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【看護職を目指す方へ】看護師の種類と役割について解説!

看護職は女性でも高収入を得られ、且つ社会的な役割も非常に大きなこともあり昔から女性の人気が高い仕事です。しかし、改めて「看護師とは何か?」「看護とは何か?」と聞かれると、答えに窮することもあるのではないでしょうか。

今回では、改めて看護の定義を振り返り、現在の看護職の種類について解説をしていきます。

また、看護職のキャリアアップ今後求められる役割についても解説をしていきますので、今後看護職を目指す方はぜひ参考にしてください。

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目次

これから看護職を目指す方に

これから看護職を目指すにあたり、看護職について述べる前に、看護の定義及び看護職の定義について解説をしていきます。

しっかりと定義されている内容を理解し、求められている役割を意識していきましょう。

看護の定義

看護については、日本看護協会では以下のように定義されています。

「看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体である。看護には、健康増進および疾病予防、病気や障害を有する人々あるいは死に臨む人々のケアが含まれる。」

出典:日本看護協会ICN看護の定義

また、近代看護の創始者として有名なナイチンゲールは、「看護覚え書」の中で以下のように定義されています。

「看護とは新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔、静寂さを適切に活用し、 食事を適切に選択し与えるなど、すべての病人の生命力の消耗を最小限にするよう適切に行うことである。」

出典:北海道大学論文ナイチンゲールの看護の本質はどのように伝えられたか

それぞれの看護の定義から考えると、看護にはは大きく2つの意味があると言えます。

  • 患者さんへの適切なケア(医療対応や治療、投薬など、一般的な看護師として想像する姿)
  • 患者さんの自立サポート(健康増進や予防など)

看護職とは

では、看護職とはどのような仕事を指すのでしょうか?

看護職は主に保健師助産師看護師准看護師の4つの職種

それぞれに仕事の内容や働く場所も様々ですが、働く場所で一番多いのは病院です。

介護職従事者のうち、約6割を病院の看護職が占めています。一般的に看護職=病院とイメージしやすいのも頷ける結果と言えますね。

出典:日本看護協会_看護統計資料

看護職は治療としてのキュアと、専門的支援を行うケアの両方を行う職種と言えます。

看護職4つの種類

上記でも述べたように、看護職は4つの職種から成り立っています。

以下ではそれぞれの職種の詳細を解説していきます。

保健師

保健師は、名前の通り保健指導に従事する方

よく健康診断の後「何か健康上で気になる点はあるか」「体で心配なことや気がかりはあるか」と聞かれることがありますね。これらは医師の診断の後、保健師が行う大切な業務の一つです。つまり、健康相談や生活改善に向けたアドバイスを行ってくれる指南役と言えます

また健康問題だけでなく、メンタルヘルスや企業向けの相談も受けるなど、様々な諸問題へのアドバイスが求められる仕事でもあります。

保健師は看護師資格と同様の受験ルートで取得できますが、保健師のみの資格取得はありません。

看護師試験の合格・資格所持が保健師として働く前提となります。就業場所は市区町村や保健所、診療所などが多く、意外にも病院勤務の保健師は決して多くはありません

助産師

助産師はかつて「産婆」と呼ばれ、出産に伴う手伝いや、出産までの妊婦ケアや産後における母子のケアを行う仕事

日本では女性のみが就くことのできる職種!

助産師になるには、看護師試験助産師試験両方の合格が必要となります。具体的には、看護師試験合格後、助産師養成学校にて必要な知識や技能を習得したのち、助産師試験を受ける形です。

助産師の就業場所は、出産に携わることから病院と診療所で8割ほどを占めており、医療現場と密接な関係のある職種と言えますね。

看護師

看護師は病院でのナースにイメージされるように、患者の治療とケアを行う医療現場の中心人物

体のケアだけでなく精神面もサポートを行います。そのため、日々のやり取りの中から体調や変化に気づき、医師と連携した対応が必要です。仕事内容や勤務体制はハードですが、社会的にも大きな意義を持った職種と言えます。

看護師として働くためには、厚生労働省大臣の免許認可に伴う国家試験の合格が必要。

一般的に高校卒業後、看護大学や専門学校で専門課程を修了したのち受験するルートが多いですが、社会人になってからでも目指すことが可能です。

看護師の就業場所としては、やはり病院と診療所が多く、8割以上の方がいずれかの職場に就業します。しかし少子高齢社会の進展に伴い、医療・看護が一体となった運営を目指す動きも出ていることから、社会福祉施設や介護ステーションで働く看護師も一定数おり、今後は増えていくかもしれません

准看護師

准看護師は医師や看護師と連携しながら患者のケアにあたる仕事

簡単に言うと看護師や医師の指示の下、医療補助を担います

看護師自らの判断で以て医療行為を進めることはできず、必ず医師や看護師の指示が必要となります。

これは経験や年数がどれだけあっても動かし難い業務の特徴です。

准看護師は各都道府県が実施する准看護師試験への合格が必須。

高校や中学卒業後に准看護師養成期間にて、必要な知識・技能の習得を行った後、試験へ挑む形となります。 准看護師の就業場所として、看護師同様病院や診療所が多いです。こちらも今後介護施設での働き方が拡大していくのではと想定されます。

看護師のキャリアアップ

上記では看護職の4つの内訳と概略について解説をしてきました。看護職の中でもやはり看護師は根強い人気もあり、他の職種と比べても成り手の多い職種です

そこで以下では看護師のキャリアアップについて解説をしていきます。看護師のキャリアアップとしては主に以下の4つがあります。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 特定看護師
  • 診療看護師

それぞれについて解説をしていきます。

認定看護師

認定看護師は、特定の分野における高い看護技術・知識を用いて、高水準の看護実践を行う人材を育成するために設けられた制度

認定看護師の役割として、日本看護協会では以下の3つを定めています。

1:実践

個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。

2:指導

看護実践を通して看護職に対し指導を行う。

3:相談

看護者に対しコンサルテーションを行う。

出典:日本看護協会HP

認定看護師になるには、

  • 看護師として5年以上の実務を行い
  • うちの3年間は認定看護分野で経験を積む

という流れが必須です。しかしその後の流れは今までとこれからで若干異なっています。

具体的には、従来はその後に認定看護師教育機関にて約半年かけて勉強を行う流れが一般的でしたが、2026年に現行制度は終了することが決定しています。

新しい制度として、特定行為研修を組み込んだ認定看護師教育機関において、1年以内の教育を受けて認定試験を受ける形となります。当面は新制度と旧制度それぞれ並行で存在していくようです。

認定看護師を志す際は、最新の情報をチェックしておきましょう!

専門看護師

認定看護師が看護現場に熟達した人だとすれば、看護におけるあらゆる分野に精通した存在が専門看護師

扱う仕事についても裁量が広く、医療福祉に係る分野にも携わることができます

専門看護師の役割は以下のように定義されています。

  1. 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
  2. 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
  3. 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
  4. 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
  5. 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
  6. 専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)

出典:日本看護協会HP

認定看護師に比べ、調整や教育、研究が追加されており、期待される役割が非常に多いのがわかります。

専門看護師として勤務するためには、以下の条件を満たすことが必須です。

  • 看護師資格保持で5年以上の実務経験
  • 上記のうち3年は専門分野での実務経験
  • 上記2点を満たし、看護系大学大学院にて2年間で38単位以上の取得

教育機関での履修期間も認定看護師に比べ多いことから、看護に関する幅広い知識の習得が必要とされる仕事です。専門分野として、がん看護や小児看護、地域看護や家族支援など計13の分野を学習します。

医療的な分野から、広く社会と看護の関わり方についても学ぶなど、認定看護師以上に幅広い知識や見聞が必要と言えます。

特定看護師

特定看護師は、2015年10月から開始された研修制度により創設された職種

認定看護師や専門看護師と違い、明確に受験にあたり要件があるわけではありません。あくまでも定める研修を修了すれば特定看護師として勤務できます

ただし、研修とは言え科目が多く、実際に特定看護師になるには1年から2年程見ておくのが良い

特定看護師と看護師の違いとして、指示の有無があります。特定看護師になれば予め医師作成の手順書の下、特定行為については医師の判断や指示を待たずに自分の判断で行えるようになります。基本的に医師の指示を受ける看護師業務と違い、自身の判断で以て業務を進めることが出来る点に大きな特徴があると言えます。

特定行為は21区分あり、具体的には中心静脈カテーテルの抜去やインスリンの投与量調整など38の区分に細分化されています。今後は少子高齢社会の進展に伴い、医師の判断を待たずに判断を要する場面や、在宅医療などで存在感を発揮していくのではないでしょうか。

診療看護師

診療看護師は、医学的なスキルと知識を擁す人材として資格認定された看護師

一般的にはNPと呼ばれます。国立病院機構の認定であり、資格を持たない特定看護師に比べて、特定行為の扱える幅が広いのが特徴です。

診療看護師となると、特定行為を行える他、以下の特徴があります。

  • 相対的医行為を医師の代わりに肩代わりできる
  • 治療と看護において適切な知見・技能を活用できる

特定看護師に比べると、医師の右腕として活躍する幅が広いのが診療看護師の特徴と言えます。

診療看護師になるには、以下のプロセスを経て資格認定される必要があります。

  • 看護の実務経験が5年以上
  • NP養成期間(大学院)に2年間在籍
  • NP認定試験への合格

診療看護師資格は数年ごとに更新が必須であり、継続的な勉強が必要となることから、特定看護師に比べると難易度が高いですが、業務の幅は広がる職種と言えます。

今後は看護師の役割拡大が求められる

上記では看護の定義に始まり、看護職の種類から看護師のキャリアアップについて解説をしてきました。

専門看護師や特定看護師・診療看護師などは今後在宅看護が進むにつれ大きく重宝されるのではないでしょうか。

現状日本は医療偏在や不足が懸念されており、医師だけでなく看護師もまだまだ数が必要です。そして、今後は地域や収入の差による医療偏在を解決するため、専門看護師や通常の看護師でも業務・役割の拡大が求められているのが現状です。

これから看護職を目指すにあたり、国の施策にもしっかりと目を通すことや、看護業務の中でもスペシャリストとして誇れる領域を持つことで、キャリアの幅が広がっていくのではないでしょうか。看護師がキャリアの幅を広げることは、医療偏在という社会問題の解決にも繋がります。

本記事を読み、少しでも看護業界の未来を考えるきっかけとなって頂ければ幸いです。

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