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喀痰吸引の資格の取り方とは?研修の種類や申し込みの流れも解説

喀痰吸引の資格を取得するには、基本研修と実地研修を受けなくてはいけません。しかし保有資格や介護福祉士を取得した年によって受講条件が異なります。そのため、喀痰吸引の資格の取り方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回では、喀痰吸引の資格取得方法を解説します。

自身がどのルートで進めばいいか明確になるので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

喀痰吸引の資格の取り方

喀痰吸引の資格を取る場合、介護職と介護福祉士では取得方法が異なります。 ここでは、喀痰吸引の資格を取得するルートを紹介します。

介護福祉士以外の介護職の場合

介護福祉士を取得していない介護職が喀痰吸引の資格を取得するには、基本研修と実地研修を受けなくてはいけません。 ここでは、具体的な研修内容を紹介します。

基本研修+実地研修

喀痰吸引の基本研修では、50時間の講義と気管カニューレや胃ろう行為のシミュレーター演習を行います。

講義内容とシミュレーター演習は以下のとおりです。

【講義内容】
・人間と社会
・保険医療制度とチーム医療
・安全な療養生活
・清潔保持と感染予防
・健康状態の把握
・高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論
・高齢者及び障害児・者の喀痰吸引実施手順解説
・高齢者及び障害児・者の経管栄養概論
・高齢者及び障害児・者の経管栄養実施手順解説

【シミュレーター演習】
・喀痰吸引(口腔内)
・喀痰吸引(鼻腔内)
・喀痰吸引(気管カニューレ)
・経管栄養(胃ろう・腸ろう)
・経管栄養(経鼻)

講義や演習を受けた後、実際の病院や介護施設で喀痰吸引や経管栄養を実践することで資格を取得できます。

介護福祉士の場合

介護福祉士や実務者研修を取得している方も、実地研修を受ける必要があります。 ここではその理由を紹介します。

実地研修を受講する

2015年以降、実務者研修のカリキュラムに医療的ケアが含まれるようになりました。

医療的ケアには、基本研修の内容が組み込まれています。 2015年以降に試験を受けた方や実務者研修の取得者は基本研修が免除されます。 しかし、喀痰吸引を実際の現場で行うには、実地研修を受けなくてはいけません。

登録研修機関となっている病院や施設に出向き、実際に利用者や患者に対して喀痰吸引や経管栄養を行います。

実地研修(喀痰吸引等研修)の種類

喀痰吸引の資格を取得するには、実地研修を修了しなくてはいけません!

実地研修は種類によって喀痰吸引の実践数や提供できる対象者が異なります。 自身がどの研修を受けるべきかを明確にするために、ここではそれぞれの特徴を紹介します。

1号研修

1号研修は、高齢者や障がい児・者に限らず、不特定多数の方に喀痰吸引や経管栄養を実施できる研修です。 研修対象者は介護職員です。

基本研修を50時間受講し、筆記試験に合格する必要があります。 また実地研修では、喀痰吸引や経管栄養を規定された回数行わなくてはいけません。

1号研修の場合は以下のとおりです。

【1号研修で行う喀痰吸引や経管栄養の回数】
・口腔内の喀痰吸引:5回以上
・鼻腔内の喀痰吸引:5回以上
・気管カニューレ内部の喀痰吸引:5回以上
・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養:5回以上
・経鼻経管栄養:5回以上
・救急蘇生法:1回

口腔内の喀痰吸引や経管栄養などを患者さんに5回以上実施します。さらに救急蘇生法の演習を1回受ける必要があります。

2号研修

2号研修も1号研修同様、高齢者や障がい者に限定せずに喀痰吸引が行えるようになります。 講義内容や対象者は同じですが、喀痰吸引や経管栄養の実施数が異なります。

【2号研修で行う喀痰吸引や経管栄養の回数】
口腔内の喀痰吸引:10回以上
鼻腔内の喀痰吸引:20回以上
胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養:20回以上

2号研修は喀痰吸引等の実施回数が、10〜20回以上と1号研修よりも多めです。また1号研修では、受けられた気管カニューレ内部の喀痰吸引と経鼻経管栄養の2科目が免除されます。

3号研修

3号研修では施術対象が限定されています。具体的な対象者は以下のとおりです。

【3号研修の施術対象者】
・ALS(筋萎縮性側索硬化症)
・筋ジストロフィー
・高位頸椎損傷
・遷延性意識障害
など

参考:平成24年度喀痰吸引等指導者講習事業第三号研修(特定の者対象)喀痰吸引等研修テキスト|厚生労働省

3号研修は重度障害の方が対象者です。受講対象者は、障がい者サービスや訪問介護事業所などの職員です。

3号研修は対象者が限定的なので講義時間が8時間と少なく、具体的には以下のとおりです。

【3号研修の講義内容】
・重度障がい児・者等の地域生活等に関する講義:2時間
・喀痰吸引等を必要とする重度障がい児・者等の障がい及び支援に関する講義:3時間
・緊急時の対応及び危険防止に関する講義:3時間

対象者が限定的なので、講義内容が少ないです。 また、喀痰吸引の実践回数は決められていません。 医師や看護師から知識や技能を認められるまで合格できない研修となっています。

実地研修の申し込みの流れ

実地研修を受けるには申し込みが必要で、具体的な申し込み手順は以下のとおりです。

  • 登録研修機関で受講する
  • 研修費用を支払う
  • 実地研修を受講する

それぞれ解説します。

登録研修機関で受講する

実地研修を受講するには、喀痰吸引等研修を実施している登録研修機関で研修を受ける必要があります。

そのため、まずは喀痰吸引等研修を受けられる登録研修機関を探しましょう。登録研修機関の名簿は、各都道府県のホームページにある福祉関連の項目から確認できます。

勤務先が登録研修機関に該当する方は、そのまま申請手続きを進めれば受講可能です。

研修費用を支払う

受講する登録研修機関が決定したら、研修費用を支払いましょう。研修費用は第1〜3号によって異なります。

具体的な費用は以下のとおりです。

第1号:80,000~200,000円  
第2号:80,000~200,000円
第3号:25,000~60,000円  
実地研修のみ:15,000~20,000円

介護福祉士を取得している方は基本研修が修了済みなので、実地研修のみ受講となります。

実地研修を受講する

手続きが完了したら、実地研修を受講します。先述したとおり、第1・2号研修では、各医療行為に規定回数が定められています。

口腔内喀痰吸引は10回以上、鼻腔内、気管カニューレ内部、胃ろう、腸ろうの経管栄養、経鼻経管栄養は20回以上行わなくてはいけません。第3号研修のみ、医師や看護師により評価されます。

回数ではなく、受講者が医療行為の知識や技能を習得できたかを認められるまで実施します。

よくある質問

喀痰吸引の資格に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 喀痰吸引を取得するのは難しい?
  • 喀痰吸引研修の日程は?
  • 実地研修が受けられる場所は確認できる?

それぞれ解説します。

喀痰吸引を取得するのは難しい?

喀痰吸引研修には合格基準が設定されています。正答率が9割以上で合格なので、講義内容をきちんと復習しておく必要があります。また、第1・2号研修では各医療行為の規定回数が定められていますが、第3号にはありません。

医師や看護師に技能を認められなければ合格できません。

指摘された部分に気をつけたうえで医療行為を行いましょう。

喀痰吸引研修の日程は?

喀痰吸引研修の日程は地域によって異なります。そのため、学習しているスクールに問い合わせてみましょう。

実地研修が受けられる場所は確認できる?

厚生労働省から登録研修機関が掲示されています。全国の登録研修機関が掲載されているので、ぜひ確認してみてください。

喀痰吸引は保有資格によって取得方法が変わる

喀痰吸引の取得方法は、保有している資格や施術対象者によって異なります。介護福祉士や実務者研修を取得していない方は、基本研修を受ける必要があります。高齢者や障がい児・者に限らず喀痰吸引を提供したい方は第1・2号、重度障がい者を対象にしたい方は第3号を取得しなくてはいけません。自身の状況や取得したい資格に沿って研修を受講しましょう。

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