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認知症の高齢者の方が簡単にできるおすすめの介護レクリエーション30選!
認知症の高齢者と日々向き合う中で、どのように楽しい時間を過ごしてもらえばよいのか、悩んだことはありませんか?
家庭や施設で一緒に過ごしていても、単調な日々になりがちで、高齢者が退屈そうにしている様子を見ると心苦しく感じることもあるでしょう。
さらに、適切なレクリエーションを見つけられないまま放置すると、高齢者が閉じこもりがちになり、心身の状態が悪化するリスクも考えられます。
この記事を読み終える頃には、介護者自身も無理なく楽しい時間を共有でき、日常生活がより充実したものとなるはずです。
なお、「高齢者レクリエーション」について、おすすめのレク・種類などは下のページでまとめているのでチェックしてみてください。
▶︎高齢者向けレクリエーション26選!道具なしや簡単に盛り上がるアイデア集
認知症の高齢者にレクリエーションを実施する目的
認知症の高齢者にレクリエーションを実施する主な目的は、心身の健康を維持し、生活の質(QOL)を向上させることです。
具体的には、認知機能の刺激や身体機能の維持・改善を図りながら、社会的交流を促進します。また、レクリエーションを通じて楽しみや達成感を感じることで、感情の安定やストレス軽減が期待されます。
日常生活の中で意欲や興味を引き出し、閉じこもりや孤立を防ぐ効果も大きな役割です。
認知症の方向けのレクリエーション3種類

認知症の高齢者に適したレクリエーションは、その人の身体能力や認知機能、生活習慣に応じて工夫することで、心身の活性化や生活の質(QOL)の向上に貢献します。
ここでは、身体を動かす活動、認知機能を活用する活動、日常動作を活かした活動という3つのカテゴリーに分け、それぞれの特徴や効果について解説します。
身体を使ったレクリエーション
身体を使ったレクリエーションは、認知症の高齢者が楽しみながら身体機能を維持・向上させるための効果的な活動です。
例えば、音楽に合わせて手拍子や足踏みを行う「リズム体操」や、柔らかいボールを使った「風船バレー」は、筋力や柔軟性の維持だけでなく、血行促進や心身のリフレッシュにも役立ちます。
さらに、座ったまま行える「足で輪投げ」や、棒を用いた運動は、安全性が高く取り組みやすい点が特徴です。
これらの活動は、運動不足解消や生活リズムの改善をサポートし、参加者に達成感と楽しさを提供します。
また、少人数から集団まで幅広い状況で実施でき、社会的な交流機会の増加にもつながります。
認知機能を使うレクリエーション
認知機能を活用するレクリエーションは、脳を活性化させることを目的とした活動で、記憶力や集中力を必要とする脳トレが中心です。
例えば、「しりとり」や「間違い探し」といったゲームは、楽しみながら認知機能を鍛える機会を提供します。
さらに、「連想ゲーム」や簡単なクイズ形式のゲームも効果的です。
これらの活動は、過去の経験や知識を活用して脳を刺激し、記憶力の維持や改善を図れます。
また、参加者同士が交流することで、コミュニケーション能力や社会的なつながりを保つ助けとなり、心理的な安定感も得られます。
日常動作を活かすレクリエーション
日常動作を活かすレクリエーションは、認知症の高齢者が普段の生活でおこなう動作を基にしながら、生活能力の維持と認知症の進行抑制を目指す活動です。
具体的には、「洗濯物をたたむ」や「料理」など、親しみやすく安全な作業を取り入れることで、日常生活で必要な動作を自然に練習できます。
また、「折り紙」や「塗り絵」のような手先を使う活動は、指先の機能維持に効果的です。
これらの細かな動作を通じて脳を刺激し、完成した作品を他者と共有することで達成感や喜びを得られます。
これにより、心理的な安定感が高まり、自信や積極性を引き出す効果も期待されます。
認知症の高齢者が簡単にできるレクリエーション16選

認知症の高齢者が楽しみながら参加できるレクリエーションを選ぶことは、心身の健康を維持するうえで重要です。
ここでは、認知症の高齢者が簡単にできるレクリエーションを16個紹介します。
1.カラー神経衰弱
- レクの種類:認知機能を刺激するカードゲーム
- 参加人数:2人から6人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:色のついたカード(裏返せる仕様で作成する)
【内容・進め方】
まず、テーブルの上に複数の色のカードをランダムに並べます。
参加者は順番にカードを2枚めくり、同じ色であればペアとして手元に置いてください。異なる色の場合は再び裏返します。
この手順を繰り返し、最終的に最も多くのペアを作った人が勝者となります。
少人数で行うため、他者との交流を深める機会にもなるでしょう。
2.あいうえお体操
- レクの種類:発声と運動を組み合わせた体操
- 参加人数:1人から10人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:広めのスペース(椅子を使う場合は椅子)
【内容・進め方】
参加者は「あいうえお」と発声しながら体を動かします。
「あ」のときは腕を上げ、「い」のときは肩を回す、といった簡単な動作を繰り返してください。
背景に音楽を取り入れることでリズム感が生まれ、全員で楽しめます。
リズムに乗る楽しさが参加者の笑顔を引き出し、場の雰囲気をより明るくするでしょう。
3.アートセラピー
- レクの種類:感性を活かす創作活動
- 参加人数:1人から5人
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人から2人
- 用意するもの:スケッチブック、絵の具、クレヨン、色鉛筆など
【内容・進め方】
「好きな風景」や「今日の気持ち」といったテーマを決めてもよいでしょう。完成した作品は展示したり、家族に見せる機会を設けることで、達成感をより高められます。
創作活動を通じて感情表現が促進され、ストレスの軽減が期待できます。
また、記憶や感性を刺激することで、認知機能の活性化にもつながるでしょう。
4.料理
- レクの種類:日常的な調理活動を利用した実践的なレクリエーション
- 参加人数:1人から5人
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:簡単に扱える調理器具(包丁、まな板)、安全に扱える食材
【内容・進め方】
野菜の皮むきや果物の盛り付けなど、簡単な調理作業を依頼します。作業後には、調理したものを全員で食べる場を設けることで、楽しさをさらに高められるでしょう。
調理を通じて日常生活の感覚を取り戻すとともに、集中力を養えます。
また、完成した料理を他者と共有することで、社会的なつながりを維持する効果も期待できます。
5.ガーデニング
- レクの種類:自然と触れ合う庭作業
- 参加人数:1人から数名
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人から3人
- 用意するもの:鉢植え、土、シャベル、種や苗
【内容・進め方】
最初はスタッフが水やりを行い、興味が湧いてきたり反応してきたりした利用者に声をかけ、参加してもらいましょう。
植物の成長を見守る楽しみを共有することで、日々の生活に新たなリズムが生まれます。
自然と触れ合うことでリラックス効果を得られるだけでなく、植物の世話を通じて責任感や達成感を感じることもできます。
6.集団体操
- レクの種類:体を動かしながら交流を楽しむ体操
- 参加人数:5人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人から2人
- 用意するもの:音楽を流せるスピーカー、広いスペース
【内容・進め方】
リーダー役が簡単な体操を実演し、音楽に合わせて手足を動かします。全員で動きを揃えることで、一体感が生まれ、楽しい雰囲気を作れます。
このレクリエーションは、筋力の維持や運動不足の解消に役立つでしょう。
また、集団で行うことで心理的な安定感が得られ、他者との交流を促進する効果も期待できます。
7.連想ゲーム
- レクの種類:言葉遊びを通じて認知機能を刺激するゲーム
- 参加人数:3人から8人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:ホワイトボードまたは紙とペン
【内容・進め方】
お題となる言葉を一つ出し、それに関連する言葉を順番に答えていきます。例えば、「花」がお題の場合、「チューリップ」や「春」など、連想される言葉を挙げていきます。
全員が発言しやすいように、リズムよく進行させてください。
この活動は記憶力や発想力を刺激し、認知機能の向上が期待されます。
また、他者の発言に耳を傾けることで、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
8.歌唱活動
- レクの種類:音楽を楽しむ活動
- 参加人数:5人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:歌詞カード、カラオケ機器や楽器(必要に応じて)
内容・進め方
参加者に歌詞カードを配り、全員で一緒に歌を歌います。
懐かしい童謡や流行歌を選ぶことで、楽しさがいっそう増します。さらに、伴奏をつけると場が盛り上がるでしょう。
この活動は発声によるストレス解消や呼吸機能の向上が期待できます。
また、懐かしい曲を歌うことで記憶が呼び起こされ、認知症の進行を抑える効果も期待されます。
9.塗り絵
- レクの種類:手先を使った創造的な活動
- 参加人数:1人から5人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:塗り絵用紙、色鉛筆、クレヨンなど
【内容・進め方】
進行役は必要に応じてアドバイスやサポートを行い、参加者が楽しめるようにしましょう。完成した作品を展示することで、さらに意欲を高められます。
この活動は手先を使うことで指先の運動を促進し、集中力を高める効果があります。
10.折り紙
- レクの種類:手先を使う工作型の活動
- 参加人数:1人から5人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:折り紙
【内容・進め方】
折り方の簡単なものから始めて、徐々に難易度を上げていきます。例えば、鶴や箱など、日常的なものを作ると親しみやすくなります。
完成した作品は持ち帰ることができるため、達成感がさらに高まるでしょう。
このレクリエーションは指先を使う作業を通じて脳を刺激し、認知機能の維持に役立ちます。
また、作品を作り上げる過程で達成感を味わうことができ、心に充実感をもたらします。
11.絵描き歌
- レクの種類:音楽と絵を組み合わせた活動
- 参加人数:3人から10人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:紙とペンまたはホワイトボード
【内容・進め方】
歌詞に合わせて絵を描いていきます。例えば、「丸を描いて…」と歌いながら進めることで、自然と一つの絵が完成します。
全員で同じ歌を歌いながら描くことで、一体感が生まれ、場の雰囲気がより楽しいものになるでしょう。
音楽と絵を組み合わせることで、脳の異なる領域を同時に刺激することができ、創造力を養う効果が期待されます。
また、楽しみながら行えるため、リラックスした時間を過ごせます。
12.編み物
- レクの種類:繰り返しの手作業を楽しむ活動
- 参加人数:1人から3人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:毛糸、編み針
【内容・進め方】
簡単な編み方を教えながら、少しずつ作品を仕上げていきます。
初心者向けに、簡単なマフラーやコースターなど、取り組みやすいものを作るとよいでしょう。
この活動は手先の器用さを保つ効果があり、編み物を続けることで集中力の向上が期待されます。
また、編み物特有のリズム感がリラックス効果をもたらし、心を落ち着ける時間を提供します。
13.散歩
- レクの種類:屋外で体を動かす活動
- 参加人数:1人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:歩きやすい靴、水分補給用の飲み物
【内容・進め方】
施設周辺や公園など、安全な場所を散歩します。天候や参加者の体調を確認しながら進めることで、安心して楽しめるでしょう。
途中で風景を眺めたり、休憩を挟むことで、無理のないペースで散歩を続けられます。
気持ちの切り替えができるため、生活の質の向上にもつながります。
14.思い出話サイコロゲーム
- レクの種類:記憶を呼び起こすゲーム型の活動
- 参加人数:3人から6人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:お題が書かれたサイコロ(例:「子どもの頃」「好きな食べ物」など)
【内容・進め方】
例えば、「学生時代の思い出」や「好きだった遊び」など、親しみやすい話題を設定すると話が弾みやすくなります。
進行役は話しやすい雰囲気を作り、参加者全員が発言できるよう配慮してください。
このレクリエーションは記憶を刺激し、認知機能の向上に役立ちます。
また、参加者同士のコミュニケーションを促進し、社会的なつながりを深める効果が期待されます。
15.洗濯物をたたむ
- レクの種類:日常的な作業を行う活動
- 参加人数:1人から5人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:洗濯物(タオルや衣類)
【内容・進め方】
たたみ方を教えながら進めることで、全員が参加しやすい環境を作ります。
タオルや下着など簡単なものから始めることで、無理なく取り組めます。
この活動は手先を使った作業を通じて認知機能を刺激し、日常生活のリズムを取り戻すきっかけとなるでしょう。
また、作業を共有することで一体感が生まれ、他者との交流が深まる効果も期待されます。
16.回想法
- レクの種類:過去の記憶を呼び起こす心理的な活動
- 参加人数:1人から10人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:昔の写真や懐かしい物、音楽など
【内容・進め方】
スタッフが「この写真はどこで撮ったものですか?」や「この曲を聴いていた頃はどのようなことをしていましたか?」といった質問をすることで、参加者の記憶が自然によみがえります。
回想法は認知症の進行を抑える効果が期待できるだけでなく、心理的な安定をもたらすのです。
また、思い出を共有することで他者とのつながりが深まり、心温まる交流の時間を作れます。
認知症の高齢者が簡単にできる体操・体を動かすレクリエーション5選

認知症の高齢者にとって、適度に体を動かすことは心身の健康維持に非常に重要です。
ここでは、体操や動きを取り入れたレクリエーションを5種類紹介します。
棒でボールを打ち合う【サッカー】
- レクの種類:棒を使った運動型のゲーム
- 参加人数:3人から6人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:柔らかいボール、軽い棒(プラスチック製やスポンジ素材が安全)
【内容・進め方】
得点制を導入するとゲームがさらに盛り上がりますが、参加者の体力や能力に応じて進行速度を調整し、安全に楽しめるよう配慮してください。
この活動は手や腕を使った運動を通じて筋力や反射神経を鍛える効果が期待されます。
また、ゲーム形式で進行するため、集中力を高めるとともに、他者とのコミュニケーション能力の向上にもつながります。
2人から3人で実施する【風船バレー】
- レクの種類:風船を使った軽運動
- 参加人数:2人から3人
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:風船
【内容・進め方】
このゲームは座ったままでも楽しめるため、体力に自信がない方でも無理なく参加できます。
チーム戦を取り入れると、さらに盛り上がるでしょう。
この活動は手を動かすことで肩や腕の運動になり、風船がゆっくりと落ちるため、反射神経や注意力の向上が期待できます。
また、自然と笑顔や笑いが生まれやすい活動のため、心理的なリラックス効果も得られます。
下肢の運動機能トレーニングになる【足で輪投げ】
- レクの種類:足を使った簡単な運動
- 参加人数:1人から5人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:リング(やわらかい素材)、小さなゴールまたは的
【内容・進め方】
スタッフがゴールの位置を調整することで、成功しやすい環境を作り、参加者の意欲を高めます。
得点制を取り入れると、達成感がさらに増し、楽しさもアップするためおすすめです。
このレクリエーションは足や膝を使った運動により、下肢の筋力やバランス感覚を鍛える効果があります。
動作がゆっくりで簡単なため、幅広い体力レベルの参加者が無理なく取り組める点も魅力です。
音楽に合わせて体を動かす【リズム体操】
- レクの種類:音楽を活用した体操
- 参加人数:5人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:音楽を流すスピーカー、広いスペース
【内容・進め方】
手拍子や足踏み、腕を伸ばすなどの動作をリズムに合わせて実施します。
音楽のテンポを調整することで、すべての参加者が無理なく楽しめる環境を作れるでしょう。
このレクリエーションでは、リズム感を養いながら全身を動かすことで筋力や心肺機能の向上が期待できます。
また、音楽を楽しむことで心理的なリラックス効果が得られ、気分の向上にもつながります。
慣れ親しんでいる【ラジオ体操】
- レクの種類:誰もが知っている全身運動の体操
- 参加人数:1人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:ラジオ体操の音源や映像、広いスペース
【内容・進め方】
音楽に合わせてラジオ体操を行います。
参加者が覚えている動きに従い進行しますが、椅子に座ったままでの参加や、一部の動作のみを行うなど、体力や能力に応じて柔軟に対応してください。
懐かしい音楽と動作によって記憶を呼び起こし、心理的な安心感を与えられるため、心身のリフレッシュに役立ちます。
認知症の高齢者が簡単にできる手遊び3選

手遊びは、手先を使うことで脳の活性化を促す効果があり、認知症の高齢者にも無理なく楽しんでもらえる活動です。
ここでは認知機能の刺激や指先の運動を兼ねた手遊びを3つ紹介し、それぞれの進め方や効果について詳しく解説します。
後出しじゃんけん
- レクの種類:反射神経と注意力を高めるゲーム型手遊び
- 参加人数:2人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:特になし
【内容・進め方】
スタッフや他の参加者とペアになり、じゃんけんを行います。
ただし、通常のじゃんけんとは異なり、「勝つ」か「負ける」手を意識的に後出しで出すルールを採用します。
例えば、スタッフが「勝ってください」と指示を出し、参加者がスタッフの手に勝つ形で後出しをします。
テンポをゆっくり進めることで、誰もが参加しやすくなるでしょう。
ユーモラスな場面や笑いが生まれやすく、場の雰囲気を明るくする効果もあります。
指折り体操
- レクの種類:手先の運動を促す体操型の手遊び
- 参加人数:1人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:特になし
【内容・進め方】
「1本目は親指、2本目は人差し指」というように、数字に対応した指を順番に動かすゲームです。
また、「1・2・3」とカウントしながら、左右の手で異なる動作を行うなど、難易度を調整して楽しむこともできます。
手先の感覚や動作を意識することで、注意力や集中力を高める効果が期待できます。
また、難易度を調整することで、幅広い参加者が無理なく取り組めるでしょう。
グーチョキパー体操
- レクの種類:手と口を連動させた簡単な体操
- 参加人数:1人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:特になし
【内容・進め方】
まず、同時に「グー」「チョキ」「パー」と声に出して言いながら進めます。
慣れてきたら、手と声をずらしたり、反対の手を使ったりするなど、難易度を徐々に上げると楽しめるでしょう。
手と声を連動させることで脳全体を活性化する効果が期待されます。
また、リズム感を養いながら行うことで、運動不足の解消やストレス軽減につながり、楽しみながら心身のリフレッシュができます。
認知症の高齢者が簡単にできる音楽のレクリエーション3選

音楽は、認知症の高齢者の感情や記憶に直接働きかける力を持っています。
ここでは、認知症の高齢者が楽しみながら取り組める音楽に関連したレクリエーションを3つ紹介します。
曲の続きを歌うゲーム
- レクの種類:音楽を使った記憶力ゲーム
- 参加人数:3人から8人程度
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:歌詞カード、音楽プレイヤー(必要に応じて)
【内容・進め方】
懐かしい曲を選び、スタッフが歌の途中まで歌い、その続きを参加者が歌う形式で進行します。
必要に応じて歌詞カードを用意し、難易度を調整することで、全員が無理なく楽しめるでしょう。
音楽を通じて自然な笑顔や交流が生まれることで、心理的なリフレッシュ効果を得られ、場の雰囲気も明るくなります。
音楽鑑賞
- レクの種類:リラックスを目的とした受動的な活動
- 参加人数:1人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人
- 用意するもの:音楽プレイヤー、スピーカー
【内容・進め方】
参加者の世代や好みに合った音楽を選び、静かに鑑賞します。鑑賞後には感想を共有する時間を設けることで、他者との交流を深められるでしょう。
また、「昭和の名曲」などテーマを設定することで、統一感が生まれ、より楽しみやすくなります。
懐かしい曲を聴くことで記憶が呼び起こされ、自然な会話のきっかけを作ることができ、場の雰囲気が和やかになるでしょう。
楽器の演奏
- レクの種類:手を動かしながら音を楽しむ活動
- 参加人数:3人以上
- 必要なスタッフ数(見守り役):1人から2人
- 用意するもの:簡単に演奏できる楽器(タンバリン、カスタネット、鈴など)
【内容・進め方】
簡単な楽器を用意し、音楽に合わせて演奏を行います。全員でリズムを揃えることを目指しますが、揃わなくても楽しめるように自由な雰囲気を作ります。
途中で使用する楽器を交代しながら進めることがポイントです。
音楽を通じた一体感が生まれ、心理的な満足感やストレス解消の効果を得ることができます。
認知症の高齢者向けのレクリエーションを実施する際のポイント

ここからは、認知症の高齢者向けレクリエーションを実施する際のポイントを紹介します。
補助を入れる
認知症の高齢者が安心してレクリエーションに参加できるよう、適切な補助を行うことが重要です。
補助は、体力的な支援にとどまらず、適切な声がけや行動の促しを通じて心理的な安心感を提供します。
例えば、折り紙や塗り絵などの指先を使う活動では、手先の動きに困難を感じた場合にさりげなく手助けをすることで、活動を円滑に進められます。
ただし、補助が過剰にならないよう注意が必要です。
認知機能の維持や向上を目的に、本人の自立を尊重しながらサポートを行うことで、自信や意欲を維持し、生活リズムの活性化や達成感の向上につながります。
このような配慮が、社会的つながりやQOL(生活の質)の向上を促し、レクリエーションをより充実したものにする鍵となります。
臨機応変に対応する
レクリエーション中に予想外の反応や状況が発生した場合には、柔軟で臨機応変な対応が重要です。
例えば、集中力が途切れて他の活動に興味を示した際には、その興味に応じた活動を取り入れることで、楽しい時間を提供できます。
一方的な進行ではなく、一人ひとりの気持ちや状態に寄り添うことで、安心感をもって活動に参加できる環境が生まれます。
この対応により、場の雰囲気が和らぎ、満足度も向上するでしょう。
安全面に気を遣う
認知症の高齢者がレクリエーションに参加する際には、活動中の転倒やケガのリスクを考慮し、安全面への配慮を徹底させましょう。
例えば、道具を使用する場合は誤飲やケガを防ぐために、軽くて安全な素材の道具を選び、使い方をわかりやすく説明する工夫が必要です。
また、椅子に座って活動をおこなう際には、立ち上がりの際にサポートをすることで、転倒のリスクを軽減できます。
さらに、活動をおこなう場所の環境整備も大切です。
- 床に物を置かない
- 滑りにくい床材を使用 など
安全な環境を整えることで、参加者が安心して活動に取り組めます。
このような配慮により、参加者だけでなく介護者も安心してレクリエーションをおこなえるうえに、全体的な満足度が向上します。
また、活動内容に合わせた工夫も重要です。
例えば、体操やガーデニングのような身体を動かす活動では、無理のない動きを設定することがポイントです。
認知症の方にとっては、活動の難易度が高すぎるとストレスの原因になるため、簡単で親しみやすい内容から始めましょう。
ルールがわかっていなくてもできるゲームにする
認知症の進行度によっては、複雑なルールを理解することが難しい場合もあります。
そのため、説明が簡単で直感的に楽しめるシンプルなゲームを選ぶことが大切です。
例えば、風船バレーや絵描き歌などは、自然と楽しめる活動として適しています。
さらに、ルールを柔軟に運用することで、参加者一人ひとりに合わせたサポートが可能です。
例えば、得点を気にせず風船を打ち合うことに集中したり、絵描き歌では途中でサポートを加えたりするなど、状況に応じた対応をおこなうとよいでしょう。
このような工夫を行えば参加者全員が気軽に参加できる雰囲気ができ、楽しみながら活動に取り組める環境になります。
「参加しなくてはダメ」という発想をなくす
レクリエーションは無理に参加を促すものではなく、参加者が自発的に楽しむことを目的としています。
そのため、参加者が興味を示さなかったり気分が乗らなかったりする場合には、無理強いをしてはいけません。
別の活動を提案したり、そっと不参加にしたりして見守る姿勢が望ましいです。
例えば、ガーデニングや折り紙は自分のペースで取り組める活動であり、達成感を得ることができます。
一方で、歌唱や言葉遊びのようなグループ活動では、他者との交流を通じて自然な笑顔や会話が生まれ、心理的なリフレッシュ効果が期待されます。
このように自由な選択肢を提供することで、参加者の気持ちを尊重し、心理的な負担を軽減できるでしょう。
また、見守るなかで参加者の気分が変わったり、別の活動への興味が芽生える場合もあるため、柔軟な対応が大切です。
このような配慮により、参加者が安心感を持ち、リラックスして過ごせる環境を作り出せます。
結果をすぐに求めない
レクリエーションでは、結果そのものよりも過程を大切にする姿勢が必要です。
例えば、塗り絵が最後まで完成しなくても、その時間を楽しみ、取り組んだこと自体が大きな成果となります。
また、過程を評価する姿勢は参加者の自己肯定感を高め、次の活動への意欲を引き出すきっかけになります。
介護者やスタッフが「ここまでできたのが素晴らしいですよ!」と声をかけることで、成功体験として記憶に残り、活動の意義をより深く感じられるでしょう。
さらに、長期的な視点で考えることも大切です。
短期的な成果に焦点を当てるのではなく、参加者が持続的に楽しめる環境を整え、心身の維持・向上を図ることが目標です。
このような姿勢が、レクリエーションを単なる時間潰しではなく、認知症予防や生活の質向上につながる充実した時間とする鍵となります。
認知症の高齢者向けのレクリエーションを盛り上げるコツ
認知症の高齢者が積極的にレクリエーションに参加し、楽しめる雰囲気を作るためには、場を盛り上げるための工夫が必要です。
ここでは、レクリエーションを盛り上げる具体的なコツについて解説します。
職員が楽しそうな姿を見せる
レクリエーションを進行する職員が楽しそうな姿を見せることで、参加者にその楽しさが自然と伝わります。
笑顔や明るい声での呼びかけ、職員自身が積極的に参加することで「一緒に楽しむ」という雰囲気を作り出すことが大切です。
このような姿勢は、参加者が活動に興味を持ち、積極的に取り組むきっかけとなります。
認知症の高齢者は周囲の感情や雰囲気に敏感です。
職員のポジティブな態度がコミュニケーションを円滑にし、心を開きやすくする効果があります。
また、場の雰囲気が明るくなることで、心身の活性化やストレス軽減にもつながり、より充実した時間を共有できるでしょう。
同じ参加者で実施する
レクリエーションを同じメンバーで繰り返しおこなうことで、参加者同士の交流が深まり、活動がより楽しいものになります。
顔なじみのメンバーがいることで、安心感が生まれ、参加者は積極的に活動に取り組む意欲が高まるでしょう。
また、活動を繰り返すことで認知症の高齢者は手順や内容に慣れやすくなり、心身の負担が軽減されます。
これにより、成功体験を積み重ねながら、自信と達成感を得られるでしょう。
長時間やらず15分で区切る
認知症の高齢者は集中力が長く続かないため、レクリエーションの時間を短めに設定し、適度に休憩を挟むことが効果的です。
例えば、1回の活動を15分程度で区切ることで、疲労感を軽減し、次の活動にもスムーズに移行できます。
短い時間の中で集中して楽しめるよう、塗り絵や言葉遊びのようにシンプルでわかりやすい内容を選び、適度にテンポをつける工夫が大切です。
また、休憩時間には水分補給やアートセラピーなどのリラックスできる活動を取り入れることで、参加者が無理なく活動を続けられる環境を整えられます。
さらに、歌唱や体操など、身体を軽く動かせるアクティビティを織り交ぜると、心身のリフレッシュ効果が得られ、より充実した時間を提供できます。
このような配慮が、活動全体の質を高め、参加者にとってより楽しく充実した時間を提供することにつながるでしょう。
認知症の高齢者向けにレクリエーションをする際の注意点
認知症の高齢者向けにレクリエーションを実施する際は、予期せぬトラブルを防ぎ、参加者が安全かつ快適に活動できる環境を整えることが大切です。
ここでは、特に注意すべきポイントを解説します。
利用者間の口論・暴力
例えば、ゲームの勝ち負けにこだわることで対立が生じる場合もあります。
このような状況を防ぐためには、スタッフが間に入り、落ち着いた言葉で状況を説明しながら、双方の気持ちを受け止める対応が必要です。
また、言葉遊びや回想法のように対立の起こりにくいレクリエーションを取り入れることも効果的です。
ゲームやレクリエーションのルールに柔軟性を持たせ、勝ち負けよりも楽しむことを重視する雰囲気を作りましょう。
さらに、普段から利用者の人間関係や性格を把握しておき、相性の良い組み合わせを考えるなど、適切な距離感を保つ工夫もポイントです。
加えて、活動中に休憩時間を適切に設けることで、気持ちをリセットする時間を提供することも大切です。
集団活動を行う際には、参加者全員が安心して取り組めるよう、安全性を確保しつつ進行をサポートすることが、充実した時間を提供する鍵となります。
道具の異食
特に、小さな部品や見た目が食品に似ているものを使用する場合は十分な注意が求められます。
安全を確保するためには、誤飲の危険が少ない素材やサイズの道具を選び、活動中は常にスタッフが目を配ることが大切です。
また、活動が終了した後は、使用した道具を速やかに片付けることで、誤飲のリスクをさらに減らせます。
例えば、折り紙や塗り絵のように、道具の安全性を確保しやすい活動を選ぶのも一つの方法です。
これらの活動では、特別な道具を必要とせず、簡単に準備できるため、リスクを抑えながら参加者に楽しみを提供できます。
さらに、ガーデニングや歌唱といった異食行動の影響を受けにくい活動を取り入れることで、安心して取り組める環境を作ることが可能です。
また、道具を使用する際には、事前に参加者全員に使用方法をわかりやすく説明し、コミュニケーションを通じて誤飲防止への意識を高める工夫も有効です。
このような取り組みにより、レクリエーションが安全かつ効果的な時間となるよう配慮できます。
うまくできないことによる被害妄想
活動が思うように進まない場合、認知症の高齢者が被害妄想を抱くことがあります。
「誰かに邪魔をされた」「わざと失敗させられた」などと感じることで、ストレスやトラブルにつながる可能性があります。
こうした状況を防ぐには、以下の対応が有効です。
まず、活動中に適切な声かけを行い、「失敗しても大丈夫ですよ」「みんなで楽しみましょう」といった安心感を与える言葉で参加者をサポートします。
また、失敗を責めたり競争を強調したりしないように進行を工夫し、参加者が安心して取り組める雰囲気を作ることが大切です。
さらに、回想法を取り入れることで、過去の成功体験や思い出を引き出し、肯定的な気持ちを促すことができます。
これにより、自信を回復させ、活動への意欲を高める効果が期待されます。
加えて、コミュニケーションを通じて、参加者一人ひとりの状況や気持ちを理解し、適切に対応することが重要です。
また、塗り絵や言葉遊びなど、失敗が目立ちにくい活動を選ぶことで、被害妄想を抱きにくい環境を整えることも有効です。
こうした配慮を行い、参加者がストレスを感じることなくリラックスして楽しめる時間を提供しましょう。
無理にやろうとせず利用者の気持ちを優先しましょう!
認知症の高齢者向けのレクリエーションは、身体や認知機能の維持、そして日常生活の質(QOL)の向上に大きな役割を果たします。
その効果を最大限に引き出すためには、活動を安全かつ柔軟に進める工夫が必要です。
利用者の状態や興味に応じた内容を選び、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
活動を楽しめる雰囲気を作るには、職員や家族が積極的に関わりながらサポートをおこない、参加者一人ひとりの感情やペースに寄り添う姿勢が求められます。
こうした配慮により、安心感と楽しさを提供し、参加者が充実した時間を過ごせます。
また、安全性を確保し、異食行動のリスクを考慮した道具を使用することも重要です。
注意点を押さえて適切に対応することで、トラブルを防ぎながら楽しい時間を共有できるでしょう。
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