高齢者でも食べやすくて美味しいおやつとは？おやつの選び方も紹介

高齢者にとっておやつはさまざまな役割があります。しかし高齢者は、飲み込みや噛む能力が衰えているため、おやつ選びは慎重に行わなければいけません。

今回では、高齢者にとってのおやつの意味やいいお菓子の選び方を解説します。

高齢者がおやつを安全に、かつ楽しく食べられるような内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

高齢者にとっておやつな何のためにある？

高齢者にとっておやつは大切です。

理由は以下のとおりです。

• 栄養補給ができる
• 水分摂取できる
• 楽しみの時間になる

それぞれ具体的に解説していきます。

栄養補給

高齢者にとっておやつは栄養補給の役割もあります。

高齢者は加齢により食欲が衰えていることや、顎・内臓など身体機能の低下により、満足な食事摂取ができずに栄養補給ができていない場合があります。

食欲がない方でもおやつであれば、食べてもらえることも珍しくありません。通常の食事より柔らかくて食べやすかったり甘味を好んでいたりする方が多いからです。

高齢者にとっておやつは不足している栄養を摂るための時間でもあるのです。

水分補給

高齢者は1日に2.5リットル以上の水分摂取が必要だといわれています。食事量が減ると、食事に含まれている水分が摂取できなくなってしまいます。

また介護士や家族が水分を促しても、飲んでくれる方はごくわずかです。高齢者は慢性的な水分不足になってしまい、脱水を起こしている方も少なくありません。

つらい状態を自ら発信するのが苦手なため、気づいた頃には脱水による病状が進行していることもあります。好みのおやつを提供したりゼリーのような水分を多く含んでいたりするおやつを提供し水分を補えるようにします。

おやつは栄養補給だけでなく、水分摂取の役割も果たすのでとても重要です！

楽しみの時間

おやつは、食べる喜びを感じる時間でもあります。一人で暮らしている方は、食事を作るのがめんどくさいと感じるようになり、同じような食事を摂っている方がいます。

また外出する機会も減り、外で食事をすることも少なくなります。そのような事態を防ぐために、高齢者にとっておやつは食べることへの興味や楽しみになるように工夫する必要があります。

おやつは高齢者にとって生活の質を高めるためにも重要です！

いつもの食感や見た目の違いを感じてもらい、おやつを楽しんでもらえるようにしましょう。

高齢者にとっていいおやつの選び方

高齢者にとっておやつ選びは重要です。

おやつ選びを間違えてしまうと最悪の場合、大きな事故が起きてしまうケースもあります。しかし安全性を求めすぎて、味が美味しくなかったら意味がありません。

そこで少しでも、安全で美味しいおやつの選び方や食べ方を解説します。

参考にしてみてください。

柔らかい

高齢者でも食べやすいように柔らかいおやつを選びましょう。

高齢者は老化により、噛む力や消化する力が弱くなっていきます。そのため、噛む力に合ったおやつを選びましょう。

もし食べるのに辛そうな印象を受けたのであれば、その場で柔らかくしたり管理栄養士と相談して食形態を変更することも一つの手段です。

柔らかくすると食感がなくなり美味しくなくなりますが、味付けの工夫をしてみたり嗜好に合ったおやつを提供してみたりしましょう。

小分けになっている

高齢者は、嚥下機能が低下しているケースがあります。

嚥下機能とは、食べ物や飲み物を飲み込む力のことです。

嚥下機能が弱まっていると、食事や水分を摂ったときにむせ込んでしまいます。おやつの量が多いと嚥下機能が弱い高齢者には危険なので、なるべく小分けになっているおやつを選びましょう。

量の多いおやつを提供する際は、高齢者の状態に合わせて少しずつ出すように心がけてください！

一口サイズの大きさ

高齢者へのおやつは、一口サイズの大きさがおすすめです。

先ほども解説しましたが、高齢者の多くは加齢により嚥下機能が弱まっていることが多いためです。

大きいサイズの食べ物は、嚥下機能の低下により喉に詰まりやすく最悪の場合は窒息してしまうこともあります。また、唾液量も減っているため、飲み込みに時間がかかります。

一口サイズになっているおやつを選んだり大きいおやつはカットしたりして提供するようにしましょう。

高齢者がもらったら嬉しいオススメのお菓子

施設やデイサービスでおやつを提供すると、高齢者に人気のお菓子があります。

具体的には以下の4つです。

• ヨーグルト
• カステラ
• ケーキ
• おせんべい

どのお菓子も高齢者にとって人気ですが、同時に食べにくさもあります。

そこで安全に美味しく食べられるポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ヨーグルト

ひとつめはヨーグルトです。

味の種類も豊富で比較的食べやすいため、高齢者からも人気です。

ヨーグルトは栄養という観点からも非常に優秀です。栄養は筋肉を作るタンパク質や、骨粗しょう症・骨折の予防になるカルシウムを摂取できます。

医学誌「ブリティッシュメディカルジャーナル」に掲載された研究結果では、ヨーグルトなどに含まれている乳製品を摂取すると骨折が33％減少し、股関節骨折は46％減少するといわれています。

骨折は高齢者の生活の質を落とす原因のひとつなので、長く健康でいてもらうためにもヨーグルトを提供しましょう。

カステラ

 

カステラは高齢者に人気のお菓子で、さらに栄養も豊富です。タンパク質や身体の働きを助ける糖質が摂取できます。ひとつ問題なのが、口の中の水分を奪ってしまい飲み込みづらいということです。

カステラを食べるときのポイントとしては、湿らせて食べるといいでしょう。カステラを湿らせてから食べると、飲み込みやすくなるからです。

紅茶やミルクティーのような甘い飲み物に湿らせると、カステラの味と合って食べやすいでしょう。

嚥下機能が心配な方には少し湿らせてから提供してみてください！

ケーキ

ケーキは高齢者にとって比較的食べやすいお菓子です。食感が柔らかいので、嚥下機能の弱った方でも食べられるでしょう。

栄養価はあまり高くないですが、疾患による糖の制限がない限り食事量の少なくなった高齢者にはほとんど問題ありません。

甘いケーキが苦手な方には、チーズケーキやかぼちゃなどの野菜を加え甘さを抑えたケーキもあります。
カイクマ

タンパク質やカルシウム、食物繊維も摂取できるのでおすすめです！

ケーキは誕生日やイベントごとの際に出すと、特別感があって喜ばれるでしょう。

おせんべい

おせんべいは高齢者にとって、馴染みの深いお菓子なので人気です。塩分が多いので、高血圧の方に出す場合は医療職と相談しておきましょう。また、おせんべいは口の中の水分を奪うお菓子です。

少しでも食べやすいように、小分けの商品を選んだり小さく割ったりして提供しましょう。

食べやすさに配慮しながら美味しいお菓子を提供しましょう

お菓子を食べる時間は栄養補給だけでなく、食事以外の楽しみが得られる時間でもあります。

嚥下機能や消化器機能の低下により、お菓子を提供する際は気をつけなければいけないことがあります。

栄養や食べやすさに配慮しつつも、楽しい時間を過ごしてもらえるような工夫をして、おやつを食べる時間を過ごしてもらえるように心がけていきましょう。