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介護福祉士の実務経験3年以上とは?取得するルートや試験概要を解説

介護福祉士を受験する際に、実務経験3年以上が必要と言われることがあるでしょう。しかし、現在の事業所で経験を積んでいても問題ないのか、掛け持ちをした場合はどうなるのかなど、多くの方が悩んでいるのではないでしょうか。

今回では、実務経験3年以上の対象となる事業所や、在籍日数の適用ラインについて紹介いたします。

これから介護福祉士の資格を取得しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

介護福祉士の実務経験3年以上とは

介護福祉士の試験を受験する際、実務経験が3年以上必要であるとよく聞かれます。

実務経験3年以上

「従業期間が1095日以上、そして従業日数が540日以上」を満たしていることを指します。

従業期間

実務経験の対象となる施設に勤務した期間のことです。産休や育休などの休職期間も含まれます。また、掛け持ちで働いている期間も1日としてカウントされます。

従業日数

雇用契約のもとで介護の仕事を行った日数のことです。産休や育休などの休職期間や、研修やセミナーで稼働した日は含みません。掛け持ちの場合も、働いた期間は1日としてカウントされます。

介護福祉士を取得するために実務経験を積むには

介護福祉士を取得するための実務経験を積む際の注意点を以下に紹介します。

  • 実務経験対象となる職場で経験を積む
  • 対象とならない職種がある

これらの実務経験は、介護福祉士を取得するための必須条件ですので、ぜひ確認してください。

実務経験対象となる職場で経験を積む

実務経験を積むには、対象の職場で働く必要があります。

具体的な実務経験対象になる介護事業所は以下のとおりです。

老人デイサービスセンター
指定通所介護(指定療養通所介護を含む)
指定地域密着型通所介護
指定介護予防通所介護
第1号通所事業
指定認知症対応型通所介護
指定介護予防認知症対応型通所介護
老人短期入所施設
指定短期入所生活介護
指定介護予防短期入所生活介護
養護老人ホーム
特別養護老人ホーム
指定介護老人福祉施設
指定地域密着型介護老人福祉施設
軽費老人ホーム
ケアハウス
有料老人ホーム
指定小規模多機能型居宅介護
指定介護予防小規模多機能型居宅介護
指定看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
指定訪問入浴介護
指定介護予防訪問入浴介護
指定認知症対応型共同生活介護
指定介護予防認知症対応型共同生活介護
介護老人保健施設
介護医療院
指定通所リハビリテーション
指定介護予防通所リハビリテーション
指定短期入所療養介護
指定介護予防短期入所療養介護
指定特定施設入居者生活介護
指定介護予防特定施設入居者生活介護
指定地域密着型特定施設入居者生活介護
サービス付き高齢者向け住宅
指定訪問介護
指定介護予防訪問介護
第1号訪問事業
指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護
指定夜間対応型訪問介護

上記の職場で、おもな業務が介護の仕事である方は実務経験とみなされます。

対象とならない職種がある

実務経験の対象外となる職種には注意が必要です。具体的には、以下の職種は実務経験として認められません。

  • 相談援助業務
    • 生活相談員、支援相談員
  • 医療職
    • 医師、看護師、准看護師
  • リハビリ職
    • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
  • その他の職種
    • 心理指導担当職員、作業指導員、職業指導員、就労支援員、目標工賃達成指導員、賃金向上達成指導員
  • 介護以外の業務
    • 警備員、運転手、あん摩マッサージ指圧師

職種を選択する際には、十分に注意しましょう。

実務経験3年以上で介護福祉士を取得するルート

実務経験3年以上で介護福祉士を取得するルートは以下の2つです。

  • 指定の事業所で経験を積む
  • 介護福祉士実務者研修を取得する

実務経験を積んでから介護福祉士を取得する方は、ぜひ参考にしてみてください。

指定の事業所で経験を積む

実務経験ルートから介護福祉士を取得する方は、指定の事業所で経験を積みましょう。

指定の事業所はさまざまで、通所介護、特別養護老人ホーム、訪問介護などがあります。3年間で他の事業所に転職することや掛け持ちをすることも問題ございません。

育児休暇や介護休暇を取得している期間も在職中としてカウントされます。

介護福祉士実務者研修を取得する

介護福祉士実務者研修は、介護に関する実践的な技能や知識を学ぶための資格です。この資格を取得することで、質の高いケアが身につきます。

介護福祉士を受験するためには、実務者研修の取得が必要です。

平成28年度の介護福祉士国家試験から、受験要項に「実務経験3年以上+実務者研修の修了」が必須とされています。

実務者研修を取得することで、訪問介護事業所の「サービス提供責任者」や「喀痰吸引・経管栄養」などの医療的ケアが学べます。

実務者研修を受験するタイミングは、初任者研修を取得していない場合、介護福祉士国家試験の半年前、すなわち5月頃がおすすめです。初任者研修を取得している場合は、実務者研修の修了に2〜3ヶ月ほどかかるので、9〜10月頃を目安としてください。

  • 初任者研修を取得していない方 → 5月頃(介護福祉士国家試験の半年前)
  • 初任者研修を取得している方 → 9〜10月頃

実務者研修の取得には3ヶ月〜半年程度の期間が必要ですので、スケジュールの計画に余裕を持って取り組んでください。

介護福祉士の試験概要

ここからは介護福祉士の試験概要を紹介します。

具体的には以下のとおりです。

  • 午前中と午後に筆記試験
  • 別日に実技試験
  • 合格基準

それぞれ具体的に解説します。

午前中と午後に筆記試験

介護福祉士の試験は午前と午後の部に分かれています。

時間は以下のとおりです。

午前:10時00分~11時40分(100分)
午後:13時35分~15時35分(120分)
計220分

点字受験者や弱視受験者の試験時間は異なるため、事前にご確認ください。

試験範囲は以下の通りです。

[領域:人間と社会]

人間の尊厳と自立
人間関係とコミュニケーション
社会の理解

[領域:こころとからだのしくみ]

こころとからだのしくみ
発達と老化の理解
認知症の理解
障害の理解

[領域:医療的ケア]

医療的ケア

[領域:介護]

介護の基本
コミュニケーション技術
生活支援技術
介護過程

[総合問題]

総合問題

介護の基本的な考え方や認知症、障害のある方への理解に関する問題が出題されます。

別日に実技試験

実技試験は別日に行われます。

対象者は以下の通りです。

  • 2008年度以前の福祉系高校入学者で、旧カリキュラムの卒業者かつ介護技術講習、介護課程、介護課程Ⅲを受講していない人
  • 特例高校等の卒業者で、実務経験9ヶ月ある方の中で、介護技術講習、介護課程、介護課程Ⅲを受講していない人
  • EPA介護福祉士候補者で、介護技術講習、介護課程、介護課程Ⅲ、実務者研修を受講していない人

実技試験では介護に関する専門技能が問われます。自立支援を促すケアが行われているか、安全・安楽に介護が実施されているかのチェックが行われます。筆記試験の日程は合格した方に別途通知されますので、確認してください。

実務者研修を受講している方は、実技試験が免除されます。

合格基準

介護福祉士国家試験の合格基準は、筆記と実技を含めた総得点の60%です。

実施年度によって試験問題の難易度が変わるため、具体的な合格点は定まっていません。

確実に合格を目指したい方は、例年の基準点以上を目指して取り組んでみてください。スクールの授業や独学で学ぶことを継続しましょう。

実務経験3年以上に関するよくある質問

実務経験3年以上に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 介護福祉士の実務経験が3年以上必要な方はどのような人?
  • 実務経験見込みの場合はどうすればいいのでしょうか?
  • 実務経験見込みで試験を受けたあとに手続きはありますか?
  • 実務経験証明書はどこでもらえますか?
  • 介護福祉士の受験資格を得るには従業期間と従業日数を満たす必要がありますか?
  • 夜勤勤務の従業日数の計算はどうなりますか?
  • パートやアルバイトでも受けられますか?
  • 事業所を掛け持ちしている場合はどうすればいいですか?

記事を読み進めるなかで気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

介護福祉士の実務経験が3年以上必要な方はどのような人?

介護福祉士を取得するには、3つのルートがあります。

  • 養成施設ルート
    • 指定された専門学校や福祉系大学を卒業した後、介護福祉士国家試験を受験できます。
  • 福祉系高校ルート
    • 2009年度以降に入学した福祉系高校で、定められた科目・単位を取得し卒業すれば、介護福祉士国家試験を受験できます。
  • 実務経験ルート
    • 実務経験が3年以上あり、実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験を受験できます。

福祉系大学や養成施設の卒業生でない方は、実務経験を3年以上積んでから介護福祉士国家試験を受験する必要があります。介護福祉士国家試験の受験者の中で、実務経験ルートの方々が毎年90%ほどを占めています。

実務経験見込みの場合はどうすればいいのでしょうか?

試験実施年度の3月31日までに「実務経験3年以上」を満たしていれば、介護福祉士国家試験を受験できます。試験の申し込み日は8月頃ですが、その時期に実務経験3年を満たしていなくても、実務経験見込みとして受験が可能です。

通常の受験者と同様に、申し込み日までに実務経験証明書を提出してください。

実務経験見込みで試験を受けたあとに手続きはありますか?

実務経験見込みで受験して合格した場合、受験要件を満たしているか確認するため、従業期間と従事日数を満たした時点で、再度実務経験証明書を提出する必要があります。その際には、実務経験証明書と実務者研修証明書の両方を準備する必要があります。

期限内に提出しないと、介護福祉士の資格が取り消されるので注意しましょう。

実務経験証明書はどこでもらえますか?

実務経験証明書は「受験の手引」に封入されていますので、受験申し込み日の締め切り前に必ず受け取ってください。インターネットからも受験申し込みが可能です。

詳しくは『公益法人社会福祉振興試験センター』でご確認ください。

介護福祉士の受験資格を得るには従業期間と従業日数を満たす必要がありますか?

養成施設や福祉系高校以外からの受験を希望する場合、規定の従業期間と従業日数を満たす必要があります。実務経験を満たしているかどうかは、勤めている事業所で確認できます。

従業期間や従業日数に関して不明点がある方は、勤務先の事務所でお尋ねください。

夜勤勤務の従業日数の計算はどうなりますか?

所属する事業所の就業規則によって、夜勤の計算方法は異なることがあります。日をまたぐ夜勤を2日として計算する場合や、準夜勤を1日として定めている施設もあります。

実務経験証明書を書いてもらう際には、この点を上長に確認しましょう。

パートやアルバイトでも受けられますか?

パートやアルバイトでも、介護福祉士国家試験の受験は可能です。1日の勤務時間に関わらず、従業期間や従業日数は正社員と同様に計算されます。

事業所を掛け持ちしている場合はどうすればいいですか?

事業所を掛け持ちしていた場合、「従事日数内訳証明書」の提出が必要です。

従事日数内訳証明書とは、同一期間に複数の事業所に勤めていた方の従業日数を確認する書類のことです。

従事日数内訳証明書は実務経験証明書と合わせて提出します。ただし、1つの事業所で在職期間と従業日数を満たす場合は、提出は不要です。

期限に注意して受験の準備を進めていきましょう

介護福祉士の実務経験3年以上について解説しました。

実務経験3年とは「在職期間1095日以上+従業日数540日以上」の状態を指します。介護福祉士を取得したい方は、指定事業所での実務経験と実務者研修の修了が条件となります。

研修日程や試験申し込み日には期限があるため、試験の準備は計画的に進めていきましょう。

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