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看護師として大切なこと8選!面接や小論文で使える看護観の伝え方も解説
- あなたにとって看護とは?
- あなたの看護観を教えてください
という問いは、面接でもよく聞かれる質問の1つです。看護に関する知識や業務について知っていても、スムーズに答えられる人は少ないのではないでしょうか。
もちろん生きるために仕事をするという側面も間違いではありませんが、聞かれているのは金銭的な理由以外の自身の使命感や信念です。
さらに、看護師にとって大切な8つの適性について解説していきますので、これから看護師を目指す方はぜひ参考にしてください。
看護師として大切なこと8選

ここでは、看護師が大切にすべきことを8つ紹介します。
- 体力的なタフさ
- 精神的な強さ
- 観察力
- コミュニケーション力
- 協調性
- 共感力と想像力
- 責任感
- 向上心
体力的なタフさ
看護師は救急対応や手術対応だけでなく一般病棟であっても忙しく動き回る仕事です。重い医療機器や患者さんを支えることも多く、体力が必要です。さらに、不規則な勤務であることから体力がないと厳しい場面があるでしょう。
身体的なタフさは看護師として働くうえでの強みとなります。
精神的な強さ
看護師は精神的な強さも必要です。重症の患者さんが来ても物怖じしなかったり優しい声をかけたりすることは、看護師に不可欠な要素です。
また看護師は死に直面して、無力感に襲われたり精神的にショックを受けたりする経験も避けては通れません。
一時的にショックを受けたとしても、看護師の職務を全うするタフさが求められます。
観察力
医療現場で重要なのは、患者さんを観察する力です。患者さんの微細な変化にも気づくことで、命を救う契機になります。また、観察力は患者さんだけでなく、チーム内でも役立ちます。
観察力は仕事で経験を積むことで磨かれます。周囲の人の様子もしっかり見ながら、仕事に臨むことが大切です。
以下では、なぜ看護師に観察力が必要なのかを詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

コミュニケーション力
看護師の仕事は、同時進行で多くの人とコミュニケーションをとります。患者さんはもちろん、他職種とも連携するので、医師や介護士、理学療法士など多くの方と関わります。
関係者とは確実に報告や連絡、相談をしながら、患者さんの心身のケアを行わなければいけません。看護師は患者さんと医師の橋渡し的な役割を担うため、自分の意見だけでなく周囲の意見を正しく伝える力も重要です。
また、実際に看護師として働く方も、コミュニケーションスキルは重要だと考えているようです。
Q:看護の仕事で「これは覚えておくべき」と思うスキルは?
A:看護師私が看護師にとって最も重要だと感じているのは、コミュニケーションスキルです。看護師の仕事は、患者様へのケアだけではなく、医師やリハビリ、薬剤師、栄養士など多職種との連携が求められます。
その中で円滑なチーム医療を実現するためには、お互いに状況を把握し、正確に情報共有を行うためのコミュニケーション力が欠かせません。また、患者様やご家族と信頼関係を築くうえでも、丁寧な対応・わかりやすい説明・相手の気持ちに寄り添う力はとても重要だと感じています。
コミュニケーションがしっかりとれていることで、治療やケアもよりスムーズに行えると日々実感しています。
看護におけるコミュニケーションについて知りたい方は、以下の記事を確認してください。

協調性
看護師は、同僚や医師と協力して患者さんの治療を行います。そのため、協調性のある人は、同僚や他職種と協力してスムーズに業務をこなせます。医師や同僚、患者さんから信頼される看護師になるでしょう。
看護師を目指す方は、チームで仕事を進めるための協調性を意識することが大切です。
共感力と想像力
医療現場では、ケガや病気に苦しむ患者さんや家族の不安に寄り添う力が必要です。看護師は患者さんから困りごとや悩みを聞き出したり、不安な気持ちを和ませたりします。
人との接し方が上手なら、患者さんや他のスタッフから信頼を得られます。また、自己表現が苦手な患者さんもいます。そのため看護師は患者さんの気持ちになり、想像する力が必要です。
自分の気持ちが沈んでしまうことを避けるために、看護師としての役割を考えながらバランスを取ることが重要です。
責任感
看護師の仕事は、わずかなミスが患者さんの命にかかわるため、責任感を持って仕事をすることが肝要です。
医療現場では医師を含む多くの医療スタッフと連携します。そのため、チームの中で誰か一人でも無責任な仕事をすると、チーム全体の責任が問われるだけでなく、取り返しのつかないミスにつながります。
また、看護師は業務量が多く、時間に追われることもあります。目の前の仕事をこなしていく中で精一杯になると、ミスを起こしやすくなります。
スピードを求められる中でも、一つ一つの仕事を確認しながら進めていくことが大切です。
向上心
医療や看護の世界は日々進歩し、新たな知見が生まれます。
看護師として働く以上、常に最新の知識や技術を習得していくことが必要でしょう。キャリアアップを図るうえでも向上心は大切です。
認定看護師や診療看護師などは、試験に合格したとしても数年毎に試験を受けなければいけません。そのため学び続ける姿勢を持ち続ける必要があります。
看護師を目指すうえで大切なこと
看護師を目指す方は、以下の4つを大切にすることも重要です。
- なぜ看護師になりたいのかを明確にする
- 医療・介護現場を理解する努力をする
- 看護師に求められる資質を知る
- 看護観を持つことの意義を理解する
なぜ看護師になりたいのかを明確にする
看護師を目指すうえで、まず大切なのは「なぜ自分がこの職業を選ぶのか」を言葉にできるようにすることです。面接や小論文では、動機の明確さがその人の熱意や適性をはかる指標となります。
例えば、「人の役に立ちたい」だけではなく、「過去の入院経験で支えてくれた看護師に憧れた」など、具体的な原体験と結びつけることで説得力が増します。
自分の価値観と結びついた理由が語れると、看護師として働く際の軸にもなり、困難に直面したときの支えにもなるでしょう。
医療・介護現場を理解する努力をする
看護師は、患者や利用者の多様なニーズに対して柔軟に対応する力が求められます。看護体験やボランティアなどを通じて実際の空気感を知ることは、入職後のミスマッチを防ぐうえでも有効です。
また、医師・介護士・リハビリ職など多職種と連携する場面も多く、看護師だけでは完結しない仕事であることを体感しておくことで、より実践的な視野が養われます。
看護師に求められる資質を知る
看護師として働くには、知識や技術だけでなく、人間性や心構えも欠かせません。
例えば、患者の小さな変化に気づく「観察力」、多職種と連携する「コミュニケーション力」、ミスを防ぐ「責任感」などは、職場で高く評価される資質です。
加えて、体力的・精神的なタフさも求められる場面が多くあります。これらの特性を知ったうえで、自分の得意・不得意を分析し、今後の課題として意識できると、成長意欲のアピールにもつながります。
看護観を持つことの意義を理解する
「看護観」とは、自分が看護という仕事にどう向き合うかという考え方の軸です。看護師としての信念や価値観を言語化することで、日々の業務に一貫性が生まれ、ブレない行動ができるようになります。
例えば、「患者の声に耳を傾ける姿勢を大切にしたい」といった思いがあれば、どんな現場でもその考えを基盤に行動できます。
看護観を明確にすることは、自分らしい看護を実践するための出発点であり、職場選びやキャリア形成にも活きてくるでしょう。
看護師として働くうえで大切な「看護観」とは

看護観という言葉について、看護師の世界ではよく聞く言葉ですが、一般的に辞書的な定義はなく造語となります。先述のように「看護」という言葉は、けが人や病人などの手当をし、世話をすることです。
そして「観」という字はあるものへの見方や考え方という意味を含みます。
言い換えれば「自身がどのような看護を行うべきか・行いたいか」をという看護の目的や意義・価値・理想などが含まれた言葉となります。看護観を決めるにあたっては、患者さんとの関わりや周囲の人との関わり、さらに成功体験や死生観などあらゆる要素を検討する必要があります。
だからこそ人と同じ答えではなく、自身の価値観に基づいた独自性が必要となってくるのではないでしょうか。
看護観の見つけ方とメリット
看護観について理解はしたものの、どのように考えればよいか迷う方に、看護観の見つけ方と持つことのメリットを紹介します。
看護観の見つけ方
看護感を見つけ、養うにはどのようにすれば良いのでしょうか。まず看護観を見つけるにあたっては大きく以下の2つを軸に考えていきましょう。
- 自己実現
- 社会貢献
難しく聞こえると思いますが、看護を通じて「自分が何者になりたい」のか、「誰かのためになりたい」かの違いです。自分を軸として考えか、社会や他者を軸とするのかで違いがあります。まずはどちらかから考え、そして両方がマッチするような答えが見つけ出せるとベストです。
では2つの軸を考えるにあたりどのような作業が必要になるかというと、以下の2つが挙げられます。
- 自己分析
- 実際に働いている人からの看護観を聞く
自己分析
自己分析はこれまでの自身の体験の振り返りです。自身の過去の経験をプラスマイナス問わずに掘り起こし、「なぜあの時こう感じたのか?」という「なぜ」の部分を考えることで、自身の判断基準や価値観・行動へのモチベーションが見えてきます。
実際に働いている人からの看護観を聞く
実際に働いている人から聞くこともおすすめです。自身で明確に価値観が定まっていない場合は、他者の言葉の中で印象に残る部分や、共感できるエピソードをヒントに価値観を形成していくことも有効なアプローチとなります。
看護観を持つことのメリット
ではなぜ看護職で働くにあたり、看護観を持つことが大切になるのでしょうか。以下の2つのメリットが考えられます。
- 働く理由や目的が明確になる
- 人生を充実させることに繋がる
働く理由や目的が明確になる
まず自分に向いている仕事は何かを考える過程自体がとても大切です。そしてじっくり考えて導き出した価値観にフィットした仕事を選ぶことで、仕事に対して満足度も高く継続しやすいと言えます。
また、予め自身で看護感を持って働くことにより、看護の仕事にやりがいを見出しやすいのではないでしょうか。
人生を充実させることに繋がる
極端に聞こえるかもしれませんが、働く目的がお金を稼ぎ生活を充実させることだと考える方もいるでしょう。
社会に出て働く以上、約40年弱働くことになります。日本の平均寿命から考えると人生の半分近くを仕事しながらの生活が占めていることになります。
人生の半分近くを占める「仕事生活を充実させる」=「即ち人生を充実させる」1つの大切な要素といえるでしょう。
看護観の重要性については、以下をご覧ください。

面接や小論文で看護観を作るときのポイント

看護観をどのように作ればいいか考えている方もいるでしょう。そこでここでは、看護観を作るポイントを紹介します。
- 看護師になりたい理由を考える
- 自分が看護において大切にしていることを考える
- 志望する医療機関の理念に合わせる
- 具体的なエピソードを加える
- 文章にまとめる
看護師になりたい理由を考える
看護観を形成する際には、「なぜ看護師を目指したいのか」という点を考える必要があります。看護師を目指す理由となった出来事は、過去の入院生活や実習での印象に残っている経験の中にヒントが隠れています。
入院先で出会った看護師とのエピソードや、病院で親切にしてもらった経験などが挙げられます。正確性よりも、思いつく限りを書くことで、自分の看護観が見えてきます。

自分が看護において大切にしていることを考える
自分が看護において大切にしていることを考えましょう。具体的には以下のような内容です。
【看護において大切にしていることの代表例】
・患者さんへの対応
・チームワーク
・継続的な学習
看護師になりたい理由に紐付いていると、より説得力が増します。自分の経験を深掘りするのがおすすめです。
志望する医療機関の理念に合わせる
看護観は、志望する医療機関の理念に合わせる必要があります。採用担当者は、病院の理念と求職者の看護観がマッチしているかを見ているためです。そのため、求職者の看護観と医療機関の理念に共通点があると良いでしょう。
志望する医療機関の理念を事前にチェックしてください。
具体的なエピソードを加える
採用担当者には、「なぜその看護観が生まれたのか」を伝える必要があります。実習先で起きたことや看護師を目指すきっかけを、詳細に思い出してみましょう。
また、看護観が患者さんや一緒に働く職員を意識した内容になっているかも重要です。
自分の経験してきたことを通してどのように患者さんを支えたいのか、チームに貢献したいのかを考えてみてください。
文章にまとめる
PREP法とはわかりやすい文章を書くための型です。以下の順番で書いていくと、読みやすい文章が作れます。
- Point(結論)
- 看護観を伝える
- Reason(理由)
- 看護観に至った理由を書く
- Example(具体例)
- 看護観が生まれた具体的なエピソードや経験談を書く
- Point(結論)
- もう一度看護観を伝える
結論から伝えるので、わかりやすく簡潔な文章が書けます。
小論文だけでなく面接時の受け答えにも応用できるので、ぜひ活用してみてください。

面接で看護観を聞かれたときの例文
面接で看護観を聞かれたときの例文は以下のとおりです。
- 看護実習の経験を交えた場合
- 別の医療機関から転職する場合
- 異業種から転職する場合
看護実習の経験を交えた場合
看護実習の経験を交えた看護観の例文は以下のとおりです。
【看護実習の経験を交えた例文】
私の看護観は患者さんとの信頼関係を構築し、的確な看護を提供することです。
私は実習を通して今の看護観の重要性を深く感じました。
特に記憶に残っているのは、不安を抱えた新生児の母親を支えた経験です。
彼女との密なコミュニケーションを通じて、信頼関係を築くことができました。
この経験から、患者一人ひとりの心に寄り添うことの重要性を学び、私自身の強みである共感力とコミュニケーション能力を発揮できたように感じます。
このような個別化されたケアは貴院の理念とも一致しており、私はその理念を体現する看護師として貢献したいと考えています。
実習先で得た経験と自分の看護観、医療機関の理念が一致していることが大切です。
別の医療機関から転職する場合
別の医療機関から転職する際の看護観は以下のとおりです。
【別の医療機関から転職する際の例文】
私の看護観は患者さんと一人ひとり向き合ったケアを提供することです。
以前、重症患者をケアした際、彼の不安や痛みを理解し、心のケアにも注力しました。
この経験は、患者一人ひとりの心情に寄り添う私の看護のアプローチを形作りました。
そして私の看護観は貴院の理念である「一人ひとりと向き合った看護」に深く共鳴しています。
患者との強い絆を築く能力を持ち、それぞれのニーズに応じた個別のケアを提供することで、チームに貢献できると自負しています。
ネガティブな理由はマイナスイメージにつながるので、避けましょう。理念への共感と具体的なエピソードが必要です。
異業種から転職する場合
異業種から転職する場合の看護観は以下のとおりです。
私が前職で身につけた経験が「一人ひとりと向き合った看護」という貴院の理念と合致しています。
顧客の個別のニーズに応えるために、私は常に丁寧なヒアリングを心がけました。
この経験は看護師として患者一人ひとりの声に耳を傾け、個々のニーズに応じたケアを提供する基盤となります。
異業種からの視点と、患者と真摯に向き合う姿勢を持って、私は医療チームに新たな価値をもたらしたいと考えています。
異業種で培った経験を看護観にすることで、説得力が増します。

看護師が患者と接する際に大切なこと
看護師が患者と接する際に最も大切なのは、「人間としての尊厳を守りながら、個々に寄り添う」姿勢です。正しい知識と技術を持ちつつ、思いやりの心をもって接することが、質の高い看護につながるのです。
- 患者の尊厳を尊重する
- 患者一人ひとりに合わせた対応を心がける
- 傾聴を心がける
- 自立支援の視点を持つ
- 安心・安全な援助を徹底する
- 個々の生活リズムに配慮する
患者の尊厳を尊重する
患者の尊厳を守るとは、「その人らしさ」を大切にしながら接することを意味します。
例えば、プライバシーへの配慮や、自己決定権を尊重することが挙げられます。
介助や医療行為を行う際も、無断で身体に触れたり、本人の意思を無視したケアをすることは避けなければなりません。患者の尊厳を守ることは、患者自身の自尊心を保ち、回復への意欲にもつながります。
看護師は「してあげる」視点ではなく、「ともに支える」視点を持つことが重要です。
患者一人ひとりに合わせた対応を心がける
看護ケアは、画一的な対応ではなく、患者ごとにカスタマイズすることが基本です。年齢、文化的背景、疾病のステージ、生活環境などは人それぞれ異なります。
例えば、高齢者にはゆっくりと話しかける、認知症の患者には簡潔な指示を心がけるなど、対象に応じた対応が求められます。
これにより、患者が安心して療養生活を送れる環境が整います。一律対応を避け、常に「この患者さんにとってベストな関わり方は何か」を考える姿勢がプロフェッショナルな看護師には不可欠です。
傾聴を心がける
患者との信頼関係を築くうえで、傾聴(アクティブリスニング)は非常に重要です。単に話を「聞く」のではなく、相手の表情、声のトーン、しぐさなどから気持ちを汲み取り、受け止める姿勢が求められます。
傾聴を意識することで、患者は「自分を理解してもらえている」と感じ、安心感を得ることができます。また、症状や不安、要望などが自然と引き出され、より適切なケアにつなげることができます。
短い時間の中でも「あなたの話を大切に聞いています」という態度を示すことが、看護師に求められる基本的なスキルです。
もしコミュニケーションが難しいと感じる場合は、以下を参考にしてください。看護師の方にアンケートを取った内容なので、実際の現場で活用できるでしょう。
Q:コミュニケーションが難しい患者さんに対する工夫は?
A:コミュニケーションが難しい患者さんに対しては、気難しさからくるものであれば根気良くお話するように心がけていました。高齢者の男性で特に気難しい方も多かったのですが、気にかけているという態度を根気良くつづけることや、相手の過去の話を聞き続けることで心を開いてくださる方は多かったです。
また、身体的な問題でコミュニケーションが難しい場合は、いかに細かい変化に気づけるかを大切にしていました。また、訪問看護の場合は、介助者であるご家族に、どんなコミュニケーションの取り方をしているのか、どんなふうに表情や感情を読み取っているのかを素直に聞いていました。
自立支援の視点を持つ
看護では、「できないことを手伝う」のではなく、「できることを引き出す」ことが基本姿勢です。
例えば、着替えの際にすべてを手伝うのではなく、できる動作は患者自身に行ってもらうよう促します。
このように、患者の自己効力感を高める支援を行うことで、心身の回復が促され、介護度の悪化防止にもつながります。無理にサポートするのではなく、「支えながら自立を育む」視点を持つことが、看護師には強く求められます。
安心・安全な援助を徹底する
特に生活行動援助では、安全確保が最優先事項です。
例えば、移乗時の転倒リスク、入浴時の事故、食事時の誤嚥など、患者の状態に応じたリスク管理が欠かせません。
声かけをしながら動作を確認し、急な動きや無理な体勢を避ける配慮が必要です。また、患者自身にも「これから行うこと」をわかりやすく説明することで、心身の負担を軽減できます。
安心して援助を受けられる環境を整えることが、生活行動援助における看護師の大切な役割です。
個々の生活リズムに配慮する
看護ケアは、患者それぞれの生活リズムを尊重して行うことが重要です。
例えば、朝食の時間、排泄パターン、入浴の好みなど、個人のペースや習慣に合わせた支援を心がける必要があります。
一律にスケジュールを押し付けるのではなく、「その人にとって自然な流れ」を大切にすることで、精神的なストレスを減らし、療養生活の満足度を高められます。看護師は患者の小さな変化にも敏感になり、臨機応変な対応を意識することが求められます。
看護師の方にアンケートを取ってみたところ、ここまでの内容はもちろん、手技の大切さも重要だと感じました。
Q:患者さんとの信頼関係を築くために意識していることは?
A:患者さんとの信頼関係を築くために、まずは手技をしっかり行えるようにする、加えてなぜその手技を行なっているのか理由もつけて説明するという点を意識していました。これまで、先輩たちを見てきて、信頼される看護師はやはり技術力がある看護師だなと実感したためです。
技術があることで、看護師として患者さんに認めてもらえます。技術力がある上で、患者さんのとのコミュニケーションは大切にしていました。日々のコミュニケーションを欠かさず行うことで、患者さんの些細な変化にも気づくことができます。この気づきが、より適切なケアに結びつき、信頼獲得へと繋がるためです。
これからの時代に求められる看護師の力
従来の「治療中心」から「生活支援・在宅支援型」へとニーズがシフトするなかで、看護師には幅広い対応力が求められるようになりました。未来の看護には、柔軟な対応力と成長し続ける姿勢が欠かせません。
- 多職種連携・チーム医療への適応力
- 高齢化社会に対応するスキル
- ICTや新しい技術を活用できる柔軟性
多職種連携・チーム医療への適応力
これからの医療・介護現場では、看護師単独ではなく「多職種でチームを組んで患者を支える」ことが基本になります。医師・理学療法士・作業療法士・薬剤師・介護職など、さまざまな専門職と情報共有し、連携をとる力が求められます。
看護師には、相手の専門性を理解し、自らの専門性を発揮しながら協働できる柔軟な姿勢が重要です。患者中心のケアを実現するためにも、チーム全体の動きを意識し、積極的にコミュニケーションを取る姿勢が評価される時代になっています。
高齢化社会に対応するスキル
日本では2025年以降、団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)となり、医療・介護ニーズが急速に拡大すると予測されています。看護師には、高齢者特有の疾患やリスク(認知症、褥瘡、誤嚥、転倒など)に対応できる専門知識とケアスキルが求められます。
また、慢性疾患と向き合いながら「生活を支える看護」の視点も不可欠です。高齢者本人だけでなく、その家族への支援も含めた包括的な看護実践が、これからの看護師にとって大きな武器となるでしょう。
ICTや新しい技術を活用できる柔軟性
医療・介護現場でもICT(情報通信技術)の活用が急速に進んでいます。電子カルテや看護記録システム、遠隔診療支援ツールなど、看護師もデジタルツールを積極的に使いこなす必要性が高まっています。
また、AIによるバイタルチェックやロボット技術の導入など、現場の「働き方改革」を支える技術革新にも柔軟に対応できる姿勢が求められます。時代の変化を前向きに受け入れ、必要なスキルを身につけていくことが、これからの看護師には必須といえるでしょう。
大切なことを理解して強い信念を持った看護師になろう
看護観の見つけ方や看護師にとって重要な適性について解説しました。看護観を考える際には、具体的なエピソードや経験を明確にする必要があります。そして何よりも大切なことは、「こんな看護師になりたい」「こんな看護をしたい」という強い信念と覚悟を持つことです。
看護の仕事は心身ともにハードですが、それでも困難を乗り越え患者さんへ優しさをもって対応できるのは、強い信念や覚悟が必要です。しっかりとした信念を持つためにも、看護観を養い「あるべき姿」をしっかりと考えてみましょう。
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