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男性の存在価値を問う?「男のヘルパーはいらない」論争の行方
介護現場は女性が多いですが、近年では男性も増えてきました。しかし、介護現場では男性介護士が関わりにくい場面があります。そのため、多くの男性介護士が肩身の狭い思いをしていることでしょう。
既に現場で働いている方やこれから介護職を目指す男性の方は、予防策としてぜひ参考にしてみてください。
男性介護士がいらないと思われてしまう3つの出来事
男性介護士がいらないと思われてしまう3つの出来事は以下のとおりです。
- 作業が雑なとき
- 異性介護で対応できないとき
- 考え方の違いを感じたとき
介護現場で不必要な存在と思われないようにするために、ぜひ参考にしてみてください。
作業が雑なとき
男性の介護士は女性介護士に比べ、大雑把な面があり、作業が雑になりやすい傾向があると言われています。
介護業務で家事を行う際、洗濯の畳み方が雑だったり、掃除の仕方が適当だったりすると「必要ない」と周りから思われてしまうこともあります。さらに、事業所によっては、職員が利用者さんの料理を作り提供する場面もあります。
料理経験のない男性が働くと、他の職員からは支障をきたす存在に感じられることもあります。男性が介護現場で働くなら、家事能力を身につけておくと、「仕事ができる人」と認識されるでしょう。
異性介護で対応できないとき
異性介護とは、性別が異なる利用者を介助することを指します。女性介護士が男性利用者を、男性介護士が女性利用者を介護することを異性介護と称します。
女性利用者の中には、入浴介助や排泄介助を異性の介護士から受けることに抵抗を感じる方もいます。そのため、どうしても女性介護士が担当する必要があります。
忙しい現場で、異性介護を拒む利用者に排泄介助を頼まれると、「もっと女性介護士を増やしてほしい」と思われることもあるでしょう。
考え方の違いを感じたとき
女性と男性では考え方に違いがあるとされています。そのため、ミーティングや会議で話している際に、介護の方向性などで意見が食い違うこともあるでしょう。
介護の職場は女性が多いため、自身の考え方が理解されないと、女性介護士だけで仕事をしたいと思われてしまうこともあります。特に、ベテランの男性介護士は、経験やスキルが高く、意見を変えるのが難しいため、注意が必要です。
男性介護士が介護現場で活躍する4つの場面
男性介護士が介護現場で活躍する4つの場面は以下のとおりです。
- 力仕事
- 同性介護が可能
- 出産や育児で退職する可能性が低い
- 女性利用者に好かれやすい
男性介護士として活躍できる部分を知っておくと、力を発揮する場面がわかりますし女性介護士が仕事を依頼するときにも役立ちます。
力仕事
力仕事は、男性の方が女性より得意とされています。
介護現場では、利用者さんをベッドから車椅子へ移乗させたり、入浴介助の際に身体が大きい方を支える場面があります。そのため、力仕事は男性が担当する機会が多くなります。
力のいる仕事があれば、男性介護士に率先して依頼してみるのがおすすめです。
同性介護が可能
同性介護が可能な点も、男性介護士の強みと言えます。
男性利用者の中には、女性介護士による介護を避けたい方もいます。同様に、女性介護士の中にも男性利用者の介護が苦手な方がいます。
介護現場の構成比率から考えると、男性利用者より女性介護士の数が多いという状況があります。そのため、どうしても異性間での介護が避けられない事業所も存在します。
男性介護士が在籍していれば同性介護が可能となるため、利用者さんも介護士も心地よく過ごすことが可能になります。
出産や育児で退職する可能性が低い
男性は、女性のように出産や育児で退職する可能性が低いとされています。
男性介護士が働いてくれれば、長期間職場で働き続ける人材を確保することが可能になります。しかし近年では、男性が育児休暇を取得することも珍しくなくなってきています。そのため、将来的には男性介護士が一時的に現場から離れることも考えられます。
ただし、男性は妊娠や出産の当事者にならないので、女性よりも職場に長く留まる可能性が高いと言えます。
女性利用者に好かれやすい
男性介護士の中には、女性利用者さんから好かれる方もいます。
特に若い男性介護士は、孫のように見られて、様々な話を求められることが多いです。時には、男性介護士からのお願いなら聞いてくれる利用者さんもいます。
女性介護士が入浴やトイレの時間に声をかけても拒否される場合でも、男性がお願いすると協力的になるケースも見受けられます。
男性介護士が介護現場で働く際に3つの心がけておくこと
男性介護士が介護現場で働く際に心がけておくことは以下の3つです。
- 利用者を尊重する
- 職員とは対話を意識する
- 率先して行動する
男性介護士が嫌われないためにも意識しておきましょう。
女性介護士は、男性介護士に指導する際に役立つ内容なのでぜひ参考にしてみてください。
利用者を尊重する
利用者様の考えや価値観を尊重しましょう。
たとえば、異性介護を拒否する方に対しては、無理に介護を強要しないでください。その場合、利用者様の意向を尊重し、女性介護士に代わりに介護を頼むようにしましょう。
介護においては、利用者様の尊厳や主体性を尊重することが基本とされています。
利用者様の声に耳を傾け、それに基づいてケアに当たることが、男性介護士が信頼を得るために必要なことです。
職員とは対話を意識する
介護の仕事は、女性職員が圧倒的に多い現場ですから、男性と女性の考え方が衝突することもあるでしょう。そこで男性職員の皆様には、女性職員との対話を意識してみてください。
対話とは、相手と自分の意見の違いを認識し、話を聞きながら受け入れ、話題を共有していくことです。相手と自分の意見を伝え、お互いの目的に沿って話を進めます。
感情的になったり、文句を言ったりしないように議論を進めていくと、女性職員とも有意義に意見交換ができます。
率先して行動する
肉体的には男性介護士のほうが優位な面が多いです。そのため、現場では積極的に行動をすることを心掛けてください。たとえば、体格の大きい利用者様の移乗介助を行うなどすると、「頼りになる」と評価されます。
体力的に大変な仕事を女性介護士が行っている場合は、積極的に声をかけ、代わりに業務を行うようにしましょう。
未経験・無資格でも男性介護士のニーズは高い!
介護現場における男性介護士の心構えについて解説しました。
女性が多い介護現場では、男性介護士が肩身の狭い思いをしてしまうこともあるでしょう。しかし、男性介護士は頼りになる存在として見られていますので、未経験や無資格の方でも採用される職場が多いです。
今回紹介したポイントのような男性が得意とする部分を活かしながら、少しずつ職場に馴染んでいくことを心掛けてみてください。