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【カイテクアンケートVol.2】介護・看護職に聞いた「勤務先を選ぶときに何を重視していますか?」
カイテクでは、登録スタッフのみなさまを対象に「勤務先を選ぶ際に重視しているポイント」についてアンケート調査を実施しました。
介護職・看護職の皆さまが職場を選ぶとき、最も気にしているのは待遇なのか、働き方なのか、それとも人間関係なのか…。
本記事では、257名の回答結果をもとに、勤務先選びで重視されている項目や職種ごとの違いを詳しく分析しています。
採用や定着率向上に取り組む施設運営者・管理者の方にとって、現場の“リアルな声”から得られる示唆は少なくありません。ぜひ今後の職場づくりにご活用ください。
調査概要と回答者属性
今回の調査には、カイテク登録者 257名 にご回答いただきました。
回答割合は以下のとおりです
職種の割合
| 項目 | 回答者数 | 割合 |
|---|---|---|
| 介護職 | 215名 | 83.7% |
| 看護職 | 42名 | 16.3% |
アンケート項目の紹介
アンケート項目に関しては、以下の内容です。
1. あなたのワークライフバランスを向上させていると感じるものは何ですか? *
- 希望休が取りやすい
- 残業が少ない・ない
- シフトの融通が利く(家庭の事情などを考慮してくれる)
- 有給休暇の取得しやすさ
- 通勤時間が短い
- 職場の人間関係が良い
- 上司や同僚の理解がある
- 給与・待遇が良い
- 仕事そのものにやりがいを感じる
- 趣味や休息の時間を確保できている
- 家族や友人のサポートがある
2. 現在の勤務形態を教えてください
- 介護・看護職の常勤(正職員)で働きつつカイテクを利用している
- 介護・看護職のパート・アルバイトで働きつつカイテクを利用している
- 単発バイトのみ
- 介護・看護職以外の常勤(正職員)で働きつつカイテクを利用している
- 介護・看護職以外のパート・アルバイトで働きつつカイテクを利用している
3. 現在の仕事と生活のバランス(ワークライフバランス)にどの程度満足していますか?
- とても満足している
- まあまあ満足している
- あまり満足していない
- まったく満足していない
4. 逆に、あなたのワークライフバランスを妨げていると感じるものは何ですか?
- 人手不足による業務過多
- 急なシフト変更や残業が多い
- 希望休が取りにくい
- 有給休暇が取りにくい
- 夜勤など不規則な勤務形態
- 身体的・精神的な疲労が大きい
- 仕事のストレスを家庭に持ち帰ってしまう
- 通勤時間が長い
- 職場の人間関係の悩み
- 給与・待遇への不満
- 家庭の事情(育児、介護など)との両立
勤務先を選ぶときに重視しているポイント
まず、勤務先を選ぶ際に「ここが整っていると働きやすい」と感じられている要因を集計しました。
複数回答形式のため、件数は“回答として選ばれた総数”となります。
▼介護職(回答数合計 700件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 職場の人間関係が良い | 87件 | 12.4% |
| 希望休が取りやすい | 86件 | 12.3% |
| シフトの融通が利く | 77件 | 11.0% |
| 通勤時間が短い | 75件 | 10.7% |
| 残業が少ない・ない | 75件 | 10.7% |
| 仕事にやりがいを感じる | 68件 | 9.7% |
| 給与・待遇が良い | 59件 | 8.4% |
| 休息・趣味の時間を確保できている | 57件 | 8.1% |
| 上司や同僚が相談しやすい | 48件 | 6.9% |
| 有給休暇を取得しやすい | 40件 | 5.7% |
▼看護職(回答数合計 173件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 職場の人間関係が良い | 23件 | 13.3% |
| 希望休が取りやすい | 21件 | 12.1% |
| 通勤時間が短い | 20件 | 11.6% |
| シフトの融通が利く | 19件 | 11.0% |
| 給与・待遇が良い | 17件 | 9.8% |
| 休息・趣味の時間を確保できている | 17件 | 9.8% |
| 残業が少ない・ない | 14件 | 8.1% |
| 上司や同僚の理解がある | 12件 | 6.9% |
| 仕事にやりがいを感じる | 12件 | 6.9% |
| 有給休暇を取得しやすい | 10件 | 5.8% |
介護職・看護職ともに、勤務先を選ぶ際は「人間関係」「休みやすさ」「時間的な無理のなさ」が強く求められていました。これらは給与と比べて一見控えめに見える要素ですが、日々の働きやすさを左右する重要な条件です。
施設側がこれらに配慮できているかどうかは、採用後の定着率にも直結します。
現場の声を踏まえると、シフト運用の工夫や休暇制度の明確化、相談しやすい雰囲気づくりが、職員に「ここで働きたい」と思ってもらえる環境づくりに繋がると考えられます。

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勤務先選びで不安・懸念となるポイント
次に、勤務先を選ぶ際に「避けたい」「不安に感じる」ポイントを整理しました。
▼介護職(回答数合計 570件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 人手不足による業務過多 | 101件 | 17.7% |
| 身体的・精神的疲労が大きい | 77件 | 13.5% |
| 給与・待遇への不満 | 60件 | 10.5% |
| 職場の人間関係の悩み | 57件 | 10.0% |
| 急なシフト変更や残業が多い | 45件 | 7.9% |
| 希望休が通りにくい | 42件 | 7.4% |
| 仕事のストレスを家庭に持ち帰る | 39件 | 6.8% |
| 有給休暇が取りにくい | 35件 | 6.1% |
| 夜勤など不規則な勤務形態 | 35件 | 6.1% |
| 通勤時間が長い | 35件 | 6.1% |
▼看護職(回答数合計 125件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 身体的・精神的疲労が大きい | 22件 | 17.6% |
| 人手不足による業務過多 | 21件 | 16.8% |
| 給与・待遇への不満 | 19件 | 15.2% |
| 職場の人間関係の悩み | 13件 | 10.4% |
| 急な残業・突発対応 | 10件 | 8.0% |
| 家庭との両立が難しい | 7件 | 5.6% |
| ストレスを持ち帰る | 7件 | 5.6% |
| 希望休が通りにくい | 6件 | 4.8% |
| 有給休暇が取りにくい | 6件 | 4.8% |
| 通勤時間が長い | 6件 | 4.8% |
スタッフが不安を感じる背景には、人手不足や業務量の偏りといった“構造的な課題”があることがわかりました。
特に看護職では心身の負担感が強く、介護職では人員不足による業務過多が最も大きな懸念になっています。
これらは個人の努力では解決が難しい問題であり、組織として改善に向き合う姿勢が求められます。
シフトの偏り調整や業務配置の見直し、負担が集中しない体制整備が進むことで、働きにくさの根本改善につながると考えられます。
勤務先に最も期待していること
スタッフが勤務先に期待している改善ポイントを集計しました。
▼介護職(回答数合計 212件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 給与・賞与を上げてほしい | 80件 | 37.7% |
| 人員を増やしてほしい | 49件 | 23.1% |
| 上司・経営層の理解を深めてほしい | 27件 | 12.7% |
| 柔軟な勤務形態を導入してほしい | 25件 | 11.8% |
| メンタルヘルス支援を充実させてほしい | 11件 | 5.2% |
| 業務のIT化・効率化を進めてほしい | 9件 | 4.2% |
| 希望休や有給を取りやすくしてほしい | 6件 | 2.8% |
| 育児・介護支援制度を充実してほしい | 4件 | 1.9% |
▼看護職(回答数合計 40件)
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 給与・賞与を上げてほしい | 20件 | 50.0% |
| 人員を増やしてほしい | 7件 | 17.5% |
| 上司・経営層の理解を深めてほしい | 5件 | 12.5% |
| 柔軟な勤務形態を導入してほしい | 3件 | 7.5% |
| メンタルヘルス支援を充実してほしい | 2件 | 5.0% |
| 育児・介護支援制度を充実してほしい | 1件 | 2.5% |
| IT化・効率化を進めてほしい | 1件 | 2.5% |
| 休暇を取りやすくしてほしい | 1件 | 2.5% |
給与改善や人員増強といった要望が多い一方で、上司や経営層への“理解への期待”が強いことも特徴的でした。
待遇だけでなく、現場への共感や配慮、働きやすい仕組みづくりへの姿勢が、信頼感につながっていると考えられます。
「何を整備すればスタッフが働きやすくなるか」を丁寧に対話しながら実行していくことが、長期的な定着や採用力向上に結びつくはずです。
現場の思いを反映した制度運用が、誰にとっても続けやすい職場づくりのカギとなります。
仕事と生活のバランスを取るために行っている工夫
最後に、スタッフ自身がバランスを取るために行っている工夫について紹介します。今回は自由回答で回答していただきました。
▼介護職の工夫の傾向
・連休や休息日を意識して取得する
・家事の時短や家族の協力を得る
・趣味の時間をつくる
・仕事とプライベートを切り替える
・通勤距離やシフトの入り方を工夫する
▼看護職の工夫の傾向
・一人時間を意識して確保する
・セルフケアや休息を優先する
・抱え込みすぎないよう仕事を整理する
・単発勤務など柔軟な働き方を組み合わせる
自由回答には、スタッフ一人ひとりが日々の疲れと向き合いながら、少しでも自分らしく働けるよう工夫している様子が表れていました。
単発勤務を活用したり、趣味や休息時間を確保したりと、働き方そのものを柔軟に調整している点が特徴的です。
こうした「個々の工夫」が活きる職場づくりのためには、組織側が働き方の選択肢を増やしたり、相談しやすい雰囲気を整えておくことが大切です。
働く側と職場側が互いに歩み寄ることで、よりストレスの少ない働き方に近づけると考えられます。
勤務先選びの傾向から見える、これからの施設づくり
今回の調査では、勤務先を選ぶ際に何を重視するかについて、介護職・看護職それぞれの特徴が明確に表れました。
一見似ているように見える両職種ですが、重点を置くポイントや不安要因には微妙な違いがあり、それぞれに合った環境づくりが必要であることがわかります。
ここでは、アンケート結果をもとに、介護職・看護職の特徴と、施設側が取り組むべき実務的な改善策を整理していきます。
介護職:日々の働きやすさを最も重視する傾向
介護職の回答では、「職場の人間関係」「希望休が取りやすい」「シフトの融通」「通勤時間の短さ」「残業の少なさ」など、
“日常の働きやすさに直結する項目”が圧倒的に上位に並びました。
背景には、介助業務やコミュニケーションを中心とした“チームで動く仕事”であることがあります。
現場の雰囲気や連携の取りやすさは、業務効率だけでなく、心理的安全やストレス軽減にも直結します。
また、F列(働きにくさ)では、人手不足や業務過多が最も大きな懸念となっており、
スタッフは「無理のない働き方」と「周囲と助け合える環境」を強く求めていることが分かりました。
■施設側に求められること
介護職の特性を踏まえると、以下の取り組みが有効です。
・シフトの偏りを防ぐ仕組みづくり(属人化しない配置調整)
・希望休や家庭の予定に配慮したスケジューリング
・声をかけ合える人間関係をつくるためのミーティングやフォロー
・新人や中途スタッフが孤立しない育成体制
・休息が確保できる動線づくりや業務効率化ツールの活用
介護職は「生活と仕事のバランス」「人間関係の安心感」に敏感であり、
この部分を整えることが最も効果的な“離職防止策”となります。
看護職:業務負荷と評価への納得感を重視する傾向
一方で看護職の回答では、勤務先選びのポイントこそ介護職と類似していますが、
F列(働きにくさ)や G列(期待していること)において明確な違いが現れました。
看護職では、
・身体的・精神的疲労
・人手不足による業務量の多さ
・急な残業や突発対応
といった“負荷の大きさ”が強い不満として挙がりました。
さらに「給与を上げてほしい」という回答が 50% と非常に高く、
責任の大きさやリスクに対して、納得できる評価を求める傾向が介護職より強いことが分かります。
■施設側に求められること
看護職の特性に合わせ、以下のような工夫が効果的です。
・急変対応などの負担が偏らないよう、看護配置の見直し
・残業や突発対応が発生しやすい時間帯のバックアップ体制
・専門性に見合った給与・評価制度の明確化
・スキルに応じた役割分担や権限調整
・セルフケアや休息を確保しやすいシフト運用
看護職は「安全に、無理なく働ける仕組み」と「責任に対する納得感」が求められており、
ここに配慮できるかどうかが職場選びの決め手になります。
共通して見えたのは “柔軟性と余裕のある体制”
職種ごとの違いはあるものの、両者に共通していたのは以下のポイントでした。
・人間関係の良さ
・希望休やシフトの柔軟性
・無理のない業務量
・評価への納得感
・休息の確保
これらはスタッフの満足度だけでなく、利用者へのケアの質にも直結する項目です。
「働きやすい職場」は結果的に「サービスの質が安定する職場」でもあります。
現場の声を拾い、仕組みとして整えることが、長期的な安定運営につながると言えます。
カイテクが支える “選べる働き方” と現場のゆとりづくり
カイテクでは、介護・看護従事者が自分の生活に合わせて働けるよう、スポット勤務を通じて柔軟な働き方を提供しています。
・家庭の予定を優先したい
・短時間だけ働きたい
・負担を抑えながら現場を続けたい
こうしたニーズに応えながら、
施設側にも「必要なときに、必要な人をすぐ確保できる仕組み」を届けています。
今回の調査で浮かび上がった、
・柔軟な働き方
・無理のない配置
・相談しやすい関係性
は、まさにスポットワークが支えられる領域です。
働く人には“選べる自由”を。
施設には“安心してケアを続けられる体制”を。
テクノロジーによって、双方にとってよりよい未来を形にすることが、カイテクの目指す姿です。


