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自費ヘルパー(介護保険外)サービスを個人事業主が開業する方法は?
自費ヘルパーサービスという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
別名で介護保険外サービスとも呼ばれており、主に介護保険の対象外となるサービスに焦点を当てたものです。
ご自身で開業したいと思っている方は、介護保険内サービスよりもハードルの低い自費ヘルパー(介護保険外サービス)が良いかもしれません。
自費ヘルパー(介護保険外)サービスについて

自費ヘルパーとは何かわからないという方もいると思います。特に、介護保険内のサービスとどう違うのか知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、自費ヘルパー(介護保険内サービス)について詳しく解説していきます。
自費ヘルパー(介護保険外)サービスとは
介護保険内サービスは保険を使わないこと以外に、そのサービス内容にも違いがあります。
介護保険内のサービスに比べ、提供するサービス内容の自由度が高いのが特徴です。
保険外サービスであるため、費用は介護保険内サービスよりも高くなる傾向があります。
開業に必要な資格は?
介護保険内のサービスを提供する場合とは違い、自費サービスの開業に必要な資格はありません。
ただし、内容によっては資格所有者である方が顧客の信頼を得やすいケースもあるでしょう。
例えば、同じ見守りやお話相手メインの保険外サービスであっても、社会福祉士の資格があれば利用者やその家族に対して、より一層安心感を与えられます。
自費ヘルパー(介護保険外)の需要
介護保険で受けられるサービスには限りがあるため、介護保険内で受けられないサービスを受けたい方にも需要が高いのが特徴です。
これまで介護保険サービスで行えないケアに関しては、家族や担うというケースがほとんどでした。
しかし、従来の形だと家族の負担を十分に軽減できないケースもあり、介護を必要とする本人のニーズも十分に満たせないケースも増えてきています。
そこで、介護保険外サービスを提供することで、介護保険で賄うことのできない部分を自費サービスで補うことが可能となります。
そのため、介護保険が使えない方やそれだけでは足りない方には特に必要とされているサービスであると言えるでしょう。
自費ヘルパー(介護保険外)サービス内容例

個人事業主として介護保険外サービスを提供するにあたり、どのような内容を実施するのかを考えなければなりません。
自費ヘルパー(介護保険外サービス)では、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
ここでは、自費ヘルパーのサービス内容をより具体的に解説していきます。
訪問美容・理容
訪問美容や理容は、介護保険外のサービスに該当します。
実際にサービスを提供する人は美容師または理容師の国家資格を持っている必要がありますが、開業する際に、介護系の資格は特別必要ありません。
ただし、訪問美容や理容といったサービスの利用者は、美容室やサロンのお客様とは違い、障害を持っている方や介助が必要な方もいます。
そのため、実際に訪問美容や理容を行う場合には、介護の知識が必要になることもあります。
安全な施術ができるよう、初任者研修などの取得が比較的簡単な資格を取っておくと良いでしょう。
見守り
見守りをサービス内容として提供している自費ヘルパーサービス事業者もいます。
巡回サービスなどの保険内サービスもありますが、保険適用外となる方や、それだけでは不十分な方が多く利用しているようです。
遠方に高齢者が住んでいるなどで、事故やトラブルなど万一のことが心配なご家族にとってはありがたいサービスであるといえるでしょう。
お話し相手
介護保険を使って提供できる訪問介護サービスの内容は、高齢者の心身の状態により困難となっている生活行為が前提となります。
そのため、お話し相手などの目的で訪問介護サービスを利用することはできません。
しかし、中には高齢者と一緒に暮らすことができず、誰かに高齢者の話し相手になってほしいと思うご家族もいるでしょう。
そんな方に需要が高いのが介護保険外のサービスです。
高齢者のお話し相手としてサービスを提供している介護保険外サービス事業者もいます。
お話し相手は、高齢者の見守りにも繋がるため、需要が高いサービスの一つでもあります。
家事援助・代行
ひと昔前は富裕層向けの家事援助・代行サービスが多かったものですが、最近では高齢者向けの家事援助・代行業者が増えているようです。
その背景には、訪問介護サービスで対応できない家事関連のサービスを希望する利用者が増えている現状があります。
介護保険内の訪問介護サービスの中の家事援助には、ルールがあり、そこから外れてしまうような業務は受けることができません。
そうした場合に、自費ヘルパーサービスの家事援助・代行を利用することができます。
家事援助や代行のサービスは昔からありますが、現在でも需要は高い傾向にあります。
送迎
保険外サービスの一例として、介護タクシーを運営している方もいます。
介護保険内で外出のための送迎サービスを利用する際には、さまざまな制限が課されています。
例えば、買い物や趣味活動などを目的とした送迎サービスは、介護保険内では利用できません。
そのため、通院以外の目的で送迎サービスを希望する方にとって、介護タクシーは特に需要の高いサービスと言えるでしょう。
自費ヘルパー(介護保険外)サービスを個人で開業する手順

自費ヘルパー(介護保険外)サービスを個人で開業したいという方もいるのではないでしょうか。
ここでは、開業までに踏むべきステップや方法を簡単に解説していきます。
サービス内容を考える
まずは提供したいサービス内容を考えましょう。
自費ヘルパーサービスにおいては介護保険が適用されないため、加算などで収益を得ることはできません。
また、競争率も高く、「いかにサービス内容が顧客にとって魅力的か」が重要です。
高齢者やそのご家族が困っている部分や支援すべき部分に焦点を当て、継続して提供可能なサービス内容を検討すると良いでしょう。
必要な許認可を確認する
基本的に、介護保険外サービスの事業を始める際に必要な許認可はありません。しかし、提供するサービスによっては許認可手続きを行う必要があります。
例えば、訪問介護ヘルパーサービス、マッサージサービス、配食サービスなどが挙げられます。
訪問介護ヘルパーサービスや配食サービスには都道府県の許可が、マッサージサービスを行う場合はあん摩マッサージ指圧師の資格が必要です。
提供したいサービスが決めると同時に、自治体や関係機関に相談し、法令遵守を徹底しましょう。
開業届を提出する
提供するサービスや許認可の申請が完了したら、開業届を提出する準備も行いましょう。
税務署に開業届を提出すると、正式に個人事業主として登録されます。屋号を設定する場合は、わかりやすく信頼感のある名前を選びましょう。
開業届を提出すると青色申告承認申請書が提出でき、確定申告で青色申告が行えるようになります。
後々、節税効果も得られるため、開業届と一緒に青色申告の手続きも行うことをおすすめします。
サービス運営の準備をする
サービス開始にあたって、業務に必要な設備や備品などの準備をします。また、利用者との契約書や料金表などの必要書類も準備し、トラブルを防ぐためのルールを明確にしておきましょう。
時間管理や顧客対応に便利なアプリやツールを導入すると、より効率的な運営が可能になります。
SNSやサイトなどで宣伝する
計画を立て、開業までの準備が進んだらSNSのアカウントやサイトを作り、宣伝活動を行いましょう。
開業する地域のニーズに合わせた訴求を行うことがポイントです。無名の場合は積極的に集客しなければ、顧客は集まりません。
また、すぐに効果が現れなくても、地道に宣伝を続けることが大切です。
ご自身での宣伝に自信がない場合は、コンサルなどに頼ることも検討してみてください。
最初は高齢者やそのご家族などの相談に乗る
最初は直接的な収益化だけでなく、繋がりを築くことも大切です。例えば、無料で高齢者とそのご家族の相談に乗るなどの活動も有効です。
高齢者やご家族の相談に乗ることで、繋がりを築くだけでなく、「介護でどのようなことに困っているのか」を具体的に知ることができます。
遠回りのように感じるかもしれませんが、地道な活動が実を結ぶこともあります。

自費ヘルパー(介護保険外)サービスを個人で開業する際に必要な費用
自費ヘルパー(介護保険外)サービスを個人で開業する場合、どの程度の費用が必要となるのか気になりますよね。
ここでは、開業する際に必要な費用について解説します。
個人事業主として必要な開業費
個人事業主として必要な初期費用としては、事業の規模や内容によっても異なります。
最低ラインとしては5万円、資格取得や会計ソフトの導入、保険加入などを含めたラインだと50万円程度必要となるでしょう。
無料ソフトやツールを活用するとコスト削減は可能ですが、充実したサービスを提供し続けるにあたってはお金をかけなければならない項目も出てきます。
集客・宣伝費用
営業を始めるには、集客や宣伝費用が必要です。
InstagramやXといったSNSを自分で運営する場合は、無料でも行えますが、Webサイトやチラシ・ポスターなどを制作する場合は、制作費や印刷代などお金がかかります。
自分で作る場合は1万円程度、プロに依頼する場合は5万円以上は必要となるでしょう。
仕事道具や備品費
必要な物品の購入費は、提供するサービスの内容によって変動します。
例えば、高齢者の家事援助・代行サービスをメインで行う場合は、利用者が求める日常サポートに応じた道具が必要です。掃除用具やキッチン用品など、合計で3,000〜5,000円程度の備品が必要でしょう。
また、多少費用はかかりますが、仕事用のスマートフォンやタブレットを用意しておくと、移動やコミュニケーションの際に役立ちます。
交通費
訪問サービスの場合、移動にかかる交通費を見積もる必要があります。
ガソリン代や車両維持費として、自家用車を使う場合は月5,000〜20,000円程度必要でしょう。また、訪問範囲や頻度によって変動しますが、公共交通機関を利用する場合は、月5,000〜15,000円程度必要となります。
どの範囲でサービスを提供するのかを開業時に決めておくと交通費を抑えられるでしょう。
許認可費用(必要な場合のみ)
サービスの内容によっては、許認可を取得する必要があり、その手続きに費用が発生します。
訪問介護事業所として活動する場合は、自治体によって異なりますが10,000〜50,000円程度が登録費用として必要です。
また、マッサージサービスを行うために、あん摩マッサージ指圧師の資格取得を目指す場合は、300万〜500万程度が必要となります。
許認可取得にあたってどの程度お金がかかるのかも確認しておきましょう。
自費ヘルパー(介護保険外)サービスを運営するメリット
ここでは、自費ヘルパー(介護保険外)サービスを運営するメリットについて解説します。
柔軟なサービスを提供できる
介護保険外サービスでは、利用者のニーズに応じて柔軟な対応が可能です。
介護保険制度の範囲外となる外出の付き添い、日常的な家事代行、庭の手入れなど幅広いサポートを提供できます。
利用者の特性やニーズに合わせたサービスが提供できるため、顧客満足度を高めやすいのも魅力です。
収益性が高い
介護保険制度に縛られないため、料金設定にも自由度があり、収益性が高いというメリットもあります。そのため、中には介護保険サービスと併用して介護保険外サービスを提供する混合介護を行う事業所も存在します。
自由に料金設定ができる点は、事業者にとって大きなメリットです。
ただし、利用者の負担や競争価格をリサーチした上で、適切な料金設定を行う必要があるでしょう。
初期費用が少ない
介護保険外サービスは、初期費用を抑えながら開業できるというメリットもあります。
許認可が不要なサービスであれば、大規模な設備投資が不要で、名刺や最低限の仕事道具があればスタートできます。
特に、個人事業主として始める場合、人件費がかからないため事業をスモールスタートで展開しやすく、経済的なリスクを抑えた運営が可能です。
働き方の自由度が高い
個人事業主としてサービスを提供する最大のメリットとしては、働き方の自由度が高いことが挙げられます。
サービス提供の時間や範囲を自分で調整できるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な運営が可能です。
また、事業を自宅で運営する場合は、通勤時間や開業コストを削減できるため、効率よく働けます。ワークライフバランスが取りやすい働き方の一つです。
自費ヘルパー(介護保険外)サービスを運営するデメリット
介護保険外サービスを運営することは、魅力的なメリットがある一方で、いくつか注意しておかなければならないこともあります。
ここでは、自費ヘルパー(介護保険外)サービスを運営するデメリットについて解説します。
集客が課題になる
介護保険外サービスでは、利用者を自力で呼びかける必要があり、集客が大きな課題となります。
開業当初は、SNSやチラシなどを活用した宣伝活用が欠かせません。
特に、高齢者やその家族は信頼性を重視するため、口コミや地域での評判が重要です。これを得るには、長期的な宣伝戦略と信頼構築が必要です。
収益が安定するまで時間がかかる
介護保険を利用したサービスに比べて高額になる場合が多く、利用者を獲得するまで収益が安定しないのがデメリットです。
特に初めの頃は、広告費や備品費などあらゆるコストがかかります。リピーターを獲得するまでの計画的な資金繰りが大変だと感じるかもしれません。
信頼に応えるためのスキルが求められる
利用者やその家族から信頼を獲得するためには、専門的なスキルが求められます。
介護に関する仕事が全くの未経験というよりは、介護福祉士やケアマネージャーなど何かしらの資格を取得している事業主のほうが宣伝力としては強いです。
これまでに介護系の資格を取得しているのであれば、宣伝する際に伝えておくとメリットになるでしょう。
また、介護保険外サービスを提供するのであれば、利用者との関係性構築にあたってコミュニケーション能力や柔軟性などのスキルも欠かせません。
利用者ごとに求めるサービス内容が異なるため、丁寧な聞き取りと、それに応じた柔軟な提案が必要です。
高齢者やその家族が感じている「不安」や「希望」を聞き取る力を身につけておきましょう。
福利厚生がない
個人事業主として介護保険外サービスを運営する場合、福利厚生がないという点もデメリットとして挙げられます。企業に勤める場合とは違い、健康保険や年金などは全て自己負担です。
また、会社員と違って有給休暇制度がないため、休むとそのまま収入が減ってしまう可能性もあります。病気やケガで働けない場合の収入補償もないため、リスクは高いです。
ただし、スキルアップのための自己投資を必要経費として計上できる場合もあるため、これを活用して自身の福利厚生を充実させることも可能です。
計画的な収入管理やリスク管理を行うことで、デメリットを最小限に抑えられるでしょう。
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介護業界でフリーランスとして生きていく道は様々です。フリーランスとして、自費ヘルパーサービスを提供していきたいと思ったら、この記事を参考に開業計画を立ててみてください。
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また、事業所様からのコメントも毎回いただけるため、モチベーションアップにつながります。
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