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【作業療法士が介護施設で働くメリットは?】介護業界で活躍しよう!
少子高齢化社会に入り、今後もますます需要が高まると言われている介護業界。昨今の介護ケアは、利用者への身の回りのお世話だけでなく、利用者の自立支援を意識したものも注目されています。
利用者の自立支援を進める上で欠かせないのがリハビリで、介護業界のリハビリ分野で活躍する作業療法士の需要が高いのもまた事実です。
作業療法士は介護業界での需要が高い
介護業界での作業療法士の需要は、年々ますます上がっています。その理由は、さまざまですが一言で言えば「介護ケアにおいてリハビリが重要になってきている」ということです。
ここでは、作業療法士が介護ケアにおいて必要とされる理由を詳しく解説していきます。
自立支援に欠かせないリハビリ
最近の介護ケアは、介護者が一方的に身の回りのお世話するというよりも、利用者の残存能力を確認しながら一人ひとりに合った自立支援を進めていく傾向にあります。
自立支援の目的は利用者の生活の質向上や維持で、そんな自立支援に欠かせないのが「リハビリ」です。介護施設での「リハビリ」は、基本的に理学療法士や作業療法士が進めていきます。
利用者のペースに合わせながら日常生活をスムーズに送れるよう応用的動作を機能訓練としてサポートするのが作業療法士です。
「リハビリ」を通してのニーズ解決に重要な存在であるのが作業療法士であります。
個別機能訓練加算の存在
介護保険内に個別機能訓練加算というものがあります。これは、施設に1人以上機能訓練指導員を配置し、毎日リハビリを行うことで施設に加算されるものです。(他にも条件あり)
機能訓練指導員となれる資格のひとつが作業療法士です!
機能訓練指導員としてリハビリ実施をお願いするため、作業療法士を歓迎している介護施設が多いのも事実でしょう。
リハビリ特化型を売りにしたい施設
介護施設は作業療法士の設置を必須としていないケースが多く存在します。しかし、それでも積極的に作業療法士を募集する介護施設が多いのは「リハビリ特化型」の施設であることを売りにしたいからです。
高齢者を抱える家族の多くは、本人の心身の能力を衰えさず日常生活をスムーズに営むことができるよう維持したいと思っているもの。利用者本人の生活の質を落とすことなく継続できるようにするために重要なのが「リハビリ」です。
「リハビリ」を中心的な存在として進めていくことができる作業療法士は、介護業界にとって欠かせない存在なのです。
作業療法士が主に活躍する介護施設
作業療法士が主に活躍する介護施設は以下です。
- デイサービス
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
各介護施設でどのような役割を担っているのか、以下で解説していきます。
デイサービス
作業療法士を必要とするデイサービスは多いです。
特に昨今では「リハビリ特化型デイサービス」の需要が高く、リハビリを売りにしたいデイサービスが増えていることに比例して作業療法士のデイサービスでの活躍も年々多くなっています。
普段は在宅で過ごす利用者が長く「自宅」で過ごせるために、リハビリを重要視する声が高まるのも事実。デイサービスのプログラムの中で、個別リハや集団リハを実施していきます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設では利用者の在宅復帰を目的し、リハビリを実践していきます。利用者の身体機能を確認しながらリハビリプログラムを作成。目標設定をし、それに向けて個別リハビリなどを行っていきます。
在宅復帰後もスムーズに生活を送れるように取り組む「自立支援」の一環としても、利用者にとってリハビリは重要な項目であるといえます。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、作業療法士を配置することが義務づけられているわけではありません。しかし、個別機能訓練加算の存在や「リハビリ特化型老人ホーム」の需要の高まりが理由で、作業療法士を積極的に募集する介護付き有料老人ホームが増えているのも事実です。
介護付き有料老人ホームは、介護度が比較的高めの利用者を対象としています。
デイサービスなどとは違ったリハビリに携われるのが特徴です!
介護施設での作業療法士の仕事
介護施設に就職した後の作業療法士にはどんな仕事が待っているのか気になる方もいるのではないでしょうか?
ここからは介護施設での作業療法士の主な仕事内容を紹介していきます。
手作業や軽作業などの個別リハビリ
作業療法効果が期待できる手作業や軽作業は、介護ケアで取り組んでいる「自立支援」と非常に相性が良いと言われています。
身体機能維持や認知症予防などを目的とし、利用者一人ひとりに合ったリハビリを実施。生活のメリハリにもなるようなプログラムを考え実行しています。
リハビリプログラムの作成
リハビリプログラムは医師によるリハビリプランやケアプランに基づいて作成します。
各利用者の身体状況に応じて、一人ひとりに合ったリハビリプログラムを立案していきます。リハビリ内容は、本人の身体に負担がないような軽作業から回想法までさまざま。
本人の様子を見ながら、定期的にプログラムの見直しを行います。
集団リハビリ
作業療法士が複数人の利用者相手に集団リハビリを実施することもあります。
利用者が複数人集まって行う集団リハビリ特有の難しさもありますが、病院勤務では経験できないリハビリ方法を考える機会になります。また、個別リハにはない集団リハビリならではの「一体感」を体験できるのもメリット。
集団リハビリは個別リハよりもある意味でコミュニケーション能力を必要とされることが多いため、コミュニケーション面でのスキルアップにも繋がります。
介護ケアの手伝い
介護施設では、介護スタッフと協力して働くことも多く、場合によってはトイレ介助など介護ケアの手伝いをすることもあります。
特にデイサービスでは、多職種で連携して動くことも多いため、食事時などの配膳も行うことも。介護ケアを手伝うことで、利用者とより親密な関係を築ける点はメリットです。
作業療法士が介護施設で働くメリット
作業療法士が介護施設で働くメリットはたくさんあります。
ここでは、作業療法士が介護施設で働くメリットを3つ紹介していきます。
利用者に向き合ったリハビリができる
介護付き有料老人ホームや介護老人保健施設などは、利用者が長く入居するケースも多く、リハビリ活動をサポートしながら長く関わることが可能です。
特に最期まで入居することが多い介護付き有料老人ホームは、ひとりの利用者としっかりと向き合ってリハビリを進めることができます。
利用者の入居時から最期まで関わることができます!
病院などとは違った経験ができ、利用者との関係もしっかりと築ける部分が魅力です。
昇進しやすい
病院に比べ作業療法士の数が少ない介護施設では、作業療法士としてのキャリアアップができる可能性が高いです。
また、少人数であることでさまざまな業務を任されることも多く負担に感じやすいデメリットもありますが、その一方で介護施設で働く上でのスキルは比較的早い段階で身につくことが多い傾向にあります。
介護施設でのリハビリのスキルが身に付きやすく、更に少人数であることから管理職などの役職が早い時期に回ってくることも。
デイサービスであれば、リハビリ部門のみの管理者だけでなく、デイサービス全体を支える「管理者」「施設長」などを任されることもあります。
維持期の経験が積める
介護施設でのリハビリの多くは身体機能維持を目的としています。
病院は急性期や回復期に対するリハビリを必要とされることが多い一方で、介護施設は維持期のリハビリが大半です。
維持期のリハビリの経験を積みたい場合には介護施設での就職が特におすすめです。
作業療法士として介護業界で活躍しよう!
介護業界での需要が高まる作業療法士。就職先に迷ったら介護施設を選択肢の一つに入れるのも手です。
記事を参考に介護施設での仕事の特徴を把握し、自分に合っているか今一度吟味してみましょう。