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着脱介助の方法と留意点|片麻痺・寝たきりの方への対応も解説
「麻痺がある場合はどちら側から着せればいい?」「寝たきりの方の服の着せ方を知りたい」と悩んでいる人は多いでしょう。
着脱介助は利用者さんの身体に触れるため、介護経験が浅いと恐怖心が生まれるのは当然です。
実際、間違った方法で介助すると、関節を痛めたりご本人の尊厳を傷つけたりする可能性も少なくありません。
かぶりと前開きの衣類を着脱する方法や、拘縮の方を介助する際のコツも解説しています。
介護する側もされる側も着脱介助が安心・安全なものになるので、最後まで読み進めてみてください。
着脱介助は利用者さんの心身の健康を守るもの
着脱介助とは、高齢者や障がいのある方の着替えを支援する介護技術です。
人によっては加齢や病気により、自身で衣服を着たり脱いだりするのが難しくなるため、介助者がサポートします。
着脱介助は着替えをするだけでなく、利用者さんの心身の健康を守るためにも重要です。
着替えができないことで、皮膚の清潔や生活リズムを保つのが困難になり、褥瘡(床ずれ)・意欲低下を起こす原因につながります。
周囲の利用者さんから匂いを指摘され、コミュニケーションのトラブルになる場合もあるでしょう。
そのため、着脱介助は衣類を着替えさせるだけでなく、利用者さんの心身の健康を維持する介助としても大切です。
着脱介助をする前に気をつけるポイント
着脱介助をする前に気をつける点は以下のとおりです。
- 必ず声かけをする
- 部屋の温度は23〜25度に保つ
- プライバシーに配慮する
- 着やすい衣類を選択する
着脱介助を始める前には、利用者さんが安心して着替えられる環境を整えることが大切です。
介護をする人もスムーズに介助できるので、身体の負担を少なくしてケアができるはずです。
利用者さんへの声かけを必ずする
着脱介助をする前には必ず、「これから洋服を着替えますね」のような声かけをしてください。
声かけをせずに着脱介助を始めると、利用者さんに不安感や恐怖心を与えてしまいます。
その結果、介助に抵抗されてしまい、着替えができなくなる可能性もあります。
そのため介助者は、着脱介助を始める前に必ず声かけをするのが鉄則です。
着替え中も「右腕から袖を通しますね」「背中に衣類を通すので少し体を横に向けますね」と具体的に次の動作を伝えることで、利用者さんに安心感を与えられます。
着脱介助をする際は、声かけを忘れないようにするのがポイントです。
部屋の温度は23〜25度に保つ
着替える利用者さんは肌を露出するので、室温は寒さを感じづらい温度(23〜25度)にしておくことが大切です。
部屋の温度が低いと利用者さんの身体に負担を与えてしまい、最悪の場合ヒートショックを起こしてしまう可能性があります。
ヒートショックとは急激な温度変化により、血圧や脈拍の上下が激しくなり、人体に悪影響をもたらすことです。
めまいや立ちくらみといった意識障害だけでなく、心筋梗塞のような急性疾患を引き起こすリスクが高まります。
部屋との温度差で心臓や血管に大きな負担を与えてしまうので、特に浴室で着脱介助をする際には注意が必要です。
【体験談】
介助時の居室や浴室の室温は23〜25度にしておくのと同時に、上半身にタオルをかけてあげるといった対応をするのもおすすめです。
プライバシーに配慮する
利用者さんのなかには、他人に着替えさせられることに対して羞恥心がある方もいるので、プライバシーの配慮には細心の注意が必要です。
居室や浴室で着替える際はドアを必ず閉め、ほかの人から見えないようにしてください。
カーテン・パーテーションの使用や、バスタオルで身体を覆いながら介助を進め、周囲の視線を遮ることも大切です。
必要以上に肌を露出させないよう、上半身と下半身を同時ではなく、どちらかを先に着替えさせるのも着脱介助のポイントです。
着やすい衣類を選択する
着脱介助時の利用者さんの負担を減らすため、衣類は着やすいものを選ぶのがおすすめです。
寝たきりや片麻痺のある方の場合は、伸縮性のある洋服のほうが着やすいです。
伸びにくい衣類だと腕を通しづらく、特に拘縮(身体のこわばり)が強い方は着脱時に負担を与えてしまいます。
そのため洋服を選ぶ際には、前開きやゆったりとしたデザインの洋服を着させてあげましょう。
利用者さんの自己決定や主体性を尊重するため、ご本人に着たい洋服を選んでもらうことも忘れてはいけません。

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必ず守るべき大原則「着患脱健(ちゃっかんだっけん)」
着脱介助中に意識すべき留意点を4つ紹介します。
- 着患脱健(ちゃっかんだっけん)で介助する
- 動かせる身体機能は積極的に活かす
- 介助する際は身体を下から支える
- 皮膚の状態を観察する
着脱介助を通して自立支援の促進や利用者さんの身体状況をチェックすることは、介護職の大切な仕事です。
着患脱健(ちゃっかんだっけん)で介助する
着患脱健とは、衣類を着るときは患側(麻痺や拘縮があるほう)で着て、脱ぐときは健側(麻痺や拘縮がないほう)から脱がせる着脱介助の方法です。
動かしにくいほうの腕や足を先に通し、脱ぐときは動かしやすいほうを先に抜くことで、安心・安楽に介助ができます。
健側から先に通してしまうと、洋服を最後に通す際、患側を引っ張らなくてはいけなくなり、身体を痛めてしまう可能性があります。
洋服を脱ぐときも患側から抜こうとすると、無理に身体を動かすことになってしまうので危険です。
着患脱健は利用者さんの身体の負担を減らすための原則なので、着脱介助の際は必ず実施してください。
動かせる身体機能は積極的に活かす
利用者さんのできることは自身でやってもらうように促すのも、着脱介助をするうえでは大切です。
なぜなら、利用者さんの自立支援や身体機能の維持につながるからです。
加齢にともない意欲が低下してしまう利用者さんもいますが、「自分でできる」というのは自尊心の向上につながります。
その結果、気持ちが前向きになり、食事や排せつの場面でも、自分でできることは積極的に取り組む心が育まれていくでしょう。
また、ご本人でできることが多いと、介助者の負担軽減にもつながります。
介護をする頻度が減ることでほかの業務ができ、ゆとりをもって仕事ができやすくなります。
腰痛や膝痛を起こす可能性も少なくなるので、利用者さんが1人でできることは自身でおこなってもらうようにサポートするのが重要です。
ただし強要や無理強いをさせるのではなく、できる動作が何かを見極める力も介助者には求められます。
介助する際は身体を下から支える
利用者さんの身体に衣類を通す際、関節をつかんだり引っ張ったりせず、下から支えるのが原則です。
腕や足を握るように介助をすると、利用者さんを怪我させてしまう可能性が高まります。
麻痺をしている腕は健側よりも筋力が低下しがちです。
そのため上着を通す際、腕を引っ張ると脱臼や亜脱臼を引き起こす場合があります。
また利用者さんの腕や足を上から握るように介助すると、指の力で圧迫してしまいます。
その結果、表皮剥離や内出血になる原因につながるので、介助者は手を添えるようにして着脱するように心がけましょう。
皮膚の状態を観察する
着脱介助の際は、利用者さんの全身をチェックできるタイミングでもあります。
新しい内出血はないか、過去の怪我が完治しているかを確認してください。
見たことのない皮膚トラブルがある場合は、看護師に報告し指示や判断を求めます。
高齢になると肌の水分が減り乾燥しやすくなるので、脱衣時に保湿クリームを塗るのも効果的です。
【衣服別】着脱介助の基本手順(座位・立位)
ここでは、衣服別の着脱介助の基本手順を紹介します。
着替えや入浴介助の際の参考にしてみてください。上着(前開き)の着脱手順
前開きの衣類を着脱する方法は以下で説明しています。
【上着(前開き)の着脱手順】
| 着衣介助 | 脱衣介助 |
|---|---|
| ・体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする ・患側の袖をまとめる ・利用者さんに健側の手で袖口をもってもらい、患側の手を通す ・肩より下に袖をもっていく ・健側の脇口と袖口をもち手を入れてもらう ・洋服を両肩にかけて整えてボタンを留める ・洋服を整えて気分や着心地を聞く | ・体調確認後、「今から着替えましょう」と声かけをする ・ボタンを外していく ・両肩を外し肘下まで下げる ・健側の脇口と袖口をもち手を抜いてもらう ・体調確認をする |
手を入れる際には袖口を下に向けておくことで、利用者さんはスムーズに腕を通せます。
また、利用者さんの健側でボタンを留めてもらうのも自立支援につながるので、様子を伺いながら促してください。
上着(かぶり)の着脱手順
Tシャツやセーターなどを着脱する場合の介助方法は以下のとおりです。
▼着衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 患側の袖をまとめる
- 介助者は患側の手をもち、袖を通す
- 健側の手で後ろの襟をもってもらう
- 利用者に前屈みになってもらい頭を入れる
- 脇口と袖口を伸ばして健側に腕を入れてもらう
- 洋服を整えて気分や着心地を聞く
▼脱衣介助
- 体調確認後、「今からトレーナーを脱ぎましょう」と声かけをする
- 健側の手で前側の洋服を上げ、介助者は後ろを上げる
- 脇口と袖口をもち、肘を引いて健側の手を抜いてもらう
- 介助者が後ろの服をまとめ、襟の下に入れトンネルを作る
- 利用者さんに下を向いてもらい洋服を抜く
- 体調を確認する
袖を通す際は介助者と利用者さんが握手をするように手を握ると、洋服をスムーズに着させられます。
洋服を抜く際はご本人の顔に当たらないように気をつけましょう。
ズボン・下着・靴下の着脱手順
ズボンや下着、靴下の着脱手順は以下のとおりです。
▼着衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 縫い目に沿って患側のズボンを小さくまとめる
- 足が通りやすいように裾を輪にする
- 患側のかかとを支え、足を入れる
- 健側も縫い目に沿ってまとめる
- 足が入れやすいように輪にし、本人に入れてもらう
- 膝上あたりまでズボンを上げる
- 立位時の転倒を防ぐため裾を少し折る
- 立ちやすいように健側を前に出してもらう
- おじぎをするように立ち上がってもらう
- 患側を支えながらズボンを上げる
- 患側を保護し、座ってもらう
- 裾を直す
- 洋服を整えて気分や着心地を聞く
▼脱衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 立ち上がりやすいように浅く座ってもらう
- 健側を前に出してもらう
- おじぎをするように立ち上がってもらう
- 体調確認をする
- 自分でできるところまでズボンを下ろしてもらう
- 手すりなどにつかまってもらい、膝下までズボンを下ろす
- 座ってもらい、健側のズボンを輪にする
- 患側は職員が抜き、健側は自身で抜いてもらう
下着類を着脱する際は立ち上がりをサポートするので、立位や座位が不安定な方の介助には注意しましょう。
裾を踏まないよう折ったり、手すりを掴んでいるか確認したりしながら進めてください。
【状況別】寝たきり・ベッド上での着脱介助の手順
寝たきりの方や立ち上がりが困難な方は、ベッド上で横になったまま着脱介助をする場合もあります。
正しい手順で進めないと利用者さんに不快感を与えるだけでなく、介助者の身体にも負担がかかります。
ここでは、前開きとかぶり衣類の方のベッド上での着脱介助を紹介するので、参考にしてみてください。
上着(前開き)の着脱手順(ベッド上)
寝たきりの方で前開き衣類を着脱する際の方法は以下で詳しく説明しています。
▼着衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を脱ぎましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調節する
- チャックやボタンを外す
- 頭を支え洋服を片側へ寄せて肩にゆとりをもたせる
- 肩と手首を抜く
- 肩をもち上げ肘まで洋服を下ろしていく
- 利用者さんに肘を抜いてもらう
▼脱衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を脱ぎましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調節する
- 新しい洋服の袖口をまとめ、抜いてもらった腕に通す
- 肩の位置を合わせていく
- 横に向いてもらい、脱ぐ服を身体の下に押し込む
- 着る洋服はできる限り逆手側に寄せながら押し込む
- 身体を反転させ洋服を下から引き出す
- 引き出した洋服は斜め下へ引っ張りながら広げる
- 脱ぐ洋服を腕から抜き、新しい洋服を通す
- 体調確認をする
洋服は丸めて奥まで押し込むことで、横に一度向いてもらえば反対側に洋服が出てきやすくなります。
洋服の押し込みが足りないと、反対側に洋服が出てこない場合があります。
その結果、何度も体位変換をしてもらわなくてはいけなくなり、利用者さんや介助者が疲れてしまうでしょう。
そのため、洋服を利用者さんの身体の反対側に出す際は、丸めて奥まで押し込むのがコツです。
上着(かぶり)の着脱手順(ベッド上)
寝たきりでかぶる衣類の場合の着脱介助は以下のとおりです。
▼着衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調節する
- 新しい洋服の袖をまとめる
- 洋服の袖先をもちながら服を通す
- 反対側も同様におこなう
- 両肩まで袖を上げ首を通す
- 縫い目をもとに肩の位置を合わせる
- 上・下肢をコンパクトにまとめて、少ない力で側臥位(横向き)になれるようにする
- 体位変換し洋服を整えながら上着を着させていく
- 両腕や両肩のねじれを整えて着心地を聞く
▼脱衣介助
- 「今から洋服を脱ぎましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調節する
- 利用者さんに両手を組んでもらう
- 前側の洋服を上げる
- 片膝を立てて横を向いてもらう
- 背中の上着を上げ、肩を抜いていく
- 健側の肘を曲げてもらい服を抜いてもらう
- 衣類を首の横に寄せ反対側へ手繰る
- 肘を抜いてもらう
- 首を抜く
- 体調確認をする
ベッド上でかぶりの衣類の着させる際は、はじめに患側に手を通し、次に頭、最後に健側の順で進めるのがスムーズです。
利用者さんの腕に服を通すときは、介助者の手は包み込むような形にしておきましょう。
腕をつかんでしまうと、利用者さんの腕に皮下出血を作ってしまう可能性があります。
ズボン・下着の着脱手順(ベッド上)
ベッド上でのズボンや下着の着脱手順は以下のとおりです。
▼着衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調整する
- 患側→健側の順に履かせる
- 下からふくらはぎやかかとを支えて、ズボンを足首の位置まで通す
- 布地を足首~膝にかけてしっかり伸ばしておく
- 膝を曲げてもらい、ズボンを腰まで上げる
- 上・下肢をコンパクトにまとめて、少ない力で側臥位(横向き)になれるようにする
- 何度か左右に体位変換し下着類を上まで上げる
- 着心地を確認する
▼脱衣介助
- 体調確認後、「今から洋服を着ましょう」と声かけをする
- 腰を痛めないようベッドの高さを調整する
- 上・下肢をコンパクトにまとめて、少ない力で側臥位(横向き)になれるようにする
- 最初に軽く健側へ体を傾け、反対側(患側)のズボンを少し下げる
- 次に反対に傾け、健側のズボンを下げる
- ズボンを膝→足首まで下げた後、下からふくらはぎや踵を支えて健側の足から脱がす
- 同様に下から支えながら患側を脱がす
注意点は無理に引き上げたり下ろしたりしないことです。
高齢者の皮膚は薄く傷つきやすいため、ゆっくりと段階的に介助していきましょう。
利用者さんの自立を支援する着脱介助の4つの留意点
利用者さんの着脱介助をする際に留意する点は以下の4つです。
- 残存機能を引き出す(できることはご自身で)
- 介助中の皮膚状態の観察
- 体調・表情の変化を見逃さない
- 無理のない姿勢と安定した支持
着脱介助は自立を促す場であり、身体の確認をする機会でもあることを、介助者は知っておきましょう。
留意点1:残存機能を引き出す(できることはご自身で)
利用者さんが自分でできる動作は、様子を見守りながら本人に任せるのが介護の基本的な考え方です。
残存機能を活かすことは、身体機能の維持だけでなく、自己効力感の向上につながります。
介助者がすべて代わりにおこなってしまうと、身体機能はさらに衰えてしまい、本人の意欲も低下してしまいます。
そのため、介助者は利用者さんが一人でできることはご自身でおこなってもらうよう声かけで促しましょう。
例えば、片麻痺の方には「ボタンを留めていただけますか?」「袖に腕を通せますか?」と伝えて介助に協力してもらいます。
利用者さんに自分らしい生活を提供するためにも、介助者は残存機能を見極め、できることを奪わない介助を心がけることが大切です。
留意点2:介助中の皮膚状態の観察
着脱介助の際は、普段衣服で隠れている部分の皮膚状態を確認できるため、褥瘡や湿疹、傷がないかを観察できる機会です。
特に高齢者は皮膚が薄く乾燥しやすいため、ちょっとした刺激で表皮剥離を起こしている場合も少なくありません。
腕や背中、臀部などの部位に赤みや変色がないか確認しましょう。
肌が乾燥してかゆみを訴える方も多いので、脱衣時や入浴介助のあとに保湿クリームを塗布するのもおすすめです。
留意点3:体調・表情の変化を見逃さない
利用者さんのなかには体調の変化を言葉で訴えられない方も多いため、着脱介助のときにはわずかなサインを読み取りましょう。
衣服の着脱は体力を使う動作であり、心肺機能に負担がかかります。
特に循環器系や呼吸器系に疾患のある方は、介助中に容態が急変するリスクがあります。
介助をする前や介助をしている最中でも「体調はどうですか?」と声かけをすることが重要です。
呼吸が速くなっていたり、顔色が青白くなっていたりする場合は、すぐに介助をやめ、医師や看護師に報告する必要があります。
留意点4:無理のない姿勢と安定した支持
不安定な姿勢での介助は、利用者さんに不安を与え、介助者には身体的負担がかかってしまう可能性があります。
例えば座位(座った状態)で着脱する場合は、ベッドや椅子の高さを調整し、利用者さんの足がしっかり床につく状態にしましょう。
床に足がつかないと、転落するのではないかと利用者さんに恐怖心を与えてしまいます。
身体も安定しないので、立ち上がり時にベッドや椅子から落ちてしまう可能性もあり、介護事故を発生させてしまう可能性もあります。
利用者さんに対して不安や介護事故を起こさないためにも、利用者さんには安定した姿勢を取ってもらうことが大切です。
また職員も、支持基底面や重心を意識したボディメカニクスを取り入れて介助をし、腰痛や膝痛を防ぐ必要があります。
介助者も利用者さんも、安定した姿勢を保ちながら安心して着脱介助をおこなうことが大切です。
着脱介助に関するQ&A
着脱介助に関するよくある質問は以下のとおりです。
- ベッド上での着脱介助で気をつける点はありますか?
- 麻痺が強い利用者の着脱介助のコツはありますか?
ベッド上での着脱介助で気をつける点はありますか?
ベッド上で着脱介助をする際は、転落や転倒に注意する必要があります。
寝ている状態で更衣をするには、利用者さんの身体を横に向けなくてはいけません。
その際ベッドから転落させてしまわないよう、身体がベッド上の端にいきすぎていないか、確認が必要です。
また端座位(座っている状態)で介助する際にも、ベッドに浅く座っていると転落や転倒をさせてしまう可能性があります。
そのためベッド上で更衣をする際には、座る位置を確認してから介助を始めましょう。
麻痺が強い利用者の着脱介助のコツはありますか?
拘縮が強い方でも着脱介助の流れは基本的に同じですが、洋服を通す関節部位を細かく分けておこなうのがポイントです。
麻痺が強い方を介助する際、健常者のように袖をまとめて一度に肩まで衣類を入れるのは不可能です。
無理に関節を引っ張ると脱臼する可能性もあるため、「右手首」「右肘」「右肩」と関節ごとにゆっくり洋服を通していきましょう。
介助が難しい場合は、無理をせず2人介助でおこなうのも1つの手段です。
まとめ: 着脱介助は利用者さんの生活や身体の支援にもつながる
着脱介助は、利用者の尊厳を守りながら日常生活を支える大切な介護技術です。
適切におこなうには、事前の環境整備から介助中の配慮、そして利用者の身体状況に合わせた手順が欠かせません。
特に「着患脱健」の原則や自己決定を活かす姿勢は、介助者として必ず意識する必要があります。
利用者さんの身体的負担を軽減し、介助者も安全な介助を提供するためにも、今回の記事の内容を実践してみてください。
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