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【在宅介護で限界を感じたら?】ストレスを軽減する方法について解説!
介護を要する人のなかには、自宅で家族が介護をする「在宅介護」を選択する人も多くいます。しかし、在宅介護は、家族が家族の介護をおこなうため大変なことがたくさんあり、ストレスを抱えてしまう原因となってしまいます。
在宅介護を難しく感じず、できるだけストレスを軽減するためにはどうすればいいのでしょうか?
在宅介護が難しいと感じる理由
在宅介護をおこなうにあたり、難しいと感じる理由についてご紹介します。
介護が365日24時間続くことの疲労
在宅介護が難しいと感じる最大の理由は、介護が365日24時間続くため疲労が蓄積するということです。
家族が家族の介護にあたるため、日常生活の中心が介護になります。なかには、仕事との両立をしながら介護にあたる人も多く、体力的にも精神的にも疲労が蓄積します。
在宅介護は、介護施設や事業所で働く専門職と違って、四六時中家族の介護にあたらなければなりません。家族の介護をおこなうということは、介護に関して休みがありませんので、在宅介護が難しいと感じる人が多いです。
知識不足により対応に困る
在宅介護を難しいと感じる理由に、知識不足であるということが挙げられます。
介護に関する知識や技術を身につけておらず、対応に困るという人が多いです。介護職の経験がある人は、知識や技術を活かすことができますが、全く経験がない人も在宅介護をおこなう可能性も大いにあります。家族とはいえ、適切な介護の方法が分からず、どのようにしたらいいのか悩んでしまいます。
在宅介護は、食事や入浴、排泄介助もおこないますが、いざ直面すると戸惑う場合もあるでしょう。専門的な知識や技術が求められる場合もあり、そのような場面に直面すると難しいと感じてしまいます。
金銭的問題
金銭的問題も在宅介護の当事者にとって大きな負担となります。
介護施設や事業所を利用するよりも金銭的負担は少ないと考える人もいると思いますが、在宅介護の金銭的負担も少なくありません。
介護が必要な家族の医療費や生活必需品の費用は、介護をする家族が負担をすることになります。それに伴い、光熱費や食事代なども含まれることになるため、トータルすると金額が大きくなり、負担が増えます。
仕事と両立する人も多いですが、緊急時は自宅に戻らなければならず、介護が理由で退職や転職する人も多いです。収入に変化が起きる場合もあるため、介護に関する金銭的問題は状況によって変化します。
在宅介護のストレスで生じる問題
在宅介護のストレスが積み重なってしまうことで、以下のような問題が生じる可能性があります。
介護者がうつ病を発症してしまう
在宅介護のストレスが大きくなることで、介護者がうつ病を発症してしまう恐れがあります。
介護者が悩みを1人で抱え込んでしまうことで起きてしまう問題です。「自分の家族だから」と責任を強く感じる人や、「きちんと介護しなければ」と考える真面目な人が陥りやすい傾向にあります。
うつ病は、自分がなっていることに気付きにくいです。主な症状として、食欲不振や睡眠障害、不安感などが起きてしまい、家族の介護をおこなう体力や精神が限界を迎えてしまいます。
要介護者との関係に亀裂が生じる
在宅介護のストレスから、要介護者との関係に亀裂が生じてしまうケースもあります。
長時間の介護によって、介護者のストレスが蓄積されてしまいます。また、要介護者のなかには認知症の人も多く、思っていることが伝わりづらいという点もあり、精神的なストレスは大きな問題です。
最悪の場合、要介護者に対して強く当たってしまうというケースがあり、関係性が大きく変わってしまう恐れも…
介護をする前は仲が良かった家族が、在宅介護のストレスで不仲になってしまう恐れもあるため、ストレスを発散する方法を確保しておくことが大事です。
社会的に孤立していると感じる
家で介護を四六時中おこなうため、外出の機会が減り、社会的に孤立をしていると感じてしまいます。
家族の介護をするにあたり、家族間の問題を他者に話すことに傾向があったり、誰に頼ればいいのか分からないということから、孤立感が増してしまいます。
要介護度数によっては、目を離すことができない場合もあるため、外部との関わりが少なくなってしまいがちです。
社会的な孤立を感じてしまうと、うつ病発症にも繋がってしまうため、ストレスを抱え込まないことが大事です。
在宅介護のストレスを軽減する方法
在宅介護をおこなうにあたり、ストレスを軽減する方法を把握しておくことは大事なことです。
悩みや負担が大きくなる前に、以下のような対応をおこないましょう。
周りに相談する
在宅介護のストレスを軽減するためには、周りに相談することが大事です。
介護に関する相談機関として、ケアマネージャーや地域包括支援センターがあります。専門的な知識や技術から、要介護者や家族に合った介護をアドバイスしてもらえますので、大いに活用しましょう。
また、介護保険制度に関する相談も各地域に定められており、様々な機関が介護に関するサポートをしています。在宅介護をおこなう人は、悩みを1人で抱え込んでしまう傾向にありますが、公的な相談窓口があるということを把握し、活用することが大切です。
職場の介護に関する制度を利用しよう
職場の介護に関する制度を利用することも、ストレスを軽減するにあたって大事な方法です。
厚生労働省は、介護と仕事を両立を実現するために、様々な支援制度を推進しています。職場がこのような支援制度を取り入れている場合は、介護をおこなうための休業制度や休暇制度を活用することができます。
仕事をしながら家族の介護をおこなう人も多く、両立が難しいと感じることも多くあるでしょう。職場によって異なりますが、申請することで介護に合わせた働き方が選択できるため、ストレスを軽減することができます。
事前に家族の介護について話し合いをする
在宅介護が必要になる前に、家族間で介護について話し合うことも大切な方法です。
いつ家族の介護が必要になるかは分かりません。事前に話し合いをおこなうことで、介護に関する考え方を確認でき、資金や住宅環境を整えておくことができます。
話し合いをしていると心構えが変わってきますので、いざというときにパニックにならずに済みます。介護は突然必要になる可能性があるため、必要なものを揃えておくことも大事なポイントです。
在宅介護で必要な制度を活用しよう
在宅介護は、家族が家族の介護をおこなうため、365日24時間休みがない状態にあります。
肉体面や精神面、ときには金銭面も負担に感じてしまうことから、ストレスが大きくなってしまいます。このようなストレスを軽減するために、公的な相談窓口や職場の制度など、必要な制度を活用することが大事です。
ストレスが蓄積することで、社会的に孤立を感じてしまい、うつ病を発症してしまう恐れもあります。
また、要介護者に対して強く当たってしまう恐れもあり、関係性に亀裂が生じてしまうケースも少なくありません。事前に制度について調べておくことも大事なポイントになるので、家族と介護について話し合ってみてください。