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水分補給を嫌がる利用者に介護士がすべき工夫は?勧める方法を解説

水分補給は人間の命を繋ぐ大切なものです。介護施設に入居している利用者も同様で、毎日の水分補給は必要なことです。しかし、利用者の中には水分を摂ることを嫌がり、水分補給が進まない方もいます。水分補給が進まないままでは、命に関わる危険リスクが高まる一方です。

今回では、高齢者が水分を摂りたがらない理由や水分補給を勧める方法などを解説していきます。

高齢者がなぜ水分を摂りたがらないのかを知り、それに合わせた方法で水分摂取を促せるようにしましょう。

目次

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認知症にも有効!高齢者に水分補給を促す際の工夫

利用者によっては水分補給が積極的でない場合がありますよね。そんなときには、「どうやって水分を勧めようか」と悩んでしまうものです。

利用者に水分補給を促すおすすめの方法は以下6つになります。

  • 飲みたくない理由に合わせて安心できるような声かけをする
  • 好みの飲み物をいくつか用意する
  • 1日の目標摂取量を把握しておく
  • 時間を決めて少しずつ勧める
  • 水分量を記録する表を用意する
  • おやつと一緒に提供する

ここからは6つの方法について詳しく解説していきます。

飲みたくない理由に合わせて安心できるような声かけをする

利用者が水分を摂りたくない理由は、気分が乗らなかったり体調が悪かったりなどさまざまです。理由をまずは理解し、それに合った声かけをしていくことを心掛けましょう。例えば、トイレが近くなるのが嫌な利用者には、「トイレは私達がしっかりサポートするので大丈夫です」と安心できるような声掛けをしてみてください。

本人の希望や理由に応じた声かけをし、水分補給を促すことが大切です。

好みの飲み物をいくつか用意する

お茶で水分が進まない場合は、利用者の好みの飲み物を用意するのも一つの手です。施設で提供している飲み物ではなく、利用者の趣味・嗜好に合わせて選択肢を提示しましょう。

ただし、ジュースやココアといった、糖分が多いような飲み物ばかりになってしまうと、糖尿病などのリスクがあります。利用者の好きな飲み物が甘い場合は、1日1~2杯程度にとどめることが必要です。

ご飯の時はお茶、水分補給の時間は好きなものなど、メリハリをつけて提供してみるのもおすすめです。

1日の目標摂取量を把握しておく

水分が摂れていないと感じたら、1日分の目標摂取量を予め設定しておきましょう。職員間で利用者の水分量を把握できるので、提供する水分量が少なすぎたり多すぎたりせずにすみます。目標摂取量は一人ひとり異なり、疾患によっては水分制限しなければならない可能性もあります。

医師や看護師などと相談し、各利用者の状態に合った目標摂取量を設定していくことが大切です。

時間を決めて少しずつ勧める

水分摂取量の少なさに悩んでいる場合は、時間を決めて少しずつ提供してみてください。高齢者は1度に多く水分補給できないので、水分摂取を30分に1回促したり朝食前や昼食前、就寝前などに飲む時間を作ったりしましょう。

時間を決めて飲むことで水分補給をする習慣が身に付きます。こまめに水分補給する時間を設定しておけば、水分量が足りず夜に慌てて摂取してもらう必要もありません。

水分補給を管理するうえでも、時間を決めて水分を勧めることは大切です。

水分量を記録する表を用意する

喫食表などがあれば、そこに1日の目標水分量も記載しましょう。そして、水分を摂るたびに、どれくらい飲んだかを記録していきます。

この記録により、1日の正確な水分摂取量がわかると同時に、いつどのようなときに水分を摂れなかったのかも把握できます。水分摂取量を増やしたいときには、記録をもとに対策を立てることも可能です。

利用者の水分摂取量を常に把握しておくことをおすすめします。

おやつと一緒に提供する

食事中に水分を多めに勧めると、食事量に影響が出る場合があります。そこでおすすめなのが、おやつと一緒に水分を提供することです。おやつ時だけでなく、水分補給時にも軽めのお菓子を提供してみましょう。

クッキーやチョコレートなど、口に甘さが広がるようなお菓子は水分を欲するので、水分量が増えます。ただし、糖尿病を抱えている方は糖分を管理する必要があります。

お菓子を提供する際は、医療職と相談しておやつの量を決めてください。

高齢者が水分を摂りたがらない理由

高齢者が水分を摂りたがらない理由は、主に以下の3つです。

  • トイレが近くなるため
  • 水分が必要だと感じる機能が低下するため
  • ムセが怖いため

ここからは高齢者が水分を摂りたがらない理由3つについて詳しく解説していきます。

トイレが近くなるため

高齢になるとトイレが近くなるため、水分を控えようとする方がいます。

特に介助が必要な状態だと、手間がかかるため億劫になるでしょう!

トイレに行きたくなるたびに、スタッフを呼ばなければならないことに申し訳なさを感じ、水分を摂らないのです。その結果、水分を摂るのを嫌がるようになってしまいます。

水分が必要だと感じる機能が低下するため

高齢になると身体機能が低下し、体が水分を必要としていることに気づきにくくなります。そのため、高齢者は水分摂取をしなくなるのです。自分が必要だと思っていないのに、他者から勧められても水分補給をしたいとは思いません。

高齢者が水分を摂りたがらない背景には、機能低下が関連していることを理解しておきましょう。

ムセが怖いため

高齢になると飲み込む力が弱まったり病気になったりすることで、むせ込みやすくなります。そのためむせ込むことが怖くなり、水分を控える方がいます。むせ込みは窒息につながるため、怖がるのも無理はないでしょう。

水分摂取が怖い方には、トロミなどを使用してむせないことを実感してもらうのがおすすめです。

お腹を冷やしたくないため

お腹を冷やしたくない利用者は、水分補給をしたがりません。腹痛や下痢を恐れている可能性があります。「お腹を冷やしたくない」との訴えがあった際は、暖かい飲み物がおすすめです。

食事の際に白湯や暖かいお茶を提供してみてください。

高齢者が水分摂取をしないと起こること

高齢者は水分摂取をしないとさまざまな問題が生じます。具体的には以下のとおりです。

  • 脱水を引き起こす
  • 血栓ができやすくなる
  • 水分の排出量が増える

それぞれ解説します。

脱水を引き起こす

高齢者は感覚機能が低下しているため、水分摂取を怠ると脱水を引き起こす可能性があります。脱水症状を起こすと、最悪の場合は死に至ります。

介護職は利用者の水分を管理することはもちろん、皮膚の状態や尿量の減少をチェックしましょう。脱水をチェックする際は、手の甲を軽く押してみてください。

元に戻るまで3秒以上かかる場合、脱水が起きている可能性が高いです。「ぼんやりする」「めまいがする」といった自覚症状がある場合も注意が必要です。

脱水を引き起こすのを防ぐためにも、高齢者の水分摂取は怠らないようにしてください。

血栓ができやすくなる

体内の水分量が減少すると、血液が濃くなり血の塊(血栓)ができやすくなります。血管に血栓ができると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。心筋梗塞はとくに致死率が4割と高いので、高齢者は脱水を防がなくてはいけません。

高齢者は喉の渇きに気づきづらいので、介護職が意識的に水分補給を促す必要があります。

水分の排出量が増える

水分補給を怠ると、体内の水分の排出量が増加します。体内の水分量が低下することで、腎臓機能が低下して尿量が増えるためです。

水分量が少ないにもかかわらず、尿量が増えている利用者がいたら注意が必要です。

介護職は、排泄チェック表や食事管理表を確かめておきましょう。

高齢者が一日に必要な水分摂取量

高齢者に適切な水分量を提供するには、1日の必要な水分摂取量を知っておかなくてはなりません。ここでは、高齢者が1日に必要な水分摂取量を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1日の水分摂取量の目安は1〜1.5ℓ

1日に必要な水分量は体重によって変化しますが、高齢者の場合、2リットル近い水分が必要とされています。 「東京保健局」によると、高齢者は尿や便、皮膚からの蒸発などにより1日に2.2〜2.8リットルの水分が排出されているようです。そのため、高齢者は食事や飲み物から2リットル以上の水分を補給するのが理想的です。

飲料水のみからは、約1.5リットルを必要摂取量と考えておきましょう。

暑い場所や運動後はさらに水分量が必要

暑い場所に長時間い続けたり、運動して汗をかいたりした場合は、多くの水分が必要です。また、利尿作用が働く薬を服用している方は、水分量が増えます。そのため、高齢者の水分補給は体調や持病に合わせて提供しましょう。

医師や看護師などの他職種と相談しながら、1日の水分摂取量を確認していくことが大切です。

おすすめ!高齢者がどうしても水分補給をしてくれないときに提供する飲み物

高齢者の中には、なかなか水分を摂取してくれない方がいます。そこで、ここでは、高齢者が水分補給をしてくれない際の注意点を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

オレンジジュース

水分を摂取してくれない方には、オレンジジュースがおすすめです。適度に甘みと酸味があり、水やお茶に飽きてしまった方でも飲んでくれる場合があります。オレンジジュースにはビタミンCが含まれているため、栄養価も豊富です。

水分量や栄養面を考慮するなら、オレンジジュースのような甘味のある飲み物を選びましょう。

牛乳

牛乳にはタンパク質やビタミンD、カルシウムが豊富です。さまざまな栄養を摂取できるので、水分だけでなく食事量が減少している方にもおすすめです。

牛乳には甘みもあるため、水やお茶が苦手な方はスムーズに摂取してくれる可能性があります。

ただし、牛乳には脂質が多く含まれているため、摂りすぎると体重増加につながります。そのため、牛乳の摂取量には注意しましょう。

経口補水液

経口補水液は、水に塩分と糖分を一定の割合で配合した飲料です。体内への吸収速度が速いため、脱水状態の方は積極的に摂取する必要があります。筋肉のスムーズな動きを支え、けいれんも起こりにくくします。

経口補水液は塩分と水分を同時に摂取できるので、脱水状態から回復することが可能です。

ゼリー

ゼリーは喉ごしが良いため、水分補給をしやすいです。利用者さんの好みのジュースでゼリーを作れば、味も美味しく飽きずに飲んでくれるでしょう。ゼリーの作り方は以下の通りです。

約200℃の飲み物を鍋に入れ、沸騰しない程度まで温める。
温まった飲料を別の容器に3回程度に分けて移し、大さじ1程度のゼラチンを入れて混ぜる(ゼラチンは水でふやかしておく)。
ゼラチンを完全に溶かす。
冷蔵庫で冷やす。

自宅でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。

高齢者が水分補給をしてくれないときの食べ物

高齢者が水分補給をしてくれないときは、食べ物で補う方法もあります。ここでは以下の食べ物を紹介します。

  • 果物
  • ヨーグルト
  • スープ

それぞれ解説します。

果物

果物には、水分だけでなくビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。そのため、水分補給が難しい高齢者にはおすすめです。細かく刻んだりすり潰したりすることで、そしゃくが難しい高齢者でも安心して食べられます。

甘味が好きな方はぜひ試してみてください。

ヨーグルト

ヨーグルトは栄養価の高い食べ物なので、便秘がちな方にはおすすめです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を整える効果があります。腸内に乳酸や酢酸を増やし、便秘につながる悪玉菌の増殖を抑えてくれます。

水分不足による便秘を防ぐためにも、摂取しておきたい食品です。また食感も柔らかいため、そしゃくが苦手な方でも摂取しやすいです。

ヨーグルトはあらゆる状況の方に適しているので、積極的に提供しましょう。

スープ

スープで水分補給をするのも1つの手段です。水分はもちろん、野菜の入った味噌汁なら栄養も摂取できます。また、スープは温かいので、お腹を冷やしたくない方にも提供しやすいです。

トイレが近くなったりお腹を壊すのを心配している方には、ぜひ作ってみてください。

利用者が安心して水分補給ができるような工夫をしよう!

利用者は、さまざまな不安から水分摂取を拒否していることが多いです。しかし、不安が払拭されれば、安心して水分を摂取してくれるでしょう。

しつこく水分補給を促すよりも、利用者本人の好みを聞いたり、水分が欲しくなるお菓子と一緒に出したりする方が効果的です。職員が高齢者の心理に配慮しながら工夫して、無理なく水分補給をしましょう。

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