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【事例あり】利用者やご家族へのクレーム対応と注意点を徹底解説
介護施設で働いていると時々、利用者やご家族からクレームを受ける時があります。
そんな時は、心折れそうになってしまいますよね。しかし、クレーム自体をポジティブに考えれば、介護施設全体を成長させてくれるきっかけになるかもしれません。
利用者やご家族からのクレームを面倒に感じるだけで終わらせるのではなく、適切な対応を心がけましょう!
利用者・ご家族からのよくあるクレームの種類
利用者やご家族からのクレームには種類があります。
実際にどのようなクレームが特に多いのでしょうか?
以下では種類別でよくあるクレームを具体的に紹介します。
ミスについてのこと
介護施設側のミスでクレームが入る場合があります。
例えば以下のような内容です。
- 請求書に間違いがあった
- 利用者が転倒やケガなどをした
- 行事などをご家族に伝達する際間違いがあった
介護施設からのミスは本来あってはいけないものです。
繰り返すとご家族からの信用を失ってしまいかねないため、クレームが入った時には真摯に受け止め、再発防止に努めましょう。
介護スタッフの態度についてのこと
介護スタッフの態度や言動についてクレームが入ることもあります。
介護スタッフの対応が悪いことでよくあるクレームはこちらです。
- 挨拶をしない
- 話の聞き方が雑
- 介護スタッフに不適切なことを言われた
介護スタッフの対応が本当に悪いケースもあれば、言いがかりである場合もあるため、見極めが大切な種類のクレームと言えるでしょう。
他の利用者とのトラブルについてのこと
一番難しい問題が他の利用者とのトラブルです。
例えば以下のようなクレームを伝えられることがあります。
- 「隣の部屋の人の声がうるさい、うちのおばあちゃんが寝れているか心配」
- 「他の利用者と上手くいっていないみたい。本人から電話が毎日あるの」
ご家族は、他利用者と要介護者本人の関係を心配し、介護施設に改善するよう頼んでくることが多いです。しかし、クレームの対象である他利用者もまた、介護施設にとっては同じお客様であるため、両者のことを考えた対応が難しい現実もあります。
改善策としては席を離したり、場合によってはフロア移動を検討したりとする必要があるでしょう。
【事例別】クレームを受けた時の対応方法
クレームを受けた時は、その時の対応方法が大切です。
そこで、ここからは事例別にクレームの適切な対応方法を紹介していきます。
利用者の物がなくなってしまい本人が怒っているケース
利用者の物がなくなってしまい本人が怒っている場合の対応方法は以下になります。
対応例:
- まずは丁寧に謝る
- 早急にスタッフ数名で探すことを本人に伝える
- 探してなかった場合は同じものを購入し弁償する
大切なのは早急に丁寧に謝ること、対応の流れを本人にわかるように伝えることです。利用者は、対応の流れがわからないと「本当に対応してくれているのか」と不安になります。
心境を理解した上で、「今どのような対応をしているか」を丁寧に伝えるようにしましょう。
介護スタッフの利用者に対する言葉遣いが気になるとご家族からクレームが来たケース
介護スタッフの態度や対応に対してのクレームが入った場合の対応方法はこちらです。
対応例:
- まずは不快にさせてしまった事実をご家族に謝る
- 介護スタッフに事実を確認する
- 介護スタッフ自身に心当たりがあった場合、利用者に当事者と上司が一緒に謝罪する
- 介護スタッフと面談の機会を設け「なぜそのような対応になってしまったのか」「どうしたらよかったのか」を一緒に考える
- 上記の流れをご家族に説明し、クレーム対応したことを伝え、再度謝罪し、再発防止に努める旨を伝える
介護スタッフの態度に対してのクレームも難しい部分があり、対応に迷ってしまう人も多いです。大切なのは、介護スタッフにも丁寧に寄り添い再発防止に努めることと、利用者やご家族に丁寧に謝罪することです。
どのように対応したかをご家族にきちんと説明するようにしましょう。
利用者が転倒してしまいご家族が介護施設に対して不信感を抱いているケース
利用者が転倒してしまったことでクレームが入った時の対応方法はこちらです。
対応例:
- 転倒してしまったことを謝る
- 転倒してしまった時の状況を細かく説明する
- その後の通院など対応した内容を説明する
- 今後転倒防止のために立てた対策を伝える
転倒は100%防げるものではなく、対策が難しい面もあります。
転倒でクレームを入れるご家族のほとんどが、転倒時の状況をしっかりと把握できていないことも事実です。そのため、まずは転倒時の状況をしっかりと説明する必要があります。
今後どのような対応をしていくのかを丁寧に説明しましょう。
クレームを受けた時の注意点
クレームを受けた時には注意すべきことがあります。注意点に気を付けて対応すれば、クレームが大きなトラブルに発展する可能性が低くなるでしょう。
そこで、ここからはクレーム対応で大切な注意点を詳しく紹介していきます。
初期対応を間違えない
クレーム対応で大切なのは初期対応です。
クレームが入った時点で適切な対応ができるかが今後の方向性の良し悪しを決めるカギとなります。
- 介護施設側に完全に非がある場合は早急に謝罪する
- 対応の流れをご家族に説明する
- ご家族の勘違いもあるならそれを丁寧に説明する
- すぐに他スタッフにクレーム内容を共有する
など、初期の段階で適切な対応ができれば、最悪のトラブルに発展する可能性は低いです。
早期対応は、クレームに対して効果的であるため、すぐに対応できるように心掛けましょう。
ご家族に寄り添って丁寧に話しを聞く
クレームを言う時のご家族の心境を想像してみましょう。
怒りで頭に血が上っていたり、「こんな施設で大丈夫なのか」と不安を抱いていたりするかもしれません。そんな心境を想像しながら、まずはご家族が冷静になれるように介護施設側がゆっくりと話を聞くようにしましょう。
寄り添って丁寧に話を聞くことで、ご家族が冷静さを取り戻し「実はそれほど怒ることでもない」ということに気付くかもしれません。
施設内でクレーム内容を共有する
クレーム対応では共有と連携も大切になります。
クレームを言ったご家族が次に施設来訪した時、スタッフの誰にクレームの件を話したとしても、それが理解できるように話を共有しておくことも大切です。
介護施設内のスタッフ全員に共有できていれば、クレーム対応を担当する相談員などに話を繋げることもできます。
クレームが入ったらスタッフ全員で共有し、連携できるようにしておきましょう。
理不尽な内容に対しては毅然とした態度で対応する
ご家族のクレームの中には、理不尽な言い分も存在します。
例えば、
- うちのお母さんを最優先して!
- 家ではご飯11時に食べていたのだから11時にもってくるようにしてよ!
など、介護施設側のミスなどとは関係のない自分勝手なクレームを平気で言ってくるご家族も一部います。
ここで大切なのは、出来ないことを曖昧に返事しないということです。
介護施設側が対応すべき事案ではないと判断した場合は、毅然とした態度で「うちでは対応できません」と断ってOKです。
できないことをはっきりと断ることで、他のスタッフも守られます!
クレームを否定的に捉えない
クレームが入った時に、それを嫌がる姿勢はご家族に伝わるものです。クレームが真っ当な意見であった場合は、真摯に受け止める姿勢でいましょう。
クレームは、考え方を変えれば介護施設の欠点に気付くチャンスです。それを言葉で伝えてくれたご家族に感謝の気持ちを持てれば、更に良い介護施設に発展していける可能性は高いです。
家族からのクレームは真摯な姿勢で対応することが大切!
ご家族からのクレームは、さまざまなものがあります。
クレームが出たら、早めに適切な対応をすることが重要です。また、クレームに対してだけ対応するのではなく、そこから良い介護施設にしていくための方法まで考えられると理想的です。
クレームまでも味方にし、前向きに対応していくことが大切でしょう!ご家族と一緒に介護施設を作り上げる気持ちでいると、クレームに対しても前向きになれるかもしれません。