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【看護におけるクーリングは間違い?】根拠のあるケアと注意点とは

  • 発熱の時には氷枕で頭を冷やすのは当たり前
  • 発熱や怪我をしたときに、どのタイミングでクーリングをしたらいいのだろう
  • 複数クーリングをしていることが、どのように効果があるのかわからずやっている

看護の場面において、このような疑問を持ちながらも通常通りだと思ってクーリングをしてはいませんか? 

本当にその冷やし方で効果はあるのでしょうか。実は、効果がないのにやっていると気づいていない人も多いことを知っていましたか?そして、冷やしてはいけない場合やクーリングによる弊害を知らないことで患者さんに大きな負担をかけてしまいます。

今回では、発熱時や整形外科でのクーリング方法を具体的に解説していますので、是非とも臨床の現場や家庭で活用してみてください。

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目次

看護におけるクーリング

看護の場面において、氷枕や氷嚢などのクーリングを行うことがあります。

ここでは、看護におけるクーリングについて以下の3つについて解説しています。

  • これまでのやりがちなクーリング方法
  • 3点クーリング
  • クーリングとアイシングの違い

それぞれみていきましょう。

これまでのやりがちなクーリング方法

これまで看護の場面でやりがちなクーリング方法があります。

皆さんも思い当たるところがあるかもしれません。例えば、自宅にもよくある氷枕。発熱した時に熱を下げることを目的に使っていましたが、本当に解熱ができていたのでしょうか。

解熱だけではなく発熱による苦痛の緩和のために使用するのは良いと思います!

おでこに貼るシートが解熱することに有効かどうかははっきりしていないため、解熱のためには根拠を持ってクーリングする必要があります。

3点クーリング

発熱時に3点クーリングを行うことが多いでしょう。3点だからといって両方の腋窩と後頭部でしょうか。両方の腋窩をクーリングしたことで、体温測定ができないと注意を受けたことがある人もいるかもしれません。それでは正しい検温はできませんよね。例えば、片方の腋窩と、両方の鼠径部を冷やすことが多いと思います。

患者さんの希望によっては後頭部と両方の鼠径部、背部に当てたりとクーリング方法はそれぞれ違うこともあります。

クーリングとアイシングの違い

クーリングとは、発熱や熱をもった腫れに対し体温を下げるために後継部、鼠径部、腋窩、頚部などや大きな動脈のある部位を冷やすことです。

アイシングとは、捻挫や打撲、肉離れなどのケガをしたときや、スポーツ後のメンテナンスとして患部に氷嚢を当てて冷やすことを言います。アイシングは、腫れや痛みを抑える効果があります。また、スポーツによる使い過ぎた筋肉の温度を下げ、疲労回復や筋肉痛を軽減させるために行う冷却のことはクーリングと言います。

クーリングの目的・効果

クーリングの目的や効果についてきちんと理解して実践できていますか?

筆者も恥ずかしながら理解していなかったことがあります。ここでは、以下の5つについて解説しています。

  • 「安楽」のためのクーリング
  • 「発熱時」のクーリング
  • 「整形外科」のクーリング
  • クーリングの弊害
  • クーリングをしてはいけない状態とは

すぐに実践できる内容です。それぞれみていきましょう。

「安楽」のためのクーリング

病気による発熱、ケガによる炎症、ストレスによる負担に対して、安楽のためにクーリングをすることも症状を軽減させるためにも有効です。

痛みやストレスを緩和させるために、患者さんの希望に沿ってクーリングしても良いでしょう。

「発熱時」のクーリング

発熱のメカニズムからみてみましょう。人の体は常に一定の体温を調整する機能が備わっています。

この機能のことをセットポイントといい、発熱時にはシバリング(震え)して骨格筋を収縮させることで効率よく体温を上昇させています。

しかし、体温が上昇するのは体内に侵入した細菌やウイルスに対して体を守っている状態であり、クーリングをすることで体温を下げてしまい、体の防御機能まで下げてしまう可能性があります。このことで治癒を遅らせてしまったり、熱の産生量が増加して体力を消耗させてしまったりもします。

発熱は、感染症だけではなくケガによる炎症やアレルギー反応、心理的ストレスなども原因となる場合があります。

「整形外科」のクーリング

整形外科の分野で行うクーリングは、関節痛や手術、スポーツによる外傷に対して患部をクーリングします。

患部に直接氷嚢や氷枕を当てますが、長時間同一部位を当てることの内容、つけたり離したりといった対処が必要です。

筆者も実際に術後にクーリングを受けたことがあります。膝の前十字靭帯再建術を受けた後に24時間のクーリングです。決まった時間ごとに看護師が氷を追加し、クーリングによるスキントラブルがないかを観察していました。この処置で、術後の疼痛緩和と腫脹の軽減ができ、リハビリもスムーズに行えたのを覚えています。

クーリングの弊害

安楽や苦痛の軽減のためのクーリングが、逆に弊害があることを知っておかないといけません。

患者さんの状態によっては、クーリングをすることで循環障害を悪化させたり血栓を形成しやすい場合があります。

また、患者さんに意識障害や麻痺症状などの知覚鈍麻により、クーリングしていることを感じられず同じ部位が長時間冷却されることで低温やけどを起こしてしまう可能性があります。

クーリングをしてはいけない状態とは

患者さんの体温が上昇しているが、寒気を訴えたりシバリング(震え)がある時にはクーリングしてはいけません。

クーリングをするタイミングは、患者さんのシバリングが落ち着き、体温上昇が確認され、解熱期に実施します。シバリングが起きている時にクーリングすることは、患者さんにとっては苦痛でしかありません。

もう一つ、頭部のクーリングにも注意が必要です。脳梗塞や脳出血といった脳疾患を患っている患者さんや既往歴がある人に対してクーリングすることは禁忌です。脳血管が収縮することで血流障害を起こしてしまう危険性があるからです。

クーリングの手順

ここでは、正しいクーリングの手順について以下の4つを解説します。

  • 必要物品
  • 準備
  • 実施方法
  • 実施時の準備

ぞれぞれを理解し、実際の看護に活かしましょう。

必要物品

クーリングに必要な物品は、氷枕、留め具、氷です。病院によっては、100mlの生理食塩水の空きパックに色付きの水を入れ、冷凍しているところもあります。

これをタオルまたはガーゼに当てて使用することもありました。膝や肩などのアイシンングでは、専用の氷嚢も使用します。

準備

氷枕や氷嚢を準備しますが、破れや亀裂がないかを事前に確認しましょう。

次に、氷枕や氷嚢に氷を入れる際には、氷は中身の2/3を目安にします。また、氷枕には氷と一緒に水も入れますが、留め具をとめた後に水が漏れないか、氷がゴツゴツして違和感がないかを事前に確認します。氷枕内の空気を抜き金具で止めます。氷枕の金具により皮膚が当たったりしないように設置します。

アイシングのための氷嚢には、氷のみで水は入れません。

水を入れた方が安楽と感じる場合は入れても良いでしょう。

実施方法

まずは、患者さんの状態からクーリングの必要性を判断します。そこから、患者さんへクーリングの必要せを説明し、承諾を得ます。

クーリングを開始する際には、患者さんに低温やけどの危険性を説明し、氷枕は快適に使用できそうかを確認しましょう。

実施時の注意点

先述した通り、患者さんが循環障害を起こしていないか、意識障害や知覚鈍麻がないかを事前に確認しましょう。クーリングを開始してからは、低温やけどなどスキントラブルを起こしていないか定期的に観察します。

患者さんに対してクーリングをしたことについて、次の勤務者に引き継ぐ際にはクーリングしている部位を申し送るようにしましょう!

長時間のクーリングや、あたたかくなってしまった氷枕による違和感が患者さんの苦痛とならないようにします。

目的・根拠を持って正しいクーリングを実践しましょう!

病院や自宅でもクーリングをする場面は多くあるでしょう。

クーリングをする目的を明確にして苦痛を緩和しなければなりません。

そして、クーリングをしてはいけない状態や、クーリングによる弊害について考慮しないと患者さんの苦痛となってしまいます。せっかく患者さんの苦痛を緩和させようと思っても、逆に苦痛にさせては意味がありませんよね

目的や根拠を持って正しいクーリングを実践しましょう!

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