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【例文あり】食前〜食後の食事介助の声かけを紹介!注意点も解説
介護における食事介助の際、声かけをしても食事をしてもらえないことがあります。新人職員や在宅で介護をしている方は、どのように声掛けをしたらいいのかわからなくなることもあるでしょう。
口を開けてくれないときの食事介助時の声かけも合わせて解説するので、ぜひご覧ください。
【状況別】食事介助の声かけの例
食事介助時に意識する声かけのポイントをまとめました。
介助者は積極的に自分から話しかけるようにしましょう。具体的には以下のとおりです。
- 食前の声かけ
- 食中の声かけ
- 食後の声かけ
食前〜食後の声かけの流れをぜひ参考にしてみてください。

食前の声かけ
食前の声掛けをする際は、食事が来たことを伝えたり、メニューの確認をしたりすることが大切です。具体的には以下のとおりです。
- 「〇〇さん、お食事の時間ですよ」
- 「今日のメニューは〇〇ですよ」
メニューを伝えることは、食欲を刺激します。食事をする気持ちをオンにする声かけを心がけましょう。
食中の声かけ
食事中の声かけは以下のとおりです。
- 「どれから召し上がりますか?」
- 「お好きな食事はありますか?」
- 「苦手な食事はありますか?」
- 「食べづらい食事はありますか?」
食事中の声かけは、利用者の食事の好みを知るための質問をしましょう。また、噛む力や飲み込む力が低下している高齢者であれば、食べづらい食事についても知っておくことは、誤嚥やむせ込みを防ぐために重要です。
もしむせるようなことがあった場合、速やかに「咳をしてください」と声をかけてください。
食後の声掛け
食後の声かけでは、食事を終えたことの確認や、その後の行動についての説明をしましょう。具体的には以下のとおりです。
- 「〇〇さん、召し上がりましたね。お下げしてもよろしいでしょうか?」
- 「食事を終えましたので、歯磨きをしましょうか」
食事の後片付けや口腔ケアの実施についてへ伝えることが大切です。
口を開けてくれない方への声かけの例
食事介助を行っていても、口を開けてくれない利用者がいます。口を開けてくれないときは、以下のように声をかけてみてください。
- 「お腹はまだ空いていませんか?」
- 「今日のお魚は美味しく焼けています。味見してみませんか?」
- 「少し味付けを変えてみましたが、いかがですか?」
利用者の気持ちを理解したり、匂いや味などで五感を刺激する言葉をかけて、食事を楽しんでもらう工夫が大切です。
それでも食べてくれない場合、その回の食事を中止することをおすすめします。
無理に食事を勧めても食べてくれないことがあり、時間を空ければ食事を受け入れてくれることもあります。
詳しくは、以下のリンクを参考にしてみてください。
食事介助で声かけをするときの注意点
声掛け一つで利用者の食事が進むか進まないかが決まる場合があります。ここでは、食事介助で声かけをする際の注意点を紹介します。
- 食べているときに話さない
- 質問攻めにしない
- 命令口調にならない
- クローズクエスチョンで聞かない
- 無言で食事介助を進めない
利用者への配慮を忘れずに食事介助をしましょう。
食べているときに話さない
食事中に話しかけられると、誤嚥やむせ込みのリスクがあります。食事が一段落したときや、終わった後に声をかけるよう心掛けましょう。
質問攻めにしない
たくさんの質問を受けると、利用者は食べる気を失ってしまうことがあります。味付けや食事の感想など、適度な質問を心掛けることが大切です。利用者が困らないよう、質問の数に気をつけてください。
命令口調にならない
命令口調で話されると、食欲を失ってしまう方がいます。高齢者の尊厳を保つためにも、必ず敬語を使って声をかけてください。
クローズクエスチョンで聞かない
クローズクエスチョンとは、「はい」や「いいえ」だけで答えられる質問のことです。
例えば、
- 「このお魚は美味しいですか?」
- 「〇〇は好きですか?」
クローズクエスチョンを用いるのは悪くありませんが、繰り返し使うのは避けましょう。利用者にストレスを感じさせる可能性があります。
答えの幅が広いオープンクエスチョンを取り入れるのがおすすめです。
無言で食事介助を進めない
食事介助を無言で進めると、利用者は威圧感を感じることがあります。介助を行う際は、声をかけることを心掛けてください。しかし、先ほども述べたように、食事中に多くの質問をしたり、食べ物が口に入っている最中に話しかけるのは避けてください。
食事中のコミュニケーションタイミングは、見極める必要があります。
声かけ以外に食事介助で気をつけること
食事介助には声かけ以外にも気をつけることがあります。声掛け以外に注意する点は以下のとおりです。
- 利用者の体調
- 利用者の姿勢
- 介護者の立ち位置
食事介助をするときの基本を紹介します。

利用者の体調
食事介助を始める前に、利用者の体調を確認しましょう。「具合はどうですか?」や「食欲はありますか?」といった質問を通じて、利用者の状態を把握することができます。
無理に食事を進めないよう、体調の確認は欠かさないようにしましょう。
利用者の姿勢
利用者の状態により、車椅子やベッド上での介助が必要な場合があります。テーブル以外での介助では、利用者の姿勢が崩れやすく飲み込むのに影響するため、身体の位置を常に確認することが大切です。
姿勢を整える際は、クッションを使用したり、足の下に台を置くなどの対策を取りましょう。
介護者の立ち位置
介護者の立ち位置は、食事介助に大きく影響します。食事介助をする際、介護者は椅子に座り、利用者と目線を合わせるよう心掛けましょう。
誤嚥やむせ込む原因となるため、必ず座った状態で目線を合わせて介助しましょう。
よくある質問
食事介助の声かけに関するよくある質問を紹介いたします。
- 食事介助の声かけで幼児語は使用してもいいのですか?
- 声かけの効果は?
記事を進めて読む中で疑問や気になる点があれば、ぜひご参照ください。

食事介助の声掛けに幼児語を使うのはOK?
食事介助時に「はい、あ〜ん」といった幼児語を使用することは、基本的に推奨されません。
声掛けにはどのような効果があるの?
声掛けを行うことで、利用者の食欲が増したり、食事に興味を持つことがあります。食事の摂取量にも影響するため、積極的な声掛けは欠かせません。
食事を楽しんでもらえる声掛けを意識しよう
利用者に寄り添った声かけを行うことで、食欲や好み、体調の変化をつぶさに察知できます。することができます。適切な食事介助を行う際の注意点を理解し、利用者をサポートしていくことが大切です。
また、心身の健康を維持するうえで、食事の楽しさを伝えていくことがポイントです。心のこもったケアやサービスを日ごろの介護で心がけていきましょう。