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【理想の看護師像とは?】自分の看護観を持つことと面接対策を解説
- 世間の理想の看護師ってどういう人なのだろう
- 理想の看護師像が無い
- どんな看護師になりたいかと面接で聞かれた時に困りそう
理想の看護師像を持っている人もいれば、そうでいない人もいます。そうでない人にっては、面接で聞かれた時にどう答えていいか困ってしまいそうですよね。
実際、理想の看護師像がないと面接で答えることができずに不採用になってしまうかもしれません。
理想の看護師像がある人も、そうで無い人も、是非とも参考にしてみてください!
看護学生が抱く理想の看護師像とは?
看護学生が抱く理想の看護師像を紹介します。
- コミュニケーションが上手
- 信頼できる
- 専門的
289名の看護学生を対象とした実験レポートの『看護系大学生の抱く看護師理想イメージおよび看護系大学生自身の自己イメージの構造』を参考にして解説します。
コミュニケーションが上手
看護学生が抱く理想の看護師像は、コミュニケーションが得意な方のようです。
自身の願望や実習先で憧れの先輩をイメージして答えている方が多いのでしょう。
患者さんと信頼関係を構築するうえで、コミュニケーションは大切です。
コミュニケーションは、患者さんの不安を取り除き心を開きます。
信頼できる
看護学生の理想の看護師は、信頼できるイメージがあるようです。
患者さんと誠実に向き合っている印象を受ける方が多いのでしょう。
看護師の経験が長い方は相手の話をよく聞いて共感し、思いを尊重してくれます。
また仕事を手際よくこなしている姿を実習先で見ると、信頼性を感じ、自分の理想像になるのではないでしょうか。
専門的
専門性のある看護師が、看護学生にとって理想像のようです。
看護師は国家資格を取得しないと仕事ができません。
実習を通して、専門的な知識や技術を学ばなくてはいけないと感じる方が多いのでしょう。
「将来は専門性を活かした看護をしたい」と考えている方は、目指すべき理想像です。
患者から見た理想の看護師像とは?
患者さんからみた理想の看護師像は以下のとおりです。
- 性格や雰囲気が良い
- コミュニケーションが取りやすい
- 患者やその家族を大切にする
第17回日本生命倫理学会年次大会で発表された『患者からみた 「よい看護師」:その探求と意義』を参考にしていきます。
性格や雰囲気が良い
患者さんからは「明るい」や「ユーモアがある」といった言葉が理想の看護師像に上がりました。
入院をしていると、看護師とは日常的に関わります。
いつも機嫌の悪い様子だと、患者さんの気分も落ち込みますし、困ったときの相談もしにくいです。そのため性格や雰囲気を大切にする方が多いのでしょう。
コミュニケーションがを取りやすい
患者さんの理想の看護師像は、コミュニケーションを取りやすい方です。自己紹介や日常会話をしてくれると、人として接してくれていると感じるようです。自分を見てくれている安心感が伝わるのでしょう。
コミュニケーションの取りやすさは、看護学生と患者さんの理想の看護師像と共通しているので、看護師の重要な要素だといえます。
患者やその家族を大切にする
患者さんにとって家族も大切にする方が、理想の看護師像のようです。自分だけでなく家族の生活や状況にそったケアを行ってくれると、良い印象を受けるのでしょう。
幅広いケアにあたるには看護計画書や看護記録を確認し、患者さんの背景情報を知る必要があります。
基本的な仕事ができるようになり、少しずつ視野を広げると家族の要望にも答えられます。
理想の看護師像の見つけ方
理想の看護師像の見つけ方を紹介します。
- 看護学生や世間の理想像から考えていく
- 実際に看護師として働いている人の話を聞いてみる
- 今までの経験を活かす
- 応募先の医療機関の理念を確認する
それぞれ解説します。
看護学生や世間の理想像から考えていく
看護学生や患者さんが感じている理想像から見つけていくのがおすすめです。世間の看護師像は、実際の現場でも求められている場合が多いです。コミュニケーション力や性格の明るさなどは、看護師には必要とされています。
世間と自分の素養が近いものを理想像にすると、面接やエントリーシートで伝えやすいです。
実際に看護師として働いている人の話を聞いてみる
理想の看護師像が見つからない場合は、実際に看護師として働いている人の話を聞いてみることも良いでしょう。
看護師の仕事は楽しいことばかりではありません。しかし、患者さんとのやりとりの中で看護師でよかったと思う場面もたくさんあります。
実際にあった話を看護師から直接聞くことで、自分もそうなりたいと想像することができます。
今までの経験から考える
自分が受けたケアや現場で見たことから、理想の看護師像を考えてみてください。実体験から考えることで、リアルな看護師像を掲げられます。たとえば入院したときの体験や、看護実習で出会った憧れの先輩をイメージすると良いでしょう。
理想の看護師像は、看護実習や病院での体験から見つけていくのがおすすめです。
看護師像に迷ったらまずは2つのキャリアパスから考えよう
看護師像を考えるにあたって、迷う方もいるでしょう。看護師像に迷ったら、2択で考えるのがおすすめです。ここでは看護師のキャリアパスを2つ紹介します。
- 専門性を活かしてスペシャリストとして働く
- 幅広い知識を活かしてジェネラリストとして働く
それぞれ解説します。
専門性を活かしてスペシャリストとして働く
看護師には、専門性を活かしてスペシャリストを目指すキャリアプランがあります。
看護の専門性を磨きたい方は、認定看護師を取得するのがおすすめです。
認定看護師とは、特定分野においてハイレベルな看護を行える日本看護協会の認定資格です。高い技術を保有しているため後進の育成や指導など、チーム全体の看護ケア向上も期待されます。特化した看護スキルを患者さんに提供したい方に向いています。
幅広い知識を活かしてジェネラリストとして働く
看護師には、さまざまな診療科で看護経験を積み、幅広い領域の知識やスキルを身につけるジェネラリストの道もあります。
病院勤務だけでなく、在宅看護や老人ホームでの看護なども経験していくことが大切です。
ジェネラリストの道に進む場合は以下の点を意識しましょう。
- 期間を決めて病棟や病院を移る
- 社内政治に強くなるために人脈を作る
ジェネラリストにはさまざまなスキルが必要です。そのため期間を決めて病棟や病院に移り、看護技術を磨くことが大切です。
また病棟内の人間関係も構築していかなくてはいけません。ジェネラリストで活躍している看護師は、スタッフをまとめるリーダーのポジションを任されます。
さまざまな診療科に意見を述べる機会が増えるでしょう。
リーダーシップを発揮できる経験を積むほかにも、院内政治に強くなるための人脈作りも欠かせません。
面接時の対応
転職や就職の面接では、理想の看護師像について質問を受けることがあります。
質問を受けた時には、以下の4つの方法で伝えることをおすすめします。
- どんな看護師になりたいかを伝える
- 具体的なエピソードを含める
- 病院に沿った回答をする
- 今後の目標を具体的に示す
相手にわかりやすく伝えられるようになりましょう!
どんな看護師になりたいかを伝える
まずは、どんな看護師になりたいかを伝えます。
理想の看護師像から話し始めることで自分という人間をわかってもらいやすいのです。相手が理解しやすく、その後の話の展開が作りやすくなります!
ありきたりな、誰でも答えているような内容では不十分です。時間をかけて自分なりに考えていくことが重要です。
具体的なエピソードを含める
自分が体験したエピソードを具体的に話すことをおすすめします。
例えば、自分や家族が病気になって入院した時に優しく接してくれたことや、落ち込んだ時に励ましてくれた経験が、看護師のようになりたい考えるきっかけになったと話すのも良いでしょう。
筆者は、母親が病気で倒れたときに急変に気付かず、何もしてあげられない悔しさを経験しました。この悔しい気持ちがバネとなり、素早い判断と行動ができるのが自分の理想の看護師像であるとして今も日々努力しています。
具体的なエピソードだからこそ、相手が共感しやすいのです。
病院の理想に沿った回答をする
就職・転職を希望する病院の理念を確認しましょう。
自分の看護師像が病院の理想に沿っているように回答することで、相手に良い印象を持ってもらえます。
きちんと調べておかないことで、「うちの病院には合わない」と思われないように、事前に準備しておきましょう。
今後の目標を具体的に示す
看護師として働いた後には、認定看護師や専門看護師を目指したいなど、今後の目標を具体的に示すことも大切です。
- 自分が経験してみたい診療科
- 取得したい資格
- 勉強してみたいこと
などを伝えることで、やる気や積極性があると良い印象を持ってもらえます。
【状況別】ESや小論文を書くときに使用できる看護師像の例文
エントリーシートや小論文の書き方に悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、看護学生と転職者向けにエントリーシートや小論文を書く際の例文を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
【看護学生向け】看護師像の例文
エントリーシートや面接で看護学生が理想の看護師像を伝える際の例文は以下のとおりです。
【専門性のある看護師像を目指している方】
将来の目標は患者様に寄り添いながら、最新の医療知識や技術を習得し、専門性を高めていくことです。
また地域社会に根ざした医療に貢献し、地域住民の健康向上に寄与したいと考えています。
【総合的なスキルのある看護師像を目指している方】
看護学校での実習や授業を通じて臨床スキルだけでなく、人間関係の構築やコミュニケーションスキルも向上させました。
これらの経験を活かし、実践的かつ総合的な看護ケアを提供していきます。
ジェネラリストを目指す場合は、経験を伝えることが重要です!
看護学校での経験を通じて学んだことを前提に、理想の看護師像を伝えましょう。
【転職者向け】看護師像の例文
転職者が看護師像を伝える際の例文は以下のとおりです。
【転職者向けの看護師像の例文1】
私の強みは、患者様とのコミュニケーションと共感力です。
看護師となり、患者様と向き合うなかでその重要性を痛感しました。
また、危機的な状況にも冷静に対処できる柔軟性を持っています。
これらのスキルを活かし、患者様が安心感を得られるような看護を提供したいと考えています。
【転職者向けの看護師像の例文2】
今までの病棟勤務での経験を通して、コミュニケーションスキルや協力能力を身につけました。
患者様やその家族との対話を通じて信頼関係を築くことや、チームと協力してケアを提供することに自信を持っています。
これらのスキルを看護師で活かし、患者様に寄り添ったサポートを提供していきます。
看護の経験を通して学んだことを伝えましょう!
異業種から転職する場合は、業界で得た経験や知識を看護業界と紐づけて伝えると説得力が増します。
ESや小論文を書く際の文章術
エントリーシートや小論文の書き方に悩んでいる方もいるでしょう。ここでは具体的な文章術を紹介します。ポイントは以下のとおりです。
- 書きたいことを箇条書きにする
- PREP法を活用する
- 読み直す
ぜひ参考にしてみてください。
書きたいことを箇条書きにする
まずは、書く内容を箇条書きにしましょう。いきなり書き始めると、内容がまとまらないからです。執筆する前に内容をまとめておくことで、伝わりやすい文章が作れます。
エントリーシートや小論文を書く前は、まず内容を箇条書きにするのをおすすめします。
PREP法を活用する
PREP法とは文章をわかりやすく書くための文章の型です。以下の順番で書いていくと、読みやすい文章が作れます。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
はじめに結論を伝え、あとから理由や具体例を提示していきます。PREP法を活用した、看護師の志望動機の例文は以下のとおりです。
Point (ポイント)
私は人々の健康を支え、患者様の生活に良い影響を与えたいと思い看護師を志望しました。
Reason (理由)
看護は、人間性と技術の両面で深い影響を与えられる職業です。
Example (例)
以前大きな怪我をして入院した際に、相談に乗ってくれたり身体を常に心配してくれたりした看護師さんがいました。
彼女の支えもあり長期の治療に耐え、最終的に回復することができました。
Point (ポイント)
そのときに献身的な看護師さんを見て、私も看護の仕事を通して人々の健康と生活にポジティブな影響を与えたいと思ったのが看護師を目指した理由です。
結論から伝えるので、わかりやすく簡潔な文章が書けます。エントリーシートだけでなく、面接時の受け答えにも応用できるので、ぜひ活用してみてください。
推敲する
エントリーシートや小論文を書いたら、文章を読み直しましょう。読み直さないと、誤字脱字や文章の違和感に気づかずに提出してしまいます。
読み直す際のポイントは以下のとおりです。
- 黙読する
- 音読する
文章を書いていると集中するため、誤った論理展開で執筆してしまうことがあります。黙読すると自分の文章を落ち着いて確認できるので、文章の違和感に気づけます。
黙読のあとには音読をするのがおすすめです。
文章のリズムを直したり誤字脱字を修正できたりします。可能な方は音声ツールを使用して確認すると、さらに精度高く修正することが可能です。
看護師になるためには、自分の理想の看護師像を持つことが大切です
看護師になるためには、自分の理想の看護師像を持つことが大切であることがご理解いただけたかと思います。
全ての人が理想の看護師像を持っているわけでもありません。
看護師として働いていく時にも、理想の看護師像があることで目標となり、前向きに働いていくことができます。
これを機会に、理想の看護師像について考えてみましょう!