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介護福祉士登録証に喀痰吸引等を記載する方法

介護福祉士の資格を取得すれば、喀痰吸引等が実施できるようになります。しかし、介護福祉士登録証にこれを記載する方法がわからない方もいるでしょう。

結論から述べますと、介護福祉士として登録後、喀痰吸引等を証に記載することは可能です。

今回では、介護福祉士登録証への記載方法や具体的な申請手順を紹介します。

喀痰吸引等の取得のメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

介護福祉士登録証に喀痰吸引等を記載するには

ここでは介護福祉士登録証に喀痰吸引等を記載する方法を紹介します。

具体的には以下の手順です。

  • 喀痰吸引等研修の実地研修を修了する
  • 必要書類を準備して資格登録をする

ぜひ、参考にしてみてください。

喀痰吸引等研修の実地研修を修了する

介護福祉士登録証に喀痰吸引等の項目を記載するには、実地研修を受ける必要があります。

喀痰吸引等の研修は基本研修と実地研修に分かれており、基本研修の講義と演習は実務者研修に含まれています。そのため、実務者研修を修了している方は、50時間の講義とシミュレーターを使用した演習を受ける必要がありません。
ただし、実地研修は登録研修期間内に修了する必要があります。

実地研修では、看護師の指示のもと、複数回の喀痰吸引や経管栄養を実施します。

対象の項目は以下のとおりです。

【実地研修修了の対象項目】

  • 口腔内の喀痰吸引
  • 鼻腔内の喀痰吸引
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引
  • 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養
  • 経鼻経管栄養

実務者研修の「医療的ケア」で学んだ内容を、実技を通して身につけます。

対象項目を研修機関で規定回数実施し、医師や看護師に技能を認められれば、介護福祉士登録証に喀痰吸引等の項目が記載されます。

必要書類を準備して資格登録をする

実地研修に合格したら、必要書類を用意して資格登録をします。

必要な書類は以下のとおりです。

  • 登録事項変更届出書 (以下の書類のいずれか1通)
    • 戸籍抄本の原本
    • 戸籍の個人事項証明書の原本
    • 本籍を記載した住民票の原本
  • 外国国籍の方
    • 中長期在留者、特別永住者:国籍等を記載した住民票の原本
    • 短期滞在者:パスポートその他の身分を証する書類のコピー
  • 貼付用紙
  • 手数料「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本
  • 登録証の原本

上記の書類と「喀痰吸引等研修修了証明書」または「認定特定行為業務従事者認定証」を提出すれば、喀痰吸引等の項目が記載された新しい登録証が交付されます。

実地研修の申し込みに必要な手続き

ここでは実地研修の申し込みに必要な手続きの流れを紹介します。

具体的には以下のとおりです。

  • 登録研修機関で受講する
  • 研修費用を払う

手続きの流れを知り、スムーズに実地研修を受講しましょう。

登録研修機関で受講する

実地研修を受講するには、喀痰吸引等の研修を実施している登録研修機関で研修を受ける必要があります。

まずは、喀痰吸引等の研修が受けられる登録研修機関を探しましょう。登録研修機関の名簿は、各都道府県のホームページにある福祉関連の項目から確認できます。

勤務先が登録研修機関に該当する方は、そのまま申請手続きを進めることで受講が可能です。

研修費用を支払う

受講する登録研修機関が決定したら、研修費用を支払いましょう。

喀痰吸引等の研修は第1号から第3号までに分かれており、受講する研修によって費用が変動します。

具体的な費用は以下のとおりです。

  • 第1号:80,000~200,000円
  • 第2号:80,000~200,000円
  • 第3号:25,000~60,000円
  • 実地研修のみ:15,000~20,000円

介護福祉士登録証に項目を記載したい方は、介護福祉士の資格を取得しているので、基本研修は既に修了しているはずです。そのため、受講するのは実地研修のみとなります。

喀痰吸引等研修の実地研修の種類

喀痰吸引等の研修は、基本研修と実地研修に分かれています。実務者研修を取得している方は、実地研修のみを受けることとなります。

ここでは、実地研修の種類を紹介します。

  • 1号研修
  • 2号研修
  • 3号研修

これらの研修の違いは、喀痰吸引等を実施する回数や項目にあります。

第1号研修

1号研修では、高齢者や障がいのある方を限定せず、喀痰吸引等を行う知識や経験を身につけることができます。基本研修の講義は50時間ありますが、実務者研修を修了している方は免除されます。

実地研修の内容と喀痰吸引等の実施回数は以下の通りです。

  • 口腔内の喀痰吸引:5回以上
  • 鼻腔内の喀痰吸引:5回以上
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引:5回以上
  • 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養:5回以上
  • 経鼻経管栄養:5回以上
  • 救急蘇生法:1回

患者さんに対して、口腔内の喀痰吸引や経管栄養などを5回以上実施する必要があります。加えて、救急蘇生法の演習を1回受ける必要があります。

第2号研修

2号研修も、高齢者や障がいのある方を対象に限らず、喀痰吸引等を行う知識や経験を身につけることができます。基本研修は実務者研修を修了している方には免除されます。2号研修の内容と喀痰吸引等の実施回数は以下の通りです。

  • 口腔内の喀痰吸引:10回以上
  • 鼻腔内の喀痰吸引:20回以上
  • 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養:20回以上

2号研修は、喀痰吸引等の実施回数が10〜20回以上となり、1号研修よりも多いです。

1号研修で提供される気管カニューレ内部の喀痰吸引と経鼻経管栄養は、2号研修では受けることができません。

第3号研修

3号研修は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィーなどの重度障害を持つ方を対象とした喀痰吸引等の研修です。

3号研修は特定の利用者に限定されており、受講する方は講義と演習の双方を受ける必要があります。

基本研修では、重度障害児・者の地域生活や支援方法、緊急時の対策などの講義を受けることとなります。喀痰吸引等に関する演習の項目は別途示されます。

喀痰吸引等研修を修了するメリット

喀痰吸引等研修を修了するメリットは以下のとおりです。

  • 採用される施設が増える
  • 医療的ケアを身につけられる
  • 昇給につながる

それぞれ具体的に解説します。

採用される施設が増える

喀痰吸引等の研修を取得すれば、医療的ケアが行えるようになります。そのため、活躍の幅が広がり、求人が多い施設での就職のチャンスも増えます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設だけでなく、訪問介護や障がい者施設での勤務も可能になります。

喀痰吸引等を行える人材は少なく、福祉の現場で重宝される人材として認識されています。

実践的な医療的ケアを身につけられる

喀痰吸引等の研修を修了すれば、医療的ケアに関与でき、介護職のスキルアップや質の高いケアの提供が可能となります。この研修は医師や看護師の指導のもと、技術の向上を目指します。

実践レベルのスキルを身につけないと合格は難しいため、研修を通じて高い技能を習得することが期待されます。

病院や訪問介護での勤務を希望する方にとって、喀痰吸引の実施が多くなるため、資格の取得は必須となります。

昇給につながる

喀痰吸引等の研修を取得すると、資格手当が付与され、昇給の可能性が高まります。職場によりますが、10,000円以上の資格手当がもらえるところも存在します。

喀痰吸引等のスキルは、今後の需要が高まることが予想されるため、活躍の場は増えてくるでしょう。現在の職場よりも条件の良い仕事に転職することも視野に入れられます。

喀痰吸引等を行える介護職は数が少ないため、責任あるポジションに就くチャンスや昇給の可能性も高まります。

喀痰吸引等研修のデメリット

喀痰吸引等研修のデメリットは以下のとおりです。

  • 費用がかかる
  • 時間がかかる

それぞれの特徴を紹介します。

費用がかかる

喀痰吸引等の研修を受けるには費用がかかります。実地研修のみでも、10,000〜20,000円近くの費用が発生します。ただし、各自治体には助成金制度を実施している場合がありますので、有効に活用しましょう。

また、所属する法人が喀痰吸引等の研修受講料を負担してくれる制度もあります。「費用が心配」という方は、勤めている職場に相談してみてください。

時間がかかる

喀痰吸引等の研修を修了するには約10日かかります。その間、出勤の必要はありませんが、手続きや実習の振り返りにより忙しくなるでしょう。

ただし、10日間の研修を受けて試験に合格すれば、資格の更新は不要です。

一時的には忙しくなりますが、将来的なキャリアアップや収入増加を考慮すると、研修を受ける価値は高いでしょう。

よくある質問

介護福祉士登録証の喀痰吸引等に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 喀痰吸引等研修の合格基準は?
  • 実務者研修は喀痰吸引等研修の何号にあたる?

記事を読み進めるなかで気になる点がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

喀痰吸引等研修の合格基準は?

喀痰吸引等の研修の合格基準は具体的には発表されていませんが、以下の項目を満たすと合格とされています。

  • 累積成功率7割
  • 最終3回のケアを連続で成功させる

喀痰吸引等を規定回数実施し、医師や看護師が技能を確認した上で認められれば合格となります。

上記の条件を満たすと、喀痰吸引等研修修了証明書や認定特定行為業務従事者認定証を受け取ることができます。

実務者研修は喀痰吸引等研修の何号にあたる?

実務者研修で学ぶ知識や技能は1号・2号にあたります。

登録証に喀痰吸引等研修を記載してキャリアアップを目指しましょう

介護福祉士登録証に喀痰吸引等を記載する方法や、研修の種類を紹介しました。

実地研修に合格し、必要な書類や修了証明書を公益財団法人社会福祉振興センターへ送付すると、介護福祉士登録証に喀痰吸引等の項目が記載されます。

実務者研修で学んだ医療的ケアの知識やスキルが必要ですので、喀痰吸引等の研修を受けたい方は、早めに受講しましょう。

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