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ケアマネと看護師、どっちが上?職業の選択を考える
- 看護師だけどケアマネージャーになるにはどうしたら良いのか
- ケアマネージャーに転職するメリットやデメリットを知りたい
- そもそもケアマネージャーの仕事はどんなことをするのか
看護師でケアマネージャー(介護支援専門員)に転身したいと考えたときに、こういった悩みや迷うことはありませんか?
看護師としての仕事だけしかしていないのに、急にケアマネージャーの資格を取得しても自分にとってメリットがなかったと後悔することになってはいけません。
ケアマネージャーの資格を取ることでキャリアアップできると興味がある人もいると思います。
看護師がケアマネージャーの資格を取得することのメリット・デメリットを知ることで、看護師だからこそのケアマネージャーであることの意義が明確になり働く際にもこれまでの経験を活かすことができます。
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどういう仕事でしょうか。
- ケアマネージャーの資格取得の方法
- ケアマネージャーの仕事とは
- ケアマネージャーの給料はどれくらいなのか
ここでは、この3つについて解説します。
ケアマネージャーの資格取得の方法
主な職場は居宅介護支援事業所や特別養護老人ホームなどの施設、自治体の地域包括支援センターなどです。また、介護用具レンタル業者に勤務する場合もあります。
ケアマネージャーの資格取得の方法は、まずは介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
受講資格は、指定業務を5年以上かつ900日以上経験することが必要です。
試験に合格した後には、研修を受講して終了し、ケアマネージャーとして登録されて資格証の交付がなされると、ケアマネージャーとして働くことが可能となります。
試験合格へ向けては、独学やスクールへ通学したり、通信講座を受けたりしている方もいます!
ケアマネージャーの仕事とは
ケアマネージャーの仕事には、まずはケアマネジメント業務として電話や来訪で最初に行う相談や面談の「インテーク」、相談者がどの様な状況で何に困っているかを具体的に把握し検討する「アセスメント」、そこからケアプランの作成が行われます。
そのケアプランをもとに利用者とご家族や主治医、介護サービスなどの関係者を集めサービス担当者会議を行い、同意を得られたケアプランが確定され実際に介護サービスがスタートするのです。
居宅介護支援事業所に所属するケアマネージャーは、自宅で暮らす「要介護1以上」の高齢者のためにケアプランを作成します。担当の高齢者宅を月に1回は訪問し、今何に困っているかや心身の状態についてヒアリングを行います。
特別養護老人ホームなどに所属するケアマネージャーは、施設に入居する高齢者のためにケアプランを作成します。居宅介護支援事業所とは違い、担当する人数も多く施設利用者全てを一人で担当する場合もあります。
生活相談員や管理者、介護職員、介護事務などを兼務することもあります!
地域包括支援センターに所属するケアマネージャーは、介護予防のためのメアマネジメントが主な仕事です。
地域包括支援センターとは、地域住民の心身の健康と生活安定のために必要な援助を行う機関で、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)も所属しています。ここでは介護保険を使わない元気な高齢者の相談や、その他の地域の高齢者問題全て、地域のケアマネージャーたちの相談を受けたりもします。
ケアマネージャーの給料はどれくらいなのか
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、ケアマネージャーの給与は以下の通りです。
- 月給平均:35万5150円
- 年収:426万1800円
介護業界での労働時間は比較的少ないですが、賃金面は比較的高いようです。
主任ケアマネージャーとなると給与アップが期待できます!
ケアマネージャーに転身することのメリット
看護師がケアマネージャーに転身することのメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
- 事務作業が中心なため、体力的な負担が少ない
- 日勤が中心になることでワークライフバランスが良くなる
- 看護師とのダブルライセンスがあることで地域包括センターへの転職が有利になる
- 医師との連携が上手いケアマネージャーとして活動できる
- アセスメント能力の高いケアマネージャーになれる
- 医療分野に強いケアマネージャーになれる
それぞれについて解説します。
事務作業が中心なため、体力的な負担が少ない
看護師と比較すると、ケアマネージャーの仕事は事務作業が多いため体力的な負担が少なくなります。
看護師は、入浴介助や体位変換などの患者さんの援助や、夜勤をしたり早出や遅出の変則勤務をしたりと体力の消耗が激しいです。
ケアマネージャーは、利用者さんや介護事業者との調整や、訪問・ケアプランの作成などが主な業務なため、看護師よりも体力的な負担は少ないともいえます。
日勤が中心になることでワークライフバランスが良くなる
看護師として病院や施設で働いていると、夜勤をしたり早出や遅出の変則勤務をしたりと精神的にも肉体的にも労力を消耗します。
夜勤は、体調や生活のバランスに大きな影響を与えてしまいます。ケアマネージャーは、日勤業務がメインとなるので夜勤をすることはありません。
夜勤をしないケアマネージャーに転身することは体調面や家族の予定調整などのワークライフバランスにも大きなメリットがあるといえます。
看護師とのダブルライセンスがあることで地域包括支援センターへの転職が有利になる
看護師とケアマネージャーのダブルライセンスを有していると市場価格が上がり、転職にも有利になります。
看護師としての知識や経験も仕事に活かせるため、看護師としての経験のないケアマネージャーよりも活躍が期待されます。
居宅介護支援事業所、特別養護老人ホームなどの施設以外に、さまざまな高齢者への対応が必要な地域包括支援センターへの転職も有利となります。
医師との連携が上手いケアマネージャーとして活動できる
看護師として働いている時には、毎日の様に医師との連携をとっています。
介護職は医師と話す機会は少なく、連携することもあまりありません。そのため、看護師からケアマネージャーへ転身した場合に、医師とのスムーズな連携ができるといったメリットもあります。
医師が何を伝えたいかを理解し、看護師としてケアマネージャーとしての視点から見たことを医師へ伝えケアプランに活かすことができるのです。
アセスメント能力の高いケアマネージャーになれる
看護師は、患者さんの病態や退院後の生活について常にアセスメントしながら仕事をしています。
ケアマネージャーとして働く時にもアセスメント能力は重要となります。退院後の生活について不安を抱えている利用者さんの質問に対して的確な返答をすることが可能です。
アセスメント能力の高いケアマネージャーとは、利用者さんやご家族が困っていることの背景を聞き出し、その人らしさを理解するためにも情報収集を行い、本来必要なニーズに視点を置いてケアプランを作成できます。
医療分野に強いケアマネージャーになれる
介護職からケアマネージャーになった方と比較しても、医療の分野に強いといえます。
自宅療養が必要な高齢者への病的な課題についてのケアプランは看護師としての知識が活かされます。医療ニーズが多様化している現在、医療分野に強いケアマネージャーが求められます。
自宅で最期を迎えたいと在宅療養を選択した際には、介護保険サービスの利用だけではなく疼痛管理などの医療ケアも必須となります。
医療保険の在宅サービスも連動させていくことが重要となり、医師や看護師との連携も密に行わないといけません。
ケアマネージャーに転身することのデメリット
看護師がケアマネージャーに転身することは、メリットだけではありません。
以下のデメリットもあることを知っておきましょう。
- 給料が下がる可能性がある
- 時間外に呼び出される可能性がある
それぞれについて解説します。
給料が下がる可能性がある
看護師は、夜勤をすることで手当がつき、資格手当もつくことで給与は高い場合が多いです。
ケアマネージャーになると夜勤をしませんので夜勤手当はつきません。
「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、看護師とケアマネージャー給与を比較すると約6万円の差があり、年間約72万円の差があります。
仕事のやりがいも考えながらも生活のことも考えて、看護師として働くのか、ケアマネジャーとして働くのか、事前によく検討しておきましょう。
時間外に呼び出される可能性がある
所属する事業所によって変わりますが、ケアマネージャーになると仕事の時間外にも電話を持っていないといけない場合があります。
お風呂に入ったりテレビを見てゆっくりしている時にも電話がかかってくることがあります。状況によっては呼び出される可能性も。
時間外の呼び出しはどうしているかを事業所に入る前に確認しておくことをオススメします。
看護師とケアマネのダブルライセンスで収入がアップし、働き甲斐もアップ!
ケアマネージャーの仕事や資格取得、給与についてご理解いただいたと思います。看護師とケアマネジャーのダブルライセンスで働くことで、収入がアップすることがわかりました。
ケアマネージャーは給料が安いのではないかとか、時間外に呼び出されるのではないかというデメリットだけではありません。
これまで看護師としての経験や知識、アセスメント能力、医師との連携などをケアマネージャーになることで十分に活かしていけます。
ワークライフバランスも整い、働き甲斐もアップするでしょう!