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道具なしで盛り上がる!高齢者向けのレクリエーション12選
高齢者向けのレクリエーションを考えるとき、「どんな活動が盛り上がるだろうか」「道具がなくても楽しめるゲームはあるだろうか」と悩んだことはありませんか?特に、道具を用意する手間がかかったり、参加者の負担になったりするレクリエーションは、実施のハードルが高く感じるものです。
そのままアイデアが見つからないと、マンネリ化した活動になり、利用者の笑顔や積極的な参加が減ってしまうかもしれません。
この記事を読み終えたときには、幅広い年齢層や身体機能に対応できるレクリエーションを提案できるようになり、参加者が笑顔で楽しむ姿を目に浮かべられるようになるでしょう。
なお、「高齢者レクリエーション」について、おすすめのレク・種類などは下のページでまとめているのでチェックしてみてください。
▶︎高齢者向けレクリエーション26選!簡単に盛り上がるアイデア集
高齢者レクリエーションの主な種類

高齢者向けレクリエーションは、身体や心の健康を維持し、日常生活をより充実させるために重要な役割を果たします。活動内容はさまざまですが、主に以下の目的に応じて分類することができます。
運動不足解消や身体機能の維持向上を目的
体を使うレクリエーションは、運動不足を解消し、筋力や柔軟性を保つことを目的とした活動で、多くの介護施設やデイサービスで取り入れられています。例えば、風船バレーや椅子を使った体操がその代表的な例です。
これらの活動は、全身の筋肉を動かすことで、バランス能力の向上や転倒の予防につながります。また、グループで行うため、自然な交流が生まれ、日々の生活に楽しさを提供できる点も魅力です。
具体的には、椅子に座った状態で行うラジオ体操は、体力に応じて動きが調整でき、利用者一人ひとりの負担を軽減します。また、ペットボトルを活用した軽い運動は、腕や肩の筋力を鍛えるのに適しています。
このような企画は、無理のない範囲で体を動かせるため、継続して取り組めるリフレッシュの機会となるでしょう。
体を使うレクリエーションを実施する際には、ケガのリスクを防ぐために、事前に服装や環境を整えることも大切です。
認知機能の維持・向上が目的
頭を使うレクリエーションは、記憶力や判断力、集中力を刺激し、認知機能の改善や維持を目的とした活動です。介護施設やデイサービスでも多く取り入れられており、気軽に楽しめる点が特徴です。
例えば、間違い探しやなぞなぞ、しりとりなどのクイズ形式のゲームは、脳を活性化する効果が期待できます。
特に、テーマに基づいた連想ゲームやことわざ当てクイズは、参加者が互いに意見を交換する機会を提供し、自然なコミュニケーションを促します。認知症予防としては、数字を使った簡単な計算や、過去の出来事を題材とした回想法も効果的です。
また、頭を使うレクリエーションを行う際には、全員が楽しく参加できるよう、難易度の調整が大切です。簡単な問題から始め、徐々に難易度を上げることで、参加者の自信や意欲を高めることができます。
、職員は参加者それぞれの能力や認知症の状態を考慮し、安心して取り組める環境を整えることが求められます。
介護職として働く私が認知症の方と接する際には、相手の世界を否定しないように心がけています。認知症を患っている方は、記憶障害の影響で「財布を盗まれた」や「誰かに襲われる」など事実ではないことを話されることがあるからです。
そのような会話をした際は、介護者から否定したり怒ったりされると、利用者は怒りやストレスを感じます。したがって、認知症の方が事実ではない話をしていても、まずは肯定することを意識しています。
脳と身体の連携を促進が目的
手先を使うレクリエーションは、脳と身体の連携を促進し、器用さや指先の動きの維持を目的とした活動です。介護施設やデイサービスでのレクリエーションとしても人気が高く、高齢者の集中力や創造力を引き出す効果があります。
例えば、折り紙やお手玉を使った活動では、手先の細かな動きを必要とするため、脳への刺激が期待できます。
また、完成品ができた際には達成感を味わうことができ、日々の生活に楽しさをもたらすでしょう。工作や手芸も高齢者にとって取り組みやすく、紙コップや新聞紙を使った創作活動は、簡単に始められる点が魅力です。
さらに、グループで共同制作を行うことで、協調性を育むと同時に、自然なコミュニケーションが生まれるメリットもあります。パズルや積み木を組み合わせる遊びは、手先の運動だけでなく、認知機能の向上や脳トレーニングとしても役立ちます。
また、職員は安全面や環境を整えるとともに、参加者の状態を観察しながら進行することで、安心して活動に参加してもらえる場を作ることが求められます。
脳の活性化や情緒の安定を図る目的
視覚や聴覚を活用するレクリエーションは、脳を活性化させるだけでなく、情緒の安定を図ることも目的としています。
例えば、自然の音や季節の風景をテーマにしたレクリエーションを企画することで、高齢者の生活に彩りを加えられます。
これにより、日常生活に楽しさを取り入れると同時に、感覚器官を刺激できるでしょう。視覚や聴覚を使うレクリエーションを行う際には、参加者の聴力や視力に配慮し、それぞれに合った内容を選ぶことが大切です。
また、視覚を使う場合には、見やすい色や形を工夫することで、参加者が安心して取り組める工夫を加えることが求められます。
道具なしで盛り上がる高齢者向けレクリエーション12選

高齢者向けのレクリエーションは、道具を使わなくても楽しめるものがたくさんあります。ここでは、特に人気があり、簡単に準備ができるゲームや活動を紹介します。
1.お題を当てるゲーム
お題を当てるゲームは、参加者が出題者のヒントをもとにお題を当てるクイズ形式のレクリエーションです。お題は以下のように参加者が馴染みやすいテーマを選ぶとスムーズです。
- 都道府県
- 果物
- 職業など
流れとしてはまず、進行役がテーマを設定します。「果物」や「動物」など、わかりやすいカテゴリがおすすめです。
次に、出題者がそのテーマに沿ったお題を思い浮かべ、特徴を言葉やジェスチャーで表現します。
例えば、果物であれば「赤い色」「秋が旬」といった情報を出し、参加者がその特徴から正解を導きます。
答えが当たれば次の出題者に交代し、ゲームを繰り返していきましょう。お題が難しすぎると参加者が困惑するため、最初は簡単なものから始めることが大切です。
ヒントを出す際は、声を大きく、ゆっくりと話すよう心がけることで、聴力が低下している参加者も楽しめます。また、答える時間を適度に区切ることで、テンポよくゲームを進行できます。
2.せーのゲーム
せーのゲームは、全員で同時に動作や回答を出し、一体感を楽しむシンプルな活動です。動作が揃ったり、予想外の結果が出たりすることで自然と笑いが生まれます。
まず、進行役が「せーの」の掛け声で行うテーマを説明してください。
例えば、「せーの」で出す指の数を全員で揃えるというルールを設定します。
進行役の掛け声に合わせて、全員が一斉に動作を行い、その結果を確認しましょう。全員の動きが揃えば達成感を共有でき、ばらばらでもそれが場を和ませる要素となります。
ルールを簡単にし、参加者が失敗しても笑って楽しめるような雰囲気を作ることが大切です。動作を伴う場合は、参加者が動きやすい服装であることや、十分なスペースを確保していることを確認します。
転倒のリスクがある場合は椅子に座った状態で行うよう工夫することが大切です。
3.数合わせ
数合わせは数字に関連する簡単な遊びで、計算力や瞬時の判断力を活性化する活動です。ルールは、「3の倍数で拍手する」「全員で挙げた指の数を合計する」といった形式です。
進行役がテーマを説明し、参加者全員にルールを理解してもらいます。
例えば、「せーの」で全員が手を挙げ、指の数を合計して最も近い答えを予測した人が勝ちとなります。
ゲームが進むにつれてルールを少しずつ変えることで、参加者が飽きずに楽しめるでしょう。また、計算が苦手な人が負担を感じないよう、進行役が結果を補足して説明することが大切です。
動作を伴う場合は無理のない範囲で行い、座ったままで進行できる内容にアレンジすることで全員が安心して参加できます。
4.伝言ゲーム
伝言ゲームは、参加者が言葉やフレーズを順番に伝え、最後の人が内容を発表するゲームです。元の言葉と異なる内容になる過程が面白く、笑いが生まれます。
最初に進行役がテーマを決め、最初の人に言葉を耳打ちで伝えます。
例えば、「赤い花が咲いています」といった簡単なフレーズがおすすめです。
その後、順番に隣の人へ伝え、最後の人が内容を発表します。結果が大きく異なるほど場が盛り上がるでしょう。
また、聴力に配慮し、短くわかりやすいフレーズを設定することが大切です。隣同士の距離を調整し、声が漏れすぎないよう工夫することで、ゲームがスムーズに進みます。
5.ジェスチャーゲーム
ジェスチャーゲームは、言葉を使わずに身振り手振りだけでお題を伝えるゲームです。お題を表現する人と答える人の協力が必要で、笑いが絶えないアクティビティとして人気があります。
まず、進行役がテーマを設定します。「動物の鳴き声」「職業」「季節の行事」などがわかりやすい例です。出題者はそのお題を声を出さずにジェスチャーだけで表現します。
他の参加者は、出題者の動きを見て答えを予測し、答えを発表します。正解が出れば次の出題者に交代してください。
お題は簡単でわかりやすいものを選び、参加者が戸惑わないよう配慮しましょう。
特に動きが大きい場合は、転倒のリスクを避けるために周囲のスペースを十分に確保します。また、全員が安心して参加できるように、ルールの説明を丁寧に行います。
6.可視当てクイズ
可視当てクイズは、特定の物や場所について視覚的なヒントを出し、それが何であるかを当てるゲームです。記憶力や観察力を刺激するレクリエーションとして人気です。
進行役が特定の物や場所をお題に選びます。
例えば、「果物」なら「赤くて丸い」「甘い味がする」など視覚に訴えるヒントを出してください。
参加者はヒントをもとに答えを考え、発表します。正解が出た場合、参加者全員で拍手をして次のお題に移ります。
ヒントは徐々に具体的にすることで、参加者全員が考える時間を持てるようにしましょう。その際、視覚に配慮し、わかりやすいヒントを提示することが大切です。
間違えた回答も肯定的に受け止め、全員が楽しく参加できる雰囲気を作ります。
7.連想ゲーム
連想ゲームは、特定のテーマに関連する言葉を次々と挙げていくゲームです。記憶力や発想力を養い、自然な会話のきっかけにもなります。
進行役がテーマを決めてください。
例えば「夏」であれば、「海」「スイカ」「花火」といった関連する言葉を挙げていきます。
参加者は、テーマに関連する言葉を順番に発表し、次々に繋げていく流れです。難しいテーマを避け、参加者が身近に感じる内容を選びます。
答える順番をスムーズにするため、進行役がタイミングを見ながら調整すると全員が楽しみやすくなります。
8.しりとり
しりとりは、言葉の最後の文字を使って次の言葉を続けていくゲームです。言葉の選び方や発想を楽しみながら、認知機能の活性化を目指します。
進行役が最初の言葉を出します(例:「りんご」)。
次の人が「ご」から始まる言葉を答え、これを順番に繰り返しましょう。時間制限やテーマを設けると、さらに集中力が求められます。
言葉が出てこない場合でも焦らず進行できるよう、進行役が補助的なヒントを出します。また、難しい言葉を避け、日常的に使う単語を中心に選ぶと良いです。
9.じゃんけん列車
じゃんけん列車は、じゃんけんをしながら列車のように列を作るゲームです。動きが多いため、身体を動かすのが好きな参加者に適しています。
参加者は2人ずつじゃんけんをして、負けた人が勝った人の後ろに繋がります。最終的に全員が1つの列になり、列車が完成したところで終了です。
動き回るスペースを十分に確保し、転倒防止のために靴や床の状態を確認します。
動きにくい参加者には、じゃんけんだけでも楽しめるような代替案を用意することが大切です。
10.私は誰でしょう
私は誰でしょうは、参加者が「自分が何者か」を質問によって推測するゲームです。推理力や会話力を楽しむアクティビティとしておすすめです。
進行役が参加者に「動物」や「職業」などの役割を設定し、その役割を本人には伏せます。他の参加者が「あなたは海に住んでいますか?」などの質問をしてヒントを得ながら正解を導きます。
質問内容を工夫して、全員が回答しやすい雰囲気を作りましょう。参加者が答えを考える時間をしっかりと確保することも大切です。
11.歌って手拍子
歌って手拍子は、懐かしい曲を歌いながら手拍子を加える活動です。音楽を通じて情緒を安定させ、身体をリズミカルに動かす効果があります。
進行役が歌のタイトルを発表し、全員でその曲を歌います。歌いながら一定のリズムで手拍子を加えたり、テンポを変えてみたりして楽しんでもらいましょう。
全員が歌いやすいキーに設定し、声の大きさやリズムを調整します。
聴覚に配慮しながらテンポをゆっくり進めると安心して参加できます。
12.グーチョキパー体操
グーチョキパー体操は、手を使い身体と脳の連携を促進するレクリエーションです。特に認知機能を活性化させる効果があり、全員で簡単に取り組むことができます。
まず、進行役がグーチョキパーを使った動作を指示します。
例えば、「グーを右手、チョキを左手で作ってください」といった複雑な指示を出し、参加者はその通りに動きます。
徐々にテンポを速めていくとさらに楽しくなるでしょう。複雑すぎる指示を避け、最初はゆっくりと動作を確認しながら進めます。
無理なく取り組めるよう、体調に合わせた配慮を欠かさないことが大切です。
【人数別】道具なしで盛り上がる高齢者向けレクリエーション
高齢者施設では、利用者の人数やグループ構成に応じてレクリエーションの内容を工夫する必要があります。人数に左右されないレクリエーションの引き出しを持っておくことで、日々の現場対応がスムーズになり、利用者満足度の向上にもつながります。
少人数で盛り上がるレク
少人数で実施する際におすすめなのが「しりとり連想ゲーム」です。通常のしりとりとは異なり、前の人の言葉から連想される単語を発言していくルールで、正解・不正解がなく、会話のきっかけとしても優秀です。
例えば、「海」と言われたら「魚」「夏」「波」など、自由に発想できます。
連想の理由を軽く説明してもらうと、そこから自然な会話が広がり、参加者同士の関係性も深まります。参加者が2〜3人であっても十分に盛り上がり、知的負荷も軽く、認知機能が低下気味の方でも安心して取り組めるでしょう。
ルールが柔軟で、途中参加や見学からの参加も容易なのもポイントです。進行役が明るい声でテンポよく回すと、笑いが生まれやすくなります。
大人数向けのレク
大人数の場では「じゃんけん列車」がおすすめです。ルールはシンプルで、全員が最初にペアになり、じゃんけんをして勝った人の後ろに負けた人が並びます。
最終的に長い列ができ、勝ち残った一人が先頭になります。道具を一切使わずに全体の一体感を高められ、座ったままでもアレンジ可能な点が魅力です。
特にデイサービスや特養などで10名以上のグループが集まるレクリエーションタイムに最適で、声を出し合いながら笑顔が生まれやすいアクティビティです。注意点としては、列が長くなると後方の人が疎外感を感じやすいため、スタッフが各列に声かけをしながら進行すると一体感が保てます。
勝敗よりも「一緒に盛り上がる」ことを目的に実施しましょう。
個別対応も可能なレク
個別対応に適しているのが「私は誰でしょうゲーム(口頭版)」です。進行役が有名人や動物などの名前を思い浮かべ、ヒントを少しずつ出して、参加者に当ててもらうというシンプルなゲームです。
例えば、「昔の有名な野球選手で、背番号1番といえば?」のように出題すると、昔話にもつながりやすく、自然な会話が生まれます。
認知機能のレベルに応じてヒントの難易度を調整できるため、個々の状態に合わせた対応が可能です。また、1対1のコミュニケーションを促進しながら、相手の表情や反応をじっくり観察できるため、信頼関係づくりにも役立ちます。
スタッフが日常的に取り入れやすく、疲れている日でも軽い頭の体操として実施できます。
【状況別】その場に合った道具なしのレクリエーション
レクリエーションの効果を最大化するには、利用者のコンディションや施設の雰囲気に応じて「その日の状況に合った活動」を選ぶことが重要です。現場で「今日はどんなレクが合うかな?」と迷ったときの参考にしてください。
会話が少ない日にコミュニケーションを引き出す
会話が少ない日や静かな空気が流れているときは、「もしも○○だったら?」ゲームが効果的です。これは想像力を使って答える口頭レクリエーションで「もしも100万円もらったら?」や「もしも動物になれるなら何になりたい?」など、正解のない問いを全員に投げかける形式です。
自由に発言できるので心理的ハードルが低く、普段発言が少ない方でも「それ面白いね!」と話題が広がります。また、答えに対して軽く理由を聞くとより盛り上がり、互いの価値観や好みを知るきっかけにもなります。
認知症の方にも優しい設計で、記憶に依存せず、今この瞬間の気分で楽しめるのが魅力です。
会話の導入に悩んだときに、職員から始めることで自然と会話の流れを作れます。
午後の眠気を吹き飛ばす
昼食後や午後の時間帯はどうしても眠気が出やすいものです。そんなときは、体を軽く動かしながら声を出せる「グーチョキパー体操」がおすすめです。
指や腕を使ってじゃんけんの動きをしながら、リズムに合わせて「グー・チョキ・パー!」と全員で声を出すだけでも、自然に血行が促進され、眠気が和らぎます。さらに「グーは右手、チョキは左手」などのルールを加えると、脳トレ要素も取り入れられ、集中力もアップするでしょう。
立ち上がらなくても椅子に座ったまま行えるため、身体機能に制限のある方でも安心です。テンポを早めすぎず、ゆっくりと明るい掛け声をかけると場の雰囲気も活気づきます。
短時間でも十分な刺激になるため、午後のレクリエーションの導入としても最適です。

静かに過ごしたいとき
参加者の中には「今日は静かに過ごしたい」と感じている方もいます。そんなときにぴったりなのが「連想しりとり」です。通常のしりとりとは異なり、直前の単語から“連想される言葉”をつないでいくゲームです。
例えば、「さくらんぼ」→「春」→「花見」など、自由度が高く、言葉の選び方に個性が出ます。
思考に集中できるため、静かな雰囲気を保ちつつ、脳の活性化にもつながります。また、順番に発言するだけなので、全体のリズムもゆったりとしており、他の利用者の発言をじっくり聞く機会にもなるでしょう。
無理に盛り上げようとせず、静かな一体感を大切に進行するのがポイントです。終わったあとに「さっきの言葉、面白かったね」と振り返る時間を設けると、自然な交流も生まれます。
【機能別】道具なしで鍛える!心と身体に効くレクリエーション
高齢者向けレクリエーションは、「楽しい」だけでなく、心と身体の健康維持に役立つ要素を取り入れることが理想的です。認知症予防や日常機能の維持にも寄与するため、日々のレクにぜひ取り入れてみてください。
手指を活かして脳を活性化
手指を動かすことは、脳の活性化につながるといわれています。そこでおすすめなのが「指折り数えゲーム」です。
しかし、少し工夫を加えて、「奇数のときは手をたたく」「5の倍数では立ち上がるふりをする」といった動作を組み合わせることで、脳と身体を連動させる効果が高まります。慣れてきたらルールを変更することで難易度を調整でき、飽きずに繰り返し行えます。
椅子に座ったままでできるため、身体的な負担が少なく、認知症予防にも有効です。短時間でも集中力を要するため、脳に適度な刺激を与えることができます。
進行役がテンポよく号令を出すことで、参加者の反応速度や注意力の向上も期待できるでしょう。

言葉で笑いを引き出す
言葉を使ったレクリエーションは、場を和ませ、自然な笑いを生み出す効果があります。なかでも「お題しりとり」は非常に盛り上がります。
通常のしりとりにテーマを設けるだけで、想像力や発想力が刺激され、笑いが生まれやすくなるのが特徴です。
例えば、「好きな食べ物」「昔の遊び」などのテーマを設定し、その範囲内でしりとりを行うだけです。
制限があることで回答に工夫が求められ、予想外の答えが飛び出して、参加者全員が笑顔になることも珍しくありません。間違えても誰も責めず、むしろ「その発想が面白いね」と笑いに変えられる雰囲気づくりがポイントです。
話すことが苦手な方にも参加しやすく、場が自然と温まるレクリエーションとして現場でよく使われています。
集中力アップ
集中力を高めたいときに効果的なのが「数字ゲーム(3の倍数を言わないゲーム)」です。
一見簡単そうに思えますが、数字に意識を集中しながら反応する必要があるため、注意力や判断力を要します。テンポよく進めることで適度な緊張感が生まれ、集中力を持続させるトレーニングになります。
間違えても笑って流せるルールにしておくと、誰でも気軽に参加しやすくなるでしょう。バリエーションとして「5の倍数で手を叩く」などのルール追加も可能で、参加者のレベルに応じた調整も容易です。
道具が不要で、静かな室内でも実施しやすいため、日常的な脳トレとして最適なレクの1つです。
高齢者向けの道具なしレクリエーションを実施するポイント

高齢者向けのレクリエーションは、道具を使わない場合でも注意深く計画することで、参加者全員が安全に楽しめるものになります。
ここでは、道具なしレクリエーションを効果的に実施するためのポイントについて解説します。
事故やケガをしないよう配慮する
高齢者向けのレクリエーションでは、安全性を最優先に考えることが不可欠です。活動を計画する際には、参加者が安心して楽しめるよう、転倒やケガのリスクを最小限に抑える工夫が求められます。
例えば、動きの多いレクリエーションでは、椅子やテーブルの配置を工夫して通路を確保し、移動の妨げにならないようにします。
また、室内で実施する際には、床が滑りにくい状態であるかを事前に確認することが大切です。参加者が動きやすい靴や服装で参加できるよう、事前に案内することも安全性を高めるポイントです。
さらに、進行中はスタッフや進行役が常に参加者の様子を見守り、異常があった場合には速やかに対応できる体制を整えてください。参加者の動作が鈍くなったり、体調が悪そうに見えたりした場合には、すぐに声をかけて状況を確認します。
こうした配慮により、高齢者が安心してリフレッシュできる時間を提供することが可能になります。
私自身、高齢者の転倒や事故を防ぐために意識していることは、危険予知と声かけです。事故が発生するリスクのある場所では、事前に声かけを行い、危険があることを伝える必要があります。
例えば入浴場の床は濡れやすく、歩いているときに転倒してしまう可能性が高い場所です。入浴場で介助をする際には「滑りやすくなっているのでゆっくり歩きましょう」や「気をつけてくださいね」など利用者に声をかけるようにしています。
そのためにも介助者は、トイレや食堂など施設内それぞれで危険な場所を把握しておくことも大切です。
参加者それぞれの能力に応じて実施する
レクリエーションを行う際には、参加者の身体的・認知的な能力に応じて内容を調整することが重要です。それぞれの能力に合わせた工夫を加えることで、全員が無理なく楽しむことができます。
例えば、体を使う活動では、立つことが難しい方に対しては椅子に座ったまま参加できる内容を提案しましょう。
簡単な動きや手先を使う運動でも、適切にアレンジすることで十分に体を動かす効果を得られます。また、認知機能を活性化させるゲームでは、難易度を段階的に設定することがポイントです。
最初は簡単な課題から始め、徐々に難易度を上げることで、参加者一人ひとりが自信を持って取り組むことができます。例えば、しりとりや間違い探しでは、ヒントを多く与え慣れてきたら難しい問題に切り替えると、飽きることなく続けられます。
進行役は、参加者の状況や反応を観察し、必要に応じて柔軟に対応しましょう。誰も取り残されることなく、全員が安心して参加できる環境を整えることで、レクリエーションがより充実したものになります。

参加者全員が交流できるよう促す
高齢者向けのレクリエーションは、活動そのものの楽しさだけでなく、参加者同士の交流を深める場としての役割を担っています。交流を促進するためには、全員が自然に会話に参加できる雰囲気を作ることが大切です。
そのため、進行役には参加者の様子を丁寧に観察することが求められます。特に発言しにくそうな方や控えめな性格の方には、積極的に声をかけたり、簡単な役割を持たせたりする工夫が効果的です。
例えば、得点係や司会進行の補助など、無理のない範囲で役割を与えることで、自然と会話に加わるきっかけを提供できます。
私が利用者さんとコミュニケーションを取る際は、話を受け入れるように気をつけています。高齢者とは世代が離れているので、会話をしていると価値観の違いから考えが理解できないこともあるでしょう。
そこで相手を否定したり叱責したりしてしまうと、関係性を悪化させてしまう可能性があります。高齢者とコミュニケーションを取る際は、傾聴し相手の話を受け入れ、意見を述べるのではなく話を聞くコミュニケーションスタイルが大切です。
季節の行事や伝統的な催しに合わせたレクを実施する
季節や行事をテーマにしたレクリエーションは、参加者の興味や関心を引きやすく、高齢者にとって親しみやすい内容となります。
例えば、春には花見をテーマにした連想ゲームを行い、桜や春の行事に関連する言葉を挙げてもらう活動が効果的です。
夏には、七夕にちなんだクイズを実施したり、手作り短冊に願い事を書いて飾ったりすると、季節感と創作を同時に楽しめます。これらの活動は、参加者の生活に季節ごとの新鮮さを加え、イベントとしての特別感を提供するでしょう。
さらに、伝統的な催し物や地域特有の文化を取り入れることで、参加者が自分の経験を共有する場を作れます。
- お正月にはカルタや福笑い
- 秋には収穫祭をイメージしたゲーム
これらを企画すると、思い出話を語り合うきっかけになります。これにより、参加者同士の交流が深まり、楽しい雰囲気が生まれるだけでなく、記憶や感情を刺激する効果も期待できます。
道具なしでも高齢者レクリエーションは盛り上がる!
道具を使わずに楽しむレクリエーションには、高齢者の体調や状況に合わせた配慮が欠かせません。安全を確保しながら、個々の能力や交流を重視した活動を計画することで、誰もが安心して楽しめる場を作ることができます。
また、季節感や伝統を取り入れることで、単なる遊びを超えた意義深い時間を提供することが可能です。道具があってもなくても、高齢者が心から楽しめるレクリエーションをぜひ取り入れてみてください。
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