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介護福祉士国家試験に必要な「実務経験証明書」とは?作成方法や有効期限も解説!
実務経験証明書は介護福祉士の試験を受ける際に必須となる提出書類です。しかし、在職期間や従業日数といった複雑な要件が存在するため、自身が該当するかどうか不明な方も多いでしょう。
介護の実務経験があり、かつ介護職員実務者研修を取得済みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士の実務経験証明書とは?

介護福祉士の実務経験証明書とは、国家試験を「実務経験ルート」で受験する際に提出が求められる公式な書類です。この証明書には、受験者が一定の条件を満たして介護業務に従事していたことを、事業所や施設が確認したうえで記録します。
受験資格として必要な「従事期間3年以上」「従事日数540日以上」が正しく証明されることが目的です。
実務経験ルートの介護福祉士国家試験に必要
介護福祉士国家試験には「養成施設ルート」と「実務経験ルート」がありますが、後者を選ぶ場合には実務経験証明書の提出が必須です。これは、受験者が介護の現場で通算3年以上、かつ540日以上従事した事実を証明するためです。
証明書がなければ受験資格を満たさないとみなされ、試験を受けることができません。つまり、実務経験ルートを選ぶ受験者にとって、この証明書は受験資格そのものを裏付ける重要書類といえます。
受験直前に慌てないよう、勤務状況を早めに確認し、必要な従事日数を計算して準備を整えることが大切です。
実務経験証明書は受験の手引に同封されている
実務経験証明書は、受験申込に必要な「受験の手引」に同封されています。受験の手引は、[介護福祉士国家試験]受験申し込みから請求しましょう。
証明書は公式の様式である必要があり、自分で独自に作成したりインターネット上のフォーマットを使用することは認められていません。必ず正規の手引に同封された用紙を使用する点が重要です。
受験を予定している人は、早めに手引を入手して内容を確認し、証明書の記載依頼まで余裕をもって進めることが、スムーズな受験手続きにつながります。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター[介護福祉士国家試験]受験申し込み
実務経験証明書は証明者に記入してもらう
実務経験証明書は、受験者本人が記入するのではなく、勤務先の管理者や施設長など「証明者」とされる立場の人が作成します。これは、従事日数や勤務内容を客観的に証明するためであり、本人が記入すると正確性に欠ける可能性があるからです。
証明者は、勤務実績をもとに必要事項を記入し、署名や押印を行います。依頼の際は、提出期限を伝えたうえで余裕をもってお願いすることが大切です。
事業所によっては記入に時間を要する場合もあるため、早めに準備することで、記載不備や提出遅延を防ぐことができます。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター[介護福祉士国家試験]「実務経験証明書」作成依頼書、実務経験証明書、従事日数内訳証明書の様式と作成例
実務経験証明書に記入する実務経験の範囲や期間・日数

介護福祉士国家試験を受験するためには、一定の要件を満たす必要があります。ここでは以下を解説します。
介護福祉士国家試験を受けるうえで重要な部分なので、ぜひ参考にしてみてください。
実務経験に該当する分野や職種
実務経験として認められるのは、介護サービスを提供する事業所や施設での介護業務に従事した経験です。具体的には、以下のような分野が対象となります。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- デイサービス
- 訪問介護事業所
職種としては、介護職員や訪問介護員(ホームヘルパー)、看護助手など、介護に直接関わる業務が含まれます。ただし、事務職や清掃業務など、介護そのものに従事していない職種は対象外となります。
どの分野・職種が対象になるかは「受験の手引」に明記されているため、必ず事前に確認することが重要です。
実務経験の対象となる在職期間と日数
介護福祉士国家試験を受験するための要件として、在職期間と従業日数が重要です。以下に具体的な日数を示します。
- 在職期間:3年(1095日以上)
- 従事日数:540日以上
在職期間は働いている日数を指し、産休や育休を含む休職期間もカウントされます。掛け持ちで働いている日も1日としてカウントします。
一方、従事日数は介護の仕事をしている日数です。産休や育休、研修やセミナーでの稼働日はカウントされません。掛け持ちで働いている日も1日として計算されます。

実務経験見込み(3年を満たしていない)受験申し込みは可能?

実務経験が3年を満たさなくても受験できる「実務経験見込み」という制度があります。
ここでは実務経験見込みについて以下の内容を解説します。
介護福祉士国家試験を受験する際の注意点も含まれているので、ぜひ確認してみてください。
実務経験見込みでも申し込みは可能
実務経験が通算3年または従業日数540日に達していなくても、受験日までに達成見込みがあれば受験申込は可能です。介護福祉士国家試験の申し込みは8月頃から開始されます。
たとえば、令和3年3月12日から働いている方が「3年+540日以上」の要件を満たすためには、令和6年3月10日まで働かなければなりません。これにより、今年度(令和6年)の試験を受けることはできません。
- 勤務期間:令和3年3月12日〜令和6年3月10日
- 試験申込日が8月のため、「3年+540日以上」の要件を満たせない
- 受験資格を満たした後、来年度(令和7年)の試験を受けることとなります。
しかし、試験の申し込み時点で実務経験が3年未満でも、受験実施年度の令和6年3月31日時点で「3年+540日以上」の条件を見込んで満たせる場合、実務経験見込みとして受験することが可能です。
- 受験年度の令和6年3月31日時点で「3年+540日以上」が見込まれる場合
- 今年度の試験を受けることができる
従業期間の計算は『公益財団法人 社会福祉振興・試験センター』のサイトで行うことができるので、確認してみてください。
実務経験見込みで受験する場合、実務経験証明書を再度提出する
実務経験見込みで受験し、合格した場合、従業期間と従業日数を正式に満たした時点で、再度実務経験証明書を提出する必要があります。これは、見込みで申請した内容が実際に基準を満たしたかを確認するためのものです。
その際、実務経験証明書と実務者研修証明書の両方を提出しなければなりません。
期限内に提出しないと、介護福祉士の資格が取り消される可能性があるので、注意が必要です。

実務経験証明書の作成依頼方法

実務経験証明書は本人が記入するのではなく、勤務先の管理者や施設長などが証明者として作成します。そのため、受験を控えている場合は必ず勤務先に依頼する必要があります。
前に働いていた職場に作成を依頼する
転職や退職をしている場合でも、過去に勤務していた職場に実務経験証明書の作成を依頼できます。このときは、受験の手引に同封されている正規の用紙を送付し、必要事項を記入・押印してもらいます。
郵送でやり取りする場合は、返信用封筒や切手を同封するとスムーズです。依頼の際には、受験の提出期限を明記しておくと対応が遅れるリスクを防げます。
退職後しばらく経ってから依頼する場合でも、在職記録は残っていることが多いため、遠慮せずに依頼することが大切です。
廃業している場合は代わりとなる書類を用意する
勤務していた事業所が廃業や倒産している場合、通常の実務経験証明書は発行できません。その場合には、以下4つの要件を満たした書類提出が必要です。
要件 | 書類例 |
---|---|
施設・事業種類 | ・閉鎖事項全部証明書 ・法人事業所のパンフレット、ホームページ |
職種 | ・契約書、雇用通知書 ・労働契約書、労働条件書 ・辞令 ・給与明細、勤務表(職種が明記されている場合) |
就業期間 | ・勤務表、出勤表 ・給与明細、源泉徴収明細 ・雇用保険被保険者資格喪失確認通知書 ・雇用保険被保険者離職票 |
業務従事日数 | ・勤務表、出勤表 ・給与明細 |
事業所の閉鎖が確認できる登記簿や公的証明が求められる場合もあるため、手元の書類を整理し、必要に応じてハローワークや自治体に相談しておくと安心です。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター[介護福祉士国家試験]廃業した施設・事業所等の実務経験について(ご案内)
複数事業所を掛け持ちしている場合は従事日数内訳証明書を用意する
複数の事業所で勤務していた場合は、それぞれの勤務先から実務経験証明書をもらう必要があります。さらに、掛け持ち勤務を合算して受験資格を満たす場合には「従事日数内訳証明書」の提出も必須です。
この書類は、事業所ごとに確認した勤務日数を取りまとめ、全体として条件を満たしていることを証明する役割を持っています。掛け持ちがある場合は手続きが複雑になりやすいため、証明書の準備には特に時間を要します。早めに各事業所へ依頼し、必要書類を漏れなく揃えることが重要です。

介護福祉士国家試験の受験の必用書類
介護福祉士国家試験を受験する際には、複数の書類を揃えて提出する必要があります。これらはすべて受験資格の確認や本人確認のために重要な役割を果たします。
受験申込書
受験申込書は、介護福祉士国家試験を受けるために最も基本となる書類です。氏名、生年月日、住所などの個人情報を正確に記入し、試験センターに提出します。ここで誤記や記入漏れがあると、受験が認められない場合もあるため注意が必要です。記入方法は「受験の手引」に具体的に説明されているので、必ず確認して正しく記載しましょう。
受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙
試験の受験料を支払った証明として必要なのが「受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙」です。銀行や郵便局で受験料を振り込むと受付証明が発行され、それを指定の用紙に貼付して提出します。受験料の支払いが確認できなければ受験資格が認められないため、支払い後は必ず証明を保管し、提出書類に貼り忘れがないよう注意しましょう。
2025年8月の介護福祉士国家試験の受験手数料は18,380円です。
受験用写真等確認票
受験用写真等確認票は、本人確認のために提出する書類です。指定のサイズ・規格に沿った顔写真を貼付し、確認票に必要事項を記入します。
写真は試験当日の本人確認や受験票に使用されるため、鮮明で規格を満たしたものを用意することが大切です。期限切れや規格外の写真では受理されない場合もあるので注意が必要です。
実務経験証明書
実務経験証明書は、実務経験ルートで受験する場合に必須の書類です。介護職として3年以上、かつ540日以上の従事経験があることを勤務先に証明してもらいます。
本人が記入するのではなく、事業所の管理者や施設長などが署名・押印する点に注意が必要です。提出が遅れると受験資格を満たせないため、必ず余裕を持って勤務先に依頼しましょう。
従事日数内訳証明書
複数の事業所で勤務していた場合や掛け持ち勤務をしていた場合は、従事日数を整理して証明するための「従事日数内訳証明書」が必要です。これは複数の勤務実績を合算して受験資格を満たす場合に提出する書類で、各事業所の勤務日数を正確に記録してまとめるものです。
掛け持ち経験がある人は、早めに勤務先へ依頼し、必要な証明を揃える準備をしておきましょう。
実務者研修修了証明書
介護福祉士国家試験を受験するには、実務経験に加えて「実務者研修」を修了していることも条件の一つです。そのため、研修を修了したことを証明する「実務者研修修了証明書」の提出が必要となります。
修了予定の場合は「見込証明書」を提出し、後日修了後に改めて提出するケースもあります。研修修了証明書は研修実施機関から発行されるため、受験を見据えて早めに準備しておくことが大切です。
介護福祉士の実務経験書証明書に関するよくある質問
実務経験証明書を提出する際に起こるよくある質問を紹介します。 記事を読み進めるなかで気になる点がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護実務経験証明書はどこで手に入るの?
介護実務経験証明書は「介護福祉士国家試験の受験手引」に封入されています。この証明書は『公益社団法人 社会福祉振興・試験センター』から請求することで入手可能です。
試験申込日の8日前までに郵送での受取を目指しましょう。
実務経験証明書に有効期限はあるの?
実務経験証明書には有効期限が設けられていません。したがって、試験に不合格だった場合でも、再提出の必要はありません。2回目以降の受験も可能です。
実務経験証明書に提出期限はある?
提出期限は受験申込の締め切り日と同一であり、期日を過ぎると受験が認められません。勤務先の対応に時間がかかることを考慮し、余裕をもって依頼することが重要です。
実務経験証明書を提出する際に準備するものは?
実務経験証明書を提出する際の必要書類は以下のとおりです。
- 受験申込書
- 受験手数料払込受領証貼付用紙
- 受験用写真等確認票
- 実務者研修修了証明書または実務者研修修了見込証明書
受験の手引には必要書類が封入されていますので、ご確認の上、準備しましょう。
転職したり退職したりして複数の事業所で働いた場合、実務経験証明書の手続きはどうなる?
転職や退職を経て、複数の事業所で実務経験を積んだ場合、各事業所から実務経験証明書を取得する必要があります。
複数の事業所からの取得は時間がかかることがあるので、早めに対応するとよいでしょう。特に忙しい時期は避けて依頼するのがおすすめです。

実務経験証明書は早めに準備しておきましょう!
実務経験証明書の特徴や提出の際の注意点を紹介しました。これから提出を予定している方は、早めの準備が推奨されます。特に、前職の事業所から証明書を取り寄せる必要がある場合は、時間がかかることが予想されます。
また、介護福祉士国家試験に合格後も、受験を検討している方は再度の証明書提出が必要です。証明書や実務者研修修了書の提出を忘れると、合格が無効となる可能性があるため、注意が必要です。
申し込み期限も短いため、早めの対応を心掛けましょう。
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