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口を開けてくれない人の食事介助の方法!認知症の方への対応や口が開かない原因を解説
食事介助をしていると、口を開けてくれない利用者がいます。新人職員だったり在宅で介護していたりする方にとっては、どのように対応すればいいかわからないでしょう。
認知症の方への対応方法もわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
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食事介助で口を開けてくれない原因

食事介助で口を開けてもらえない原因はいくつかあります。具体的には以下のとおりです。
原因を調べて、適切なケアを行いましょう。
自分の意思で口を開けない
利用者の中には、自分の意思で口を開けない方もいます。食事の時間が自分にとって適切でないと感じると、機嫌を損ねて口を開けてくれないことがあります。
また、お腹が空いていない、または食欲がないと、口を開けてもらえないこともあるでしょう。
介助者は、なぜ口を開けてくれないのかを質問して、確認する必要があります。
意思疎通ができていない
認知症を抱える利用者の場合、意思疎通が難しく、口を開けないケースが増えます。介助者の声掛けの意味が理解できないため、利用者はどう対応すればよいのかをわからないことがあります。
認知症の方への対応では、声掛けが大切である一方、食事の認識も促すことが必要です。食事を拒否して口を開けない利用者とは、異なるアプローチが求められます。
口を開けたくても開けられない
自らの意思で口を開けられない状態の方もいます。
たとえば、あごが外れている場合、口を自由に動かせません。
多くの利用者が自分の意思を伝えるのが難しいため、介助者は様子をうかがいながら適切に判断することが大切です。
何らかの処置が必要と判断した場合、自己判断せず、医師や看護師といった専門職に相談してください。
口を開けない人の食事介助の対策

食事介助で口を開けてもらえない時の対策を具体的に解説します。
状況に応じて対応方法が変わります。
適切な声かけを行う
自分の意思で口を開けない方には、的確な質問をすることが大切です。以下のような質問は参考として考えられます。
- 「お腹がまだ空いていませんか?」
- 「食欲がないのですか?」
このような質問をすると、利用者から「今は食べたくない」との返答があることも考えられます。時間を空けて再度チャレンジすると、食事を受け入れてくれることがあるので、しばらく経ってからの再アプローチをおすすめします。
また、以下では食事介助の声かけ例を紹介しているので、声かけに迷う方はぜひ参考にしてください。

好物をそろえる
食事の繰り返しや好みに合わないメニューで、利用者が食事を受け入れないことがあります。好みや嗜好に合わせて食事を準備すると、食事をしてくれることが増えます。
管理栄養士との相談を通じて、好きな食べ物を提供することを考えてみてください。できる限りの範囲で、好きな食事やおやつを提供しましょう。
スプーンを軽く舌の真ん中に当てる
口が全く開かない、飲み込みが悪い利用者には、スプーンを軽く舌の真ん中に当てることをおすすめします。
口に物が入ることで反射反応が起きるため、食事へのスイッチが入ることがあります。しかし、この反射を利用する際にスプーンを舌に当てる時は、汁物や水分の提供は控えてください。口に含んだ際にむせるリスクがあるからです。
無理にスプーンを口の中に入れることは危険ですので、絶対に避けましょう。
以下の記事では、食事介助で使えるスプーンテクニックを紹介しているので、ぜひご覧ください。

自力で食べてもらう
利用者には自分の意思で食べたいという気持ちが強い方もいるため、介助時にあえて口を閉じることがあります。自分で食べたいという希望がある方には、自力での摂取を支援する方法を検討しましょう。
つかみやすいスプーンの使用や、手で食べられるようにしたおにぎりなどもおすすめです。チームでのアイデア出しを行い、積極的に食事の受け入れを促してください。
食事をやめる
食事を進めても全く食べてくれない場合、思い切って一時的に勧めるのを止めると有効です。介助者の声掛けをプレッシャーと感じている場合や、本当に食欲がない場合が考えられます。
そのため、少し時間を置くと食べ始めることもあります。様々な方法を試しても食べる様子がない場合は、その回の食事を見送りましょう。
専門職や医療機関に相談する
利用者が口腔内や身体に負傷して食事が難しい状態であれば、速やかに専門職や医療機関への相談や、必要に応じて救急搬送を検討します。無理に食事を進めることは避けましょう。
介助者は、利用者の様子が少しでも異常と感じたら、常駐している医師や看護師に報告すべきです。
多くの利用者は痛みを自ら訴えることが少ないため、介助者は常にその様子を注意深く観察しておく必要があります。
認知症の方が食事で口を開けてくれないときの対策

認知症の方は意思疎通が難しいため、一般的な高齢者とは対応方法が異なります。ここでは、認知症の方向けに特化した方法を紹介します。具体的には以下のとおりです。
普段の食事をひと工夫するのがポイントです。
一皿ずつ提供する
認知症の方は視覚情報が多すぎると、脳の処理が追いつかなくなります。食事が進まない認知症の方は、お皿が多すぎて何から手をつけたらいいかわからなくなっている可能性が考えられるでしょう。
そのため、目の前に出すお皿の数を減らして提供する方法が有効です。1皿ずつ提供すると情報を処理しやすくなるので、食事をしてくれる可能性があります。
また、介護職として働く私自身、新人時代は、利用者さんの食事介助の方法に悩みました。利用者さんの介護度により噛む力や食べるスピード、飲み込むタイミングが異なります。
食事を口に運ぶ早さを間違えると誤嚥や窒息につながるので、恐怖心からどのくらいのペースで食事を提供すればいいか悩んだのも覚えています。乗り越えた方法は、先輩職員に普段の利用者さんの食べるスピードや飲み込むタイミングを聞き、適切な食事ペースを理解していきました。
スプーンを口に入れるときのポイントや、食事を口に運ぶ際の適切な量など、正しい食事介助の方法を学んだことで、不安を取り除いてきました。
味や香りを感じやすい食事を提供する
認知症は脳機能の判断力の低下が原因で起きる症状です。
利用者には、食事が始まることを感じてもらう必要があります。味や香りなど、五感を刺激して食事を提供しましょう。梅干しのような酸味やにんにくのような香りが立つ食事を提供することで、食欲が湧きます。
認知症の方の食事が進まないときは、匂いや見た目を刺激してみてください。
水分量を増やす
食事拒否が続くと、水分量も減少してしまいます。食事摂取が少ない利用者には、水分で補ってもらうのがおすすめです。
カロリーの高い果汁のジュースを提供してみるのも良い方法です。水分量が減少すると脱水の原因となる可能性があるので、さまざまな方法で水分を提供しましょう。
好きな物を選んで食べてもらう
認知症の方には、昔好きだった食事の記憶が強く残っていることがあります。食事が進まない時は、外食に誘い、好きな食事を選んでもらうのが良いでしょう。買い物に行って、一緒に食事を選ぶのもおすすめです。
好きなものを自分で選ぶことで、食欲が湧くことが期待できますので、試してみてください。
食事時間を調整する
認知症の方の中には、大勢での食事を避ける方もいます。事業所や在宅でのケアにはさまざまな事情があり、食事時間の調整が難しいこともあります。
しかし、食事の時間を少し早めたり、遅くしたりするのも1つの方法です。管理職や訪問介護職員と相談しながら、食事時間を調整しましょう。
一緒に食事をする
認知症の方には、食事中も会話を楽しみたいと思っている方がいます。しかし、高齢者同士だと会話が噛み合わないことがあります。
その結果、食事中の会話のストレスで不安を感じ、食事が進まなくなることも考えられます。できる限り、職員や家族と一緒に食事を取るよう努めましょう。
安心感が得られ、食事がスムーズに進むことが期待できます。
食事介助にかかる時間を早くする方法は、以下をご確認ください。

【チームで解決】口を開けてくれない利用者への支援方法
利用者が口を開けてくれない問題は、介助者個人の工夫だけでは限界があります。こうしたケースでは、現場だけで抱え込まず、チーム全体で支援方針を見直すことが重要です。以下では、具体的なチーム対応のポイントを紹介します。
状態の振り返りや原因の再検討を行う
まずは、利用者が口を開けなくなった経緯を時系列で振り返り、いつから・どのような場面で拒否が起きているかを整理しましょう。急な変化であれば体調不良や環境の変化、徐々に起きているなら認知機能の低下や心理的要因が影響しているかもしれません。
介助者によって対応の仕方が異なる場合もあるため、誰が・どのように介助しているかも記録し、客観的に原因を探る姿勢が大切です。原因を再検討することで、誤った介助方法を見直すきっかけにもなります。
再アセスメントで現状を整理する
状態の振り返りが済んだら、専門職を交えて再アセスメントを行いましょう。特に、食事拒否が続いている場合は、以下のように総合的な視点からの評価が欠かせません。
- 認知機能
- 嚥下機能
- 口腔内の状況
- 心理状態
アセスメント結果をもとにケアプランの再構築や支援方法の調整が可能になります。また、アセスメントは一度で終わりではなく、定期的に実施し変化を追うことが重要です。
記録を蓄積していくことで、より個別性の高い支援につながります。
利用者家族も含めた支援体制をつくる
ご本人の状態を深く理解するには、家族からの情報提供も重要です。普段の好みや生活歴、苦手なことなど、本人の背景を知ることで介助のヒントが得られる場合があります。
そのため、支援体制を見直す際には、ケアマネジャーや主治医、家族も交えたカンファレンスを行い、共通の理解をもとにケア方針を共有しましょう。家族にとっても状況を理解し安心できる場となり、協力関係の構築にもつながります。
チーム内での連携・共有を強化する
支援方針を決めたあとは、チーム内での情報共有を密にし、統一した対応を継続することが重要です。介助者ごとに対応が異なると、利用者に不安や混乱を与え、拒否行動が悪化する可能性もあります。
そのため、申し送りや介助記録を活用し、職員全体で利用者の様子を把握しておくことが大切です。
また、うまくいった対応事例があれば積極的に共有し、チーム全体のスキル向上にもつなげていきましょう。
チームで連携しながら食事介助の悩みを解決しよう
食事介助時に口を開けない原因はいくつも考えられます。まずは、根本的な原因を探ることが重要です。
もし試しても食べてくれない場合、スプーンを軽く当てて口を刺激する方法が有効です。しかし、食事を拒否する方もいるため、無理に食べさせるのではなく、一旦食事を中止することも選択肢の1つです。
施設の職員と相談しながら、状況に合わせて適切に対応しましょう。
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