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認知症口腔ケアの正しい手順と注意点|拒否されたときの対処法も解説
「食事の途中でむせやすくなった」「口の中に汚れが残っている気がする」
認知症の方を支援する現場では、こんな小さな変化に日々気づくことがあります。実はその裏に、口腔機能の低下や誤嚥性肺炎のリスクが隠れていることも少なくありません。
介護職員やヘルパーにとって、適切な口腔ケアは食事や会話の質を保つだけでなく、生活全体の安心につながる大切なケアです。
認知症における口腔ケアの関係とは?
口腔ケアは高齢者を認知症から守るために必要です。
国立長寿医療研究センターでは、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の発症に関係するという論文を発表しています。
その研究では、アルツハイマー型認知症の患者の脳から歯周病菌が検出されているのです。
つまり虫歯や歯周病などを放置していると、認知症を引き起こす物質が脳に行き渡ってしまう可能性があります。
また咀嚼(そしゃく)力と認知機能も深く結びついていることが、同団体が発表している論文でわかっています。
噛む力が弱いと認知機能が低下し、認知症のリスクを高めてしまうとの調査結果が出ているのです。
そのため、継続的な口腔ケアが高齢者を認知症から守る方法といえます。
認知症高齢者の口腔内にみられる特徴
ここでは、認知症高齢者の口腔内に見られる4つの特徴から、なぜ口腔ケアが必要なのかを解説していきます。
- 自浄作用の低下(唾液分泌量の減少)
- 食べ物や汚れが残りやすい
- 虫歯や歯周病のリスクが増加
- 義歯や治療痕への配慮
認知症の方の口腔内は、健康な方とは異なる特徴があり、特別な配慮が必要です。
高齢者の口腔内環境を悪化させないためにも、参考にしてみてください。
1.自浄作用の低下(唾液分泌量の減少)
高齢になると加齢の加齢の影響により唾液の分泌量が減少する傾向があり、口腔内の自浄作用が低下しやすくなります。
唾液には食べかすを洗い流したり、細菌の増殖を抑制したりする働きがあるので、分泌が減ると口腔内環境が悪化する可能性があります。
また認知症の症状の1つで、物忘れが激しくなるケースがあり、その影響で水分摂取を忘れてしまう方も少なくありません。
その結果、口腔内の細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病に加えて誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
2.食べ物が口に残りやすい
レビー小体型認知症を患うと、パーキンソン症状である手の震えや筋肉のこわばりを発症するケースがあります。
症状が進行すると、嚥下機能の低下や咀嚼力が衰え、食べ物を十分に噛み砕けず、食後も口の中に食べ物が残りやすくなります。
また認知機能の低下により食事中の集中力が保てず、口内の食べ物を忘れてしまうこともあるのです。
このような状態が続くと、細菌が増殖・分解され口臭の原因となる可能性があります。
3.虫歯や歯周病が増える
認知症の方は口腔ケアの自己管理が困難になるため、虫歯や歯周病の進行を見逃しやすくなり、結果として重症化している場合があります。
歯磨きの手順を忘れたり、歯ブラシの使い方がわからなくなったりすることで、歯垢が蓄積しやすくなるのです。
さらに痛みや違和感を適切に伝えられないため、虫歯や歯周病が進行してから発見される場合もあります。
また1人では定期的な歯科受診も困難になるため、早期発見・早期治療の機会を逸してしまい、口腔内の健康状態が悪化していきます。
そのため認知症の方が適切に口腔ケアができているか、介助者が介入する必要があるのです。
4.義歯や治療痕がある
厚生労働省の調査をみると、高齢になるほど義歯やセラミック、インプラントなどを装着している人数が増えていく傾向があります。
年齢 | 義歯やインプラントを装着している人数 |
---|---|
35~39歳 | 5人 |
40~44歳 | 13人 |
45~49歳 | 21人 |
50~54歳 | 48人 |
55~59歳 | 55人 |
60~64歳 | 91人 |
65~69歳 | 118人 |
70~74歳 | 228人 |
75~79歳 | 200人 |
さらに認知症になると、義歯の管理が適切にできなくなり、外し忘れや破損などのトラブルが発生しやすくなります。
義歯や古い治療痕の周囲に汚れが溜まったままになり、不衛生な口腔内になっているケースも少なくありません。
また合わない義歯を使い続けていると、口腔粘膜に傷ができてしまう場合もあります。
そのため介護職が口腔ケアを通じて利用者の口内を確認する必要があります。
認知症高齢者に口腔ケアをおこなうことで得られる5つの効果
認知症高齢者に適切な口腔ケアを続けることで、以下のような効果が期待できます。
- 認知症進行予防への期待
- 虫歯や歯周病の予防
- 誤嚥性肺炎の予防
- 口臭や不快感への軽減
- 味覚や食欲の回復
適切な口腔ケアを実施すると、認知症の方の健康維持だけでなく、生活の質の向上にも大きく貢献します。
ここでは口腔ケアがもたらす5つの効果について、研究結果を交えながら説明していきます。
1.認知症進行予防への期待
口腔ケアによる刺激は脳血流を増加させ、認知機能に関与する可能性があると報告されています。
太成学院大学の研究では、口腔へのブラシ刺激が前頭前野の血流にどのような影響を与えるかを測定しました。
その結果、口蓋をブラッシングした際に前頭前野の血流増加が確認され、脳の活性化に寄与する可能性が示唆されています。
こうした知見から、口腔への適切な刺激は認知症の進行抑制や予防に役立つ可能性があると考えられていますが、まだ研究途上であり、今後のさらなる検証が必要です。
介護現場においては、口腔衛生を維持することに加え、認知症予防の観点からも口腔ケアを行う意義があるといえるでしょう。
2.虫歯や歯周病の予防
定期的な口腔ケアは虫歯や歯周病の発生を大幅に減少させます。
口腔病学会では、定期的な歯科健診と口腔ケアを受けていた45歳以上の成人を対象とした調査を実施し、そこで明確な効果が確認されています。
5年間定期的に歯石除去などを受けた人の歯の喪失数は、平均0.37本だったのに対し、受けなかった人は1.39本という結果だったのです。
このデータから継続的な口腔ケアが歯の喪失を防ぎ、健全性を保つ効果があると考えられます。
厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」によると、喪失歯をもつ割合は年齢を重ねるごとに増えていく傾向があります。
年齢 | 喪失歯をもつ割合 |
---|---|
35~44歳 | 23.6% |
45~54歳 | 40.0% |
55~64歳 | 63.7% |
65~74歳 | 81.5% |
75歳~ | 93.9% |
本データから高齢になると虫歯や歯周病の影響で、歯に詰め物や被せ物をして何かしらの治療をおこなっている状況です。
しかし口腔ケアを継続的に実施していれば、現在の歯の状況を確認できるので、虫歯や歯周病が悪化する前に対処できる可能性があります。
定期的な口腔ケアは虫歯や歯周病の発生を防げると考えられるでしょう。
3.誤嚥性肺炎の予防
口腔ケアは誤嚥性肺炎の発症リスクを大幅に低下させる効果があります。
「口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防効果」を示した日本歯科医師会の奥野らは(Yoneyamaら)が、全国11か所の特別養護老人ホーム入所者366名を対象とした介入研究をしました。
口腔ケアを実施した結果、咽頭に付着する細菌量が減少し、2年の研究期間に発熱や肺炎の発生低下が実証されています。
本研究は1999年に実施されていますが、誤嚥性肺炎の予防に口腔ケアが効果があることは、その後の研究でも支持されています。
つまり口腔内の細菌を減らすことで、誤嚥性肺炎のリスクを軽減できるのです。
認知症高齢者の命を守る取り組みとして、口腔ケアは効果が高いと考えられます。
4.口臭や不快感への軽減
適切な口腔ケアにより口臭が改善されば、周囲との良好なコミュニケーションが保てます。
口臭は口腔内の食べ残しや虫歯、唾液の減少などが多くの原因です。
口腔ケアをし口腔内の細菌や食べ残しを除去することで、悪臭の原因となる口の汚れを減らせます。
また口腔ケアで口の中が刺激されると、一時的に唾液分泌が促され、増えて食べ残しを洗い流してくれます。
口臭の改善は、家族や介護スタッフとの関係性向上につながり、社会的な孤立を防ぐ効果もあるので定期的なケアが欠かせません。
5.味覚や食欲の回復
口腔ケアにより舌の汚れである「舌苔(ぜったい)」が除去され、味覚機能が回復する可能性があります。
舌の表面に付着した汚れや細菌の塊である舌苔は、味を知覚する味蕾(みらい)の機能を妨げる要因となりやすく、味覚を鈍らせます。
そのため定期的に舌を清掃し舌をきれいに保つことで、食べ物の味がわかりやすくなるのです。
味覚の改善は食欲増進につながり、栄養状態の改善や体力維持につながります。
とくに認知症の方にとっては食欲の低下を防ぎ、全身状態を向上させるうえでも口腔ケアは重要です。
認知症の方への口腔ケアの基本手順
認知症高齢者の口腔ケアは以下の手順でするのが正しい流れです。
- 始めの声かけをする
- 必要物品を準備する
- 姿勢を整える
- 口腔内を観察する
- 食べ残しを取り除く
- 歯ブラシやスポンジブラシで清掃する
- うがいをする
- 終わりの声かけで安心感を与える
認知症の方への口腔ケアは、相手の状態や反応を確認しながら、無理のないペースで進めるのがポイントです。
ここでは、実際の介護現場で実践されている8つのステップで解説します。
1.始めの声かけをする
口腔ケアを始める前に、必ず優しく声をかけて相手の意識を向けさせます。
ケアを突然始めると、認知症の方は驚いて拒否反応を示す場合があります。
そのため「今から歯をきれいにしますね」「お口の中をさっぱりさせましょう」など、これからする動作を簡潔に伝えることが大切です。
声かけにより安心感を与え、協力的な姿勢を引き出すことで、スムーズにケアを実施できます。
2.必要物品を準備する
口腔ケアに必要な物品は事前に準備し、手の届く場所に配置しておくのが大切です。
ケアの途中で物品を取りに行くと、認知症の方が不安になったり、集中が途切れたりしてしまう原因となります。
そのため歯ブラシやコップ、ガーゼなどは事前に準備しておくのがおすすめです。
介護度の高い方やうがいを飲み込んでしまう人の場合には、スポンジブラシや洗口剤なども置いておく必要があります。
準備を整えてから始めることで、一連の流れをスムーズに進められ、ケアの質も向上します。
3.姿勢を整える
安全で効果的な口腔ケアのために適切な姿勢を整えます。
座位が可能な方には椅子に深く腰掛けてもらい、やや前傾姿勢を取ってもらいます。
ベッド上でケアをする場合は45〜60度の角度の間で上体を起こし、むせ込みを防ぎましょう。
正しい姿勢は誤嚥リスクを軽減するだけでなく、介助者も作業しやすくなります。
4.口腔内を観察する
口腔ケアを実施する前に、口腔内の状態を観察する必要があります。
出血の有無や食べ物の残り具合、義歯の状態などを奥歯や舌の裏側まで確認します。
このときペンライトを使用すると、口腔内の全体が見やすくなるのでおすすめです。
口腔内の観察により問題を早期発見でき、その日の状態に応じた適切なケア方法を選択できます。
5.食べ残しを取り除く
口腔内にある食べ物の残りはガーゼ、スポンジブラシなどで取り除きましょう。
食べ残しが口腔内にあると、それが気管に入り誤嚥性肺炎の原因につながるので除去することが大切です。
頬の内側や歯と歯茎の境目、舌の上など、食べ物が溜まりやすい部分を重点的に清掃します。
無理に取ろうとすると粘膜を傷つける恐れがあるため、力加減には気をつけながら優しく拭き取ります。
6.歯ブラシやスポンジブラシで清掃する
食べ残しを取り除けたら、歯ブラシを使用して1本1本の歯を丁寧に磨いていきます。
歯のすべての面にブラシを当て、小刻みに動かしながら汚れを落とすのがポイントです。
口の奥まで一気に入れてしまうと、嗚咽してしまうので注意しながら歯磨きをしていきます。
総入れ歯や歯の本数が少ない場合は、スポンジブラシやウェットティッシュなどの口腔ケア用品を活用して清掃します。
力を入れすぎると歯茎を傷つけるため、優しい力で磨くよう心がけましょう。
7.うがいをする
ブラッシング後は、口をすすいで汚れを洗い流します。
コップに少量の水を入れ、うがいをしてもらうように声かけをしましょう。
うがいが困難な場合は、湿らせたガーゼで口腔内を拭き取る方法で代用します。
誤嚥の危険がある方には、少量ずつ水を含んでもらい、ゆっくりと吐き出してもらうよう配慮が必要です。
8.終わりの声かけで安心感を与える
終了の声かけは認知症の方に安心感を与え、口腔ケアへのよいイメージを残す効果があります。
さらに次回のケアへの協力も得やすくなるので、終わりの声かけは大切です。
具体的には「きれいになりましたね」「終わりましたよ」と声をかけるのがおすすめです。
口腔ケアが終了したら使用した物品を片付け、口の周りをタオルで拭いて清潔にします。
認知症高齢者の口腔ケアの際に注意すべきポイント
認知症高齢者の口腔ケアをする際の注意点は以下のとおりです。
- 認知症のタイプに応じてケア方法を使い分ける
- 義歯の取り外しを確認する
- 洗面台には紛らわしい物品を置かない
認知症の方への口腔ケアでは、認知機能の低下による問題に対応しながら、安全にケアを実施することが求められます。
認知症のタイプに応じてケア方法を使い分ける
認知症の症状や進行度に応じて、口腔ケアの方法を柔軟に変更する必要があります。
ここでは、アルツハイマー型認知症と血管性認知症を例に取ります。
認知証の種類 | 特徴 | 口腔ケアのポイント |
---|---|---|
アルツハイマー型認知症 | ・記憶障害 ・実行機能の障害(段取りや計画が立てにくくなる) | 歯磨きの動作を見せながら介助する |
血管性認知症 | 脳卒中・動脈硬化などが原因で運動機能に障害が出やすい | 手を添えたり動作を補助したりなど、運動機能に合わせてサポートする |
口腔ケアは全介助で対応するケースも少なくありません。
認知症の方には画一的な方法ではなく、一人ひとりの状態に合わせた口腔ケアを提供することで、拒否や抵抗を減らせます。
義歯の取り外しを確認する
認知症の方は義歯の管理が困難になるため、介助者が最後に確認する必要があります。
認知症が軽度で自立度が高い方でも、義歯がケースにしまってあるか、指定の場所に置いてあるかをチェックしましょう。
介助者が義歯の着脱をする場合は、慎重におこない、破損や紛失を防ぎます。
とくに部分義歯は無理に外そうとすると金具が歯茎に当たり、口腔内を傷つける可能性があります。
義歯を破損させてしまう恐れもあるため、丁寧に対応することが大切です。
洗面台には紛らわしい物品を置かない
軽度認知症の場合、自身で口腔ケアができる方もいますが、洗面台周辺は整理整頓し、口腔ケア用品以外の物を置かないようにします。
なぜなら、洗剤やハンドソープを歯磨き粉と間違えて使用してしまう利用者もいるからです。
洗面台には基本的に必要物品だけを見やすく配置し、使用後はすぐに片付けます。
または職員が口腔ケアセットを指定の場所から取り出し、歯磨きやうがいなどを利用者に任せるのもおすすめです。
安全な環境を整えることで、事故を未然に防ぎスムーズに口腔ケアができます。
認知症を口腔ケア時によくあるトラブルと対処法
ここでは、現場でよく起こる3つのトラブルとその対処法について解説します。
認知症の方への口腔ケアでは、さまざまなトラブルが起こり得ます。
これらの問題に適切に対処することで、安全で効果的なケアを提供することが可能です。
口腔ケアを拒否する場合の工夫
口腔ケアを拒否する場合には、まず「嫌なことをする人」という認識をもたれないようにかかわりましょう。
認知症が進行すると歯磨きを認知できず、口を開けることに対する恐怖心や不快感などを感じている方がいます。
口腔ケアができないからと焦り、後ろからの急な声かけや、勢いよく近づいてケアを始めようとするのはおすすめしません。
無理強いはせず、ケアの時間帯や介助者を変えるなど、あらゆる方法を試します。
拒否が続く場合は、口腔ウェットティッシュで軽く拭く程度から始め、徐々に慣れてもらうアプローチが効果的です。
うがいを飲み込んでしまう場合
認知症の方はうがいの水を出すとの認識ができず、飲み込んでしまうことがあります。
口腔内の細菌が水と一緒に気管に入り込むことで、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクを高めてしまいます。
そのため「これでブクブクとうがいしてくださいね」と介助者が声をかけることが大切です。
うがいすることを理解してもらったうえでコップを渡し、水の飲み込みを防ぎましょう。
それでも難しい場合は水の量を少なくしたり、ガーゼで口腔内を拭き取る方法に切り替えたりします。
どうしてもうがいが必要な際には、飲み込んでも安全な洗口液を使用し、誤嚥を防ぐために前傾姿勢を保ちながら実施するのもおすすめです。
口に手を入れると噛まれる場合
口腔内に手を入れると噛んでしまう方は、口を開けることに対する羞恥心や口内に痛みを感じている可能性があります。
その結果、反射的に口を閉じてしまう場合があるので、まずは原因を探りそのうえでケアを実施するのがおすすめです。
例えば口を開けることに恥ずかしさや不安感がある方には、優しく声かけをしてから開口を促します。
認知症のある方でも信頼関係ができれば、安心して口を開けてくれることもあるでしょう。
それでも噛んでしまう方には、デンタルブロックと呼ばれる福祉用品を使用し、介助者の手を守ります。
また口腔ケア用スポンジブラシのような噛まれても安全な道具を選び、短時間で効率的にケアを終える工夫も大切です。
介護現場で役立つおすすめの口腔ケアグッズ
以下の表では、介護現場で役立つ口腔ケアグッズと特徴を紹介しています。
用具 | 特徴・利点 | 使用が適している人 |
---|---|---|
スポンジブラシ | ・柔らかい素材で粘膜を傷つけにくい ・使い捨てで衛生的 ・敏感な口内への初期アプローチに有効 | ・歯がない方 ・口を大きく開けられない方 ・口内が敏感な方 |
口腔ウェットティッシュ・ガーゼ | ・指に巻き付けて清掃可能 ・食べ物の残りやすい部分にも対応 ・保湿成分入りならドライマウス改善につながる | ・総入れ歯の方 ・食べかすが歯に残りやすい方 ・ドライマウスの方 |
ガーグルベース | ・うがい後の吐き出し用容器として活用顎を下げてもこぼれにくい設計 ・コップが使えない場合に便利 | ・コップでのうがいが難しい方 ・介助でのうがいが必要な方 |
洗口剤 | ・殺菌効果あり ・ブラッシング後の仕上げに最適 ・アルコールフリータイプは刺激が少なく使いやすい | ・ブラッシング後に清潔を保ちたい方 ・刺激に敏感な方 |
認知症の方への口腔ケアでは専用の道具を使用することで、より安全で効果的なケアが実現できます。
認知症の口腔ケアに関するよくある質問
認知症の口腔ケアに関するよくある質問は以下のとおりです。
- 認知症の方の口腔ケアはどのくらいの頻度が最適ですか?
- 寝たきりの方への口腔ケアはどうすればいいですか?
認知症の方の口腔ケアはどのくらいの頻度が最適ですか?
認知症の方への口腔ケアは、1日3回食後におこなうのが理想的です。
拒否が強い場合や体調により毎回の実施が困難なケースもあるため、最低でも1日1回、就寝前には必ずすることを目標とします。
朝は簡単な清拭にし、昼は軽いブラッシング、夜は丁寧なケアと、メリハリをつけて実施する方法も効果的です。
個々の状態や協力度に応じて頻度を調整し、無理のない範囲で継続することが長期的な口腔健康の維持につながります。
寝たきりの方への口腔ケアはどうすればいいですか?
寝たきりで認知症の方には、誤嚥防止を最優先に考えた口腔ケアを実施します。
ベッドを45〜60度の間で上げ、顔を横に向けて口腔内の水分が自然に流れ出る体位を取ります。
ケアの道具はスポンジブラシや口腔ウェットティッシュを使用し、水分を最小限に抑えながら清掃しましょう。
寝たきりの方には正しい道具とベッドの位置を意識することで、口腔内を清潔に保ちながら誤嚥リスクを最小限に抑えられます。
まとめ:認知症の方への口腔ケアは個別対応が大切
認知症の方への口腔ケアは、単なる清潔保持にとどまらず、全身の健康維持と生活の質向上に直結する大切な介助です。
しかし実施する際には、拒否や噛みつきなどのトラブルが起こる可能性もあるため、認知症の症状や進行度に応じた個別対応が必要です。
様子を伺い、スポンジブラシや口腔ウェットティッシュなど、専用の道具を活用することで、安全で効果的なケアが実現できます。
認知症の方の尊厳を守りながら、無理のない範囲で継続的にかかわり、健康と笑顔を守る口腔ケアを提供しましょう。
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