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【体験談あり】介護福祉士を取得するメリット・デメリットは?資格がないとできないことを解説!

介護福祉士になると何がいいのか気になる方もいるでしょう。介護福祉士になれば、資格手当による収入アップや活躍できる職場を広げられるのでメリットはあります。しかし介護福祉士を目指すには試験を受けたり実務経験を積んだりしなくてはいけないので時間がかかります。

事前にデメリットを知らないと、割りに合わないと感じることも少なくありません。そのため介護福祉士になる前にメリット・デメリットを知っておくことが大切です。

そこで今回では、介護福祉士のメリット・デメリットや活躍できる職場も解説します。

資格取得後の道筋も見えるのでぜひ参考にしてみてください。

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目次

介護福祉士にしかできないことはある?介護福祉士を取得するメリット

ここでは、介護福祉士を取得するメリットを紹介します。具体的には以下のとおりです。

  • 給与が上がる
  • キャリアアップを目指せる
  • スキルアップを目指せる
  • 転職に活かせる
  • 医療的ケアを提供できる

「資格を取る意味が知りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

給与が上がる

介護福祉士を取得すると給料が上がります。

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」をもとに見てみましょう。

・初任者研修:30万2,910円
・介護福祉士:33万1,690円

参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要|厚生労働省

初任者研修と介護福祉士を比べると、給料に3万円近く差があります。介護職には資格手当を付与する施設が多く、上位資格であるほど金額が上がります。

収入を上げる方法の1つで介護福祉士を取得するのはおすすめです。

キャリアアップを目指せる

介護福祉士を取得していることで、下記の資格が取れたり仕事に就けたりします。

  • ケアマネージャー
  • サービス提供責任者

どちらの資格・ポジションも利用者の生活や職員のマネジメント業務を担います。

ケアマネージャーは、利用者や家族の要望を聞き、ケアプランを作成する仕事です。定期的なモニタリングや他職種と連携して会議を開催するなど、専門職と高齢者の橋渡し役となります。

介護福祉士を取得していると、訪問介護の管理職である「サービス提供責任者」にもなる資格が得られます。サービス提供責任者とは、訪問介護員の指導やスケジュール調整などを担うポジションです。

訪問事業所には必ず一人配置しなくてはいけません。

それぞれ一定の要件を満たす必要がありますが、介護福祉士を取得することで受験資格や要件が得られる仕事があります。

スキルアップを目指せる

介護福祉士を学ぶ過程では、実務者研修を受ける必要があります。

実務者研修の講義内容は下記のとおりです。

【介護福祉士の出題範囲】

・人間の尊厳と自立 
・人間関係とコミュニケーション
・社会の理解 
・介護の基本 
・コミュニケーション技術
・生活支援技術
・介護過程
・発達と老化の理解
・認知症の理解
・障害の理解 
・こころとからだのしくみ
・医療的ケア
・総合問題 

認知症やコミュニケーションスキルなど初任者研修の内容よりも踏み込んだ内容を学べます。また医療的ケアを学べるので介護だけでなく、医療・看護に関する知識が身につきます。

座学と演習を通して専門性の高いスキルを獲得できるのが、介護福祉士を取得するメリットです。

転職に活かせる

介護業界は深刻な人手不足のため、介護福祉士を取得していれば転職には困りません

介護職の求人倍率は年々増えており、厚生労働省が調査した『有効求人倍率(介護関係職種)の推移』では、令和3年の時点で3.64倍となっています。

つまり1人の求職者に対して、3社以上の求人が集まっている状況です。未経験採用をしている職場も多いものの、即戦力人材を求めているのが実情です。そのため介護福祉士を取得していれば、どの職場でも重宝されるでしょう。

転職を有利に進めたい方は、介護福祉士を取得してからがおすすめです。

医療的ケアを提供できる

介護福祉士を取得していることで、喀痰吸引等研修を受ける要件が満たせます。

喀痰吸引等研修とは、医師や看護師ができる医療的ケアを介護福祉士でも提供できるようになるための研修です。

病院での実地研修を受けたあと、登録申請が必要ですが胃ろうや経管栄養を実施できるようになります。喀痰吸引等研修を取得している介護職は少なく、医療的ケアが必要な現場では重宝されるでしょう。

資格手当が高額だったり職位が高くなったりするので年収・キャリアアップともに見込めます。

施設内での評価が上がる

介護福祉士の資格を取得していると「介護の知識や技術を磨いた人」と認識されるので、勤務先の施設や法人にとって貴重な人材になれます。

職場では評価が上がり、フロアリーダーや委員会の委員長などのポジションを担う可能性もあります。介護技術を新人職員に伝える指導係を任されることもあるでしょう。また介護福祉士を取得して長く働いていると、主任や副主任などの管理職に就けることがあります。

施設での評価が上がることで、収入増加やキャリアアップにつながります。

活躍の幅を広げられる

介護福祉士があれば、初任者研修や実務者研修の講師業をすることが可能です。

具体的には下記の場所で活躍できます。

【介護福祉士が講師で活躍できる場所】

・介護福祉士養成校
・介護初任者研修や実務者研修の講座
・福祉系高校
・介護福祉士国家試験対策講座

福祉高校や養成施設など、介護職を育成する場で働けます。ただし講師業をするには、講座を受ける必要があります。

たとえば実務者研修の講師になる場合、数日間の集中講義や実技指導をする「実務者研修教員講習会」の研修プログラムに参加しなくてはいけません。

実務者研修教員講習会とは、厚生労働省が指定した実務者研修の教員になるための講習会です。

3科目のカリキュラムを50時間受講することで修了できます。また下記の要件を満たす必要もあります。

【専任教員になるための要件】

1.実務経験5年以上の介護福祉士であること。
2.介護に関する科目を教授する資格を有すること

大学などの教授や准教授、養成施設、福祉系の高校(一般高校)での教歴が3年以上、福祉系の高校(特例高校)、実務者研修での教歴が5年以上など、いずれかの条件が必要です。

介護福祉士を取得しているだけでは講師業を務められない場合もあるので、要件を確認したうえでチャレンジしましょう。

介護福祉士を取得するデメリット

介護福祉士を取得するメリットはありますが、デメリットもあります。具体的には下記のとおりです。

  • 勉強時間がかかる
  • 資格を取得しても他産業より給与が低い

「勉強時間に対して割に合うの?」と考えている方は、ぜひ読み進めてみてください。

勉強時間がかかる

介護福祉士を取得するには、一定期間学習をする必要があります。

介護福祉国家試験の試験科目の出題数は、4領域12科目と総合問題を合わせた13科目の範囲から全125問が出題されます。配点が125点満点で60%以上必要なので、得点率だと75点が合格点です。

なお得点率が60%以上到達していても、正解が一つもない科目があれば不合格になるので、全科目で最低1問以上正解しなくてはいけません。

試験範囲を網羅的に学習しなくてはいけないため、多くの学習期間が必要です。家族や友人と過ごすプライベートな時間が一時的に少なくなる場合があるでしょう。

子育て中の方や介護をしている方は、スケジュール管理がさらに大変になる可能性もあります。

資格を取得しても他産業より給与が低い

介護福祉士を取得すれば資格手当が付与されるので、無資格や他資格の方よりは給料が高くなります。しかし他産業と比べるとまだ低いのが現状です。

介護ニュースを掲載している「JOINT」によると、介護職と全産業平均との給与差は104万1700円、1ヵ月あたり8万6808円の差があると発表しています。

介護福祉士を取得すると介護職のなかでは給与は上がりますが、他の職種と比べるとまだ低めです。

【体験談あり】介護福祉士になった4つの理由は?

介護福祉士のメリットやデメリットはわかったものの、どのような理由で介護福祉士を目指したかを知りたい方もいるでしょう。

そこでここでは、実際に介護福祉士になった方の考えを紹介します。ぜひ他の人の意見を参考にしてみてください。

家族の介護をする方法を知りたかった

家族の介護をきっかけに始める方がいるようです。

介護職になった理由はおじいちゃんの介護がわからなかったから。痴呆症と言われていたし、外に通うのは恥ずかしいと言う気持ちがおばあちゃんにはあった。
対応が知られてない時だったので、家族は理解できずに怒っていた。でも本能的に違うんだろうなと思って行動していた中学生時代があって今がある。

引用:X(旧Twitter)

介護技術を学ぶためはもちろん、介護を知りたい気持ちで始める方がいるようです。自身の原体験がきっかけになるので、モチベーション高く介護に関わり続けられるでしょう。

誰かのためになる仕事をしたかった

人の役に立つ仕事をしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

ただただ、誰かが喜ぶこと、誰かのためになることがしたい。
そんな生き方がしたい、というのも介護職になった理由。

引用:X(旧Twitter)

介護職は、高齢者や家族が抱えている悩みや問題を手伝ったり解決したりする仕事です。そのため「誰かのためになっている」という実感は強く感じられるでしょう。感謝されるのをやりがいにしている方も多くいます。

介護系の学校に通っていたから

介護系の学校に通学していたのを理由にしている方もいます。

介護職になった理由は高校で福祉科を専攻してたから。
杖で頭を殴られて数針縫ったり、施設から脱走した人を追いかけて道端で殴られたり色々大変やったけどそれでもこの仕事が好きだからやっている。
これからもたくさんの方達と出会い見送るでしょうがそれでもこの仕事を続けます。

引用:X(旧Twitter)

介護系の学校に通学している方は、進路を早々に決定しています。そのため、介護の仕事に就きたい意思が強い傾向にあります。

また在学中に初任者研修や介護福祉士を取得できるので資格手当がつき、未経験から始めるよりも収入が高めです。無資格の方よりも稼ぎやすいため続けられる方も多いでしょう。

高齢者が好きだった

高齢者が好きで介護職を目指す方もいます。

私が介護福祉士になった理由はおじいちゃん、おばあちゃんっ子
だったからです。ただ、それだけです😊

引用:X(旧Twitter)

多感な時期に高齢者と接することで、仕事でもかかわりたいと思う方は多いのではないでしょうか。昔からおじいちゃんやおばあちゃんっ子だったと感じている方は、介護職が向いている可能性があります。

介護福祉士になってよかったこと

介護福祉士になると大変なこともありますが、嬉しいこともあります。

ここでは、介護福祉士になって良かったと感じる点を紹介します。具体的には以下のとおりです。

  • 感謝されることが多い
  • 怪我や病気に詳しくなる
  • 収入が安定している
  • ノルマがない
  • 平日に休める
  • コミュニケーション能力が磨ける

それぞれ解説します。

感謝されることが多い

利用者の多くは認知症を抱えていたり身体に麻痺があったりなどできないことを抱えています。

家族が介護をしていると元気が良かった頃を知っているので「何でこんなこともできないの」とイラついてしまうこともあるでしょう。そのため、家族・利用者にとって良い状態で介護ができていない場合があります。そのなかで介護職が介入し、利用者や家族にとって良い介護を提供できると「ありがとう」と言われます。

介護職のなかには、感謝される瞬間にやりがいを感じている方も多いのではないでしょうか。

怪我や病気に詳しくなる

介護現場で働いていると、疾患を抱えている方や怪我をしている利用者とかかわります。そのような状況を実際に見ることで、怪我や病気の情報や知識が身についていきます。

医師や看護師など医療従事者と情報共有する機会を通して、自身も勉強することで知識がつくでしょう。

介護福祉士国家試験の試験範囲には医療的ケアも含まれているので、資格取得をする過程でも医療について学べます。

先輩の看護師から医療的な知識を教えてもらうことで、怪我や病気に詳しくなる場合もあります。介護福祉士は怪我や病気に詳しくなる場面が多くあるのです。

収入が安定している

日本は今後、ますます高齢化が進んでいきます。介護職の需要は将来なくならないため、収入も安定しています。慢性的な人手不足でもあるため、仕事が減る心配もないでしょう。

正規・非正規でも安定した収入を得続けられるのは介護職の強みです。

ノルマがない

介護職は利用者や家族が安心・安全に生活できる環境を整えるのが仕事です。そのため現場で働く介護職の方には、数値的なノルマがありません。1日何件もアポを取ったり営業成績を競い合ったりする必要性がないのです。

異業種から介護職に転職される方の中には「ノルマを持って働きたくない」「数字に追われるのは苦手」という人もいます。忙しい現場は多いものの、ノルマなく働けるのを良いと感じる方もいるでしょう。

平日に休める

介護職はシフト勤務なので、休日は土日だけではなく平日も休めます。平日が休日だと、人が少ない時間に出掛けられます。人混みに遭遇することなく、買い物や友人との時間を楽しむことができるでしょう。

外出先は人が少ない方が良いと考えている方は、介護職はおすすめです。

コミュニケーション能力が磨ける

介護職には高齢者やその家族、職員との円滑な情報共有が大切です。高齢者は自分の伝えたいことを遠慮してしまっている場合があります。そのため介護職は話を聞き、何を伝えたいかの気持ちを汲み取る力が必要です。また介護現場では、医師や看護師、リハビリ職などさまざまなスタッフとかかわります。

それぞれの意見をすり合わせながら合意を取って話を進めるスキルも身につくでしょう。

介護福祉士を取得するルート

介護福祉士を取得するにあたり「どのように受験していけばいいの?」と考えている方もいるでしょう。

そこで本記事では、社会人を対象にした介護福祉士の取得ルートを紹介します。具体的には2つのルートがあります。

  • 実務経験3年以上+実務者研修を受ける
  • 養成施設に通う

それぞれ解説します。

実務経験3年以上+実務者研修を受ける

デイサービスや特別養護老人ホームなどですでに経験を積んでいる方には、実務経験ルートがおすすめです。

実務経験ルートで介護福祉士を取得するには、3年以上の実務経験に加えて実務者研修を受ける必要があります。

なお、3年未満でも試験実施年度の3月31日までに下記の要件を満たすことで「実務経験見込み」で試験を受けることが可能です。

  • 従業期間: 3年以上
  • 従事日数: 540日以上

従業期間とは、施設や事業所に在職している全期間を指し、休暇や欠勤も従業期間に含まれます従事日数の計算では、実際に介護業務に従事した日数のみが対象で、休暇や欠勤などは含まれず1日の勤務時間の長短は問われません。なお、実務者研修の受講も実務経験が3年未満でも受けられます。

介護福祉士国家試験の申込に期限があるので、介護福祉士を受けたい方は早めの受講がおすすめです。

養成施設に通う

平成29(2017)年度の卒業生からは、厚生労働省が指定する介護福祉士養成施設を卒業することでも受験資格が得られるようになりました。また平成29年度から令和8年度までの間に、介護福祉士養成施設を卒業した方は、当該卒業月の翌年度の4月1日から5年間、国家試験受験の有無にかかわらず、介護福祉士の資格を有することとなります。

卒業後5年間のうちに、国家試験に合格するか、介護業務に5年間従事するか、いずれかの条件を満たすことにより、その後も介護福祉士資格を保有し続けられるのです。

平成28年度卒業生までは従来どおり卒業と同時に介護福祉士の資格を取得できます。

介護福祉士取得後におすすめの資格

介護福祉士を取得したあと、どのような資格を取りキャリアアップしていくか考えている方もいるでしょう。

そこでここでは、介護福祉士取得後におすすめの資格を紹介します。具体的には以下のとおりです。

  • ケアマネージャー
  • 認定介護福祉士
  • 喀痰吸引等研修

ぜひ参考にしてみてください。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは、介護支援専門員と呼ばれ、高齢者や利用者の支援を考える仕事です。

具体的には、介護サービスの方向性を決めるケアプランの作成や家族・他職種間と会議を開いて連携する役割を担います。ケアマネージャーになるには、以下の要件をクリアする必要があります。

【ケアマネージャーになるための要件】

介護福祉士など該当の国家資格等に基づく業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者
生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者

介護福祉士を取得してから5年以上の実務経験や相談員業務に関わる必要があります。

高齢者や家族を支援する指針を考えていきたい方や、他職種と連携して仕事を進めていきたい人にはおすすめの仕事です。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は2015年に導入された民間資格で、「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が介護福祉士の上位資格に位置付けています。介護福祉士からさらにスキルや知識を高めたい方におすすめの資格です。

認定介護福祉士を取得するには下記の要件を満たす必要があります。

【認定介護福祉士を取得するための要件】

◾️認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の場合
・介護福祉士としての実務経験が5年以上
・100時間以上の初任者研修の受講やレポートの提出
・試験の合格

◾️認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の場合
・認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了
・介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー(ユニットリーダー、サービス提供責任者等)の実務経験

介護職としての豊富な実務やリーダーポジションの経験が必要です。

介護福祉士を獲得後にレベルアップしたい方は、ぜひ認定介護福祉士の資格を取得してみてください。

喀痰吸引等研修

先述していますが、介護福祉士を取得していると喀痰吸引等研修を受ける資格が得られます。

喀痰吸引等研修とは、喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを介護福祉士でも提供できるようになるための研修です。

病院や研修センターでの実地研修を受け登録申請後、胃ろうや経管栄養を実施できます。喀痰吸引等研修を取得すれば、介護だけでなく医療を提供できる介護職になれます。

希少人材になれるだけでなく、資格手当も付与されるのでキャリア・収入の面で変化させられるでしょう。

介護福祉士が活躍できる施設

介護福祉士を取得しているとどの職場からもオファーがもらえます。

ここでは特に5つの介護サービスを紹介します。具体的には以下のとおりです。

【介護福祉士が活躍できる施設】

・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・有料老人ホーム
・デイサービス
・グループホーム
・通所介護(デイサービス・デイケアサービス)
・障がい者支援施設
・訪問介護事業所

職場の特徴を知り、自身が勤めたい職場を選びましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(以下:特養)は要介護3以上の方が利用できる施設で、おもに入浴や排泄、食事介助などの身体介護を提供しています。

入所されている方の多くが特養で最期を迎えるので、季節に沿ったイベントや看取りケアなど高齢者の生活に関わるさまざまなことを経験できます。また特養の月収は30万円を超えているため、給料面に関しても大きく稼ぐことが可能です。

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると月収は34万8,160円年収にすると約417万円です。

介護報酬は介護度の高さや提供しているサービスにより、加算されたり減算されたりします。特養には要介護度3以上の利用者が多いため、加算の対象になりやすく収入が高めに設定されているのです。

ただし運営している団体によるので、就職する前にきちんと確認しておきましょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(以下:老健)とは病院から退院してきた高齢者が、在宅復帰を目的として一時的にリハビリや身体介護を受ける施設です。

理学療法士や作業療法士による機能訓練を実施しながら、入浴・食事・排泄を併せて提供します。老健には、日中・夜間ともに医師や看護師などの医療専門職が常駐しているので夜間でも医療的ケアを提供できるのが特徴です。

給料面に関しては特養に次いで高い収入です。

令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、月収は33万8,920円年収にすると約406万円です。

介護度の高い利用者が多いため、介護報酬の加算対象になりやすい傾向があります。また介護だけでなく医療サービスが求められる点から、他施設より給与が高く設定されています。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、高齢者に自宅にいるような感覚で暮らしてもらうよう配慮された住宅です。

入浴や排泄、食事などの身体介護だけでなく、洗濯や掃除などの生活支援も実施しています。

有料老人ホームには、住宅型と介護付、健康型の3つの種類があります。住宅型では食事や洗濯、清掃などの生活支援をメインで提供しているのが特徴です。介護付では生活支援だけでなく、身体介護や機能訓練、レクリエーションなどを受けられます。健康型の有料老人ホームでは、自立した高齢者が対象なので提供されるサービスは最低限の生活支援と身体介護です。

健康型のみ要介護となった場合は退去しなくてはいけません。

通所介護(デイサービス・デイケアサービス)

通所介護(デイサービスやデイケアサービス)は日中のみ介護サービスを提供している施設です。

午前中に事業所へ着いたら、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けられます。デイケアサービスの場合、理学療法士や作業療法士によるリハビリも行えます。午後にサービスが終了する施設もありますが、夕方までが一般的です。

夜勤がないため肉体的な負担は少ないものの、給料は特養や老健と比べると低めです。

グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者を対象にした介護施設です。

1ユニット最大9人と少人数なので、利用者と家事を分担したり献立を考えたりなどし、自宅にいるように過ごしてもらいます。

看護師が常駐していなく、服薬管理や投薬は介護職が行います。また夜勤時に利用者が急変した場合は、介護職が対応しなくてはいけません。

未経験から介護の仕事を始める方にとっては不安に感じる面もありますが、グループホームでは手の届いたケアを提供できます。

障がい者支援施設

障がい者支援施設はおもに障害者程度区分4以上の知的障害や発達障害などを抱えた方が入所している施設です

身体介護や生活援助、レクリエーションだけでなく、自立に向けた就労支援などさまざまなサポートを受けられます。

障がい者支援施設では、24時間体制で対応するのでシフト勤務です。また従業員一人に充てる費用が高い傾向があるため、手当が充実しています。

特養や老健などと比べると、高い収入を得られるでしょう。

訪問介護事業所

訪問介護事業所とは、介護が必要な高齢者の自宅に訪問して介護を提供するサービスです。

事業所に所属する訪問介護員が、要支援1・2、要介護1~5の要介護認定を受けている高齢者を支援します。施設介護と同様、身体介護や生活支援を提供するほか、通院や買い物同行、病院までの送迎介助などを実施します。

利用者の自宅で介護をするため、施設介護よりもより自立した日常生活の支援をしていきたい方にはおすすめです。

よくある質問

介護福祉士についてよくある質問は以下のとおりです。

  • 介護福祉士はなくなる?
  • 介護福祉士を取得しても意味がない?
  • 介護福祉士を取得すると施設にお金が入るの?
  • 介護福祉士がなくても取れる資格は?

それぞれ解説します。

介護福祉士はなくなる?

介護福祉士がなくなることは今のところありませんが、ルール変更をされる可能性はあります。厚生労働省は2025年度から、介護福祉士国家試験の「パート合格」の導入を検討しています。

パート合格とは筆記試験の13科目を3つのパートに分割し、パートごとに合否を判定する試験制度のことです。

初回に全パートを受験し、不合格だったパートのみ次回以降に再受験が可能です。合格したパートはその後2年間にわたり受験する必要がなくなります。まだ検討段階なので、続報を待ちましょう。

介護福祉士を取得しても意味がない?

施設に一定の介護福祉士がいることで獲得できる加算がいくつかあります。たとえば介護職員処遇改善加算は、介護職員の配置割合によって加算の金額が変化する加算です。

介護福祉士の資格を持つ職員が多いほど、施設が受け取る加算額が増加します。

他にも介護職員が施設にいることで得られる加算はあるので、より詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

介護福祉士がなくても取れる資格は?

近年では介護系の資格が増えています。介護福祉士を取るまでに資格を何か取りたいと考えている方は、ぜひ下記の中の資格を取得してみてください。

【介護福祉士がなくても取れる資格】

・レクリエーション介護士(2級)
・介護予防運動指導員
・終末期ケア専門士
・介護事務
・福祉住環境コーディネーター
・福祉用具専門相談員
・サービス介助士
・在宅インストラクター
・高齢者コミュニケーター
・行動援護従業者養成研修
・同行援護従事者養成研修
・全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修
・重度訪問介護従事者
・認知症介護基礎研修
・認知症介護実践リーダー研修
・認知症ケア指導管理士
・認知症ライフパートナー(2級・3級)
・認知症アクティビティ・ケア専門士
・認知症介助士

スキルアップが目指せるだけでなく、他業種でも活躍できる人材になれる資格です。難易度もそこまで高くないので、介護福祉士を取得するまで時間がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

介護福祉士に向いている人は?向いていない人は?

介護福祉士に向いている人は下記のとおりです。

【介護職に向いている人の特徴】

・人と接するのが好き
・コミュニケーション能力がある
・勉強し続けられる
・責任感がある

介護職は職員や高齢者とコミュニケーションを取る機会の多い仕事です。そのため、人と接するのが好きな方には向いているでしょう。また介護福祉士を取得するには勉強をしなくてはいけません。

多くの方が仕事をしながら受験する可能性があるので、介護への興味や試験に合格するための意欲が必要です。加えて責任を持って仕事ができる人も向いています。介護現場で起こる小さなミスは事故や怪我につながる可能性が高いからです。

最悪の場合、利用者の命を奪ってしまうケースも起こり得ます。したがって1つ1つの仕事に責任を持って働くことが必要です。

一方で介護福祉士に向いていない方の特徴も挙げていきます。

【介護福祉士に向いていない人の特徴】

・人と接するのが苦手な人
・自分のペースで仕事を進めたい人
・大雑把な正確な人

介護福祉士に向いていない特徴があると、現場の職員から嫌われてしまう可能性もあるので気をつけましょう。

介護福祉士の資格は役立つ!

介護福祉士を取得しておくことで、初任者研修よりも約3万円近く高い手当を得られます。介護職は給与が低いと言われますが、資格手当で補填していきたい方は介護福祉士を取得するのも1つの手段です。また介護福祉士はキャリアアップやスキルアップを目指している方にはおすすめの資格です。

ケアマネージャーや認定介護福祉士、サービス提供責任者などになるには介護福祉士の資格がなくてはいけません。今後、高齢者や職員のマネジメントに関わりたい方は関連資格やスキルをアップデートしながら、新たな挑戦に備え、無料介護専門の単発バイトアプリ「カイテク」を活用して自分にぴったりの職場探しを始めましょう。

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