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メリット多数!レクリエーション介護士の仕事内容や資格取得方法を解説
近年の介護施設では、高齢者の利用満足度やQOL(Quality of Life)を向上させる取り組みとして、レクリエーションの重要性が増しています。レクリエーションの質を高めることにより、利用者に充実した時間を提供することの大切さを実感している方も多いでしょう。
これからレクリエーション介護士の資格を取得しようと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
レクリエーション介護士とは
介護予防(リハビリテーション)や身体機能の維持・向上に関連する知識や技能、そしてレクリエーションの企画方法を学びます。介護とレクリエーションの意義や役割を理解し、利用者の自立性を高めるレクリエーションの作成を目指します。
レクリエーション介護士の仕事内容
レクリエーション介護士の仕事内容は以下のとおりです。
- レクリエーションの企画・実行
- レクリエーションのフィードバック
レクリエーション介護士の仕事内容を具体的にイメージできます。
レクリエーションの企画・実行
レクリエーションの企画や実行方法を学ぶことができます。
通所介護ではレクリエーションが毎日行われますので、同じテーマになってしまったり新たなアイデアが浮かばなかったりすることがあります。また、レクリエーションに不慣れな介護職員は、人前で何かを行うことに最初は抵抗を感じることでしょう。
レクリエーション介護士の資格を取得すれば、アイデア出しの方法やレクリエーションでの振る舞いについての指導を受けることができます。
レクリエーションの時間を苦痛に感じることなく、利用者と共に楽しむことができるようになります。
レクリエーションのフィードバック
職員が行ったレクリエーションに対してのフィードバックを行います。企画の優れた点や改善が必要だった部分を伝え、次回のレクリエーションに活かします。
フィードバックを実施している介護施設はまだ少ないかもしれません。しかし、どの事業所でも、利用者の満足度を向上させるために、レクリエーションに力を入れたいと考えています。
レクリエーションの指導ができる介護職員は非常に重宝されます。
レクリエーション介護士を取得するメリット
レクリエーション介護士を取得するためのメリットを紹介します。
- レクリエーションのネタが増える
- 施設のレクリエーション向上につながる
- レクリエーションの苦手意識が少なくなる
- 通所介護の転職に活かせる
レクリエーション介護士になるメリットは多くあります。
レクリエーションのネタが増える
レクリエーション介護士の資格を取得すると、企画力が学べるので、レクリエーションのアイデアが増えます。
介護の仕事をしながらレクリエーションのアイデアを考えるのは大変です。しかし、レクリエーション介護士の資格を取得すれば企画方法を学べるため、未経験から介護の仕事を始めても、不安なくレクリエーションを行うことができます。
通所介護への転職を考えている方には特におすすめです。
施設のレクリエーション向上につながる
介護施設のレクリエーションは、毎回同じような内容になりがちで、職員自体が飽きてしまうこともあります。しかし、フィードバックが入ることで適度な緊張感が生まれ、職員一人ひとりが利用者さんの満足度を高めるレクリエーションを心掛けるようになります。
利用者さんから高評価を得ることができれば、施設の質も向上します。ただし、フィードバックが強すぎると、職員がかえってレクリエーションを苦痛に感じる可能性があります。
フィードバックを行う際は、叱るのではなく、ポジティブな面と次回以降の課題を一緒に提示してください。
レクリエーションの苦手意識が少なくなる
レクリエーション介護士の資格を取得すれば、レクリエーションに対する苦手意識を克服できます。
レクリエーションの実践方法やアイスブレイクの方法を学べるので、「どうやって盛り上げればいいかわからない」といった悩みを解消できます。
特に新人の介護職は、人前で何かをすることに抵抗感を感じるかもしれません。しかし、レクリエーション介護士の資格を取得すれば、レクリエーションに対する不安を克服でき、利用者さんの前でも堂々と振る舞うことができます。
通所介護の転職に活かせる
レクリエーション介護士の資格を取得すると、レクリエーションが得意な人材として認識されやすくなります。そのため、通所介護の転職に有利になるでしょう。
事業所も即戦力となる人材を求めているため、資格のアピールは重要です。
未経験から通所介護への転職を考えている方は、ぜひレクリエーション介護士の資格を取得してみてください。
レクリエーション介護士を取得する際の注意点
レクリエーション介護士を取得する際の注意点を紹介します。
- 給料アップにつながりにくい
- 専任のスタッフになれるわけではない
取得後に後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
給料アップにつながりにくい
レクリエーション介護士は民間資格となります。
これは介護福祉士や社会福祉士と異なり、国家資格ではないため、特別な手当がつくわけではありません。したがって、レクリエーション介護士の資格を取得したとしても、直接的な給与の増加にはつながらないでしょう。
この資格はスキルアップを目指す方におすすめです。
専任のスタッフになれるわけではない
レクリエーション介護士の資格を取得したとしても、レクリエーション専任となる可能性は一般的には低いでしょう。
多くの事業所では人手不足が問題となっており、介護職と同じように身体介護や生活支援をしつつ、レクリエーションの担当もする形態が主流となっています。しかし、職員が多い事業所では、レクリエーションの企画や実行を積極的に任せてもらえる可能性もあります。
利用者の方から「あの介護職のレクリエーションが楽しい」と評価されれば、レクリエーション専任のようなポジションに就ける可能性があります。
レクリエーション介護士の取得要件
レクリエーション介護士の取得要件を紹介します。
- レクリエーション介護士2級
- レクリエーション介護士1級
それぞれの取得方法をぜひ確認してください。
レクリエーション介護士2級
具体的な取得期間や方法は以下のとおりです。
【通信の場合】
教材:テキスト+DVD+テスト
(添削課題あり、自宅で受講可能)
学習期間:約3カ月
試験方法:筆記試験(選択式50問で60点以上で合格)+添削課題
料金:38,500円(税込)
※スクールによって異なる
【通学の場合】
教材:テキスト+講習+テスト
総学習時間:12時間
試験方法:筆記試験(選択式50問で60点以上で合格)+添削課題(レクリエーション企画書の提出)
料金:38,500円(税込)
※スクールによって異なる
レクリエーション介護士2級は、通信でも通学でも取得可能です。
レクリエーション介護士1級
具体的な取得方法は以下のとおりです。
【受験要項】
日程:全4日間
受験資格:レクリエーション介護士2級の合格者
受験費用:91,300円(税込)
※テキスト代、実技及び筆記試験手数料込み
レクリエーション介護士1級の試験は実技試験と筆記試験の2つがあります。
【実技試験】
所要時間:10分
合格基準: 100点満点中、60%以上で合格
実技内容:レクリエーション活動計画書に沿って、1時間の介護レクリエーションを組み立てる。そして10分間の実演を行う。
【筆記試験】
所要時間:2時間
試験内容;選択問題/60問 記述式問題/4~6問
小論文:1問(500文字程度)
合格基準:合計120点満点中、正解率60%以上で合格
※試験中にテキスト確認は不可
レクリエーション介護士1級は、実技があるので通学のみの受講です。
レクリエーション介護士の3つの取得方法
レクリエーション介護士には3つの取得方法があります。
- 通信講座を受講する
- スクールに通う
- 団体研修を受ける
自身の選択しやすい方法で取得してみてください。
通信講座を受講する
受講するためには、資格を提供しているスクールから「受講申込書」を取り寄せて申し込みます。申し込みが完了すると、テキストやDVDの教材が自宅に届き、自分のペースで学習することができます。
同封されているテストに合格すれば、レクリエーション介護士2級の資格を無事に取得することができます。
スクールに通う
スクーリングのメリットは、講師から直接指導を受けられることです。レクリエーションの雰囲気や様子を肌で感じることができるので、現場でも再現しやすくなります。
わからない部分についてはすぐに質問できるため、学習をスムーズに進めることができます。
団体研修を受ける
団体研修とは、専任の講師が施設や事業所に出向いて、レクリエーション介護士の指導を行う講座のことを指します。事業所や施設の特徴に合わせたカリキュラムを設定し、利用者の満足度を高めるレクリエーションを提案します。
「社員のレクリエーションに対するモチベーションを上げたい」と考えている事業所もぜひ受けてみてください。
レクリエーション介護士はキャリア形成に役立つ!
ここまで、レクリエーション介護士の仕事内容やメリットについて紹介してきました。
レクリエーション介護士の資格を取得することで、レクリエーションに対する苦手意識やアイデアの枯渇といった問題を解決することが可能となります。そして、利用者の生活の質を向上させるレクリエーションを提供できるようになります。
レクリエーション介護士の資格は比較的取得しやすいもので、スクールや通信講座を受ければ合格できるでしょう。
通所介護にキャリアチェンジを考えている方や、レクリエーションのスキルを高めたい介護職員の方は、ぜひこの資格を取得してみてください。