 創作系レクリエーション
- 外出系レクリエーション
認症の方向けのレクリエーションには、さまざまな種類があります。
ここでは、目的や効果に応じて分類されるおもな4つのカテゴリにわけてレクリエーションを紹介します。
【運動系】身体機能を維持するレクリエーション具体例
身体機能を維持するレクリエーションの具体例は以下のとおりです。
- 風船バレー
- 棒倒し・旗揚げ
- 紙コップタワー
- ラジオ体操・リズム体操
風船バレー
風船バレーは風船を使用しておこなうバレーボールです。
特別なルールを設けず、風船を何回上げられるか挑戦するゲームにしても盛り上がります。
また椅子に座ったままでもできるので、片麻痺や車椅子に座っている認知症の人でも楽しめます。
風船バレーは、用意する物も職員数も少ないレクリエーションなのでおすすめです。
【体験談】
風船バレーは施設の定番のレクリエーションです。
どの事業所でも認知症の進行度合いに限らず楽しめている印象があります。
得点制にしたり回数にしたりなどルールも幅広く決められるのもポイントです。
棒倒し・旗揚げ
棒倒しは、立てた棒の周りにあるクッションやお当て玉のような物体を手で抜いていき、棒を倒してしまった人が負けとなるゲームです。
このレクリエーションでは、棒を倒さないように慎重に手を動かさなければいけません。
そのため手指の細かい動作がきたえられます。
また座りながらでもできるゲームなので、身体状態に限らず取り組めるのも魅力です。
【体験談】
介護現場で実施したところ、認知症の方にも楽しんでもらえました。
ゲームの流れが簡単なので、皆さんルールも理解されているようでした。
紙コップタワー
紙コップタワーは、紙コップを積み上げて高い塔を作るレクリエーションです。
認知症の方にとって、細かい動作と集中力が求められる活動は苦手分野の1つです。
しかし紙コップをそっと置く作業を通じて、力加減の調整や手の微細運動がきたえられます。
また、どの位置に置くか考えることで空間認識能力も刺激されます。
レクリエーションに手のコントロールや空間認識のトレーニングを取り入れたい方は、実施してみてください。
ラジオ体操・リズム体操
ラジオ体操やリズム体操は音楽に合わせて全身を動かすので、血行促進や筋力維持につながり、朝の目覚めにも効果が期待できるレクリエーションです。
そのため毎朝の日課に取り入れることで、利用者さんの生活リズムを整える役割も果たせます。
ただし運動量が多いので、無理のない範囲でおこなってもらうのが大切です。
立位が難しい方は椅子に座って体操をするのがおすすめです。
【脳トレ・音楽系】脳を活性化するレクリエーション具体例
脳を活性化させるレクリエーションの具体例は以下のとおりです。
- 合唱・音楽療法(記憶と感情に働きかける)
- 回想法
- ホワイトボードを使った言葉遊び
- リアリティ・オリエンテーション
合唱・音楽療法(記憶と感情に働きかける)
合唱や音楽療法は、認知症の方の記憶と感情の両面に働きかける効果的なレクリエーションです。
メロディーや歌詞の想起や、リズムに合わせて体を動かすといった複合的な活動は、記憶や言語、運動機能を総合的に刺激できます。
また、若い頃に親しんだ曲は、長期記憶として残りやすく、歌詞を忘れていても自然と口ずさめる方が多くみられます。
懐かしい曲は感情を呼び起こし、表情が豊かになったり、他者とのコミュニケーションが増えたりといった変化も期待できるでしょう。
【体験談】
合唱や音楽療法は発声機能や呼吸器系もきたえられるレクリエーションです。
重度の認知症の方でも、合唱やカラオケには積極的に取り組まれている場面を見たことがあります。
疾患の影響により言葉が少ない方には、言語機能の維持や呼吸器系のトレーニングに合唱はおすすめです。
回想法
回想法は、クイズや「今日は何の日」のようなレクの際に、過去の出来事を思い出して語ってもらう方法です。
認知症の方は新しい記憶は失われやすくても、昔の記憶は比較的保たれています。
そのため、古い写真や昭和時代の生活用品を見せると「これ使っていたわ」と自然に会話が始まることも少なくありません。
当時の思い出が蘇り、生き生きと話してくれる人も多いでしょう。
回想法は記憶の活性化と心の安定に効果的です。
ホワイトボードを使った言葉遊び
ホワイトボードを使った言葉遊びは、視覚的にわかりやすく、複数人で楽しめる脳トレレクリエーションです。
語彙力や思考力が刺激されるだけでなく、参加者同士のコミュニケーションも促進できます。
準備も簡単で、施設や在宅問わず手軽に取り組める点も魅力といえるでしょう。
おすすめのゲームは、しりとりや連想ゲーム、穴埋めクイズがあります。
たとえば連想ゲームは「春といえば?」というテーマで、参加者に自由に言葉を挙げてもらいホワイトボードに書き出していきます。
認知機能を刺激しながら楽しい時間を共有できるレクリエーションです。
ホワイトボードを使ったレクリエーションをさらに知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

リアリティ・オリエンテーション
リアリティ・オリエンテーションは、日時や場所などの現実感覚を維持・回復させるための認知リハビリテーション技法です。
日常生活のなかで繰り返し現実の情報を提示することで、見当識障害の改善や認知機能の維持を目指します。
たとえば、お散歩レクをしている最中に会話のなかで「今日は何日ですか?」「10から7を引くといくつですか?」と問いを出します。
リアリティ・オリエンテーションは、利用者さんが安心した環境でおこなえるので、本人の現在の状況を正しく認識しやすいアプローチです。
【創作・作業系】手先と感性を刺激するレクリエーション具体例
創作・作業系のレクリエーションは以下のとおりです。
- 塗り絵・書道
- 手芸・裁縫
- 園芸・植物の水やり
- 料理・コーヒー作り
塗り絵・書道
塗り絵は色を選んで絵を完成させる創作活動なので、集中力を養えます。
塗り絵をすることで手を動かすことで、前頭前野の刺激が可能です。
前頭前野は感情や思考をコントロールする領域で、不安感や焦燥感を抱えている認知症の方には効果が期待できます。
塗り絵の題材は多いので、花や動物など利用者さんが好きな絵を選んでもらうのがおすすめです。
書道は、筆を使って文字を書く創作活動で、集中力と手先の器用さを養います。
認知症の方にとって心を整える時間は大切ですが、筆の動きに意識を集中することでメンタルが落ち着く方もいるでしょう。
2025年にNational Library of Medicineに掲載されている原著論文「認知症・MCIに対する書字療法、認知機能リハビリとしての効果を体系的レビュー」では、認知症や軽度認知障害(MCI)患者への介入方法の効果が検証されています。
人口統計学的情報や書字の効果に焦点を当てた分析や、修正版Cochraneツールと効果的公衆衛生実践プロジェクト(Effective Public Health Practice Project)の評価ツールを用いて評価した結果、書字や記憶ノートをすることで、記憶力の向上や自感情コントロールの改善、認知的回復力の促進に寄与することが示されました。
そのため、書道には心身を整えるだけでなく、記憶力も上げる効果が期待されています。
【体験談】
帰宅願望が強い方に塗り絵を定期的に実施したところ、帰宅願望の頻度が減りました。
不穏や落ち着きが見られない方にも一時的ですが効果があったので、塗り絵にはリラックス効果が期待できると思います。
手芸・裁縫
手芸や裁縫などの細かい作業は脳への刺激になり、集中力を高める効果が期待できるので、認知症や高齢の方にはおすすめのレクリエーションです。
編み物や刺繍では、針を動かす繰り返しの動作が手の器用さを保ちます。
色や柄を選ぶ過程で、美的感覚と自己表現の機会が生まれることもあるでしょう。
完成した作品を身につけたり誰かにプレゼントしたりすると、大きな喜びと達成感が得られます。
手芸は楽しみながら多様な能力を維持できるレクリエーションです。
園芸・植物の水やり
園芸は土に触れて植物を育てることで、自然とのつながりを感じるレクリエーションです。
花壇の花植えや水やりの作業は手を使う運動なので、脳の刺激につながります。
手を動かすことで前頭前野が活動し、感情をコントロールする力を養えます。
手続き記憶を活用することもできるので、重度認知症の方でも参加してもらえる可能性が高めです。
また、育てた花が咲いたときには大きな達成感と喜びが得られ、生活に張り合いをもたらすでしょう。
料理・コーヒー作り
料理やコーヒー作りは手続き記憶として残っているため、認知症の人でもかかわれるレクリエーションになり得ます。
手続き記憶とは、自転車の乗り方や楽器演奏など、身体で覚えている記憶のことです。
料理やコーヒー作りは手続き記憶を引き出すのにうってつけです。
料理やコーヒーを若い頃から作っていた方は、認知症や高齢になっても包丁さばきや豆の引き方を覚えています。
そのため、利用者さんは介護職の少ないサポートでも活動でき、認知症の人や高齢者の自立支援につながります。
実際、週1回喫茶店を開催し、利用者さんが豆からコーヒーを挽いている事業所もあるようで、コーヒー作りは認知症の方の支援に認められています。
【外出・イベント系】気分転換になるレクリエーション具体例
外出系のレクリエーションは以下のとおりです。
- 季節のお花見・散歩
- 買い物支援
- ランチ会・外食
- 温泉・足湯体験
季節のお花見・散歩
お花見や外を散歩すると、自然の美しさと季節感を味わえます。
たとえば、認知症の方にとって花を見る体験は、利用者さんの時間感覚を取り戻しやすくなります。
認知症や高齢になり施設で生活をしていると、季節の変化に気付きにくくなりがちです。
その結果、場所や時間の感覚が薄れてしまう方もいますが、桜を見ることで春を感じてもらえるでしょう。
また、花を見て家族や友人と花見をした思い出話が引き出されることもあります。
季節の変化を肌で感じる体験は、利用者さんに正しい生活リズムと喜びの感情を提供できるので、実施してみてください。
【体験談】
桜が見える季節になると、近くの公園に行ったり送迎バスから眺めたりして春を感じられるような取り組みを実施していました。
認知症に限らず皆さん大変喜んでいた印象があります。
買い物支援
買い物支援は商品を選んで購入する体験を通じて、自己決定と社会参加の機会を提供するレクリエーションです。
スーパーへ一緒に出かけ、好きな食べ物や日用品を選ぶのは意思表示の機会になります。
選ぶ喜びも得られ、普段とは異なる体験ができるのもよい点です。
買い物に出かける際は、職員と商品の選定や店員との会話が生まれるので、社会性の維持にもつながります。
そのため、買い物支援は利用者さんの自主性や社会参加を促す効果的な外出レクリエーションです。
ランチ会・外食
ランチ会は、外食を楽しむことで社会参加の実感と食事の喜びを味わうレクリエーションです。
認知症の方にとって、いつもと違う場所で食事をする体験が刺激になるでしょう。
近所のレストランやカフェに出かけ、メニューを選ぶ過程は自己決定の機会になります。
また普段と異なり外の景色を見ながら食事をすると、気分転換にもなります。
ランチ会は食事と交流の両面で効果的な外出レクリエーションです。
【体験談】
施設にいると好物を食べる機会が減ってしまうので、ランチ会で好きな食べ物を選べてうれしそうでした。
お店でランチ会をおこなう際はトイレの場所やバリアフリー構造なのかは、事前にチェックしておく必要があります。
温泉・足湯体験
温泉入浴が認知症予防につながるとの研究が存在しています。
高次脳機能研究45巻2号に掲載されている前田眞治氏による研究『認知症と温泉療法』では、温泉やサウナといった温熱刺激(mild hyperthermia) が、脳の健康にどのように寄与するかを検証されています。
この研究では2,315人の健常男性を対象とし、温熱刺激(温泉・サウナ)が認知症への効果があるかを研究しました。
その結果、温泉入浴による血管内皮機能の改善や血管新生の増加、炎症軽減と関連し、脳血流の低下が予防されたと考察しています。
温泉入浴は癒しやリラックス効果だけでなく、身体面から認知症のリスクを下げる外出レクリエーションとして期待できます。
認知症の方にレクリエーションを提供する際の注意点
認知症の方にレクリエーションを提供する際の注意点は以下のとおりです。
- レクリエーションの難易度を考える
- 大声や不穏な行動が出た時のクールダウン方法
- 口に入れてしまいそうな物は近くに置かない
レクリエーションを安全かつ効果的に実施するためにも、注意点は押さえておきましょう。
レクリエーションの難易度を考える
レクリエーションの難易度は、認知症の方の状態に合わせて調整する必要があります。
難しすぎると挫折感を招き、簡単すぎると退屈に感じる人もいます。
そのため認知症の進行度が軽度の方には、ルールが複雑なゲームを用意しましょう。
たとえば麻雀やポーカーなどのボードゲームがおすすめです。
中度以上の方には、塗り絵やパズルなどのシンプルなレクリエーションが適しています。
利用者さんの手続き記憶を判断して、それに適したレクリエーションを提供するのも職員には求められます。
利用者さんの適正や特技を考えたうえで、レクリエーションの難易度を検討するのが大切です。
大声や不穏な行動が出た時のクールダウン方法
レクリエーション中に大声を出してしまう方がいる場合は、いったんその場から離れてもらう配慮が必要です。
なぜなら大声はほかの参加者の集中を妨げ、不安を引き起こす可能性があるからです。
認知症の症状により、興奮したり混乱したりして大声を出すことがあります。
そのようなときはスタッフが優しく声をかけ、静かな場所へ誘導し、落ち着くまで寄り添います。
落ち着いたら再び参加できるよう促すと孤立感を避けられるでしょう。
レクリエーション中は柔軟に対応して、すべての参加者にとって安全で快適な環境を作ることが重要です。
口に入れてしまいそうな物は近くに置かない
認知症の症状により異食してしまう方もいるので、口に入れてしまう危険性のある物は近くに置かないようにしましょう。
たとえば小さなビーズやボタン、紙コップのかけらは、誤飲の危険性があります。
こうした道具を使う際はスタッフが常に見守り、使用後はすぐに片付けるのが必須です。
口に入れても安全な素材や大きめのサイズの道具を使い、リスクを管理することも大切です。
安全管理を徹底することが、安心してレクリエーションを楽しむために欠かせません。
よくある質問
認知症の方のレクリエーションに関するよくある質問は以下のとおりです。
- 認知症の方にとってレクリエーションはなぜ重要なのですか?
- 認知症はどのような症状が起こるのですか?
認知症の方にとってレクリエーションはなぜ重要なのですか?
認知症の方にとってレクリエーションは、心身の機能と生活の質向上につながります。
認知症が進行すると、日常生活での刺激が減り、心身の機能が低下しやすくなります。
たとえば言語能力の維持には、合唱やクイズといった言葉を使う活動が効果的です。
グループでのレクリエーションでは、他者との交流が生まれ、孤独感が和らぎます。
こうした活動を通じて認知症の方は自己肯定感を高め、やりがいを感じられるようになります。
認知症はどのような症状が起こるのですか?
認知症には、記憶障害を中心にさまざまな認知機能の低下が起こります。
最も一般的な症状は、新しいことを覚えられない短期記憶の障害です。
時間や場所がわからなくなる見当識障害や、物事を計画して実行する遂行機能の低下も見られます。
不安や抑うつ、徘徊といった行動・心理症状(BPSD)が現れる人もいます。
こうした症状は個人差が大きく、進行速度も異なるため、一人ひとりに合わせた支援が必要です。
まとめ:認知症の方にレクリエーションをする際は「その人らしさ」が大切
認知症の方にとってレクリエーションは、心身の機能を維持し、生活に彩りと意味をもたらす活動です。
具体的には、言語能力の維持や感情の発散、コミュニケーションの促進といった身体だけでなく生活面でも効果を発揮します。
しかし認知症の方は一般的な高齢者と比べて、物事に興味を持ちにくくなる傾向があります。
レクリエーションに少しでも参加してもらうためには、利用者さんの特技や趣味、すでにできる能力を活かせる活動を選ぶことが大切です。
そのためにも、普段から利用者さんを観察し、難易度の調整や安全管理が求められます。
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