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【介護職必見】立てない人の移乗介助の基本手順とコツを徹底解説

立てない人の移乗介助で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。立位が不安定な方には、正しい移乗介助をしないと転倒リスクを上げてしまいます。転倒すると、頭を打ったり骨折したりしかねません。

したがって介護職の方は立てない人の介助方法を知っておく必要があるのです。

そこで今回では、立位保持が大変な方の介助方法を紹介します。

安全な介助方法だけでなく、介助をする際の注意点も理解できるので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

立てない人の移乗介助のポイントとは?ボディメカニクスの考え方を8つ紹介!

立てない人の移乗介助についてコミュニケーションを図る介護職

移乗介助をする際に大切なことはボディメカニクスを活用することです。

ボディメカニクスとは、「body(ボディ)」と「mechanics(機械学)」の造語です。

ここでは、ボディメカニクスにおける大切な考え方を8つ紹介します。ボディメカニクスを意識した介助を実践すると、余計な力を加えなくても利用者・介助者ともに安全に介助ができるでしょう。 

支持基底面

ボディメカニクスを活用する際には、支持基底面(しじきていめん)を意識しましょう。

支持基底面とは、体重を安定させるために必要な床面積のことです。

支持基底面を広く保つことで、身体が安定して安全に介助できます。身体のバランスが取れている状態の間は、無駄な力なく介助ができるので腰痛や膝痛の防止ができます。

利用者側の支持基底面ももちろん大切です!

ベッドから介助する際に利用者の足の範囲が狭いと、バランスが取れず介護士とともに余計な力が入ってしまいます。怪我の可能性を高めてしまうので、利用者・介護士の支持基底面を保持することを忘れてはいけません。

重心を低くする

介護職の重心が高いと、手だけの力で利用者を移乗しなくてはいけないので、利用者・介助者ともに身体に負担をかけてしまいます。そのため、介助する際は腰を落とし、重心を下げて介助する必要があります。

重心を落とすことで足の力や体幹を活用できるので、無理なく介助できるでしょう。

介助をする際は重心を落としての移乗がポイントです。

身体をねじらない

ボディメカニクスを意識するためにも、無理に身体をねじらないことがポイントです。ベッドから車椅子へ移乗する際、介助者は身体をねじるような動作になりがちです。

しかし身体をねじると力が分散してしまいその結果、余計な力が入り腰や膝に負担がかかります。身体をひねらないようにするには、利用者の真正面に立つのではなく、足を広げてやや斜めに立ちましょう。

腰を過度にひねらずに移乗できるので、腰痛対策になります。

重心を近づける

介助する際に恥ずかしさなどがあると、利用者と介護士の身体の間に距離を取ってしまいがちです。そのような状態だと、ボディメカニクスを上手に活用できなくなってしまいます。

手だけの力だと、特に足に力が入らない方を移乗するのは難しいでしょう。介助時には、利用者と密着するくらいに近づくのがポイントです。

ただし体格差によっては難しい場合もあるので、ぜひ練習しながらコツをつかんでみてください。

大きな筋肉を意識する

ボディメカニクスを活用した介助をするには、二の腕や肩以外の下記の大きい筋肉を使用して関わることが重要です。

小さい筋肉を使用して移乗しようとすると、身体に負担がかかります。

【主な大きい筋肉】

・大臀筋(お尻の筋肉)
・広背筋(背中の筋肉)
・大胸筋(胸の筋肉)

以上の筋肉は出力が高いので、利用者・介助者ともに身体の負担を減らして介助できます。出力の高い筋肉を活用するには、先述したとおり重心を近づけるのがポイントです。

利用者との距離があると、指や手首の小さい筋肉のみしか活用できません。しかし重心を近づければ、背筋や大臀筋、大腿四頭筋(太もも)などを使えます。

水平移動

立ち上がりが困難な方を移乗しようとすると、つい立ち上がらせようとしてしまいます。しかし立ち上がらせようとするのは、持ち上げる動作になるので重心が高くなってしまいます。

小さい筋肉で出力することになるため、身体に大きな負担がかかるでしょう。持ち上げるのではなく水平に移動させるのがポイントです。

水平移動を意識すると、「重くて移乗できない」と感じる方もいますが、介護士の支持基底面に乗せられれば臀部を少し浮かせるだけでバランスが取れます。

引く力を使う

引く力を利用することで楽に介助できます。押す動作は自分と物体の距離を遠ざける動きです。したがって重心が離れていくので、力がうまく伝わりません。

その結果、介助者の腰や肘など身体を痛めるリスクがあります。しかし引く力を利用すると、筋肉だけでなく自分の体重を使用して介助することが可能です。

楽に介助ができるので、ボディメカニクスを意識する際は引く動作を心がけましょう。

テコの原理を意識する

テコの原理は支点を中心に力点に力を加え、大きな力を作用させる原理です。足の力がない方の場合、自力でベッドから起き上がるのが難しくなるでしょう。

ベッドから起き上がる際にはテコの原理の活用がおすすめです。

支点は大腿部、力点は頭部、作用点は脚にすると楽に起き上がらせることが可能です。全介助の方を起き上がらせる際は、ぜひテコの原理を意識してみてください。

立てない人の移乗介助前にやっておくこと

立てない人の介助に向けて準備する介護職

立てない人を介助する際は、全介助しなくてはいけません。介助者は利用者に付きっきりになるため、事前に車椅子の準備やベッドの確認をしておく必要があります。

そこで以下では、立てない人を介助する際にチェックしておくべき点を解説します。

車椅子の確認

まずは車椅子の位置を確認する必要があります。ベッドから移乗介助をする際は下記の点に注意しましょう。

  • 角度
  • 車椅子の位置
  • ストッパー
  • フットレスト

角度

ベッドと車椅子の角度は、30〜45度程度が適切です。40度程度の角度であれば、腰を低くして利用者の臀部を少し浮かせるだけで移乗できます。そのためベッドに対して車椅子の角度は30〜45度に設置するのが理想です。

車椅子の位置

また、車椅子の位置が離れすぎてしまうと移乗時の負担が大きくなります。利用者を水平移動させた際、車椅子の座面が臀部に来る距離が必要だからです。臀部が車椅子の肘掛けに当たらないよう注意しましょう。

ストッパー

ストッパーは車椅子のブレーキのことです。ブレーキは両輪とも止めておかないと動いてしまい、移乗したときに車椅子が遠ざかります。事故の原因につながるので気をつける必要があります。

フットレスト

フットレストは利用者が足を乗せるパーツのことです。フットレストを上げないで移乗すると、車椅子に浅く腰掛けてしまい、ずり落ちの原因につながります。

さらに、フットレストに足が当たると、擦り傷や皮剥けなどの怪我をする可能性があります。そのため、フットレストは必ず上げましょう。

ベッドの確認

移乗介助をする際、ベッドに関しては下記の点に注意しましょう。

【ベッドを確認する際の注意点】

・ベッドが車椅子の座面よりも同じくらいか少し高くなっているか
・ベッドのブレーキを確認する

ベッドから車椅子に移乗する際、ベッドの座面が車椅子の座面よりやや高いか同じくらいが理想です。利用者を降ろすように介助できるので、水平移動をするときに腰への負担を少なくできます。

またベッドの固定が不十分だと、利用者の移乗時に転落する可能性があります。移乗前にはベッドがしっかりロックされているかの確認が必要です。

利用者の確認

利用者の身体の位置を確認することも大切です!

特に立ち上がりが困難な方は座位の保持が困難なので、ベッドに座っている状態からの注意点を紹介します。具体的には下記の点に気をつけましょう。

  • 手すりを持ってもらう
  • 足の位置を確認する
  • 座っている深さをチェックする

足に力がない場合、座った状態でも前方に倒れる可能性があるので必ず手すりを持ってもらいましょう。利用者の座位を保持するためには、足の位置を整えることが重要です。90度より少し曲がった状態だと自分でも座位を保持できます。

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【個別ケース】立てない人の移乗介助における対応策

適切に立てない人の介助を行う介護職

立ち上がりが困難な方の介助に苦手意識がある介護職の方も多いのではないでしょうか。そこで以下では、介護業界で人気の、立つ力に合わせた移乗介助を紹介します。

ただし、一般的な介助方法と異なり個性的なため、使う際は認知機能が健全な方のみに行うことを条件にしましょう。

介護度に合わせたケアができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

足に力が残っている方への介助

ここでは、介助者が一人でトイレ介助ができる程度の方を想定しています。

ベッドから車椅子

ベッドから車椅子を移乗する際の流れは下記のとおりです。

  • 利用者にお辞儀のような姿勢になってもらい腕を腋下に通す
  • 腋下に通していない逆の手で利用者の胸の上部(鎖骨も何もない部分)を腕で支える
  • 介助者は両足を外側に出す
  • 足先と視線を座面に向ける
  • ゆっくりと車椅子へ移乗する

まず始めに重心を移動できるように利用者と介助者は支持基底面を広く取りましょう。鎖骨の何もない場所を支えると利用者を安楽に介助できます。

車椅子からベッド

車椅子からベッドも、先述した手順でほぼ同様に介助できます。ただし足を向ける位置や腋下を支える手は逆の手になります。

重心移動の方法は変化しないので、利用者と介護者の体重移動を上手に活用しましょう。

足に力はあるも徐々に崩れてきてしまう方への介助

ここで紹介するのは、二人対応でトイレ介助をする必要のある方向けの介助です。

ベッドから車椅子

長時間一人で立ってられず崩れてきてしまう利用者には下記のように対応しましょう。

  • 利用者の車椅子側の足を一歩前に出し介助者は利用者の横に立つ
  • 利用者の車椅子側の脇の下に頭を通して前傾させる
  • 車椅子側の膝を手で支える
  • 支えた手がブレないように、自分の肘は自分の太ももに乗せて安定させる
  • 自分の体重を移動させて利用者の臀部を浮かせながら移乗する

利用者を前傾移動させることで、移乗時に重心移動ができます。また、長時間の立位が取れない方は膝折れしてしまいますが、利用者の車椅子側の膝を手で支えることで防ぐことが可能です。支えている手は自分の太ももで支持することで安定します。

介護技術は任侠映画に出てくる「おいでなすって」のポーズになるよう介助するのがポイントです。

車椅子からベッド

長時間の立位保持ができない方の車椅子からベッドへの移動方法は下記のとおりです。

  • 利用者のベッド側の足を前に出して自分の足は大きめに開き、利用者の脇の下に頭を通す
  • 利用者の膝を抑えながら体重移動して移乗させる

介助者の足の位置が狭いと身体を大きくひねる形になり、バランスを崩してしまうので注意が必要です。

足の力が完全にない方への介助

ここからは、足の力が完全にない方の介助方法を紹介します。

ベッドから車椅子

足の力が完全にない方の介助方法は下記のとおりです。

  • 介助者は移乗方向に身体を向けて片膝を立てて座る
  • 利用者の脇の下に潜り込んで前傾を誘導する
  • 利用者の膝を自分の手で押さえて臀部を浮かせる
  • 利用者の向きを回転させる
  • 空いた手で車椅子を引き寄せて座らせる

正面から介助すると身体をひねるので、バランスを崩す可能性があります。そのため、利用者と対峙する際は、移乗先を見て介助します。

また、介助者は低い姿勢での介助となるので、片膝を立てて支持基底面を広げましょう。利用者を回転させる際は足が崩れてきてしまうので、手で膝を支えてください。

車椅子からベッド

次に、足の力がまったくない方を車椅子からベッドへ介助する方法です。

  • 介助者が移乗先を向き利用者の横に座る
  • 利用者の脇の下に潜り込んで身体を密着させる
  • 空いている手で車椅子の手すりやベッドの淵を押し反力で利用者を前傾させる
  • 空いた手で利用者の膝を抱え、利用者を方向転換させて座らせる

脇に潜り込む際、介助者が下を向くと猫背になってしまい、お腹と膝が離れてしまいます。したがって、介助者はなるべく視線を上げて身体を密着させるよう工夫しましょう。

【場面別】立てない人の移乗介助方法

立てない人の移乗介助は、利用者の身体状況や介助環境に応じた適切な方法を選択することが重要です。誤った方法で移乗を行うと、利用者の転倒や介助者の腰痛などのリスクが高まります。

ここでは、安全かつ負担の少ない介助方法を場面別で3つ紹介します。

トイレへの移乗介助

立てない人のトイレ介助では、利用者の安全を確保しながら、介助者の負担を軽減する工夫が重要です。トイレへの移乗には、以下の方法を活用します。

支えがあれば立てる場合

  • 手すりや歩行補助具を利用し、少しずつ移乗をサポートする
  • 介助者は腰を落とし、安定した姿勢で支える

完全に立てない場合

  • スライディングボードを活用し、座ったまま移乗
  • リフト(電動や手動)を活用し、介助者の負担を軽減する

トイレは狭いため、事前に車椅子やトイレ周辺の動線を確保し、安全な移乗環境を整えましょう。また、利用者の排泄に関するプライバシーに配慮し、安心して介助を受けられるようにすることも大切です。

車への移乗介助

車への移乗介助は、狭い空間での移動が必要となるため、適切な体勢と補助器具の活用が不可欠です。特に外出時は、急な動作や不安定な姿勢が事故につながる可能性があるため、慎重に行いましょう。

車椅子から車への移乗手順

  • 車椅子の位置を調整
    →できるだけシートに近づける
  • スライディングボードを使用
    →座ったままスムーズに移乗
  • 介助者の負担を軽減する姿勢をとる
    →腰を落とし、膝を曲げて負担を分散
  • 車内に座った後は姿勢を安定させる
    →クッションなどでサポート

リフト付き車両が利用できる場合は、積極的に活用すると良いでしょう。また、長距離移動の場合は、途中で姿勢を整えたり、適度に休憩を入れたりすることが大切です。

寝たきりの人の移乗介助

寝たきりの方の移乗介助は、完全な全介助が必要となり、介助者の負担も大きくなります。安全に移動させるための工夫を取り入れることが重要です。

主な介助の工夫は以下のとおりです。

  • リフトを使用する
    →電動リフトを活用して持ち上げる負担を軽減
  • スライディングボードやスライディングシートを利用する
    →摩擦を減らしてスムーズに移乗
  • 二人介助を基本とする
    →一人が上半身を支え、もう一人が下半身を移乗

無理に持ち上げようとせず、補助具を活用しながら安全に行うことが重要です。また、寝たきりの方の移乗では、姿勢の安定や褥瘡(床ずれ)予防にも注意を払いましょう。

床からの移乗介助

床からの移乗介助は、転倒やずり落ちによって床に座り込んでしまった利用者を安全に移動させるための重要な技術です。無理に引き上げようとすると、介助者の腰を痛めたり、利用者の関節や皮膚を傷つけたりするリスクがあるため、安易に持ち上げないことが鉄則です。

まずは利用者の意識や痛みの有無を確認し、落ち着いた声かけで安心感を与えます。二人以上で介助するのが理想ですが、補助具(スライディングボードや移乗用リフト)を活用すれば、一人でも負担を軽減できます。

また、手順としては「体を整える→座位に近づける→移乗方向へ回転させる→目的地に滑らせる」といった動作の分解が有効です。状況に応じて専門職へ応援を依頼する判断も重要です。

立てない人の移乗介助の際に介護者の負担を減らす工夫

移乗介助は介護者の身体的負担が大きく、適切な方法を取らないと腰痛や筋肉疲労につながります。介護者の負担を減らしながら、安全かつ効率的に移乗を行うための工夫を紹介します。

介助中に疲れにくい姿勢と動作をとる

介助時の姿勢や動作が適切でないと、腰痛や疲労を引き起こす原因になります。特に移乗介助は頻繁に行う作業であるため、正しい姿勢を維持することが重要です。

負担を軽減するポイントは以下の4つです。

  • 足を肩幅に開き、安定した姿勢を取る
  • 膝を曲げ、腰を落とすことで負担を分散
  • 持ち上げるのではなく、重心移動でスムーズに移動
  • 呼吸を整えて動作を行う

ボディメカニクスを意識し、身体全体を使って移乗を行うことで、介助中の疲労を大幅に軽減できます。また、短時間で済むように環境を整えることもポイントです。

介護職として私が、体位交換や移乗介助で工夫しているポイントは、利用者を安心・安楽な姿勢で移乗や体位交換をすることと、介助側の身体の負担を減らすことを意識しています。身体を引っ張り上げたり勢いをつけたりして移乗・体位交換をすると、利用者の身体に怪我をさせてしまいかねません。

そのため、ゆっくり丁寧な移乗を心がけています。また、介助側の腰や膝の負担も考慮する必要があります。高齢者を移乗する際は「ボディメカニクス」と呼ばれる介護技術を活用し、介助者は身体の負担を軽減することが可能です。

ボディメカニクスとは、人間の構造に沿って身体の動かすための技術です。たとえば身体の重心を低くして、足の幅を広く取ることで身体が安定するので、移乗時や体位交換をする際の腰や膝にかかる負担を少なくできます。

ボディメカニクスの活用は、利用者に安楽な介護を提供するうえでも大切な技術なので、介護をする際は意識する必要があります。

介護技術のボディメカニクスについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下をご覧ください。

一人介助と二人介助で適切な方法を実施する

利用者の状態によって、一人での介助が難しい場合もあります。一人介助と二人介助の違いを理解し、状況に応じて適切な方法を選びましょう。

一人介助二人介助
適用ケース軽度のサポートが必要重度の介助が必要
介助者の負担高い分担できるため軽減
主要な技術スライディングボードを使用一人が支え、一人が補助
安全性低め高め

一人介助の場合は、無理に持ち上げず、スライディングボードや補助ベルトを活用することが重要です。

二人介助が可能な場合は、役割分担をし、協力しながら行いましょう。

移乗介助に役立つ福祉用具を活用する

福祉用具を適切に活用することで、介助者の負担を軽減し、利用者の安全性を高めることができます。特に役立つ福祉用具は以下のとおりです。

福祉用具役割
スライディングボードベッド・車椅子間の移動をスムーズにする
リフト全介助が必要な場合に最適
移乗補助ベルト腰に巻いてサポートしやすくする
グローブ型補助具滑りを防ぎ、しっかりと持てる

福祉用具を導入することで、介助者の負担を軽減しながら、利用者の安全性を確保できます。利用者に適した用具を選ぶことが大切です。

スライディングボートの使い方を理解する

スライディングボード(移乗ボード)は、立位保持が難しい利用者をベッドや車椅子に安全に移乗させるための補助具です。主に「座位保持が可能な方」に適しており、利用者の臀部の下にボードを差し込み、滑らせるようにして移乗を行います。

使用時はベッドと車椅子の高さを合わせ、車椅子のアームレストを外しておくとスムーズです。介助者は無理に持ち上げず、利用者の体重移動を利用して“滑らせる”ように誘導することがポイントです。

ただし、ボードがズレると転倒リスクが高まるため、滑り止めマットを併用するなど安全対策も忘れずにしましょう。

スライディングボードは、介助者の腰痛リスクを軽減する有効な手段として、多くの施設で活用されています。

移乗シートやグローブも活用する

移乗シートやスライディンググローブは、摩擦を減らして体の移動をスムーズにする補助具です。これらは特に「寝たきりで動きが少ない利用者」や「床からの移乗」など、体全体を移動させる必要がある場面で有効です。

移乗シートは利用者の背中やお尻の下に敷き込み、滑らせるようにして体位を変えたり、移乗先に移したりします。グローブは手のひらの摩擦を軽減し、滑らかに衣服やシートを操作できるため、ベッド上でのポジショニングにも便利です。

これらの道具を活用することで、介助者の身体負担を減らしつつ、利用者への圧迫や摩擦のダメージも最小限に抑えられます。正しい使い方と安全確認を前提に、現場の負担軽減に役立てましょう。

私は、利用者さんが少しでも自分らしく生活できるようにお手伝いすることを意識しています。介護をしていると、利用者さんの行動一つひとつに介入してしまいがちですが、介護者はあくまでも利用者さんをサポートする役割です。

利用者さんがやりたくてもできないことや、自力では難しいことを支援します。そのためにも介護者は、利用者さんが自身でできることと難しいことを判断してお手伝いすることが大切なのです。

立てない人の移乗介助をする際の注意点

立てない人を解除する際の注意点を理解する介護職

立てない人を移乗介助する際に気をつけるポイントは下記のとおりです。

特に声かけは利用者との日頃から行わなければいけないので、介助者は常に信頼関係を築くことを意識した活動が重要です。そのほかのポイントも大切なので必ず覚えておきましょう。

声かけをする

車いすの準備が整ったら、「これから立ち上がって車いすに乗りますね」などと話しかけることが大切です。利用者としては話しかけられないと、これから何をされるかわかりにくい状態です。そのため、「今からトイレへご案内しますね」などと言って移乗する理由を伝えることで利用者を安心させられます。

安全かつ円滑に介助をするためにも、言葉をかけたり気持ちの聞き取りをしたり接しましょう。起き上がりを拒否する態度がある場合は、感情を否定せず待つことが大切です。相手の反応を見て質問をしたり声のトーンを変化させたりし、話し方を変えると落ち着いてもらえるケースがあります。

起きるのが遅いからといって「早くして」などとは決して言わないようにしましょう。

利用者の自尊心を傷つけてしまう非常識な行動です。相槌や笑顔などの非言語コミュニケーションを交えて相手の心に共感しましょう。

またこのときに車いすを目視してもらうと、本人の協力も得られて移乗がスムーズにいきます。立ち上がりが困難な方は、立つことに対して抵抗感があるので移乗介助をする際は、具体的な動作の説明が大切です。

早口だと高齢者は理解しにくいでしょう。またすべての動作を手伝うのではなく、本人の残存能力を活用してください。利用者にできる範囲で動いてもらうことは、自立支援やスタッフの介助負担の軽減につながります。そのためにも、高齢者の表情を見て心の声を聞く必要があります。

安全に介助するうえでは、状況に応じて利用者が安心するような会話や傾聴、コミュニケーションをとるほうが重要です。

介護職の私が高齢者の転倒や事故を防ぐために意識していることは、危険予知と声かけです。事故が発生するリスクのある場所では、事前に声かけを行い、危険があることを伝える必要があります。例えば入浴場の床は濡れやすく、歩いているときに転倒してしまう可能性が高い場所です。

入浴場で介助をする際には「滑りやすくなっているのでゆっくり歩きましょう」や「気をつけてくださいね」など利用者に声をかけるようにしています。そのためにも介助者は、トイレや食堂など施設内それぞれで危険な場所を把握しておくことも大切です。

無理やり持ち上げない

ボディメカニクスを活かして移乗することが大切です。立ち上がりが難しいと、つい上に持ち上げるような動作になりがちです。しかし持ち上げる動作は利用者も介助者も重心が遠くなるので、お互いに身体の負担が大きくなります。

相手を安楽に介助し自分の負担を減らすには、先述した水平移動や臀部を少し浮かせて移乗する方法を実践しましょう。

姿勢を確認する

事故防止の観点や身体の負担を軽減するためにも移乗後、車椅子に乗っている人が安定した姿勢になっているか、必ず確認する必要があります。

車椅子に座っている人の姿勢がのけぞっていないか、左右に傾いていないかがチェックするポイントです。

さらに具体的に確認する際の身体の位置は下記のとおりです。

  • 膝が90度近くになっている
  • 足底が床に接地しているかを見る
  • フットレストにしっかり足が乗っている

足が床から離れていると身体が安定しないので、足の位置は必ず確認しましょう。

また立ち上がりが困難な方は足に力が入らないため、座位が保持できない場合があります。座りにくくなっている場合は、車椅子の隙間にシートやクッションを入れて腕や骨盤を支える必要があります。

加えて、移乗しても座り方が浅くなってしまうことがありますが、無理に後ろに引き上げてはいけません。

座り直しをする際の動作は下記のとおりです。

  • 腕を組んでもらう
  • 少し前に倒れてもらう
  • 後ろから脇の下から手を入れる
  • 手のひらは面で支える
  • お辞儀をするように前傾させゆっくり後ろに下げる

引く力を意識して介助しましょう。

ただし褥瘡がある方やアザができやすい方はおすすめできません。怪我をしている方を座り直しする際は、前方から行います。

具体的な方法は下記のとおりです。

  • 足を90度より曲がっているくらいにする
  • 膝と膝を合わせてロックする
  • お辞儀をしてもらう
  • 頭を前に誘導する
  • お尻が浮いたら押す

利用者と介助者の膝を合わせることで移乗できます。お互いに痛くない部分があるので、そこを探りながら膝をロックします。

膝折れに注意する

高齢者は足の筋力が弱ってきている方が多く、移乗の際に膝から崩れてしまう可能性があります。

特に立ち上がりが困難な方は、膝折れを避けるように介助しなくてはいけません。膝折れは膝が前に曲がるか股関節が後ろに曲がることで膝が折れます。

このような事態を防止するには繰り返しになりますが先述した3つの介助方法を使用することで膝折れを防げます。

自立支援を意識する

介護士は、利用者にできる限り自分の力で生活できるように促すのも大切な仕事です。

立ち上がりが困難だからといって、すべて手伝ってしまうと自立支援を促せません。認知症の症状や意思疎通が難しい方以外、可能な範囲で手すりをつかんでもらったり自分の腕の力で横向きになったりしてもらいましょう。

積極的に自立支援を促し、本人に残されている身体の力を活かしてもらうことで利用者のQOL向上につながります。

利用者の日常生活をサポートするためにも、自立支援は促すことは忘れてはいけません。

立てない人の移乗介助で起こり得るトラブルと対処法

移乗介助の際には、想定外のトラブルが発生することがあります。介助者の負担を減らし、利用者が安全に移動できるよう、起こりやすいトラブルとその対策を把握しておきましょう。

利用者の体勢が崩れてしまう

移乗中に利用者の体勢が崩れると、転倒の危険性が高まります。これを防ぐためには、適切なサポートと慎重な動作が必要です。

対策方法

  • 移乗前に利用者の姿勢を整える
  • 安定した重心を意識しながら移動する
  • 無理に引っ張らず、ゆっくりとした動作を心掛ける
  • 必要に応じて補助具(スライディングボード・リフト)を活用する

利用者が急に動いたり、不安を感じると体勢が崩れやすいため、常に落ち着いた声かけを行い、安心感を持たせることが大切です。

利用者が体をこわばらせてしまう

緊張や恐怖によって、利用者が体をこわばらせることがあります。これは移乗をスムーズに行ううえで障害となるため、事前の準備と適切なコミュニケーションが重要です。

対策方法

  • 優しく声をかけ、動作の意図を説明する
  • 深呼吸を促し、リラックスできるようにする
  • 素早い動作を避け、ゆっくりと移乗する
  • 背もたれやクッションで安心感を与える

利用者が不安を感じると、筋肉が硬直し、より介助が困難になります。安心感を与えながら、無理のないペースで介助を行うことが大切です。

利用者の体が重い

体重が重い利用者の移乗介助は、介助者にとって大きな負担となります。適切な方法を取り入れることで、介助の負担を軽減できます。

対策方法

  • スライディングシートやスライディングボードを活用する
  • リフトを使用し、無理な持ち上げを避ける
  • 二人介助を基本とし、一人が上半身、もう一人が下半身をサポートする
  • 膝や腰に負担がかからないよう、ボディメカニクスを活用する

無理に持ち上げるのではなく、移動を補助する工夫をすることで、介助者の負担を軽減できます。適切な方法を選択し、安全な移乗介助を行いましょう。

立てない人の移乗介助に関するよくある質問

立てない人の移乗介助に関するよくある質問に1つずつ回答していきます。ベッドから車椅子などの移乗だけでなく、全介助をする際に必要な福祉用具やトイレでの移乗に関連する情報を紹介します。

全介助が必要な人に役立つ介助用具は?

全介助が必要な方には、スライディングボードの使用が役立ちます。

スライディングボードとは、木製やプラスティックで作られた移乗用のボードです。

座ったままでも移乗できるように、ボード上が滑りやすくなっているため、介護を受ける方と介助者の負担軽減ができます。スライディングボードの使用方法は下記のとおりです。

  • 車椅子をベッドの真横に置く
  • ベッドを高くする
  • スライディングボードを差し込む
  • 介助者が介護者の身体を斜め前に倒す
  • 骨盤を押す

戻るときはベッドを車椅子より低くします。

スライディングボードは30度くらいに立てて、ベッドに押し込みながらセッティングするとうまく差し込めます。スライディングボードを使った移乗介助を行えば、介護を受ける方と介助者双方の安全を守ることが可能です。

介護をするうえでできる腰痛対策はある?

介護職の方のなかには腰痛を経験している方は多いでしょう。

腰痛の原因にはさまざまあり、負荷が加わることで起こる動作的要因やストレスによる環境要因などで発生します。人によって痛みに違いがあるため対策も異なります。そのためまずはお近くの病院で診断を受けましょう。

それを踏まえたうえで、いくつかの腰痛対策を紹介します。

  • ストレッチをする
  • 筋トレをする
  • 腰痛ベルトをする
  • 姿勢を整える

姿勢が整うように筋力をつけたりベルトで腰を保持したりすることが大切です。実際に現場でサービスを提供しながら、1つずつ試して身体の様子をうかがいましょう。

立てない人のトイレ介助の方法は?

施設のトイレであれば、二人対応やオムツ対応が良いでしょう!

ポータブルトイレであれば、先述した「おいでなすって」のポーズで行う介助方法がおすすめです。大きな筋肉で利用者を支えられるので、立ち上がりが困難な利用者でもスムーズに移乗介助ができます。

ただし「おいでなすって」のポーズは床を膝につけるので、施設のトイレで行う際は新聞紙を引くなど衛生面に気を付ける必要があります。

立てない人の入浴方法は?

立ち上がりが困難な方を浴槽から出す方法は下記のとおりです。

  • 利用者の足を引いて身体を小さくまとめる
  • 利用者の膝を軽く抑えて足が動かないようにする
  • 身体を前に倒してお尻を上げる

利用者の身体を前に倒すことで足の裏に体重が乗ります。支持基底面ができて無駄な力無く浴槽から出せます。

また浮力を上手に活用したいので、焦ってお湯を抜かないよう注意が必要です。どうしても一人で上げられない場合は、お湯を抜いてのぼせないようにし職員を呼ぶのも1つの手段です。

浴槽でのトラブルは在宅でも起こりやすいので、浴槽から出る方法は家族にも概要を伝えておくと良いでしょう。

一人で移乗介助する方法はある?

一人介助では、利用者の身体状況を的確に把握し、可能な限り自力動作を引き出す声かけやタイミングが重要です。補助具(スライディングボードや移乗シートなど)を活用することで、持ち上げる動作を最小限にし、介助者の負担を減らすことができます。

ただし、座位保持が難しい場合や体重が重い場合は、無理に一人で行わず、必ず二人介助や福祉用具の使用を検討しましょう。

床から引き上げるときに役立つ器具は?

床からの移乗や引き上げに役立つ器具としては、「床対応型リフト」「介助ベルト」「スライディングボード」などがあります。床対応リフトは、安全に持ち上げることができ、転倒後や起き上がりが難しい場面に有効です。

また、介助ベルトは腰や胴回りをしっかり支えることで、持ち上げる力を分散し、安定した介助を可能にします。

これらの器具を活用することで、無理な体勢による事故や腰痛を防ぎ、安全かつ効率的な移乗が可能になります。

移乗介助は動画や写真で学べる?

移乗介助は動画や写真で学ぶことが非常に効果的です。実際の動きや手の使い方、体の使い方を視覚的に確認できるため、言葉や文章だけでは伝わりにくい技術も理解しやすくなります。

特に、ボディメカニクスの基本や補助具の使い方は、動画で見ることで再現性が高まり、現場でも応用しやすくなります。信頼できる介護教育機関や自治体、福祉用具メーカーの提供する教材を活用するのがおすすめです。

【まとめ】立てない人の移乗介助を安全かつ効果的に行うためのポイントを押さえよう!

移乗介助は利用者の状態に合わせて行う必要があります。特に立てない人を介助する場合は、普段と同じように介助をすると、怪我を負わせてしまいます。

一緒に怪我をしないためにも、介助者は利用者目線に寄り添う介助を行う必要があります。

利用者に合わせた介助をした後は、一人で悩むのではなく記録に残したり実践したときの注意点や問題は他職員にはっきりと伝えましょう。

状況を共有し、介助が難しい場合には二人対応を考える場合があります。しかし今回紹介したテクニックを活用すれば、基本的に無駄な力無く安全に介助することが可能です。

実践するまでには練習が必要ですが、興味がある方はぜひ積極的に試してみてください。

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