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これからの看護師に求められること・必要なこととは？｜適性を見極めよう！
患者さんに寄り添い、丁寧なケアを行うことから女性に人気の看護師。
読者の中にも「看護師になりたい！」という方がたくさんいるのではないでしょうか。しかし社会情勢の変化に伴い、従来の枠に囚われない看護の必要性が問われているのも事実です。
実際に看護師になるにあたって「将来はどうなるんだろう」「どんなことが求められるのだろう」と気になる点も多いのではないでしょうか。
今後の看護師が持つべき視点やスキルを確認していきましょう！
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目次
これからの看護師に必要なものはこれ！
これからの看護師に必要なものは従来の看護技術・知識の習得に留まらず以下の5つが必要です。
- 在宅看護の観点
- 地域看護の観点
- 専門的な知識・スキル
- 他職種と連携できるコミュニケーション
- 変化に対応できる力
それぞれ解説をしていきます。
在宅看護・地域看護の観点
これからの看護師として必要になるのは、在宅看護と地域看護の観点。
在宅看護
訪問看護ステーションや医療機関の看護師が訪問し、看護サービスを提供します。具体的には、療養へのアドバイスやリハビリテーション、更に医療行為や状態観察を行なっています。
従来の看護の知識・スキルに加え、医師がいない際の判断や家族との接し方、そして関係者への密な報告など、病棟とは違った能力が求められます。
地域看護の観点
治療のみならず、疾患や障害の予防、健康指導などを包括的にサポートできる仕組み作りを目指しています。介護や自治体との連携も必要となり、今後の地域を支える重要な看護業務です。
これから看護師として働く方は病棟での看護だけでなく、地域全体のケアやキュアを考える視点が大切です。
専門的な知識・スキル
従来の看護技術に加え、より専門的な知識・スキルを身につけておくことが大切です。在宅看護や地域看護の需要拡大により、高齢者や地域医療に関する看護にかかわる機会が増えます。
専門看護師や診療看護師などの資格を取得し、医師の代わりに医療処置を実施できる人材が求められるでしょう。
今後は専門知識を持った看護師の存在が重要です。
他職種と連携できるコミュニケーション
厚生労働省は2025年を目途に、それぞれの地域の実情に合った医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体となった体制を目指しています。地域包括ケアシステムが推進されることで、看護師の業務範囲も広がります。病院やクリニックで患者さんを診るだけでなく、他職種と連携し生活全般を支える看護師が必要とされるでしょう。
看護師に関する幅広い知識はもちろん、行政保健師やケアマネージャー、介護福祉士などと円滑にコミュニケーションを取れることが重要です。
変化に対応できる力
看護業界は業務のIT化が急速に進んでいるため、これから看護師になる方は変化への対応力が必要です。たとえば地域看護や在宅看護では、他職種連携の難しさが懸念されています。
利用者の自宅への訪問日や時間帯がバラバラになるので、情報共有が難しいのです。そのため近年ではタブレットや電子カルテを導入し、データで情報を共有する事業所が増えてきています。
これから看護師として働く方は、ITツールに対応する柔軟性が求められるでしょう。
看護業界を取り巻く現状
上記ではこれからの看護師に必要とされるスキルについて解説をしてきました。では、なぜ上記のスキルが必要となるのでしょうか。
以下で業界の現状を分析し、解説をしていきます。
少子高齢社会により高齢看護のニーズが高まる
少子高齢化社会の進展に伴い、高齢者看護のニーズが高まっています。内閣府の発表によると、2030年には日本の総人口における約3分の1が65歳以上の高齢者になるとされています。
老人ホームや訪問看護サービスなどの利用が増加していくでしょう。
高齢になると身体機能や免疫力が低下していくため、怪我や疾病のリスクが増えます。そのため、高齢者に適切なケアを提供するためには、介護・医療分野での人材確保が必要です。
離職率の上昇による人材不足が懸念される
看護業界は離職による人材不足も懸念されています。「日本看護協会」によると、2020年に離職した正規採用者は10.6%でしたが、2021年は11.6%と1.0ポイント増加しています。退職理由は業務量の増加や人間関係の不一致などさまざまです。
地域と連携した包括ケアが必要とされる
看護サービスは変化しており、今後は従来の病院療養から在宅医療へと移行していきます。
自宅で過ごす患者さんの医療的ケアや、QOL向上を目指す施策を考える力が重要です。また、これからは医療や看護、介護が一体となった「地域包括ケアシステム」が推進されていくでしょう。
看護師不足や高齢者が増加するなか、看護師は他職種と連携して患者さんの生活と密接に関わっていきます。
看護師として地域看護や自身の業務の在り方を考えていく必要があります。
高度な専門性を持った人材が求められる
国は2015年に難易度の高い診療の補助業務ができる「特定行為研修」という制度を創設しました。特定行為研修を修了すると、認定看護師の資格を取得できます。認定看護師は医師の到着を待たずに、適切な処置ができる高度な専門スキルを保有している方々です。
素早い医療的ケアができるため、高齢者看護のニーズが高まる日本では、今後求められる看護人材となるでしょう。
看護師の将来性は？
これから先、看護師の仕事はどのように変化していくのでしょうか？
こちらでは、看護師の将来性についてご紹介します。
高齢者看護のニーズが年々上昇している
少子高齢化社会の進展に伴い、高齢者看護のニーズも高まっています。老人ホームや訪問看護サービスなどの利用が増加傾向にあります！
内閣府の発表によると、2030年には日本の総人口における約3分の1が65歳以上の高齢者になると言われています。
一般的に、高齢になると身体機能や免疫力が低下していくため、怪我のリスクや疾病の感染リスクが高くなる傾向にあります。そのため、高齢者に対して適切なケアを提供するためには、介護・医療分野での人材確保が必要です。しかし、看護師は慢性的な人手不足であるため、人材確保の課題が大きくなっています。
高齢化社会の日本において看護師の存在は、非常に貴重な存在であるため将来性を不安視する必要はないでしょう。
看護系学部・学科が増加している
近年、大学の設置基準が緩和され、看護系の学部や学科を設立する大学が増加しています。
文部科学省の発表によると、平成3年から平成30年にかけて看護系大学数は25倍以上となっており、定員数も40倍程増加しています。
看護師の人材に対する育成や輩出に尽力している結果であると言えるでしょう。
看護について学べる学校が増加することで仕事がなくなるのではと考える方もいるかもしれませんが、その心配は要りません。
上記で述べたように、高齢化が進む日本は高齢者看護のニーズが増加傾向であるため、看護師が活躍する場は多岐にわたります。
病院やクリニックだけでなく、介護施設や老人ホーム、訪問看護など看護師を求める場所は多くあります。他にも、保育園や教育機関なども看護師の職場として挙げられます。
自分に合う専門分野のスキルを高めることで、長く業界で活躍し続けることができます。
https://www.janpu.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/monbukagakusyou20180618.pdf
AIに奪われない仕事である
様々な業界でAIの導入が推進されています。看護業界も業務効率を目的に、AIを導入している職場が増加しています。
AI導入にあたって心配な点は、「仕事がAIによって奪われるのでは」ということでしょう。確かに、AIによって様々な業務を効率良くすることは可能ですが、AIにできない仕事も多くあります。
特に、看護師の仕事はコミュニケーションが必要となる場面が多くある環境のため、人の心を察知できないAIには全てを補うことは難しいです。よって、AIに取って代わられる職種があると言われている一方で、看護師の仕事はAIに奪われることはないでしょう。
看護師だからこそ患者さんに寄り添ったケアが行えます！
看護師によるケアにAIを上手く活用することで、より上質な看護を提供することが可能となるでしょう。
看護師に求められる6つの資質
看護師は職業柄、様々なスキルが必要となります。
こちらでは、看護師に求められる6つの資質についてご紹介します。
向上心
医療業界は、日々新しい技術や情報が更新されています。
資格取得に向けての勉強はもちろん必要ですが、看護師として活躍し続けるためには常にアンテナを張って新しい知識や技術を取得していく必要があります。
常に学びながら新しい変化に対応していかなければなりません。
新しい知識や技術を得ることで、さらに高品質なケアを提供することができるようになります。資格取得をして満足するだけでは看護師の仕事は務まりません。
時間をかけて勉強会や研修に積極的に参加したり、わからないことはすぐ調べるといった技術を高める向上心が必要です。
経歴が長くなると、後輩指導も業務に含まれるようになります！
的確な指示を出すためには看護師としての高い知識・技術が求められます。そのため、看護師として経験が長くなっても、向上心を持って勤務にあたることが必須であると言えます。
コミュニケーションスキル
適切なケアを提供するにあたって、コミュニケーション能力は欠かせません。
患者さんの状況・状態の変化を把握するためには、情報収集が必要です！
患者さんとのコミュニケーションによって、必要な情報を得ることができ、思わぬ事故や不測の事態を防げます。また、患者さんだけでなく他のスタッフとの連携も重要です。
医師や他の看護師、他職種の人たちと円滑なコミュニケーションを取り、業務を進めていきます。看護師は医師だけでなく介護士や作業療法士、理学療法士など様々な職種と一緒に働いています。
職種の違いによって、考え方の違いも生じやすいため人間関係を円滑に進める努力は必須です。
相手の気持ちや思いを汲み取ることができ、自分の意見や気持ちをしっかり伝えることで業務効率化が実現し、適切なケアが行えます。
共感力
心に抱えている不安な気持ちを理解するためには、相手の考えに共感する力が必要です。共感力とは、他人の考えや意見を察知し、感情に寄り添う力です。看護師が共感的な態度で話を聞いてくれることで、患者さんや家族の心配事を少なくできます。
患者さんの意見や考え方を否定せず、共感的な態度で受け入れるよう心がけてみてください。
想像力
看護師は、想像力を働かせて相手の気持ちに寄り添うことが大切です。想像力とは、自分が経験していない物事を頭の中で思い描く力です。
患者さんが経験したことや感じたことは、看護師が体験していない場合もあります。経験していない身体の痛みやつらさを理解するのは難しいでしょう。
患者さんの気持ちを想像して、寄り添ったケアをする力が求められます。
責任感
看護師は命に関わる仕事であるため、責任感の強さが必須です。少しでも気が緩んだ状態で看護を行うと、思わぬ事故を起こしてしまう恐れがあります。
上司には細かく相談や報告をしたり、わからないことはすぐに聞いたりすることが大切です。夜勤の時間帯はとくに集中力が切れがちなので、慣れている業務でも気をつけましょう。
ミスを防ぐためにも、一人ひとりが強い責任感を持って業務に携わることが大切です。
体力・精神面のタフさ
看護師の仕事は、体力的にも精神的にも大変なことが多いです。看護師として長く続けるためには、体力面や精神面でのタフさが必要です。
タフさとは、体力や精神力があり、「少しのことではへこたれない」という意味があります。命に関わる責任感の大きい仕事ですので、ストレスが大きくなることもあるでしょう。
上手にストレスと向き合う力を高めることで、看護師として必要なタフさが身につきます。
これからの看護師がスキルアップするために必要な資格
これからの看護師がスキルアップをしていくために必要な資格は以下のとおりです。
- 特定看護師
- 認定看護師
- 専門看護師
- 診療看護師
- 訪問看護師
それぞれ解説します。
特定看護師
特定看護師は、2015年に厚生労働省によって施行された「特定行為に関わる看護師の研修制度」によって誕生した職種です。特定行為は医療行為の補助を指し、正確な知識と高度な技術が求められ、看護師のみが認められる業務です。看護系大学院で2年間の学習と38単位の取得、認定試験の合格が必要です。
特定看護師資格を取得することで、医師の指示を待たずに一定の医療行為補助が可能となり、在宅看護や訪問看護の分野での需要が増加すると予想されています。
認定看護師
認定看護師は、高度な知識と技術を有し、質の高い看護を提供することが期待される専門家です。看護実践を通じて後輩指導や研究なども求められ、がん看護や小児看護、在宅看護など13の特定分野に専念する必要があります。
資格取得には5年以上の実習期間（その内3年以上は専門分野での業務）が必要で、認定看護師教育機関での6カ月の教育を経て認定試験に合格する必要があります。
専門看護師
専門看護師は、特定の専門看護分野の知識や技術を深めた専門家です。複雑で解決が難しい看護問題に対処し、病院だけでなく自宅への移行も円滑に支援します。
資格取得後は5年ごとに更新が必要です。
診療看護師
診療看護師は、一般的にNPと略される国立病院機構認定の資格です。特定看護師同様、21区分38行為の特定行為を実践できますが、特に胸腔穿刺や挿管などの相対的医行為も可能です。
これにより、医療現場で医師のサポートとして広範な業務に従事することが期待されます。診療看護師になるには、看護師として5年以上の実務経験が必要で、その後NP養成機関（大学院など）で2年間学び、認定試験に合格する必要があります。
資格は永久ではなく、数年ごとに更新が必要ですが、業務の幅や専門性が広がり、希少な看護人材になることができます。
訪問看護師
訪問看護師は在宅で療養されている方への体温や血圧チェックなど軽度な医療行為から、緊急時の対応や家族への介護指導まで多岐に渡ります。訪問看護の仕事に就くには、看護師または准看護師の資格があれば問題ありません。
新卒でも訪問看護ステーションや、病院の訪問看護部門に配属されれば仕事を行える可能性は十分にあります。
地域包括ケアを推進する流れは国を挙げて取り組んでいます。訪問看護師はまさにその中心選手として需要が高まる存在です。
これからの看護のあり方を理解し、行動していくことが大切！
看護業界に今後求められるスキルから、看護業界の現状や課題、さらにキャリアアップについて解説をしてきました。
本記事で解説しているキャリアアップはあくまで一例であり、多くのキャリアステップが存在します。しかし、社会の流れや看護業界を取り巻く現状や課題は、現実として理解しておかなければなりません。
従来の看護のあり方だけでなく、これからの看護のあり方を自身で考え、行動していくことが大切です。
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