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グループホーム管理者は大変?仕事内容や年収などの実情を紹介!
「グループホーム管理者に興味があるけど、具体的にどんな仕事をするのかわからない」といった疑問を抱えていませんか?
グループホーム管理者に関する基本的な情報を知らずに転職活動を進めてしまうと、入職後にミスマッチが発生します。その結果、早期退職につながる可能性があるので、就職・転職活動の前に知っておくことは重要です。
グループホーム管理者の平均年収や大変な部分も解説するので、自分に適しているかを正確に判断できるはずです。
グループホームとは
グループホームとは、認知症高齢者が少人数で共同生活を送る地域密着型サービス施設です。
大規模の施設では1ユニット20名弱ですが、グループホームは最大9名なので「もう一つの家」のような雰囲気を提供している点が特徴です。
例えば、職員と利用者が一緒に料理をしたり、みんなでレクリエーションをしたりなどができます。
グループホームでは、利用者一人ひとりの個性や生活リズムを尊重した、より個別性の高いケアを実現することが可能です。
グループホーム管理者の仕事内容
グループホーム管理者の仕事内容は以下のとおりです。
- 施設の運営管理業務
- 介護職員の採用・労務管理
- 介護サービスの質の管理
- 経営・収支管理
- 法令遵守と行政対応
グループホーム管理者の仕事は、運営から経理など多岐にわたります。どのような仕事なのか知ることで、就職や転職後のミスマッチを防げるでしょう。
施設の運営管理業務
グループホーム管理者の運営管理業務は、施設の運営から長期的な経営方針の策定まで多岐にわたります。
具体的な運営管理は以下のとおりです。
- 入退所管理や設備
- 備品の保守点検
- 各種記録の管理
- 関係機関との連絡調整
例えば、エアコンの故障が発生した際は業者手配から修理完了まで一連の対応を管理します。
このような日々の小さな課題への対応が積み重なることで、安定した施設運営が維持されています。
介護職員の採用・労務管理
グループホーム管理者は、介護職員の採用から労務管理まで人事業務全般を担当します。
また、既存職員のモチベーション維持や技術向上のため、定期的な面談や研修機会の提供も管理者の役割です。
こうした人材マネジメントが施設の運営品質を左右する要因となります。
介護サービスの質の管理
グループホーム管理者は、利用者に提供される介護サービスの質を維持・向上させる責任を負います。介護サービスの質につながる仕事は以下のとおりです。
- ケアプランの内容確認
- 介護記録の点検
- 事故防止対策の実施
- 利用者・家族からの意見聴取
例えば、利用者家族がグループホームで禁止されている食べ物を持ってきたら、それに注意することも管理者の仕事です。
このような継続的な質の改善活動により、利用者の尊厳を保ちながら安心できる生活環境を整えていきます。
経営・収支管理
グループホーム管理者には、施設の経営状況を把握し収支の健全性を保つ責任があります。そのため、介護報酬の算定や請求業務、人件費などの経費管理などがおもな業務です。
例えば月末には、介護報酬の請求額と実際の収入を照合し、差異があれば原因を調査して改善策を検討します。
グループホーム管理者は、このような数字に基づいた経営管理が施設の持続可能な運営を支えていきます。
法令遵守と行政対応
グループホーム管理者は、介護保険法をはじめとした関連法令を遵守し、行政機関との適切な連携を維持する責任があります。
そのため運営基準の遵守状況を確認し、各種書類の作成や提出、実地指導への対応などがおもな業務です。
例えば年1回の実地指導では、人員配置や設備基準、サービス提供記録などあらゆる書類の確認を受けます。書類の不備は、事業所登録の取り消しや法令違反など重大な処分につながります。
そのため、グループホーム管理者は日頃から最新の法改正情報の把握や、整理整頓された記録管理が求められるでしょう。
グループホーム管理者の年収・給料水準
グループホーム管理者の年収や給料水準を紹介します。
- 給与相場と平均月収・年収
- ほかの管理者との比較
- 昇給や賞与の実態
グループホーム管理者のみの年収だけでなく、事業所別でも解説するので希望する職場の年収がわかります。
給与相場と平均月収・年収
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、管理者の平均月収は35万6,570円となっています。年収に換算すると約420万円です。]
【管理者の平均収入】
管理者の月収 | 35万6,570円 |
管理者の年収 | 約420万円 |
グループホーム管理者のみの月収は、36万5,600円となっており、年収に換算すると約430万円とほぼ同じです。
【グループホーム管理者の収入】
グループホーム管理者の月収 | 36万5,600円 |
グループホーム管理者の年収 | 約430万円 |
グループホーム管理者は、管理者全体の平均とほぼ同じ給料が支払われている状況です。
ほかの管理者との比較
グループホーム管理者の給与水準は、ほかの介護施設管理者と比較するとやや低めに設定されています。
グループホーム管理者の月収は36万5,600円ですが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では40万円を超えています。
【他事業所の管理者の給料】
特別養護老人ホーム | 427,140円 |
介護老人保健施設 | 402,080円 |
通所介護事業所 | 338,690円 |
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、利用者数や介護度の重い方が利用されています。そのため収益規模が大きくなるので、グループホーム管理者よりも給料は高めです。
昇給や賞与の実態
介護職員の処遇は毎年改善されており、厚生労働省によると令和6年には平均給与額全体で月額14,000円上がっているようです。そのため、グループホーム管理者も昇給の傾向にあるといえます。
賞与に関しては「令和4年度介護労働実態調査」によると、管理者の賞与は85万2,258円です。現場職員は61万7,452 円となっているので、約20万円以上の差があります。
【グループホーム管理者の昇給や賞与】
平均給与 | 約14,000円上がっている |
賞与 | 85万2,258円 |
昇給や賞与に関しては、グループホーム管理者は比較的高いといえるでしょう。
グループホーム管理者になるための資格要件
グループホーム管理者になるためには、認知症対応型サービス事業者研修の取得と実務経験3年以上を積む必要があります。
グループホームや認知症介護対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護の管理者は、取得が義務付けられています。
所属する事業所のある市町村の担当課や実施機関へ申し込むと受講でき、受講料は2,500〜6,000円程度です。
【グループホーム管理者になるための資格要件】
研修名 | 受講料 | 条件 |
---|---|---|
認知症対応型サービス事業者研修 | 2,500〜6,000円 | 実務経験3年以上 |
申し込み方法は自治体や実施機関ごとに異なりますが、指定された期間内に申込書を郵送または持参するのが一般的です。
ただし、申込者が定員を上回るような場合は、受講できない可能性もあるので注意しましょう。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで、認知症高齢者の介護に携わっていれば問題なくクリアできます。
グループホーム管理者のやりがいと魅力
グループホーム管理者のやりがいと魅力は以下のとおりです。
- 利用者や家族からの感謝
- マネジメント能力の向上
- 施設運営の改善による達成感
- キャリアアップの可能性
社会人としてスキルは上がるので、介護業界でキャリアアップしたい方にはおすすめです。
利用者や家族からの感謝
グループホーム管理者のやりがいは、利用者や家族から直接感謝の言葉をもらえることです。
認知症の方でも管理者の顔を覚えてもらえ、「ありがとう」と声をかけてもらえることがあります。
また、入居時は不安そうだった利用者が数か月後に笑顔で過ごしている姿を見て、家族から「安心して預けられます」と言われることもあります。
管理者の責任を果たし、利用者や家族から感謝されることで、日々の業務の原動力につながっていきます。
マネジメント能力の向上
グループホーム管理者として働くことで、実践的なマネジメント能力が着実に身につきます。なぜなら、人材育成や業務改善、危機管理など多様なスキルを現場で学びながら成長できる環境があるからです。
例えば、新人職員の指導力向上や、施設運営の改善を進めるなかで、問題解決能力を磨くことが可能です
また、限られた予算と人員で最大限の成果を出すため、効率性と創意工夫の両方が求められ、総合的な経営感覚が養われます。
これらの経験は、将来的にほかの管理職への転職や独立開業の際にも活かせる貴重な財産となります。
施設運営の改善による達成感
グループホーム管理者は、自分のアイデアと行動力で施設運営を改善し、その成果を直接実感できる立場にあります。
なぜなら、利用者満足度の向上や職員の働きやすさの改善、経営効率の向上などさまざまな角度から成果を測定するからです。
また研修を充実させることで、職員の介護技術が向上するといった成果も実感できます。このように自分の手腕によって、施設全体が良い方向に変化していくのを体験できることが管理者の魅力です。
キャリアアップの可能性
グループホーム管理者の経験は、介護業界でキャリアアップにつながる貴重なステップになります。
例えば、グループホームの管理者を3年間経験したあと、より年収の高い特別養護老人ホームの施設長に転職することが可能です。
管理者経験を活かして介護コンサルタントや介護事業所の開設など、独立する道も拓けます。
介護業界は慢性的な管理職不足のため、経験豊富な管理者は引く手あまたの状況が続いており、転職市場での価値も高まっています。
グループホーム管理者の大変なこと
グループホーム管理者の大変な部分は以下のとおりです。
- 人間関係やスタッフ管理の困難さ
- 責任の重さとプレッシャー
- 兼務による業務過多
- 離職率の高さと人材確保の難しさ
グループホーム管理者には魅力だけでなく、きつい面もあるので、転職を考えている方はぜひ確認してみてください。
人間関係やスタッフ管理の困難さ
グループホーム管理者が直面する課題の1つが、多様な価値観を持つスタッフとの人間関係の調整です。
年齢や経験、性格が異なる職員をまとめ上げ、チームワークを維持することは想像以上に大変な作業です。
職員同士のプライベートなトラブルが職場に持ち込まれることもあり、業務に支障が出ないよう仲裁に入る必要もあります。
このような人間関係の問題は、日常的に発生するため、管理者は常に気を配りながら職場の雰囲気を保つ努力が求められます。
責任の重さとプレッシャー
グループホーム管理者は、利用者の生命と安全に直接責任を負う立場であり、そのプレッシャーは計り知れません。24時間365日、何かあれば連絡が入る可能性があり、常に緊張状態が続きます。
例えば、夜中に利用者が転倒して救急搬送された場合、病院への付き添いや家族への連絡などに対応する必要があります。
また、職員の判断ミスがあった場合も、最終的な責任は管理者が負うのも管理者です。
グループホーム管理者は、こうした重い責任を背負いながら日々の業務に取り組むため、精神的な負担が大きいでしょう。
兼務による業務過多
グループホーム管理者の多くは、介護業務と兼務しているため、管理業務と現場業務の両立に苦労しています。
日中は利用者のケアに携わりながら、その合間で事務作業や職員指導をこなす多忙な日々が続きます。
人手の少ない現場では、入浴介助をしながら新規入居者の家族からの電話対応をすることもあるでしょう。
このような業務過多の状態が長期間続くことで、体調不良や燃え尽き症候群に陥るリスクもあります。
離職率の高さと人材確保の難しさ
介護業界は職員の離職率が高く、グループホームも例外ではありません。厚生労働省のデータによると、介護離職率は令和元年では15.4%ですが、令和5年では13.1%と低下傾向にあります。
採用活動には多大な労力と費用がかかるだけでなく、慢性的な人手不足により既存職員の負担も増加します。
それがさらなる離職を招き、悪循環に陥るケースもあります。このような人材確保の困難さが、管理者の頭を悩ませる1つの課題です。
グループホーム管理者に向いている人の特徴
グループホーム管理者に向いている人は、コミュニケーション能力と責任感を兼ね備えた人材です。
そのため、認知症の利用者とも根気強く向き合う力や、職員の相談に親身に耳を傾けられる優しさが必要です。
さらに数字に基づいた冷静な判断力と、利用者の最善の利益を最優先に考える倫理観を持ち、リーダーシップのある人が向いています。
利用者と向き合い、チーム全体のモチベーション向上に貢献できる方が、グループホーム管理者に適しているといえます。
グループホームの管理者に昇進・転職する方法
グループホーム管理者に昇進・転職する方法は以下のとおりです。
- 現場から昇格する
- 自身で求人を探す
- 転職エージェントに相談する
グループホーム管理者の魅力や大変さを知ったうえで昇進や転職をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
現場から昇格する
グループホーム管理者への一般的な道筋は、同一施設または同一法人内での現場職員からの昇格です。介護職員として3〜5年程度の経験を積み、リーダー職を経て管理者に抜擢されるパターンが多く見られます。
例えば新卒で介護職員に入職した場合、以下のような流れです。
【現場から管理者になる流れ】
- 2年目:ユニットリーダー
- 4年目:主任
- 6年目:管理者候補
- 7年目:管理者
この方法のメリットは、施設の運営方針や利用者の特性を熟知した状態で管理者になれることです。また既存職員からの信頼関係も築けているため、スムーズに管理業務を開始できます。
ただし、管理者のポストは少ないため、ユニットリーダーや主任を長く勤める可能性があります。家族経営をしているグループホームでは、管理者が家族で固定されている場合もあるので、昇進は難しいでしょう。
自身で求人を探す
管理者経験がある人や、管理者候補で転職を希望する方は、自ら求人情報を収集して応募する方法があります。
他施設で管理者経験がある人の場合、面接では実績や理念、具体的な施設運営の改善案などが問われるでしょう。
未経験者の方は、管理者候補で採用され、OJTで育成する施設もあります。
自主的に求人を探す方法では、複数の選択肢から自分に最適な職場を選べますが、施設の内情がわからず転職するリスクも少なくありません。
転職エージェントに相談する
介護業界専門の転職エージェントを活用すれば、効率的に管理者ポジションを見つけられます。
現在の年収や勤務条件、キャリアプランなどを相談することで、年収アップが期待できる管理者ポジションを紹介してもらえるでしょう。
また、面接対策や履歴書添削などのサポートも受けられるため、転職成功率が高まります。転職エージェントは施設側の詳細な情報も把握しているため、職場環境や経営状況、離職率などの内部情報も事前に確認できます。
このようなサポートにより、ミスマッチのない転職が実現できる可能性が高まるのも転職エージェントの魅力です。
よくある質問
グループホーム管理者に関するよくある質問は以下のとおりです。
- グループホーム管理者になる基準は?
- グループホーム管理者とケアマネジャーは兼務できる?
- グループホーム管理者は何人?
グループホーム管理者になる基準は?
グループホーム管理者になる基準は、認知症対応型サービス事業管理者研修の修了と、実務経験3年以上を積んでいることです。
多くの施設では管理者に3〜5年程度の介護現場経験と、主任やリーダー職の経験を重視する傾向があります。
グループホーム管理者とケアマネジャーは兼務できる?
グループホーム管理者とケアマネジャーの兼務は不可能です。グループホーム管理者が兼務を許されている条件は以下のとおりです。
当該事業所の介護従業者としての職務に従事する場合
同一敷地内や隣接するなど支障のない範囲の他事業所の管理者又は従業者として兼務する場合
厚生労働省の解釈通知では、介護職員か管理者の兼務は認められていますが、ケアマネジャーに関する記載はありませんでした。そのため、グループホーム管理者はケアマネジャーとの兼務は難しいでしょう。
グループホームの管理者は施設で何人必要ですか?
グループホーム管理者は事業所に1人です。
そのため、グループホーム管理者の役職に就ける人員は1人です。
まとめ:グループホーム管理者は魅力的な仕事
グループホーム管理者は、認知症高齢者の生活を支える重要な役割を担う仕事です。管理者になることで、人材育成や業務改善、危機管理など実践的なマネジメント能力が身につきます。
一方で、人間関係の調整やスタッフ管理の困難さ、業務過多などあり、決して楽な仕事ではありません。
グループホーム管理者のメリットやデメリットを知ったうえで挑戦する方には、やりがいを持って働ける環境でしょう。
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