放課後等デイサービスの仕事内容は本当にきつい？役割や体験談を紹介

「放課後等デイサービスの仕事に興味があるけど、具体的にどんなことをするのかわからない」と悩んでいませんか？

実際の仕事内容や必要な資格、職場環境を理解しないまま就職活動を進めてしまうと、入職後にギャップに苦しむ可能性があります。

その結果、早期退職をしてしまい、今後のキャリア形成に悪影響を与えてしまうこともあるでしょう。

そこでこの記事では、放課後等デイサービスの具体的な仕事内容から1日の業務の流れを紹介します。

各職種の役割や必要な資格、現場職員の声を交えながら紹介するので、働く前に放課後等デイサービスの情報が手に入ります。

この記事を読むことで、放課後等デイサービスでの仕事について正確に理解でき、自信をもって就職・転職活動を進められるはずです。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、小学校1年生〜高校3年生までの障がいを抱えている人や発達が遅れている児童が通う場です。

平日は学校終了後、休校日や長期休暇などは朝から通うことができ、サービスを受けることが可能です。

放課後等デイサービスでは、個々のニーズや特性に合わせたレクリエーション、集団行動などのプログラムが用意されています。

例えばADHDを抱えていて集中力を維持するのが困難な子には、職員と一緒に勉強スケジュールを立てるといった対策をします。

集中できるように椅子の配置を変えてレクリエーションをすることもあるでしょう。

このように放課後等デイサービスでは、障がいがある子に対して個別支援を提供し、日常生活を円滑に過ごせるようサポートしていきます。

放課後等デイサービスの仕事内容

放課後等デイサービスの仕事内容は以下のとおりです。

• 児童支援
• 保護者対応
• 学校や自宅への送迎業務
• 事務作業

放課後等デイサービスでの仕事は、多岐の業務から成り立っています。

児童支援

放課後等デイサービスの大きな役割である児童支援は以下の4つを実施します。

• 個別プログラムの提供
• 創作・レクリエーション活動
• 地域交流の提供
• 自由時間の提供

個別プログラムの提供

個別プログラムは、各児童の発達段階や課題に応じて設計された支援活動が中心です。

遊びやコミュニケーションを通して、主体性を尊重するような活動を実施します。

個別プログラムは、指先訓練やボール遊びなど、個人のニーズに合わせた内容が用意されています。

そのため、普段の様子や保護者からの聞き取りをもとに決めていくのが重要です。

個別プログラムは、子どもの可能性を最大限に引き出すための個別化された支援を提供します。

創作・レクリエーション活動

創作・レクリエーションは、子どもたちの創造性や社会性を育みながら学びの場を提供する活動です。

集団での活動を通じて、他者との協調性や自己表現力を身につけていきます。

具体的には、季節の工作や音楽活動、ゲームなどを企画・実施することが多い傾向です。

夏にはうちわ作り、秋には落ち葉を使った作品制作など、季節感を取り入れた活動をし、子どもたちの感性を刺激します。

創作活動では完成した作品を保護者にもち帰ってもらい、家庭でも子どもの成長を実感してもらうことも大きな役割です。

地域交流の提供

地域交流は、子どもたちが社会の一員として成長するための架け橋となる活動です。

施設内だけでなく、地域社会とのつながりをもつことで、将来の社会参加への基盤を築けます。

例えば、近隣の公園でのお散歩や清掃活動、地域のお祭りへの参加などを企画します。

商店街での買い物体験では、店員さんとの挨拶や支払いの練習を通じて、実践的な社会性を身につけることも可能です。

地域交流により、子どもたちは地域の一員としての自信と誇りを育んでいきます。

自由時間の提供

放課後等デイサービスでは、子どもたちが趣味や興味に沿った遊びを見つけることもサポートします。

音楽やスポーツ、読書などの項目のなかから好きな活動をして、さまざまな経験をしてもらいます。

放課後等デイサービスの時間が、楽しかったりリラックスできたりする場所と認識してもらうのが目的です。

活動中や活動後には、実際にやってみた感想をみんなで話し合う時間も用意されています。

そこで協調性やコミュニケーション力も磨いていくのも重要です。

自由時間は、子どもたちの自主性や得意を伸ばす楽しみを知ってもらうためにも大切な支援の1つです。

保護者対応

保護者対応は子どもの成長を支えるために重要です。

なぜなら、保護者は子どもの日常生活での様子や悩みを抱えており、専門的な視点からのアドバイスや情報を求めているからです。

放課後等デイサービスでは、送迎時や定期的な面談などで保護者とコミュニケーションを取ります。

相談内容をもとに連絡帳で共有したり、対処法を提案したりすることもあります。

放課後等デイサービスでは、保護者の精神的な支えとなりながら、家庭での療育環境をサポートをする仕事です。

学校や自宅への送迎業務

学校や自宅への送迎業務は、子どもたちの安全を確保しながら支援の場にもなります。

放課後等デイサービスは、午後からサービス提供をするので、自宅や学校からの送迎は職員がおこないます。

その時間に子どもたちの様子を観察し、必要に応じた声かけや見守りも送迎業務の1つです。

例えば交通ルールの説明や、窓の外の景色を会話のネタにして語彙力を増やす訓練などをします。

目的地に到着したら保護者や先生と情報交換をし、子どもの一日の様子を共有します。

事務作業

事務作業は、施設運営を円滑に進めるための基盤となる業務です。

個別支援計画の作成や日々の記録は、子どもの成長を客観的に評価し、支援の質を向上させるために欠かせません。

そのため、個別支援計画書の作成や保護者への連絡帳の記入、行政への報告書作成などは大切な業務です。

事務作業はパソコンでの入力作業が中心ですが、手書きの場合も多く、丁寧で読みやすい文字で記録することが求められます。

放課後等デイサービスの1日の流れ

放課後等デイサービスの1日は、子どもたちの学校生活や家庭生活のリズムに合わせて構成されています。

平日と休校日では異なるスケジュールとなり、それぞれの時間を活用した支援プログラムが組まれます。

平日のスケジュール例

平日のスケジュールは以下のとおりです。

時間	内容
13：30〜	お迎え
14：30〜	来所手洗い・個別活動
15：00～	おやつ
16：00～	レクリエーション活動個別活動自由遊び
17：30～	お送り

平日のスケジュールは、学校終了後に職員が車で迎えに行き、サービスを提供します。

短時間でも充実した支援を提供できるよう効率的にスケジュールが組まれています。

休校日や長期休暇のスケジュール例

学校の休校日や長期休暇における、放課後等デイサービスのスケジュールは以下で詳しく説明しています。

時間	内容
10：00〜	お迎え
10：30〜	来所手洗い・個別活動
12：00～	昼食（お弁当持参）歯磨き
13：30～	レクリエーション活動個別活動自由遊び
16：00～	お送り

休校日や長期休暇のスケジュールは、1日を通じてさまざまな活動を体験できる充実したプログラムが用意されています。

時間に余裕があるため、普段できない体験活動や外出なども組み込まれることがあります。

【職種別】放課後等デイサービスの役割

ここでは、放課後等デイサービスの職種の役割をそれぞれ紹介します。

具体的には以下の職種です。

• 児童発達支援管理責任者
• 児童指導員
• 保育士
• 理学療法士
• 作業療法士
• 言語聴覚士
• 看護師

放課後等デイサービスでは、多様な専門職が連携して子どもたちの成長を支援しています。

各職種の仕事内容がわかることで、放課後等デイサービスの働き方や仕事をイメージできます。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、施設全体の支援を管理し、個別支援計画の作成を統括する責任者です。

専門的な知識と経験に基づいて、子ども一人ひとりに最適な支援プランを立案し、実施状況を監督する役割を担います。

具体的には、利用開始時のアセスメントや6か月ごとの個別支援計画の見直し、スタッフへの技術指導・助言をおこないます。

保護者との面談では、専門的な視点から子どもの発達状況を説明し、家庭での支援方法をアドバイスするのも仕事です。

また、ほかの関係機関との連携調整も担当し、学校や相談支援事業所との情報共有を通じて、包括的な支援体制を構築します。

児童指導員

児童指導員は、日々の支援活動の中心となって子どもたちと直接かかわる職種です。

子どもたちの日常生活能力の向上や社会性の育成において、最も身近で継続的な支援を提供します。

具体的には、個別プログラムでの学習支援や、集団活動での見守り・声かけをおこないます。

また生活援助が必要な子に対して、食事や排泄などの支援をするのも児童指導員の仕事です。

遊びを通じたコミュニケーション練習では、子どもの興味や関心に合わせて活動を工夫し、自然な形でスキルの習得を促します。

行動上の課題が生じた際には、傾聴や声かけをし、子どもの気持ちを受け止めながら望ましい行動へと導きます。

保育士

保育士は子どもの発達段階に応じた遊びや活動を通じて、総合的な成長を支援する専門職です。

保育の専門知識を活かして、子どもの心身の発達を促進する環境づくりと、活動の企画・実施を担当します。

具体的には、発達段階に適した遊びの提供や生活習慣の指導などをおこないます。

季節の行事やイベントでは、子どもたちが楽しみながら学べる活動を企画し、達成感や自信を育むのも保育士の仕事です。

また、子どもの情緒面での支援にも力を発揮し、不安や困りごとを抱える子どもに寄り添い、安心できる環境を提供します。

保護者に対しては、日常的な悩みに対するアドバイスをすることもあります。

理学療法士

理学療法士は、身体機能の改善と日常動作の向上を目指した専門的なリハビリテーションを提供する仕事です。

運動が苦手な子や手先の動きが不器用な児童に対して、運動療育をすることがこの仕事の役割です。

具体的には手先を動かす筋力トレーニングや、体幹を鍛える運動を提供します。

日常生活動作の練習では、階段の昇降や自転車の乗り方など、実際の生活場面で必要な動作を反復練習します。

補装具が必要な子には器具の使用方法を伝え、子どもがより自立した生活を送れるよう支援するのも理学療法士の役目です。

作業療法士

作業療法士は、日常生活動作の習得と認知機能の向上を目指した支援を提供するリハビリ職です。

作業療法士の役割は、日常生活がスムーズにおこなえるように支援することです。

そのため、食事やトイレ、お風呂の動作トレーニングなどを実施します。

学習法は課題の難易度を段階的に設定し、成功体験を積み重ねることで自信を育むのが基本的な方法です。

放課後等デイサービスでは、日常生活動作のプログラムが組み込まれているので、作業療法士の活躍の場は多いでしょう。

言語聴覚士

言語聴覚士は、コミュニケーション能力の向上と言語発達の促進をするリハビリ職です。

言葉の遅れや発音の課題、コミュニケーションの困難さを抱える子どもに対して、専門的な知識と技術を用いた支援を提供します。

そのため、発語が難しかったり飲み込みがスムーズにいかなかったりする子がいる事業所で言語聴覚士は活躍しやすいです。

支援対象者は、失語症や構音障害などを抱えている児童になることが多いでしょう。

看護師

看護職員は医療を通して子どもの安全と健康を守る仕事です。

厚生労働省によると、医療的ケアが必要な児童がいる放課後等デイサービスでは、看護師の配置が必須となっています。

放課後等デイサービスで看護師が介入する医療的ケアは以下のとおりです。

【放課後等デイサービスで看護師が介入できる医療的ケア】

• 人工呼吸器の管理
• 気管内挿管・気管切開部の管理
• 酸素吸入
• 痰吸引
• 胃ろう・腸ろうなどの経管栄養
• インスリンなどの注射管理
• 心拍・血圧・酸素飽和度などのバイタル測定

引用：厚生労働省

このような医療的ケアが必要な「重症心身障がい児放課後等デイサービス」では、看護師の配置が必須です。

一般的な放課後等デイサービスでは、医療的ケアをする時間帯のみの配置となっています。

放課後等デイサービスで働くメリット

放課後等デイサービスで働くメリットは以下のとおりです。

• 子どもの喜ぶ姿が見れる
• 発達や障がいの知見が広がる
• 安定した職場で働ける

子どもたちの成長を間近で見守れるのは放課後等デイサービスの魅力です。

日々の小さな変化や新しいことができるようになった瞬間の喜ぶ姿を見ることで、やりがいを感じられます。

また、発達障がいや子どもの支援に関する専門知識が身につくのもメリットです。

さまざまな事例をリアルに見られることで、個々の特性に応じた支援方法を理解でき、専門性を高められます。

加えて福祉業界は需要が高いので、長期的なキャリア形成が築ける職場で働けるのも放課後等デイサービスに勤める魅力です。

子どもたちの笑顔に囲まれながら専門スキルを磨き、安定した環境で働きたい方にはおすすめの職場です。

放課後等デイサービスで働くデメリット

放課後等デイサービスで働くデメリットは以下のとおりです。

• 給料が低い
• 求人数が少ない

厚生労働省のデータでは、児童指導員の平均月収は24万5,949円です。

金融庁の調査によると全産業の平均年収は461万円、月収にすると38万円なので、14万円近い差があります。

経済的な理由だけで放課後等デイサービスの仕事を選んだ場合、給与に対する不満が大きくなり、モチベーションの低下につながります。

また、求人数が少ないのも放課後等デイサービスで働くデメリットです。

このサービスは2012年から始まったので、保育園や幼稚園と比べると施設がまだ少ない傾向にあります。

未経験や無資格からスタートしたい場合、保育士や児童指導員を取得している人と比べると就職が難しくなる可能性があります。

放課後等デイサービスで働くために必要な資格

ここで紹介する資格の保有者は、放課後等デイサービスの人員配置基準になっています。

そのため、放課後等デイサービスで働くために必要な資格といえるでしょう。

具体的には以下の資格です。

• 児童発達支援管理責任者
• 児童指導員
• 保育士

放課後等デイサービスで働きたい方は、ぜひ取得を検討してみてください。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、個別支援計画の作成と職員の支援の質を管理する専門職です。

資格を取得するには、高い専門性と実務経験が必要で、具体的には以下のとおりです。

児童発達支援管理責任者になるには、実務経験や研修に加え、5年ごとの更新研修も必須です。

研修では、個別支援計画の作成方法やアセスメント技術、関係機関との連携方法などの専門知識を学びます。

児童発達支援管理責任者には、子ども一人ひとりに最適な支援を提供するための、豊富な経験と知識が求められます。

児童指導員

児童指導員になるには、以下の資格や実務経験などが必要です。

【児童指導員の資格取得ルート】

最終学歴や保有している資格、実務経験	要件
大学・大学院を卒業	社会福祉学・心理学・教育学・社会学いずれかを専攻し卒業した者（短大は不可）
指定養成施設を卒業	道府県知事が指定する福祉系の養成施設（専門学校等）を卒業した者
教員免許を保有	小学校・中学校・高等学校のいずれかの教員免許を取得している者
社会福祉士・精神保健福祉士を保有	社会福祉士・精神保健福祉士のいずれかの資格を保有している者
高校卒で実務経験がある場合	2年以上で360日以上の勤務経験がある
中学卒の場合	3年以上で540日以上の勤務経験があり、都道府県知事からの許可が必要（都道府県によって多少の違いあり）

児童指導員になるには、養成施設での学習や国家資格を取得する必要があります。

無資格から取得する場合は、実務経験を積む必要があります。

保育士

保育士は国家資格なので、受験資格を得るには以下の学歴や経歴に加え、一定の要件を満たす必要があり、具体的には以下のとおりです。

【保育士の受験資格を得るルート】

最終学歴・経歴	要件
大学・短大卒	なし
専門学校卒（2年以上）	・学校教育法に基づく専修学校であること ・修業年限2年以上の専門課程を卒業していること
高校卒	児童福祉施設（保育所・児童養護施設など）2年以上かつ2,880時間の実務経験
高校保育科卒	なし
中学卒	5年以上かつ7,200時間の実務経験

保育士になるには、指定養成施設に認定されている大学や短大、専門学校などを卒業する必要があります。

指定養成施設に認定されていない教育機関を卒業した場合は、保育士筆記試験と実技試験を受け、合格することが条件です。

未経験から挑戦する方も規定の実務経験を積んだあとに、同様に筆記試験と実技試験に合格する必要があります。

放課後等デイサービスの給与

令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果のデータによると、放課後等デイサービスに勤務する職員の平均月収は以下のとおりです。

職種	常勤	非常勤
児童発達支援管理責任者	27万8,480円	14万85円
児童指導員	24万5,949円	9万2,926円
保育士	22万6,280円	11万1,560円
理学療法士・作業療法士	29万4,267円	13万3,835円
言語聴覚士	28万8,049円	8万8,791円
障害福祉サービス経験者	21万9,153円	9万1,682円

放課後等デイサービスの責任者である児童発達支援管理責任者よりも、リハビリ職の給与のほうが高くなっています。

また国税庁の調査では、全国の平均給与は460万円と発表されているので、他産業の月収は約38万円です。

したがって、放課後等デイサービスの給与は他産業と比較すると低い傾向があります。

放課後等デイサービスで働くやりがい

放課後等デイサービスで働くやりがいは以下のとおりです。

• 子どもの成長を感じられる
• 保護者も支援できる
• 社会的意義を感じる
• 障がいや発達の知識が身につく

放課後等デイサービスでの仕事は、子どもたちの成長に直接かかわれるやりがいのある職業です。

子どもの成長を感じられる

子どもの成長を間近で見守れるのは、放課後等デイサービスで働く最大のやりがいです。

例えば、これまで話すことが困難だった子どもが、初めて挨拶を言えた瞬間を見られます。また、運動が苦手だった子どもが、継続的な支援により、跳び箱を跳べるようになることもあります。

クリスマスや誕生日には、子どもたちが職員に向けてお祝いのプレゼントを作ってくれることもあるでしょう。

こうした成長の瞬間を保護者や職員と共有する機会が多いのが、放課後等デイサービスの魅力です。

保護者も支援できる

保護者への支援を通じて、家族全体の生活の質を向上させられるのも、放課後等デイサービスで働くやりがいにつながります。

障がいのある子どもを育てる保護者は、日常的にさまざまな困難や不安を抱えています。

そこで職員が専門的なアドバイスをすることで、心理的な支援や具体的な解決策が見つかることもあるでしょう。

家庭での子どもとの接し方や、将来への不安を聞くことで、保護者の精神的な負担を軽減できます。

放課後等デイサービスの仕事は、家族みんなが笑顔で過ごせる環境づくりに貢献できます。

社会的意義を感じる

放課後等デイサービスでは、障がいの有無に囚われない共生社会の実現を目指します。

障がいのある子どもたちが、地域社会のなかで生活できるよう支援することは、社会全体の福祉向上に直結します。

支援を受けた子どもたちが将来就労して社会参加することで、多様性を認め合う社会の実現につながるでしょう。

また、保護者が安心して就労できる環境を提供することも、家族の生活安定と社会参加を支援する役割を果たします。

このように、個人の成長支援を通じて社会全体の発展に寄与できることは、放課後等デイサービスの大きな価値です。

障がいや発達の知識が身につく

放課後等デイサービスでの実務経験を通じて、障がいや発達に関する専門的な知識が身につきます。

なぜなら、多様な障がいをもつ子どもたちと接することで、実践的な支援技術を習得できるからです。

具体的には自閉症スペクトラム障がいや、ADHDなどの障がいに対する個別支援計画の立案方法が身につきます。

また障がいの特性に応じた支援方法を理解できるので、専門性が磨かれてスキルアップできます。

他職種との連携する機会も多く、医療や教育、福祉の各分野の知識も広がるでしょう。

こうした専門知識は、自身のキャリアアップにつながるだけでなく、将来的に別の福祉分野で働く際にも貴重な財産になります。

放課後等デイサービスのきつい点

放課後等デイサービスの仕事にはやりがいもありますが、きついと感じる部分もあります。

具体的には以下のとおりです。

• 子どもとの接し方が難しい
• 身体的・精神的な負担が大きい
• 人間関係に悩む

子どもたちの成長を支援する責任の重さや、専門性の高さが求められ、心身に負担を感じることも少なくありません。

子どもとの接し方が難しい

子どもとの接し方は、一人ひとりの特性や状況に応じて細かく調整する必要があります。

なぜなら、障がいの種類や程度、個性によって適切な支援方法が異なるため、画一的な対応では効果が期待できないからです。

例えば発達障がいの子は、できることと苦手なことがはっきりとしている場合があります。

そのためその子の得意・不得意を把握することが大切ですが、それには時間がかかります。

適切なタイミングで介入する判断力が重要なので、障がいのある子との接し方に悩む職員もいるでしょう。

身体的・精神的な負担が大きい

放課後等デイサービスの仕事は、身体的・精神的な負担が大きく、職員の健康管理が重要な課題です。

放課後等デイサービスには、ADHDによる多動性のある子どもも在籍しています。

そのため見守りをしていると、職員は身体的な負担を伴うことがあるでしょう。

また障がいのある子は叱責の理由ができないことや刺激に敏感になる場合があるため、叱る際は注意が必要です。

冷静さを保ちながら適切な判断を下すことが求められ、精神的な緊張状態が続きます。

加えて保護者からの要望に応える責任感から、プライベートの時間でも仕事のことを考えてしまい、精神的な休息が取りにくくなる方もいるでしょう。

人間関係に悩む

放課後等デイサービスでは、職場内の職種だけでなく、保護者や関係機関など多くの人間関係が発生します。

そのためなかには価値観が違う方もおり、人によっては大きなストレス要因になるでしょう。

例えば、子どもへの支援方法について職員間で意見がわかれたり、保護者対応の仕方で考えが異なったりします。

家族との関係においても、支援方針への理解を得られず、過度な期待や苦情を受け、精神的な負担を感じる場面があります。

放課後等デイサービスに向いている人の特徴

放課後等デイサービスに向いている人は、子どもの成長に寄り添いながら、根気強く支援できる人です。

障がいのある子どもたちは、健常者と比べて成長が緩やかなので、繰り返し伝える必要があります。そのため、支援には長期的な視点と継続的なかかわりが重要なので、観察力と忍耐力が求められます。

またチームワークを意識し、他職種との連携を円滑におこなえる協調性も大切な資質です。

体力的にも精神的にも負担の大きい仕事なので、ストレス管理ができて、自分自身の健康管理を怠らない人が向いています。

さらに、学び続ける姿勢をもち、新しい支援技術や知識を積極的に吸収できる人は、長く活躍できます。

【体験談】放課後等デイサービスの職場環境は？働くうえでの悩みや口コミ

ここでは、放課後等デイサービスで実際に働いている方の悩みや口コミを紹介します。働く前の参考にしてみてください。

放課後等デイサービスというものができててまだ10年程です。

ここ最近の放課後等デイサービスの乱立によりサービスそのものが粗悪になっていることから一度そのあたりを国が法的に整備すると思います。

なので今現在は不安定でも将来的には安定すると思いますよ。

引用：Yahoo!知恵袋

保育園に5年（大規模園・小規模園）勤務の後、現在放デイで働いている保育士です。

保育業務全般・保護者対応・排泄や食事の介助・事務作業（まだ役職がない下っぱ職員なので、やってるのは個人記録の記入くらい）はどちらでも変わらない様な気がします。

個人の感想ですが、職場環境と待遇でいえば、圧倒的に現職（放デイ）の方が快適です。

引用：Yahoo!知恵袋

ある放課後等デイサービスでは、噛みつかれる、引っかかれる、暴言を吐かれる。これが日常茶飯事。

引用：X（旧Twitter）

よくある質問

放課後等デイサービスの仕事内容に関するよくある質問は以下のとおりです。

• 放課後等デイサービスの離職率はどのくらいですか？
• 放課後等デイサービスで大変なことは何ですか？

放課後等デイサービスの離職率はどのくらいですか？

放課後等デイサービスのみの離職率を紹介したデータはありませんでした。

しかし厚生労働省の調査によると、放課後等デイサービスの職種である医療・福祉職の離職率は14.6％となっています。

産業全体の平均は15.4％なので、離職率は比較的高いといえるでしょう。

離職率が高い背景には、体力的な負担や精神的なストレス、待遇面での課題があります。

放課後等デイサービスで大変なことは何ですか？

放課後等デイサービスで大変なのは、体力的と精神的な負担がかかりやすいことです。なかには活動的な子もおり、そのような児童を対応する際は体力を消費します。

長期休暇や休校日は朝から受け入れることもあるので、とくに女性職員は疲れてしまう方も少なくありません。

また保護者からの要望に応えるのが難しい場合、正しい支援方法は何かを考えすぎてしまい、心が疲弊してしまう方もいます。

職員と保護者の意見がわかれて板挟みになると、精神的な負担を感じるでしょう。放課後等デイサービスは、心身ともにエネルギーが必要な点が大変な部分です。

まとめ：放課後等デイサービスの仕事内容は社会貢献性がある

放課後等デイサービスの仕事は、障がいのある子どもたちの成長を支援し、共生社会の実現を目指す職業です。

例えば、個別プログラムやレクリエーションなどを通じて、子どもたちの将来の自立生活と社会参加の基盤を築きます。

また保護者支援を通じて、子どもだけでなく家族全体のサポートにもかかわります。

給与面での課題や心身の負担はありますが、放課後等デイサービスの仕事は、子どもの成長や家族のよい変化を見守れる意義深い職業です。