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「認定介護士は意味ない」は本当?資格のメリット・デメリットを徹底解説
「認定介護福祉士を取っても意味がない」「費用や時間がかかるだけで得られるメリットが少ない」と感じる方も多いようです。取得するべきか迷い続けると、貴重な時間やお金を浪費してしまうでしょう。
認定介護福祉士の資格には、単なる手当や優遇措置以上の価値があります。
自分にとって本当に資格取得が必要かどうか判断でき、不安や迷いが軽減されるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。
また、「認定介護福祉士」における取得方法・メリットに関しては下記の記事でもまとめているのでチェックしてみてください!
▶︎「認定介護福祉士」とは?取得方法から資格取得のメリットまで解説
認定介護福祉士が「意味ない」と言われる4つの理由
認定介護福祉士は介護系資格の中で最上位資格となっています。しかし介護士の間では「取得しても意味がない」と言われています。
その理由は以下のとおりです。
- 30万から60万の取得費用がかかる
- 取得までに10年以上かかる
- 取得要件が厳しい
- 資格手当が付与されない
取得費用と取得要件が厳しいのにもかかわらず、資格手当が付与されないのが「意味ない」と言われるポイントです。
ここでは、具体的な金額や取得要件を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
30万から60万の取得費用が掛かる
認定介護福祉士は取得するのに30万〜60万円程度かかる資格です。民間資格なので研修費用は実施団体によって異なりますが、金額は1科目ごとに設定されています。
また、研修を実施している介護福祉士会の会員になると研修費用は大きく変わります。令和6年度(2024年)東京都介護福祉士会認定介護福祉士養成研修開催要綱によると、会員は8,000円、非会員は15,000円です。
【認定介護福祉士の研修費用】
会員:8,000円
非会員:15,000円
※東京都介護福祉士会の場合
カリキュラムはⅠ類とⅡ類含めて22科目あるので、非会員だと約33万円かかります。研修費用が高い団体で非会員だと研修費用はさらに高くなります。
大きな金額を投じて資格を取得する価値を感じられない方は、意味がないと感じるでしょう。
取得までに10年以上かかる
認定介護福祉士を取得するまでには、10年以上近くかかります。
この資格を取るには、介護福祉士を取得しなくてはいけません。未経験・無資格の場合、介護福祉士を取得するまでに介護施設や事業所で3年以上の実務経験が必要です。
さらに介護福祉士に合格後、5年間の実務経験を積まなくては認定介護福祉士を取得できない規定となっています。加えて養成研修が4年におよぶ都道府県もあるので、10年以上かかる場合もあります。
【認定介護福祉士を取得するまでの年数】
介護福祉士を取得するために必要な実務経験年数:3年
介護福祉士合格後の実務経験年数;5年
養成研修の期間:約4年
→合計12年
10年以上かけてまで取得する資格かどうか悩んでしまう方は「意味がない」と考えるでしょう。
取得要件が厳しい
認定介護福祉士の取得要件も厳しいです。資格要件はⅠ類とⅡ類で分かれており、以下のような内容となっています。
【認定介護福祉士養成研修 I類の要件】
- 介護福祉士の資格を有している
- 介護福祉士資格取得後の実務経験が5年以上ある
- 介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴を有している
- 研修実施団体の課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めている(免除される場合もある)
【認定介護福祉士養成研修 Ⅱ類の要件】
- 上記の認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了すること
- 介護職の小規模チーム(ユニット等の5〜10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー経験があること
認定介護福祉士になるには実務経験だけでなく、100時間の研修歴やフロアリーダーなどの経験がなくてはいけません。簡単には受験資格を得られない難易度の高い資格です。
資格手当が付与されない
介護系資格には手当が付与される場合がありますが、認定介護福祉士にはありません。
介護職員初任者研修や介護職員実務者研修を取得すると、勤めている職場から10,000〜20,000円の資格手当が付与されます。しかし認定介護福祉士には、そのような優遇措置を準備している施設が少なく、取得しても昇給につながらない可能性が高いです。
長い研修期間や高い研修費用をかけても収入面で得られるリターンが少ないため、「資格取得をしても意味がない」との声が多いのではないでしょうか。
認定介護福祉士を取得する4つのメリット
認定介護福祉士は取得することがデメリットに感じている方もいますが、メリットもあります。具体的には以下のとおりです。
- 専門知識とスキルの向上
- キャリアアップの可能性
- 他職種との連携・協働力の強化
- 地域に介護を広める力
介護士としてスキルアップやキャリアアップしていきたい方にはおすすめの資格です。具体的にどのような能力や職種になれるか解説するので、認定介護士を目指すか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
専門知識とスキルの向上
認定介護福祉士には、介護スキルだけではない力も期待されています。
たとえば、福祉用具の使用方法や障がい者に対する生活支援などがカリキュラムに組み込まれています。そのため高齢者だけでなく、何らかの疾患を抱えた方のケアもできるようになるでしょう。
また、認定介護福祉士の養成研修では、チームマネジメントや組織論の講習を受けられます。職員の人材育成やチーム管理・運用スキルなどを磨けるので、新人や職員に対しての教育や指導、相談に乗る際に応用できます。
認定介護福祉士は利用者だけでなく、職員に対しても専門性のあるスキルを提供したい方にはおすすめの資格です。
キャリアアップの可能性
認定介護福祉士の資格を取得していることで、キャリアアップにつながる可能性が高まるでしょう。
この資格の養成研修では、マネジメント領域に関する研修を受けられます。そのため、認定介護福祉士を取得してから転職活動をすると、現場のマネジメント力や他職種と連携するコミュニケーション力をアピールできます。
管理職の経験がなくても、責任者や施設長候補で入社することが可能です。介護業界でのキャリアパスを描いている方は、ぜひ取得を検討してみてください。
他職種との連携・協働力の強化
他職種と情報を共有できる介護力が身につけられるのも認定介護福祉士の特徴です。養成研修では医療ケアはもちろん、運動学や住環境など、他職種の知識が学べます。
介護は理学療法士や看護師、ケアマネジャー(介護支援専門員)などと連携して利用者をサポートしていく仕事です。そのため介護職は他職種からは根拠や意図を持った発言が求められます。
認定介護福祉士を取得していれば、リハビリや看護など、幅広い知識を手に入れることが可能です。周りの職員と連携したり協働したりすることが可能となり、質の高い介護を提供できるようになります。
地域に介護を広める力
認定介護福祉士は、地域と積極的にかかわるのも役割の1つです。
この資格のカリキュラムには、地域プログラムの企画を立てる講習があります。そのため、利用者家族やボランティアに対して講座を開催するための構想力を養えるでしょう。
また講習を通して、介護経験のない方やこれから家族の介護にかかわる方に、技術や経験を伝えることができます。介護を広く知ってもらうための交流会やイベントなどに取り組みたい方にはおすすめの資格です。
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認定介護士の取得方法
認定介護福祉士の取得方法は以下のとおりです。
- 資格取得の条件を満たす
- 600時間の養成研修を受講する
- 認定・登録手続きをする
認定介護福祉士の資格要件は1類とⅡ類の2つがあり、それぞれの条件が厳しいだけでなく複雑です。そのため正しく理解していないと、受講したくてもできない事態になってしまいます。
スムーズに受講を進めるためにも、事前に認定介護福祉士の取得方法を確認しておくことが重要です。より詳しく知りたい方は、以下の記事からぜひご確認ください。
認定介護福祉士の取得が向いている人の特徴
認定介護福祉士に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 管理職や施設長を目指している人
- 介護の仕事にやりがいを感じている人
- 介護技術だけでなく総合的にケアの質を高めたい人
つまり昇給や待遇改善が目的ではなく、介護に対するやりがいを感じている方に向いている資格です。
認定介護福祉士を取得していても手当は付きません。そのため、資格手当による昇給を目当てにしている方は学習のモチベーションを維持するのが大変です。
しかし、利用者や職員にとって良いサービスを提供したいとの思いがある方にはおすすめです。
認定介護福祉士があれば、主任や管理職、サービス提供責任者など、職員や職場環境をマネジメントする立場になれるでしょう。そのため自身の権限を行使して理想の職場を作ることができます。
また認定介護福祉士の研修では、地域介護に関連する知識を磨けます。施設や事業所だけでなく、地域や他職種などあらゆる分野と協働してサービスを提供したい方にはおすすめの資格です。
認定介護福祉士に関するよくある質問
認定介護福祉士に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 認定介護福祉士の資格取得を支援する制度はありますか?
- 認定介護福祉士の年収はいくらですか?
それぞれ解説します。
認定介護福祉士の資格取得を支援する制度はありますか?
現在、認定介護福祉士の資格取得を支援する国の制度は基本的にありません。この資格の研修費用は高いだけでなく受講期間も長いため、普及していないのが現状です。
しかし、職場によっては資格取得をする際に研修費用を負担してくれる事業所があります。そのような支援制度を導入している事業所であれば、認定介護福祉士を取得する際に活用するのも手段の1つです。
しかし、研修費用を返金するまで勤務を続けることが義務付けられるケースがほとんどです。支援制度を使用する注意点はあるものの、自身の職場に支援金があるかを必ず確認しておきましょう。
認定介護福祉士の年収はいくらですか?
認定介護福祉士の年収を集めた公的なデータはありません。
そのため年収がいくらになるかはわかりませんが、介護福祉士からの年収から推測することは可能です。認定介護福祉士を取得するには、介護福祉士を取得しなくてはいけないからです。
したがって、認定介護福祉士の年収は介護福祉士と比例する可能性があります。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の平均月収は33万1,080円なので、12ヶ月で単純計算をすると年収は397万2,960円です。
【認定介護福祉士の予想年収】
介護福祉士の月収:33万1,080円
33万1,080円×12ヶ月=397万2,960円
認定介護福祉士の予想年収:約400万円
認定介護福祉士の年収はおよそ400万円前後と予想できます。役職手当や夜勤手当、ボーナスなどを含めればさらに高い年収になります。
まとめ:認定介護福祉士を取得する意味はある!
認定介護福祉士の研修費用は高く、取得要件も厳しいです。さらに、研修を終えても特別な手当が付く可能性も低いです。
そのため「時間や費用だけがかかり昇給につながらない」と感じている方にとっては取得する意味を見出せないでしょう。しかし認定介護福祉士の研修では、介護技術だけでなくリハビリや医療の知識を学べます。
また、人的資源を高めるマネジメント方法も知れるので、これからキャリアアップや専門性を高めたい方にとっては意味のある資格です。
「現場を改革したい」「将来的にリーダーシップを発揮して事業所を引っ張っていきたい」と考えている方は、ぜひ認定介護福祉士の取得を検討してみてください。
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