放課後デイサービスの仕事はなぜきつい？職員の悩みやホワイトな職場の特徴を紹介！

「放課後デイサービスの仕事はきついのかな？」と考えている方は多いのではないでしょうか。

放課後デイサービスの現場では、子どもたちの個性豊かな行動への対応や保護者との関係構築などさまざまな困難が待ち受けています。

これらの問題を放置したまま働き続けると、心身の健康被害を起こし、最悪の場合は働けなくなるリスクがあります。

また転職を考える際も、具体的な対策を知らずに辞めてしまうと、次の職場でも同じような問題に直面する可能性があるでしょう。

そこでこの記事では、放課後デイサービスの仕事がきつい理由と、その解決策を詳しく解説します。

ホワイトな事業所の特徴や離職率の実態なども具体的に紹介します。

この記事を読むことで、やばい職場を避けられるだけでなく、自分が放課後等デイサービスで働いていけるかが明確になるはずです。

放課後デイサービスの離職率

放課後等デイサービスのみの離職率を紹介したデータはありませんでした。

しかし、厚生労働省の調査によると、放課後等デイサービスの職種である医療・福祉職の離職率は14.6％となっています。

産業全体の平均は15.4％なので、離職率は比較的高いといえるでしょう。

離職率が高い背景には、体力的な負担や精神的なストレス、待遇面での課題があります。

ただし、働きやすさは事業所により異なるため、職場選びが重要です。

放課後等デイサービスの仕事がきついと感じる5つの理由

放課後等デイサービスの仕事がきついと感じる理由は以下のとおりです。

• 体力的にきつい
• トラブルにより精神的負担がかかる
• 子どもとの接し方で悩む
• 給料が低い
• 支援以外の業務に時間を取られる

放課後等デイサービスの仕事が「きつい」と感じる理由は、体力的な負担から待遇面での課題など、さまざまな要因が関係しています。

1.体力的にきつい

放課後デイサービスの仕事は体力を必要とします。

発達障害のある子どもたちは予測不可能な行動を取ることが多く、常に注意深く見守る必要があります。パニックを起こした子どもがいたら、安全に支援するために、ときには身体的な制止も必要です。

また、一日中立ちっぱなしで子どもたちと接し、外出支援では長時間の歩行も伴うため、体力的な消耗は避けられません。

想像以上に体力が必要だと感じて、放課後等デイサービスを辞めてしまう方もいるでしょう。

2.トラブルにより精神的負担がかかる

放課後等デイサービスの仕事は、子ども同士のトラブルや保護者からのクレーム対応など、精神的な負担が大きい場面が発生します。

発達障がいのある子どもたちは感情のコントロールが難しく、突然のパニックや暴力行為が起こることがあります。そのため、伝え方に注意しながら話し合わなくてはいけません。

保護者との関係構築も難しく、支援方針について理解を得られず、職場の意見と板挟みになることもあるでしょう。

こうした状況が続くと、職員の心理的ストレスが増えるリスクが高まります。

3.子どもとの接し方で悩む

子どもの性格はさまざまですが、障がいが加わるとさらに接し方が難しくなります。

同じ発達障がいでも症状や程度は個人差が大きく、同じ支援方法がほかの子どもには通用しないことはよくあります。

一人ひとり異なる特性をもつ子どもたちへの支援方法を見つけることは、経験豊富な職員でも困難です。

また、子どもの成長に合わせて支援を調整する必要があり、常に試行錯誤が求められます。

専門知識を学び続けながら、実践での経験を積む必要があるため、職員には相当な努力が必要です。

4.給料が低い

厚生労働省のデータによると、放課後等デイサービスに勤めている方の平均月収は以下のとおりです。

【放課後等デイサービスで働ける職種の平均月収】

職種	常勤	非常勤
児童発達支援管理責任者	27万8,480円	14万85円
児童指導員	24万5,949円	9万2,926円
保育士	22万6,280円	11万1,560円

児童指導員の平均月収は24万5,949円で、児童発達支援管理責任者や保育士なども同様な金額です。

国税庁の調査では、全国の平均給与は460万円と発表されているので、月収にすると約38万円です。

他産業と比較すると約4万円近い差があるため、放課後等デイサービスの給与は低い傾向があります。

5.支援以外の業務に時間を取られる

放課後等デイサービスの仕事は多岐にわたり、具体的には以下のとおりです。

子どもと直接かかわらない仕事の比重が、予想以上に大きいことも職員の負担となっています。

そのため、子どもたちとの直接的な支援に集中したいと考えて入職した職員にとっては、「想像と違う」と感じるでしょう。

また事務作業は勤務時間内に終わらないことが多く、残業になることも少なくありません。

本来の支援業務ではない作業が増えることで、職員のモチベーション低下につながる場合もあります。

【体験談】放課後等デイサービスの仕事が楽しいと感じる瞬間

ここでは、放課後等デイサービスの仕事が楽しいと感じた瞬間の体験談を紹介します。

働いているイメージを明確にしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

子どもたちの成長を実感できる

夏休みの楽しい思い出作りだけではなく、楽しい経験から成長に繋がった瞬間を見ることができました✨😆✨

コラボいなぎ放課後等デイサービス

引用：X

子どもたちの成長を見守れるのは、放課後等デイサービスで働く魅力です。

保護者から「家でも変化が見られる」と報告を受けたときは、プログラムやレクリエーションの効果を実感し、達成感を得られるでしょう。

子どもたちから感謝される

今年も高松市にある児童発達支援・放課後等デイサービス #いろは の子どもたちが手作りのクリスマスリーフをプレゼントしてくれました。みんなありがとう!(^^)!

先生になったら、こんな素敵な気持ちになれる瞬間、楽しい時間がもっとたくさんあるんだろうなぁ(^^♪

引用：X

子どもたちから素直な感謝の言葉をかけられることは、職員にとって励みになります。

とくに気持ちを手紙やプレゼントで表現してもらったときは、指導員をしていてよかったと感じるでしょう。

子どもたちと楽しい時間を共有できる

昨日、以前の勤務先の放課後等デイサービスに遊びに行ったら「先生会いたかったよ❗️」と駆け寄りハグやハイタッチの嵐🥹

私の人生でもう子供を産むことはないけど(今までにも出産経験ないけど)

子供にこんなに楽しい時間をもらえるなんて放デイ勤めなければわからなかった。

嬉しい瞬間でした✨

引用：X

子どもたちと一緒に遊んだり学んだりする時間は、職員にとっても楽しい体験です。

その間に信頼関係まで築けていると、さらに喜びを感じるでしょう。

放課後等デイサービスの仕事内容

放課後等デイサービスの仕事内容は以下のとおりです。

項目	職務内容
個別支援プログラム	・発達状況に応じた個別支援の実施 ・コミュニケーション支援・運動支援 ・集団活動による社会性の発達支援 ・個別支援計画の作成・評価・見直し
創作・レクリエーション活動	・絵画・工作・ゲーム等の創作活動 ・季節の行事・イベントの企画・実施 ・子どもの興味・才能の発見と自信の育成
地域交流の提供	・地域施設・公園への外出支援 ・公共交通機関の利用指導 ・地域イベントへの参加支援 ・他福祉施設との交流活動
保護者対応	・保護者との信頼関係の構築 ・子どもの情報共有・情報交換 ・問題行動への対策相談 ・定期的な面談・報告
学校や自宅への送迎業務	・安全な送迎の実施 ・送迎中のコミュニケーション ・送迎時の保護者との情報交換
事務作業	・個別支援計画の作成 ・日々の記録・報告書作成 ・行政への各種書類提出 ・成長記録の管理・効果測定

放課後等デイサービスの仕事には、直接的な支援から事務作業まで幅広いスキルが求められます。

個別プログラムやレクリエーションでは、コミュニケーション支援や運動支援、集団活動などをします。また地域交流を通して社会参加を促す活動なども実施するので、職員には活動力が必要です。

ただしその一方で、保護者対応や事務作業など内勤的な働き方もするので、職員には観察力やPCスキルなども求められます。

放課後等デイサービスに向いている人の特徴

放課後等デイサービスに向いている人の特徴は以下のとおりです。

• 子どもの成長と向き合いたい人
• 障がいや発達に関心がある人
• 体力がある人
• 忍耐力がる人
• 人生経験が豊富な人
• 寄り添うのが得意な人
• 車の運転が苦ではない人

子どもたちとのかかわりを通じて成長を感じられる人や、困難な状況でも前向きに取り組める方が適しています。

子どもの成長と向き合いたい人

子どもたちの小さな変化や成長を見つけることに喜びを感じられる人は、この仕事に向いているでしょう。

発達障がいのある子どもたちの成長は、一般的な子どもとは異なるペースで進むことが多く、成果が見えにくい場合があります。

しかし、日々のなかで小さな変化を見逃さず、それを喜びと受け取れる人はこの仕事を長く続けられます。

子どもたちの可能性を信じて支援を続けられる情熱がある方は、ぜひ放課後等デイサービスで働いてみてください。

障がいや発達に関心がある人

障がいや発達などを学ぶことに興味を持ち、専門知識を深めたいと考える人は、この仕事で成長できます。

子どもたちを支援する際には、障がいの特性や発達段階についての理解が不可欠です。そのため、心理学や教育学などを学び続ける姿勢が必要です。

専門性を高めることで個別性の高い支援ができ、指導員としての自信とやりがいも増していきます。

興味のある分野を学び続けることは、やりがいや意欲を高くもちながら取り組むことが可能です。

そのため、施設長や管理職などの将来的なキャリアアップにもつながるでしょう。

障がいや発達に関心のある方は、放課後等デイサービスで働くのをおすすめします。

体力がある人

放課後等デイサービスの仕事は体力的な負担が大きいため、健康で体力に自信のある人が向いています。

職員は一日中立ちっぱなしで子どもたちと接しながら、走り回ったり重い荷物を運んだりする必要があります。また、パニックを起こした子どもを安全に支援するためには十分な体力が必要です。

体力があることで、職員自身も疲労を溜めずに働くことができ、子どもたちへの支援の質も上がるでしょう。

そのため、体力に自信のある方には放課後等デイサービスの仕事はおすすめです。

忍耐力がる人

放課後等デイサービスで働く職員には、すぐに結果が見えないなかでも諦めずに支援を続ける忍耐力が必要です。

なぜなら障がいのある子は、健常者の子よりも発達のペースが遅く、成長に時間がかかるからです。

障がいの影響で、パニックや暴力行為が繰り返されることが多いので、職員は何度も同じことを伝える必要があります。

そのため、イライラしたり怒ったりせず、冷静に対応できる精神的な強さや忍耐力が職員には求められます。

人生経験が豊富な人

さまざまな人生経験を積んだ人は、子どもたちや保護者に対して適切なアドバイスができます。

子育て経験があれば、自身が実際にやってよかった叱り方や褒め方などを伝えられます。

ほかの職業経験で得た情報をもとに、レクリエーションのアイデアが生まれ、子どもたちの支援や事業所の運営に役立つこともあるでしょう。

子ども同士のトラブルや職員の意見の違いなど、困難な状況でも冷静に対処でき、職場をよい雰囲気にする存在にもなります。

そのため人生経験が豊富な人は、臨機応変な対応が必要な放課後等デイサービスに向いています。

寄り添うのが得意な人

子どもたちや保護者、同僚とのかかわりが多い放課後等デイサービスでの仕事では、子どもに寄り添える人が向いています。

発達障がいや知的障がいなどの子には、配慮が必要な場合があり、適切な距離感を保たなくてはいけません。

例えば、自由遊びの時間に子ども同士のやり取りで気持ちが乱れてしまう子がいたとします。

そのようなときには質問をたくさんするのではなく、子どもの話に職員が耳を傾け、考えを整理してあげることが大切です。

そのため、対話や傾聴などを通して相手に共感しながらコミュニケーションできる職員が放課後等デイサービスには求められます。

車の運転が苦ではない人

放課後等デイサービスの仕事には送迎業務が含まれているため、運転を苦に感じない方のほうが働きやすいでしょう。

子どもたちの命を預かる責任の重さを理解しつつも、コミュニケーションの場にしながら運転できる人が適しています。

送迎中は、子どもたちがリラックスしていることが多く、自然な会話が生まれやすいです。今、学校で流行っていることや、自分がハマっているものなどを聞く機会にはうってつけの時間です。

運転中でも子どもたちを知る時間に活用できる人は、放課後等デイサービスで楽しく働けます。

放課後等デイサービスに向いていない人の特徴

放課後等デイサービスに向いてない人の特徴は以下のとおりです。

• 子どもが苦手な人
• 体力に自信がない人
• チームプレイが苦手な人
• リスク管理が低い人
• 高い給料を目指している人

放課後等デイサービスで働くのに向いている資質や適性があるため、すべての人に適しているわけではありません。

子どもが苦手な人

子どもと接することに苦手意識をもつ人は、この仕事で大きなストレスを感じる可能性があります。

とくに発達障がいのある子どもたちは、予測困難な行動を取ることが多く、常に注意深く見守る必要があります。

子どもの声や動きに対して過度にストレスを感じる人は、日常業務を遂行するのが困難です。

また、子どもたちとの信頼関係を築くことも難しいので、放課後等デイサービスの仕事には向いていないでしょう。

体力に自信がない人

身体的な負担が大きい放課後等デイサービスの仕事では、基本的な体力が不可欠です。

長時間の立ち仕事や、活発な子どもたちとの活動についていけない人は、業務を全うすることが困難です。

また体力不足により疲労が蓄積すると、集中力も低下して事故やケガのリスクも高まります。

そのため、体力に自信のない人には放課後等デイサービスの仕事はつらく感じる可能性があります。

チームプレイが苦手な人

放課後等デイサービスでは、複数の職員が連携して子どもたちを支援するため、チームワークが欠かせません。

ほかの職員と協力することが苦手な人や、自分の判断だけで行動したがる人は、職場の和を乱す可能性があります。

また情報共有や相談を怠ると、画一的な支援ができず、子どもたちは混乱してしまいます。

放課後等デイサービスで働くうえでは、組織の一員として責任をもって行動する気持ちが必要です。

リスク管理が低い人

子どもたちの安全を守るためには常に危険を予測し、予防策を講じる必要があります。

そのため、安全意識が低くリスク管理ができない人は、重大な事故を引き起こす可能性があります。

子どもたちの行動を予測せず、適切な対応ができない人も同様に危険です。

責任の重さを理解し、常に緊張感をもって業務に取り組めない人は、放課後等デイサービスの仕事に適していません。

高い給料を目指している人

放課後等デイサービスの給与水準は他職種と比較して低めです。

厚生労働省のデータでは、児童指導員の平均月収は24万5,949円です。金融庁の調査によると、他産業の平均月収は約38万円なので、4万円近い差があります。

経済的な理由だけでこの仕事を選んだ場合、給与に対する不満が大きくなり、モチベーションの低下につながります。

昇給や昇進の機会も限られているため、短期間で高収入を得たい人には不向きです。

仕事の意義や喜びよりも収入を重視する人は、別の仕事を検討するのをおすすめします。

よくある質問

放課後等デイサービスに関するよくある質問は以下のとおりです。

• 放課後等デイサービスの仕事で一番大変なことは？
• 放課後等デイサービスの人手不足は深刻？

放課後等デイサービスの仕事で一番大変なことは？

放課後等デイサービスの仕事で一番大変なところは、個別性に合わせた支援を提供することです。

同じ発達障がいでも症状や程度は個人差が大きく、効果的な支援方法を見つけるまでに時間がかかります。

また子どもの成長に合わせて支援内容を調整する必要があり、常に学習と試行錯誤が求められます。

そのため、個別性や変化に対応し続けるのは、放課後等デイサービスで働くうえで大変です。

放課後等デイサービスの人手不足が深刻というのは本当ですか？

放課後等デイサービスが含まれている医療・福祉業界では、慢性的な人手不足が深刻な問題です。

厚生労働省の調査によると、放課後等デイサービスが含まれている医療・福祉分野の離職率は14.6％となっています。他産業全体では15.4％なので医療・福祉分野の離職率は比較的高めです。

しかし、児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等によると、児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所数は10年間で6,889か所増えています。

つまり、放課後等デイサービスの需要はあるものの、職員の確保が追いつかない現状が続いているといえます。

まとめ：放課後等デイサービスの仕事はきついがやりがいのある仕事！よい職場を見つけよう！

放課後等デイサービスの仕事は体力的・精神的な負担が大きく、「きつい」と感じる場面もあります。

離職率が14.6％と比較的高く、困難な側面があることは否定できません。

しかし、子どもたちの成長を間近で見守りながら支援にかかわれるのは、他職種では得られない特別な体験です。

自分の適性を見極め、よい職場環境を選べば、長期的に働けるだけでなく自己成長も実現できるでしょう。

面接時の職場見学や、現場職員との面談を通じて実際の働きやすさを確認し、自分に合った職場を見つけましょう。