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介護福祉士の受験資格とは?4つのルートと実務経験について徹底解説
介護福祉士の資格取得を目指している方の中には、
「自分に受験資格があるのかわからない」「最短で受験資格を取得するには何をすべきか」と悩んでいる方も多いでしょう。
こうした疑問を放置したままでは、最適なルートを選べず、時間や費用が無駄になるリスクがあります。
また、手続きのミスや準備の不十分さから、受験の機会を逃してしまうことも珍しくありません。
さらに、それぞれの状況や職種に応じて効率的に資格を取得するコツも解説します。
介護福祉士の受験資格取得には4つのルートがある

介護福祉士の受験資格を取得するためには、主に4つの方法が設けられています。
これらの方法は、学歴や職歴、資格取得までに必要な時間などが異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
以下では、それぞれの方法について具体的に説明していきます。自分に最適な選択肢を見つける参考にしてください。
養成施設ルート
養成施設ルートは、高等学校などを卒業した方が、指定された教育機関で学ぶことで介護福祉士の受験資格を取得できる方法です。
- 介護福祉士養成施設(2年以上)
- 福祉系大学など
- 社会福祉士養成施設など
- 保育士養成施設など
このルートを利用するには、各施設が定める入学条件を満たす必要があります。
また、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業した場合、さらに介護福祉士養成施設で1年以上学ぶことが求められます。
これを修了しないと国家試験を受験することはできません。
学習期間は学校の種類によって異なり、通常は2~4年です。
2026年度までは、養成施設を修了後に実務経験を5年積むことで資格を得られます。
しかし、2027年度以降は、養成施設を卒業しただけでは資格を取得できず、国家試験に合格することが必須となります。
このルートの大きな特徴は、介護の現場経験がなくても資格取得を目指せる点です。
未経験者でも基礎から体系的に学べるため、介護分野の知識をしっかり身につけたい方や、短期間で資格取得を目指したい方に特におすすめです。
実務経験ルート
実務経験ルートは、介護の現場で一定期間働きながら受験資格を取得する方法です。
このルートで介護福祉士国家試験を受験するには、次の条件を満たす必要があります。
- 働いた期間が3年以上(合計1,095日以上)
- 就労日数が540日以上
- 実務者研修を修了している(修了見込みも含む)
これにより、より高度な介護スキルを習得できます。
このルートの最大の特徴は、現場で働きながら受験資格を得られる点です。そのため、仕事と資格取得を両立させたい方に向いています。
ただし、休日や空いた時間を活用して実務者研修を受ける必要があり、プライベートの時間を確保するのが難しくなるため、計画的な時間管理と自己管理が重要です。
実務経験ルートは、現在介護職に従事している方や、働きながら資格取得を目指したい方に特におすすめです。
現場で即戦力として活躍しながら、キャリアアップやさらなるスキルアップを目指す方に最適な選択肢と言えるでしょう。
福祉系高校ルート
福祉系高校ルートは、介護や福祉に関する専門課程を設置している高等学校で学びながら、介護福祉士国家試験の受験資格を取得する方法です。
このルートは、将来介護分野で活躍したいと考えている高校生を対象に設計されています。
学習内容に含まれる科目は以下のとおりです。
- 社会福祉基礎
- 介護福祉基礎
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- 介護総合演習
- 介護実習
- こころとからだの理解
- 人間と社会に関する選択科目
これらの科目に加えて、実習を通じて実際の介護現場で経験を積むことも可能です。
高校卒業後には、介護福祉士国家試験の受験資格が得られ、試験に合格することで、スムーズに介護分野でのキャリアをスタートさせることができます。
福祉系高校ルートは、介護分野に興味を持つ若年層や、高校卒業後すぐに資格取得を目指したい方に特におすすめです。
中学在学中から福祉や介護に関心がある方にも、早期に基礎を築ける選択肢として適しています。
経済連携(EPA)ルート
経済連携協定(EPA)ルートは、特定の国から日本に来た外国人労働者(フィリピン、インドネシア、ベトナム)が介護福祉士の資格取得を目指す際に利用できる方法です。
EPAにより来日した外国人は、介護施設で働きながら受験資格を取得することが可能です。
このルートは、日本で介護職として働きたい外国人に最適です。
特に、自国で介護の経験がある方や、日本でのキャリア形成を目指している方におすすめの方法です。
【状況別】介護福祉士の受験資格を最短で取得する方法

介護福祉士を目指すには、自分の学歴や職歴に合わせて最適な資格取得ルートを選ぶことが大切です。
自分の状況に合った最短ルートを理解することで、効率的に目標に向かうことができます。
以下では、状況別に最短で介護福祉士の受験資格を取得するための方法をわかりやすく解説します。
それぞれのルートを比較し、自分に合った道を見つけてください。
中卒から最短で受験資格の取得を目指す場合
中学を卒業した方が介護福祉士を目指す場合、現実的な選択肢の一つは「福祉系高校ルート」を選択することです。
この方法では、介護に特化した専門カリキュラムを持つ高校に進学し、卒業と同時に介護福祉士国家試験の受験資格を取得できます。
福祉系高校では、通常の授業に加えて、介護や福祉に関連した専門知識や技術を学ぶことが可能です。
このルートの利点としては、高校の3年間で介護に関する基礎的な知識とスキルを身につけ、資格取得を目指せる点が挙げられます。
一方で、すでに中学校を卒業して働いている方や、福祉系高校に進学することが難しい方にとっては、「実務経験ルート」もおすすめです。
中卒から介護福祉士になる具体的な方法は以下で紹介しているので、ぜひご覧ください。

高校生もしくは高卒から最短で受験資格の取得を目指す場合
高校生や高等学校を卒業した方が介護福祉士を目指す際、最短で受験資格を取得する方法として「養成施設ルート」が挙げられます。
この方法では、次のような進学先に進むことで、効率的に必要な知識や技術を習得しながら受験資格を取得できます。
- 2年制の専門学校
- 短期大学
- 4年制大学の介護福祉士養成施設
養成施設では、学習と実践がバランスよく組み込まれており、卒業までに現場での実習を通じた経験を積むことが可能です。
これにより、就職後すぐに即戦力として働けるスキルと自信を身につけることが期待できます。
高卒で介護福祉士の資格取得をする方法をより詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。

大学生もしくは大卒から最短で受検資格の取得を目指す場合
大学生や大卒の方が介護福祉士を目指す場合、資格を最短で取得する方法として「養成施設を利用するルート」と「実務経験を活用するルート」の2つがあります。
養成施設ルートを選ぶ場合、2年制の専門学校に進学することで、受験資格を取得できます。
一方、実務経験ルートを選ぶ場合は、介護施設に就職し、働きながら資格取得を目指します。
実務経験ルートの場合は、
- 3年以上の就業期間(通算1,095日以上)と540日以上の実務経験
- 実務者研修の修了
上記2点により、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
この方法は、現場で収入を得ながら経験を積むことができるため、早期就職を希望する方や実践的な経験を重視する方におすすめです。
介護福祉士が簡単すぎるのか調査し、試験の難易度を以下で紹介しているので、併せてご覧ください。

外国人の方が最短で受検資格の取得を目指す場合
外国籍の方(例:フィリピン、インドネシア、ベトナム)が介護福祉士の受験資格を最短で取得する方法として、「経済連携協定(EPA)ルート」を活用することが挙げられます。
手順としては、以下のとおりです。
- EPAに基づいて日本へ渡航
- 介護施設で3年以上の実務経験を積む
- 実務者研修を修了
これにより、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。
このルートは、働きながら日本の介護業界に慣れたい方にとって、魅力的な選択肢と言えるでしょう。
介護福祉士の受験資格を最短で取得するなら実務経験ルート

介護福祉士を目指すためには4つのルートがありますが、その中でも「実務経験ルート」は、働きながら資格取得を目指す方にとって最も現実的かつ利用頻度の高い方法です。
このルートでは、介護現場での3年以上の実務経験に加えて、実務者研修を修了することで、国家試験の受験資格を得る仕組みになっています。
以下では、実務経験ルートにおける2つのポイントについて詳しく解説します。
介護福祉士国家試験に受験するための実務経験3年とは
介護福祉士国家試験を受験するためには、3年以上の実務経験が必要です。
項目 | 説明 | 詳細 |
---|---|---|
従業期間 | 実務経験として認められる施設や事業での勤務、または該当する職種で働いた期間 | ・産前産後休業 ・育児休業 ・病気療養休暇 これらも含まれる |
従業日数 | 介護職として実際に業務を行った日数 | ・食事介助 ・入浴介助 ・排泄介助 ・介護計画の作成など |
事務作業や清掃業務などは介護業務に該当しないため、自身の業務内容が条件を満たしているか確認することが大切です。
勤務期間や従事日数が不明な場合は、社会福祉振興・試験センターを利用し、「期間計算表」を作成することで確認できます。

介護福祉士国家試験に受験するには実務経験証明書が必要
介護福祉士国家試験に挑戦する際、実務経験ルートを選ぶ場合には、実務経験を証明する書類を提出する必要があります。
この書類は、受験資格を満たしていることを示すものであり、勤務先の管理者または事業主に記入と署名または押印を依頼したうえで提出します。
項目 | 内容の説明 |
---|---|
勤務期間 | 開始日と終了日 |
従事した日数 | 総勤務日数 |
勤務形態 | フルタイム、パートタイムなど |
従事した業務内容 | 介護業務の具体的な詳細 |
これらの情報に不備がある場合、受験資格を満たしていないと見なされる可能性があるため、正確な記載が求められます。
特に、勤務日数や業務内容が基準をクリアしているかを明確にする必要があります。
- 勤務先がずっと同じ場合:事務担当者や上司に記載を依頼する
- 複数の施設で勤務したorしている場合:それぞれの施設から証明書を発行してもらう
証明書の作成は、勤務先の事務担当者や上司に依頼するのが一般的です。
申請手続きが円滑に進むよう、受験申し込みの締切日よりも十分な余裕を持って依頼することが重要です。
また、複数の施設で勤務している、あるいは勤務していた場合は、それぞれの施設から証明書を発行してもらう必要があります。
準備を早めに開始し、必要な手続きを計画的に進めることで、安心して受験に臨める環境を整えましょう。

介護福祉士を受験する際の注意点

ここからは、介護福祉士を受験する際の注意点を受験前と後の2つにわけて解説します。
介護福祉士の受験に申し込む前の注意点
介護福祉士国家試験を受ける際には、受験資格を満たしていることが基本です。
そのうえで、申し込み手続きや試験当日の準備を丁寧に行うことが大切になります。
トラブルを防ぐためにも、以下の点に注意してください。
実務経験の従業期間と従事日数の両方を満たす必要がある
介護福祉士国家試験を受験するためには、累計で1,095日以上、または通算3年以上の実務経験を有し、加えて合計540日以上の従事日数を確保していることが求められます。
ただし、勤務状況や働き方によっては、これらの条件を満たすための期間が異なる場合がありますので、注意が必要です。
実務者研修修了見込みだと提出書類が異なる
受験の申し込みを行う際には、実務者研修の修了を証明する書類の提出が必要です。
ただし、申し込み時点で実務者研修を修了していない場合は、「修了見込み証明書」を提出することが可能です。
この場合、まず修了見込み証明書を添付して受験手続きを進め、実務者研修を修了した後に「修了証明書」を追加で提出する必要があります。
受験申し込みまでに手続きを完了させる
介護福祉士国家試験の受験申込には、定められた締切があります。期限を過ぎると申込ができなくなりますので注意が必要です。
受験の申込期間は、毎年8月初旬から9月初旬にかけて設定されています。この期間内に必要書類を準備し、提出を完了させることが求められます。
介護福祉士の受験に申し込んだ後から合格までの注意点
受験申し込みが完了した後にも、試験当日やその後の手続きに関して留意すべき点があります。
以下に、合格を目指すために押さえておきたい注意事項をまとめました。
当日遅れることがないように場所と時間を確認しておく
試験当日は、指定された会場で定められた時間に試験が実施されます。
会場までの移動方法や所要時間を事前に調べ、余裕を持って行動できるよう計画を立てることが大切です。
特に、自宅から試験会場が遠い場合は、前泊を検討することで当日の移動に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
実務者研修を修了したらすぐに修了証明書を提出する
受験申し込み時に修了見込み証明書を提出した方は、実務者研修を修了後、速やかに修了証明書を提出してください。
期限内に修了証明書を提出しない場合、合格取り消しになる可能性がありますので、注意しましょう。
修了証明書の提出期限は2025年4月11日(金)となっており、期限までに提出しない場合、国家試験に合格していても資格が無効となる可能性があります。
なお、この提出期限は毎年変更されるため、申し込み後に案内される詳細を必ず確認してください。
第37回介護福祉士国家試験の試験概要
ここからは、2024年度に実施される介護福祉士国家試験の試験概要について紹介します。
試験日
介護福祉士国家試験は毎年1月下旬に実施されます。2024年度の介護福祉士国家試験は2025年1月26日(日)に実施されます。
試験が行われる場所
第37回介護福祉士国家試験の試験場所は、以下の35試験地で実施されます。
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
都道府県によって試験地は異なります。試験地は受験票に記載されているので、必ず確認し、場所を間違えないよう注意してください。
受験手数料
受験手数料は18,380円です。
合格発表日
合格発表は同年3月24日(月)14時に行われます。社会福祉振興・試験センターの公式サイトで確認できます。
介護福祉士国家試験の過去10年の合格点と合格基準は以下で紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。

介護福祉士の受験資格に関するよくある質問
最後に介護福祉士の受験資格に関するよくある質問に回答します。
介護福祉士の受験資格はアルバイトでもクリアできますか?
介護福祉士国家試験を受験するための条件は、アルバイトやパート勤務でも達成可能です。
しかし、アルバイトやパートタイムで働く場合、勤務日数や勤務時間が少ない傾向があるため、フルタイムよりも条件を満たすまでに時間を要することがあります。
介護福祉士の受験資格はハローワークでもクリアできますか?
ハローワークそのものでは、介護福祉士国家試験の受験資格を直接取得することはできません。
ただし、ハローワークは介護職の求人情報を幅広く提供しています。
そのため、介護現場で働きながら受験資格を得るための就職活動を支援する場として利用することが可能です。
介護福祉士の受験資格はボランティア活動でもクリアできますか?
ボランティア活動は基本的に実務経験として認められません。
介護福祉士の受験資格を取得するために必要な「実務経験」は、雇用契約に基づいて行われる介護業務が対象となります。
在籍した期間には休職期間も含まれますか?
休職期間は従事日数に含まれない点に注意が必要です。
介護福祉士国家試験の受験資格を得るためには、勤務期間として3年以上(約1,095日以上)が必要であり、実際に従事した日数が540日以上であることが求められます。
介護福祉士の受験資格には年齢制限はありますか?
介護福祉士国家試験の受験資格には年齢制限がありません。これは、介護職が幅広い年齢層にとって挑戦しやすい職業であることを物語っています。
自分に最適な受験ルートを選んで介護福祉士に合格しよう
自分にぴったりのルートを選ぶためには、学歴や現在の状態、資格取得までに必要な時間や費用などを幅広く検討することが大切です。
さらに、以下の点を意識することで合格への一歩を踏み出せます。
- 実務経験や研修を通じて求められるスキルをコツコツと習得する
- 受験資格の条件をきちんと満たす
ルートごとに異なる特徴や条件が存在するため、自分の目標や生活スタイルに合った方法を選ぶことが、効率良く資格を手にするポイントになります。
計画を立てて準備を進めることが成功のカギです。また、適切な支援を利用しながら、一歩一歩確実に前進していきましょう。
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