レクリエーション介護士とは？仕事内容や資格の取得方法、メリットを徹底解説！

介護現場で働いていると、「もっと利用者さんに笑顔になってほしい」「レクリエーションの幅を広げたい」と感じる場面は多いのではないでしょうか。

そのような思いを形にできるのが、近年注目されている 「レクリエーション介護士」 という資格です。

レクリエーション介護士は、高齢者の心身を活性化させるレクリエーションの企画・運営スキルを体系的に学べる民間資格で、介護技術だけでは補えない「楽しみ・生きがいづくり」を専門的にサポートできる点が特徴です。

本記事では、レクリエーション介護士の資格内容、難易度、需要、種類などをわかりやすく解説します。

取得のハードルも低く、未経験や無資格の方でも挑戦できるため、介護職のスキルアップとしてぜひ本記事の内容を参考に、取得を目指してみてください。

レクリエーション介護士とは

レクリエーション介護士とは、専門知識を活かし、高齢者が楽しく安全に参加できるレクリエーションを提供できる人材です。

民間資格として一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会（JACA）が運営しており、介護現場で求められる「楽しく・安全で・効果のあるレク」を提供できるスキルを身につけられる点が特徴です。

介護施設では、レクリエーションが利用者のQOL向上・認知症予防・コミュニケーション促進に重要な役割を持つため、資格取得者が現場で重宝される傾向があります。

レクリエーションの質を高めたい方や、介護職としてスキルアップしたい方に適した資格といえるでしょう。

参考：レクリエーション介護士｜日本アクティブコミュニティ協会

介護施設でレクリエーションが重要視される理由

介護施設においてレクリエーションが重視されるのは、単なる娯楽ではなく「リハビリテーション（機能回復）」「残存能力の維持・向上」に直結し、自立した生活ができるようにするためです。

高齢者は、加齢に伴い身体機能や認知機能が低下しやすく、活動量が減ると寝たきりになり、要介護者となってしまいます。

しかし、レクリエーションを実施することで、楽しみながら自然に体を動かしたり脳を使ったりする機会となり、意欲の維持や症状の悪化予防につながります。

レクリエーションは単なる訓練ではなく、楽しみながら行うことができるため、心身両面から高齢者を支えられる介護現場に欠かせない取り組みです。

参考：レクリエーションの意義・歴史｜日本福祉大学

レクリエーション介護士の仕事内容

レクリエーション介護士の仕事内容は以下のとおりです。

• レクリエーションの企画・実行
• レクリエーションのフィードバック

レクリエーション介護士の仕事内容を具体的にイメージできます。

レクリエーションの企画・実行

レクリエーション介護士は、レクリエーションの企画や実践を行います。通所介護ではレクリエーションが毎日行われるため、同じテーマになってしまったり新たなアイデアが浮かばなかったりすることがあります。

また、レクリエーションに不慣れな介護職員は、人前で何かを行うことに最初は抵抗を感じることでしょう。

そこでレクリエーション介護士が、その場の状況や高齢者に適切なアイデア出しや実施を行い、利用者・職員全員が充実したレクを実現するのが主な役割です。

レクリエーションのフィードバック

職員が行ったレクリエーションに対してのフィードバックを行います。企画の優れた点や改善が必要だった部分を伝え、次回のレクリエーションに活かします。

フィードバックを実施している介護施設はまだ少ないかもしれません。しかし、どの事業所でも、利用者の満足度を向上させるために、レクリエーションに力を入れたいと考えています。

レクリエーションの指導ができる介護職員は非常に重宝されます。

レクリエーション介護士の資格を取得するメリット

レクリエーション介護士を取得するメリットは、以下の4つです。

• レクリエーションのネタが増える
• 施設のレクリエーション向上につながる
• レクリエーションの苦手意識が少なくなる
• 通所介護の転職に活かせる

レクリエーションのネタが増える

レクリエーション介護士の資格を取得すると企画力が学べるため、レクリエーションのアイデアが増えます。

介護の仕事をしながらレクリエーションのアイデアを考えるのは大変です。しかし、企画力が身につくことにより、未経験から介護の仕事を始めても、不安なくレクリエーションを行うことができます。

通所介護への転職を考えている方には特におすすめです。

施設のレクリエーション向上につながる

介護施設のレクリエーションは、毎回同じような内容になりがちで、職員自体が飽きてしまうこともあります。

しかし、フィードバックが入ることで適度な緊張感が生まれ、職員一人ひとりが利用者さんの満足度を高めるレクリエーションを心掛けるようになります。

利用者さんから高評価を得ることができれば、施設の質も向上するでしょう。

レクリエーションの苦手意識が少なくなる

レクリエーション介護士の資格を取得すれば、レクリエーションに対する苦手意識を克服できます。

レクリエーションの実践方法やアイスブレイクの方法を学べるので、「どうやって盛り上げればいいかわからない」といった悩みを解消できます。

特に新人の介護職は、人前で何かをすることに抵抗感を感じるかもしれません。

レクリエーション介護士の取得は、レクに対する不安克服や、利用者さんの前でも堂々と振る舞うようになるために最適です。

通所介護の転職に活かせる

レクリエーション介護士の資格を取得すると、レクリエーションが得意な人材として認識されやすくなります。そのため、通所介護の転職に有利になるでしょう。

事業所も即戦力となる人材を求めているため、資格のアピールは重要です。未経験から通所介護への転職を考えている方は、ぜひレクリエーション介護士の資格を取得してみてください。

レクリエーション介護士の資格取得方法

レクリエーション介護士の取得要件を紹介します。

• レクリエーション介護士2級
• レクリエーション介護士1級
• レクリエーション介護士マスター

レクリエーション介護士2級

レクリエーション介護士2級では、利用者さんに喜ばれるようなレクを考える発想力やコミュニケーション力が学べます。

具体的な取得期間や方法は以下のとおりです。

通信講座の場合

通信講座でレクリエーション介護士2級を取得する流れは以下のとおりです。

• 資料請求：ユーキャンのホームぺージから資料請求
• 申し込み：資料同封の受講申込書から申し込み
• お支払い：入金
• 受講セットで学習：受講セット（テキスト＋DVD＋テスト）で在宅勉強
• 在宅で資格試験：受講セット同封の筆記試験・添削課題の実施
• 筆記試験・添削課題の提出：返送用封筒にてユーキャンへ送付
• 合格・認定証授与：協会の認定証お渡し

教材	テキスト＋DVD＋テスト
学習期間	約3カ月
試験方法	筆記試験（選択式50問で60点以上）＋添削課題
料金	35,000円 ※一括払いの場合

参考：レクリエーション介護士2級 資格取得の流れ｜日本アクティブコミュニティ協会

通学講座の場合

通信講座でレクリエーション介護士2級を取得する流れは以下のとおりです。

• 資料請求：日本アクティブコミュニティ協会から資料請求
• 申し込み：資料同封の受講申込書から申し込み
• お支払い：入金
• スクールで受講：最低2日間～（計12時間の学習）
• スクールで資格試験：筆記試験・添削課題の実施
• 筆記試験・添削課題の提出：スクールの指示に従って提出
• 合格・認定証授与：協会の認定証授与

教材	テキスト＋講習＋テスト
学習期間	約2日間（12時間） 例：6時間×2日間＝12時間
試験方法	筆記試験（選択式50問で60点以上）＋添削課題（レクリエーション企画書の提出）
料金	35,000円～ ※スクールによって異なる

参考：レクリエーション介護士2級 資格取得の流れ｜日本アクティブコミュニティ協会

団体研修の場合

団体研修での2級取得は、通信や通学とは異なり、認定講師が介護施設に直接出向き、実践的に学びながら資格取得を目指せる受講方法です。

団体研修の場合、以下の流れでレクリエーション介護士2級を取得します。

• 資料請求・問い合わせ
• 申し込み・ヒアリング
• プラン提案・お見積もり
• 契約・お支払い
• 研修・試験
• 合格・資格取得

教材	テキスト＋講習＋テスト
学習期間	12時間 ※2～3日で分けて実施
試験方法	直接研修 筆記試験
料金	1人あたり：25,400円

参考：レクリエーション介護士2級 団体研修｜日本アクティブコミュニティ協会

レクリエーション介護士1級

レクリエーション介護士1級は、実施目的やその場の状況に合わせた最適なレクの企画・計画ができるように、専門知識と技術が学べる資格です。

この資格を取得すれば、高齢者の心身ともに充実したレクリエーションを実施できるようになるでしょう。

具体的な取得方法は以下のとおりです。

• 講座の受講（4日間）：指定日時と場所で受講
• 試験：実技試験＋筆記試験
• 現場実習：介護現場で3施設の経験
• 認定申請：必要書類を送付し、認定証を授与

受講場所	BCC株式会社東京オフィス 東京都千代田区外神田6-15-9明治安田生命末広町ビル9階
受講日時	1日目：2025年11月11日（火） 2日目：2025年11月26日（水） 3日目：2025年12月17日（水） 4日目：2026年1月20日（火）
試験方法	実技試験＋筆記試験 ※2026年3月実施予定
試験概要	・実技試験 レクリエーションの組み立てと実演（10分間） →100点満点中60％以上で合格 ・筆記試験 選択問題60問＋記述式問題4～6問（100点） 小論文（120点） →120点満点中60％以上で合格
受講費用	計91,300円

参考：レクリエーション介護士1級｜日本アクティブコミュニティ協会

レクリエーション介護士マスター

レクリエーション介護士マスターは、自身で高齢者にレクリエーションを提供するだけでなく、講師としてレクリエーション介護士を育てられる方が取得できる資格です。

資格取得の概要は以下のとおりです。

受講要件	・レクリエーション介護士2級または1級の取得 ・レクリエーション実践経験3年以上
試験内容	・筆記試験/小論文：1時間 ・実技試験：30分
費用	55,000円

レクリエーション介護士マスターを取得すると、現場で重宝されることはもちろん、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会で公認講師として活動できます。

レクリエーション介護士としてステップアップを図りたい方は、ぜひ資格取得を目指してみてください。

参考：レクリエーション介護士マスター｜日本アクティブコミュニティ協会

レクリエーション介護士に関するよくある質問

最後に、レクリエーション介護士に関する質問に答えていくので、ぜひ参考にしてください。

レクリエーション介護士の取得難易度は？

レクリエーション介護士の資格は、教材内容を理解していれば合格できるため、取得難易度は低めです。合格基準も60％と比較的に低めに設定されているので、教材の理解に努めることで、試験に合格できるでしょう。

レクリエーション介護士の合格率はどのくらい？

レクリエーション介護士の合格率は公表されていませんが、講座の修了をもって資格取得となるため、合格率はほぼ100％といえるでしょう。

レクリエーション介護士の需要は高い？

レクリエーション介護士は介護施設での需要が高い資格です。施設では身体機能や認知機能の維持、利用者のQOL向上のためにレクリエーションが必須とされており、計画・実施ができる職員は重宝されます。

レクリエーション介護士の資格の種類は？

レクリエーション介護士の資格は、民間資格に該当します。国家資格ではありませんが、1級やマスターは介護現場で重宝されるので、資格取得を目指して損はないでしょう。

まとめ

レクリエーション介護士の資格を取得することで、レクリエーションに対する苦手意識やアイデアの枯渇といった問題解決が可能です。

そして、利用者の生活の質を向上させるレクリエーションを提供できるようになります。レクリエーション介護士の資格は比較的取得しやすいもので、スクールや通信講座を受ければ合格できます。

通所介護にキャリアチェンジを考えている方や、レクリエーションのスキルを高めたい介護職員の方は、ぜひレクリエーション介護士の資格を取得してみてください。