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【看護問題とは?】看護の現場で必要なアセスメントのポイントについて解説!

看護師にとって、看護問題を導き出す工程は必ずと言って良いほどぶつかる壁ではないでしょうか。治療やケアを受ける患者さんの生活の質を向上させるためには、的確な看護問題を抽出し取り組む必要があります。

今回では、看護問題を提起するための基準や抽出する際のポイントについてご紹介します。

看護問題とは何かを充分に理解できる内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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看護問題とは?

看護計画書を記載するうえで看護問題を考えることは必須です。

ここでは、看護問題について解説します。これから看護計画を立てる方は、ぜひ参考にしてみてください。

看護師が介入することで解決が可能となる問題

看護問題とは患者さんの健康上の問題のなかで、看護師が介入して解決できる課題のことです。患者さんが健康的な生活を送れるように問題を提起し、解決策を立案します。ケアの方針に影響するので、看護師は看護問題への取り組み方を把握しておかなくていけません。

看護問題の作成手順を理解し、患者さんに適切なケアを提供しましょう。

看護アセスメントを経て導き出す

看護問題を作成するうえで必要な工程が看護アセスメントです。

看護アセスメントとは、患者さんの情報を集める段階のことです。

看護アセスメントにより得られた情報や分析内容をもとに、看護問題を決定します。そのため看護アセスメントによる情報収集は重要です。

5つの診断基準を使用する

看護問題を決定する際には、5つの診断基準を使用します。

  • ヴァージニア・ヘンダーソン「14の基本的欲求」
  • マージョリー・ゴードン「11の健康機能パターン」
  • NANDA-I看護診断「13領域の診断」
  • アブラハム・マズロー「欲求5段階説」
  • カリスタ・ロイ「4つの適応様式」

5つの診断基準を使用することで、情報不足なのか充足しているのかがわかります。

漏れのない看護問題を決定するためにも、5つの診断基準をマスターしましょう。

適切なアセスメントを導き出すために必要なこと

看護問題を決定する際は、適切なアセスメントを拾うことが重要です。ここではアセスメントの質を上げるための方法を解説します。

  • 主観的情報を洗い出す
  • 客観的情報を洗い出す

それぞれ解説します。

こちらでは、アセスメントを適切に導き出すコツについてご紹介します。

主観的情報を洗い出す

主観的情報とは、患者さんやその家族の意見・声のことです。主観的情報を見つけるには以下の方法を試しましょう。

  • 患者さんに聞く
  • 患者さんの家族に聞く

それぞれ解説します。

患者さんに聞く

看護計画書は患者さんの問題や課題を考えていくため、まずは患者さんに話を聞き情報を集めることが大切です。定期巡回やリハビリなど、患者さんとかかわるときには積極的に話しかけ、どのような悩みがあるか聞いていきましょう。また患者さんの言動に普段から耳を傾けておくことも重要です。

共感や傾聴をし、信頼関係を構築することで本音を聞けます。

患者さんの家族に聞く

アセスメントの質を高めるには、家族に話を聞くことも大切です。患者さんは家族だけにしか話していないことがあります。看護師が知らない情報が手に入るので、意外な看護問題が見つかります。

患者さんが抱えている問題を明確にするためにも、家族から情報を集めましょう。

客観的情報を洗い出す

客観的情報とは、医師や看護師による評価のことです。定量的に判断できる、バイタルサインや食事摂取量などが該当します。客観的情報を洗い出すには、以下の方法がおすすめです。

  • 他の職員に聞く
  • 看護計画書を見る

それぞれ解説します。

他の職員に聞く

他の職員から客観的な情報を集めていくことが大切です。食事やリハビリの様子を聞いてみると、自分では気づけない患者さんの課題が見えてきます。患者さんと関わりのあるリハビリ職や他の看護師に話を聞いてみましょう。

さまざまな人から情報を集めることで、患者さんが本当に悩んでいる看護問題を抽出できます。

検査結果の正常値を把握しておく

アセスメントを考えていると、患者さんの改善点ばかりに目がいってしまいます。しかし正常な状態を把握しておくことも、看護問題を作るうえでは大切です。普段のバイタル値や検査結果を知らないと、患者さんが異常な状態なのか判断できません。

体調が良好なときの数値や顔色を見て、正常な状態を確認しておきましょう。

看護問題を提起するための5つの診断基準

看護問題を提起するために必要な診断基準を5つ紹介します。

  • ヴァージニア・ヘンダーソン「14の基本的欲求」
  • マージョリー・ゴードン「11の健康機能パターン」
  • NANDA-I看護診断「13領域の診断」
  • アブラハム・マズロー「欲求5段階説」
  • カリスタ・ロイ「4つの適応様式」

5つの診断基準を活用することで、医学的に正しい看護問題を作成できます。

ヴァージニア・ヘンダーソン「14の基本的欲求」

14の基本的欲求は、看護理論家のヴァージニア・ヘンダーソンにより考案されました。

ヘンダーソンは人間の欲求を14に分類し充足か未充足かを判断することで、患者さんの健康状態をチェックできると主張しています。

14の基本的欲求と収集するべき情報は以下のとおりです。

1.正常の呼吸する
・呼吸数、酸素飽和度、呼吸機能、喫煙歴

2.適切に飲食する
・食事時間、食事回数、食事内容、水分摂取量、嗜好品

3.身体の老廃物を排泄する
・排尿・排泄回数、匂い・量・色、硬さ、排便方法、腹部の膨満感

4.適切な姿勢を保持する
・ADL、筋肉量、骨折の有無、運動機能、認知機能

5,適切な睡眠や休息を取る
・1日の睡眠時間、休息時間、入眠困難、早朝覚醒

6.適切な衣類を選び、着脱する
・自発的な動き、認知機能、麻痺の有無、倦怠感

7.体温を正常範囲に保持する
・体温、発熱の有無、適切な室内環境

8.身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
・入浴回数、入浴方法、爪や毛髪の状態

9.環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を侵害しないようにする
・自宅や療養場所の危険箇所の理解、感染予防対策、せん妄の有無

10.自分の感情や欲求、恐怖、あるいは気分を表現して他者とコミュニケーションをもつ
・表情、言動、性格、言語障害の有無、視力・聴力の状態

11,自分の信仰に従って礼拝する
・信仰の有無、価値観、信念

12.達成感をもたらすような仕事をする
・仕事、社会的役割

13.遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
・趣味、ストレス解消法、

14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見しあるいは好奇心を満足させる
・疾患や治療に対する理解度、学習意欲

上にいくほど優先度が高く、患者さんの健康状態に影響します。

マージョリ・ゴードン「11の健康機能パターン」

マージョリー ・ゴードンはアメリカの看護理論家です。

看護セスメントを行うための基本的な枠組みとなる「11の健康機能パターン」を開発しました。

11の健康機能パターンの詳細は以下のとおりです。

1.健康知覚-健康管理パターン
・健康に関する認識は適切か

2.栄養-代謝パターン
・食習慣は適切か
・栄養摂取量は適切か
・水分摂取量は適切か

3.排泄パターン
・排便の状態は適切か
・排尿の状態は適切か
・排便習慣は適切か
・汗の量は適切か

4.活動-運動パターン
・身体活動状況は適切か
・活動体制は適切か
・運動習慣は適切か

5.睡眠-休息パターン
・睡眠習慣は適切か
・睡眠の状態は適切か

6.認知-知覚パターン
・認知機能は適切か
・感覚機能は適切か
・記憶力・注意力は適切か

7.自己知覚-自己概念パターン
・アイデンティティはどうか
・ボディイメージはどうか

8.役割-関係パターン
・適切に他者との関係を築けているか
・家庭・職場での役割は適切か
・地域での関係性はどうか

9.セクシュアリティ-生殖パターン
・セクシュアリテはどうか
・生殖機能の状態はどうか

10.コーピング-ストレス耐性パターン
・ストレスの状態はどうか
・ストレス対策はできているか

11.価値-信念パターン
・価値観・信念は守られているか

11の健康パターンは連続的に起こるため、定期的にアセスメントすることが重要です。

NANDA-I看護診断「13領域の診断」

NANDA-Iとは、北米看護診断協会のことです。

NANDA-Iは、看護診断をする際の定義や関連因子などの項目を現場で統一できるよう13領域に分類しました。

13領域の分野の詳細は以下のとおりです。

1.ヘルスプロモーション
2.栄養
3.排泄と交換
4.活動/休息
5.知覚/認知
6.自己知覚
7.役割関係
8.セクシュアリティ
9.コーピング/ストレス耐性
10.生活原理
11.安全/防御
12.安楽
13.成長/発達

アセスメントで集めた情報をNANDA-Iの定めた項目に落とし込み、さらに3つの診断タイプに分類します。

・実在型看護診断
→具体的な症状を記載
・リスク型看護診断
→将来的に危険因子になり得る状態を記載
・ウェルネス型看護診断
→寛解を希望する意思や願望を記載

看護問題が複数ある場合は、患者さんの状態や重要度によって優先度を考えていきます。

アブラハム・マズロー「欲求5段階説」

アブラハム・マズローは心理学者で、人間の欲求を5つに分類した「欲求5段階説」を提唱しました。

マズローの欲求5段階説を取り入れると、患者さんが抱える問題やケアの優先順位を判断できます。

マズローが理論化した欲求5段階の詳細は以下のとおりです。

自己実現欲求
→自分がもつ能力を発揮したい欲求
承認欲求
→他人から尊敬されたり認められたりしたい欲求
社会的欲求
→集団に所属したり、友人や家族などの親しい仲間が欲しいと考えたりする欲求
安全欲求
→安全な環境と安全な生活をしたいと考える欲求
生理的欲求
→食事や睡眠など、人間の生命維持に関わる本能的な欲求

ピラミッドの位置から低い欲求が満たされると、次の欲求が生じるとマズローは主張しています。患者さんの生理的欲求や安全欲求が満たされないと、生命に危険が及んだり治療に不安を感じたりするでしょう。そのため5段階欲求の下位に位置する欲求は、解決の優先度が高い看護問題といえます。

ただし実際の看護現場では患者さんの状態は日々変化するので、看護師は臨機応変に対応しなくてはいけません。

カリスタ・ロイ「4つの適応様式」

カリスタ・ロイはアメリカの看護理論家で、4つの適応モデルを考案した人物です。

4つの適応様式の詳細は以下のとおりです。

・生理的様式
→呼吸、栄養、運動と休息、内分泌機能
・自己概念様式  
→患者さんの不安や心配事、将来の希望
・役割機能様式  
→年齢、性別、子どもの有無、社会における役割
・相互依存様式  
→患者さんにとって大切な人から得られる援助、援助を受ける意思

4つの適応様式ごとに患者さんを観察し、整理していきます。

看護問題を抽出する際のポイント

看護問題を抽出する際のポイントを紹介します。

  • 看護問題を2〜3に絞る
  • 看護問題に優先順位をつける
  • 看護問題を定期的な見直しを行う
  • 悩みすぎずに作成する

それぞれ解説します。

看護問題を2〜3に絞る

患者さんの状態を抽出していくと、数多くの看護問題が見つかります。そのため、重要な問題を2〜3個に絞ることがポイントです。

重要な問題にフォーカスすることで、患者さんの看護問題が明確化し早急な解決へとつながります。

ただし、看護問題で抽出できる課題は看護師が介入できる内容のみです。看護師が介入できない問題は、提起・抽出しないようにしましょう。

看護問題に優先順位をつける

現場では、患者さんの問題解決を同時進行することが難しい場合があります。そのため、優先順位をつけて適切な援助・ケアを行っていくのが一般的です。優先順位は、患者さんの生命や安全に関わる問題を高く設定していきます。

次に自己実現欲求や承認欲求、社会とのつながりを意識します。

看護問題を定期的な見直しを行う

看護問題は入院から24時間以内に作成するのが一般的です。少ない情報で判断しなければいけないため、定期的な見直しを行いながら整理しましょう。また長く入院している方だと、不要な問題が提起されている場合があります。

定期的に見直して患者さんが抱えているリスクを最適化することが看護問題には求められています。

悩みすぎずに作成する

看護問題の作成業務は、経験を積むことで精度が上がっていきます。そのため新人の看護師は、悩みすぎないことが大切です。

悩みすぎると看護問題の抽出・提起に時間がかかり、他の業務に支障を起こします。

看護問題は早めに抽出し、定期的に修正していきましょう。

看護問題を抽出することで患者をリスクから守ることができる

看護問題は、患者さんが抱えるあるいは、抱えているであろうリスクであり、看護師が介入することで解決へ導くことができます。抽出・提起した看護問題をもとに、カンファレンスが実施されます。

患者さんの肉体的・精神的、その他あらゆる面での生活を守るうえで大切な業務です。即戦力として現場で活躍できる看護師へと成長するためには、欠かせない作業となります。

看護学生や新人の場合は、短い時間で問題提起できずに、悩んでしまうこともあるでしょう。病院や施設が基準としている看護診断を把握し、ポイントを抑えておくことで慣れていくことができます。

今回の記事を元に、看護問題の重要性や過程を理解し、現場で生かせるようにしましょう!

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