生活相談員は未経験でも大丈夫？必要資格や無資格から始められる地域を紹介！

「生活相談員の仕事に興味があるけど未経験からでも始められるか知りたい」と悩んでいませんか？

生活相談員の資格要件や必要な実務経験の年数は都道府県ごとに異なります。

そのため転職前に情報収集をしておかないと、時間やお金を無駄にしてしまうでしょう。

そこでこの記事では、生活相談員になるための必要な資格や、未経験からでも始められる地域を解説します。

また、実際に未経験から生活相談員になった方の体験談も紹介します。

最後まで読むと、未経験から生活相談員になる際に必要なポイントが明確になり、具体的な行動プランが見えてくるはずです。

生活相談員は未経験・資格なしでも始められる？

生活相談員は未経験・資格なしでも仕事ができる場合があります。

ここでは、生活相談員が未経験・資格なしでも始められるかを紹介します。

これから生活相談員を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

生活相談員は未経験からでも始められる場合がある

生活相談員は未経験からでも始められる場合があります。

ただし、まったくのゼロからのスタートではかなり難しいでしょう。

未経験というのは生活相談員の経験がないことで、介護の経験は必要です。

介護現場で直接介護や生活支援を経験していれば、生活相談員として働き出すことは可能です。

地域ごとに決められた資格要件を満たす必要がある

生活相談員になるには一定の資格要件が用意されているものの、地域ごとに違いがあります。

自治体によっては介護福祉士が求められる場合もありますし、数年間の実務経験が必要なこともあります。

そのため就職・転職活動を始める前には、お住まいの生活相談員の要件をチェックしておくことが大切です。

自治体の高齢福祉課や福祉総務課に連絡し、自身が住んでいる地域ではどのような資格要件になっているか確認しておきましょう。

生活相談員のおもな仕事内容

• 利用者・家族の相談対応
• 入退所手続き
• 他職種や行政との連絡調整
• 会議への参加
• 事務業務
• 介護業務

生活相談員は利用者の生活全般にわたる相談に応じながら、関係機関との調整役も担います。

利用者・家族の相談対応

生活相談員は、利用者や家族が抱えるさまざまな悩みや不安に対して専門的なアドバイスを提供するのが仕事です。

介護サービスの利用に関する疑問や家族関係の悩み、将来への不安まで幅広い相談に対応します。

例えば認知症の進行に不安を感じる家族に対して、症状の理解を深めるための情報提供や、適切な接し方を伝えます。

相談対応を通じて利用者と家族の心理的負担を軽減し、安心して介護サービスを利用できる環境を作るのが生活相談員の役割です。

入退所手続き

生活相談員は、施設への入所を希望する方々の受入れ調整と各種手続きを担当します。

入所希望者やその家族との面談をおこない、身体状況や生活歴、希望するサービス内容などを詳しく聞き取ります。

また必要書類の確認や契約書の説明、施設見学の案内なども実施し、入所前の不安を解消していくのも大切な仕事です。

入退所手続きは生活相談員の基本的な業務になるので、しっかりと覚えていく必要があります。

他職種や行政との連絡調整

利用者一人ひとりに最適なケアを提供するため、生活相談員は他職種と連携をして仕事をします。

介護職員や看護師、機能訓練指導員など、施設内スタッフとの密な連絡を取っていきます。

定期的なカンファレンスでは、利用者の身体状況や精神状態、家族の意向などの情報を共有することが大切です。

ときにはケアマネジャーとケアプランの見直しや改善点について話し合うこともあります。

生活相談員が他職種と連携することで、統一された方針のもとで質の高いケアを提供できるのです。

会議への参加

生活相談員は委員会やサービス担当者会議に参加し、情報提供と意見交換などをします。

話し合う内容は、例えば排せつ委員会に参加した際には、利用者のおむつ交換の頻度やパット変更などです。

施設利用者の生活状況や身体機能の変化などを詳しく聞き取り、意見も聞きながら最適な支援方法を職員と検討します。

ケアマネジャーが主催するサービス担当者会議では、利用者の状況報告や今後の支援方針を話し合います。

他職種が集まる会議で施設の視点から情報提供し、より適切なケアプランの策定に貢献するのが生活相談員の仕事です。

事務業務

生活相談員は入所契約書や重要事項説明書、アセスメントシートなどの各種書類作成と管理をします。

利用者への質の高いサービス提供と法的要件の遵守に直結するため、書類管理は重要な仕事です。

利用者の基本情報から詳細な生活歴や身体状況、家族構成まで正確に記録し、定期的な更新も実施します。

また行政への報告書類や各種申請書の作成も担当し、施設運営に必要な事務処理をすることもあるでしょう。

介護業務

生活相談員は相談業務に加えて、必要に応じて直接的な介護サービスも提供します。

食事介助や入浴介助、移乗介助などの基本的な介護技術を活用し、利用者の日常生活を支援します。

施設によっては、レクリエーション活動の企画・実施も担当することもあるでしょう。

利用者の状況を正確に把握し、より適切な相談対応をするには、生活相談員も現場での実践経験が欠かせません。

生活相談員に未経験・資格なしからなる方法

未経験・資格なしから生活相談員になる方法は以下のとおりです。

• 現場経験を積んでおく
• 生活相談員を未経験から始められる職場に就職する
• 介護施設で働きながら必要資格を取得する

生活相談員を目指す方にとって、未経験や無資格からのスタートは決して不可能ではありません。

ここでは具体的な方法を解説するので、参考にしてみてください。

現場経験を積んでおく

介護や福祉の現場経験は、生活相談員として働くうえで貴重な財産です。

利用者との直接的なかかわりを通じて、実践的なスキルと知識を身につけられます。

まずはデイサービスや特別養護老人ホームで、身体介護や生活支援にかかわるのがおすすめです。

介護業界は深刻な人材不足なため、現場の介護職であれば未経験者でも採用されやすい傾向があります。

現場で2～3年経験を積むことで、利用者の心理状況や家族とのかかわり方、他職種との連携方法などを学ぶことが可能です。

この実務経験は、生活相談員になる際の土台となり、説得力のある相談支援につながります。

生活相談員を未経験から始められる職場に就職する

一部の介護施設や福祉事業所では、未経験者から生活相談員を始められる職場があります。

このような職場を選ぶことで、働きながらスキルを身につけることが可能です。

未経験者歓迎の求人を出している施設は、研修制度や先輩職員によるOJT制度を充実させている傾向があります。

例えば、入職後3か月間は先輩職員と同行しながら業務を覚える制度や、月1回の勉強会で専門知識を学べる環境が用意されています。

このような環境では、未経験からでも安心して生活相談員のキャリアをスタートでき、段階的に専門性を高めていけるでしょう。

介護施設で働きながら必要資格を取得する

ケアマネジャーや介護福祉士を取得して生活相談員を目指す場合、実務経験が必須なので、働きながら資格を取るのがおすすめです。

まずは現場で経験を積み、ケアマネジャーか介護福祉士を取得後に生活相談員を目指します。

仕事と勉強の両立が大変だと考える方もいますが、多くの介護施設では、職員の資格取得を支援する制度を設けています。

例えば、社会福祉主事の資格取得のための受験料の補助や、試験までのシフト調整などのサポートも受けることが可能です。

また、働きながら学習できる夜間や土日開講のスクール、通信講座などもあります。

介護施設で働きながら必要資格を取得することで、実務経験と知識のある生活相談員にもなれます。

そのため、よりリアルな情報を利用者やその家族に提供できるでしょう。

生活相談員に向いている人

生活相談員に向いている人は以下のとおりです。

• 話が聴ける人
• 共感力がある人
• 物事を論理的に考えられる人
• 調整能力がある人

生活相談員は、利用者や家族の心に寄り添いながら、同時に冷静な判断力で問題解決をする必要があります。

また多くの関係者との連携が欠かせない職種であり、コミュニケーション能力や調整力も必須です。

話が聴ける人

生活相談員には利用者や家族の話を丁寧に聴く傾聴スキルが必要です。

なぜなら、相談者が安心して本音を話せる環境を作ることで、真の問題を把握し適切な支援につなげられるからです。

例えば、認知症の家族を介護する息子が「もう限界です」と訴えた場合があるとします。

その際には、背景にある具体的な困りごとや感情を引き出すための質問を投げかけます。

相手のペースに合わせてゆっくりと話を聴き、途中で遮ることなく最後まで耳を傾けることで、相談者は心の負担を軽減できるでしょう。

共感力がある人

生活相談員には利用者の感情や状況を深く理解し、共感する能力が不可欠です。

相談者が抱える不安や悩みに真摯に向き合うことで、心理的な支援を提供できます。

例えば、施設入所を決断した家族が「親を施設に預けるなんて親不孝だ」と自責の念に駆られているとしましょう。

生活相談員はその気持ちを受け止めながら「お母様のことを一番に考えた結果ですね」と寄り添います。

このような共感的な対応により、家族の心の負担を和らげ、前向きな気持ちで介護に取り組めるよう支援しています。

物事を論理的に考えられる人

生活相談員には表面的な問題だけでなく、その背景にある本質的な課題を見極める分析力が求められます。

根本的な問題解決をおこなうことで、利用者の生活の質を向上させられます。

利用者が「職員の態度が悪い」と訴えた場合、職員への注意だけで終わりにしてはいけません。

コミュニケーションの行き違いや利用者の心理状態、サービス提供方法の見直しなど多角的に分析していきます。

その結果、表面的な対応ではなく抜本的な改善策を見つけ出せるので、生活相談員には論理的仕事が必要です。

調整能力がある人

生活相談員は利用者にとって最適なケアを実現するため、各専門職の特性を活かしながら調整能力を発揮する必要があります。

看護師や介護職員、ケアマネジャーなど異なる専門職の意見を調整し、統合していきます。

例えば、リハビリの進め方について理学療法士と介護職員の意見が分かれることもあるでしょう。

その場合には双方の意見を聞き取り、利用者の状況や希望を踏まえて調整案を提示します。

生活相談員の統合力により、チーム一丸となった質の高いケアを提供できます。

未経験を歓迎している生活相談員の求人

ここでは、未経験でも応募できる生活相談員の求人を施設別に紹介します。

事業所ごとの仕事内容がわかるので、未経験からでも生活相談員がどのような仕事をするかわかります。

デイサービス

デイサービスの生活相談員は、在宅生活を送る利用者の支援やその家族の相談業務が中心です。

日常業務では、新規利用者の受け入れ面談や送迎時の安全確認、家族からの相談対応などをします。

ときには利用者の自宅での様子を家族から聞き取り、デイサービスでのプログラム内容に反映させることもあります。

デイサービスの生活相談員は、利用者の在宅生活と施設利用をつなぐ橋渡し役です。

「求人ボックス」によると、小規模デイサービスに勤める生活相談員の月給は23〜27万円です。

即戦力であれば25万円程度からの給料になりますが、未経験の場合、23万円〜スタートするでしょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームの生活相談員は、入居者の生活全般をサポートする総合的な相談業務を担います。

入居者は長期間にわたって施設で生活するため、継続的かつ包括的な支援が必要です。

そのため、入退去の手続きや家族との連絡調整、医療機関との連携まで幅広く対応します。

また入居者の身体状況や精神状態の変化を常に把握し、必要に応じて関係機関との調整役も務めます。

特別養護老人ホームの生活相談員は、入居者一人ひとりと長期的な関係を築きながら、生活の質向上を目指す業務が中心です。

「求人ボックス」に掲載されていた特別養護老人ホームの月給をみてみると、資格手当と処遇改善手当を含めて19万3300円〜24万400円となっていました。

デイサービスと比べると3万円近く低い傾向があります。

ショートステイ

ショートステイの生活相談員は、短期間の利用者に対して効率的かつ迅速な相談対応を提供するのが仕事です。

利用期間が数日から数週間と限られているため、短時間で利用者のニーズを把握し、適切なサービス調整が求められます。

そのため利用前の事前面談や利用中の状況確認、利用後のフォローアップなどは他事業所よりも慎重におこないます。

とくに在宅復帰に向けた支援計画の立案や、利用者の状態変化に応じた緊急時対応も頻繁に発生するでしょう。

短期集中のかかわりのなかで、利用者の在宅生活の継続を支える調整力と判断力が、ショートステイの生活相談員には必要です。

「求人ボックス」によると、ショートステイの月給は23〜27万円となっています。

金額はデイサービスとほぼ同じですが、現場と兼務すると夜勤手当が付与されます。

そのため、生活相談員をしながら稼ぎたい方にはショートステイはおすすめです。

未経験から生活相談員になった人の体験談

ここでは、未経験から生活相談員になった人の体験談を紹介します。

パート初出勤。基本的に施設しか経験ない→デイサービス、介護職員しかやってない→生活相談員、で初心にかえるどころか完全に未経験よこんなん。覚えることいっぱい……

引用：X

誰かここに生活相談員として働いてる方はいらっしゃらないですか…

高齢者分野は未経験だからめっちゃ不安になってきたよ…

しかも1人だしまたポンコツ発揮するよ

引用：X

介護業界の経験があったとしても、現場と生活相談員の仕事は大きく異なるので、完全に未経験となると不安を感じる方は多いでしょう。

生活相談員の仕事を探す際には、OJTや研修会が充実している施設に転職するのがおすすめです。

よくある質問

生活相談員に関するよくある質問は以下のとおりです。

• 生活相談員の取得難易度はどのくらいですか？
• 生活相談員の離職率はどのくらいですか？

生活相談員の取得難易度はどのくらいですか？

生活相談員の取得難易度は比較的低めです。

生活相談員になるために必要な「社会福祉任用資格」を取るには特別な試験はなく、規定科目を3科目以上履修することで取得できます。

通信講座や夜間講座も用意されており、学習環境も整っています。

生活相談員になるための資格は働きながらでも取りやすいので、取得難易度は低めです。

生活相談員の離職率はどのくらいですか？

「令和6年度介護労働実態調査」によると、生活相談員の離職率は8.7％と低めです。

介護職員の離職率は12.8％なので、ほかの職種と比べても低いのがわかります。

生活相談員の仕事は現場と比べると、入浴介助や排せつ介助などの直接介護をおこなわないため、身体的な負担が少なめです。

また日勤業務となるので、生活リズムが安定しやすく、子育てをしている方やプライベートを優先したい方には働きやすい環境です。

そのため、介護職員と比べると離職率が低いと考えられます。

まとめ：生活相談員は未経験からでも目指せる

生活相談員は未経験・資格なしからでも始められる職業ですが、地域の要件確認と計画的な準備が成功への道筋です。

自治体によって資格要件が異なるため、勤務予定地の規定を事前に調べておくのがおすすめです。

また原則、未経験から生活相談員になる際には、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事などの必要資格を取得しなくてはいけません。

働きながら資格を取得するには、土日開講のスクールや通信講座を活用して合格を目指しましょう。

生活相談員は福祉分野でのキャリア形成の選択肢の1つに検討する価値があります。

未経験から生活相談員を目指す方は、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。