ジャンル別記事
バルーンカテーテルとは?導尿との違いやおむつの出し方、車椅子・入浴時の注意点を解説!
介護施設で働いていて、「バルーンカテーテルを使用している利用者の介助方法がわからない」という方もいるのではないでしょうか?
バルーンカテーテルについてのよくある疑問にも回答していきます。ぜひ本記事を参考に、バルーンカテーテルについての理解を深めましょう。
排尿トラブルとは?バルーンカテーテルが必要になるケース
排尿トラブルとは、尿をうまく「ためる」「出す」ことができない状態のことです。高齢者や病気のある方に多く見られ、生活の質に大きな影響を与える症状です。主に2つの障害があり、排尿機能に問題がある場合、医師の判断でバルーンカテーテルの使用が検討されます。
蓄尿障害|尿をためられない
蓄尿障害とは、膀胱に尿をためることができず、尿意を感じる前に漏れてしまう状態です。この障害では、膀胱の筋肉や神経がうまく働かず、膀胱が尿を保持する機能が低下しています。
代表的な症状は、頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿、尿漏れなどです。原因としては、過活動膀胱、脳卒中や脊髄損傷などによる神経の障害、膀胱炎などが挙げられます。
蓄尿障害のある方は、自分で尿意をコントロールすることが難しく、突然の尿漏れに困ることが多いです。治療や管理が必要な場合、医師の判断でバルーンカテーテルを使用し、排尿トラブルによるストレスや感染リスクを軽減することがあります。
尿排出障害|尿を出せない
尿排出障害とは、膀胱には尿がたまっているにもかかわらず、スムーズに排尿できない状態です。主な症状は、排尿困難、尿が途中で止まる、残尿感、尿閉(まったく出なくなる状態)などです。
原因には、男性に多い前立腺肥大症、尿道狭窄、脊髄損傷などによる神経障害、加齢による筋力低下などが考えられます。尿が排出できない状態が続くと、膀胱が過度に拡張し、腎臓にまで負担をかける危険があります。
そのため、バルーンカテーテルを使い、尿を体外に排出して膀胱や腎臓へのダメージを防ぐことが大切です。これにより、排尿ができない状態による痛みや健康リスクを軽減することができます。
バルーンカテーテルとは?仕組みと使われる場面

まずバルーンカテーテルへの正しい知識を持つようにしましょう。ここからは、バルーンカテーテルの詳細情報を細かく説明していきます。
バルーンカテーテルの仕組み

バルーンカテーテルとは、尿道から膀胱に挿入し、先端部分にある風船(バルーン)を膨らませて膀胱内に固定するカテーテルの一種です。主に泌尿器科で使用され、膀胱内の尿を体外に排出するために役立ちます。
排尿障害で尿を出すのが困難だった方でも、カテーテルを入れておくことで、尿がカテーテルを通り、畜尿袋に排出することができます。
バルーンカテーテルの使用事例
バルーンカテーテルを使用する場面はいくつかあります。ここではバルーンの使用事例を2つ紹介します。
- 手術後~回復期間中の尿管理
- 排尿障害による日常的な尿管理
バルーンカテーテルを使用している方の状態を知れば、適切なケアが行えます。
手術後〜回復期間中の尿管理
手術〜回復期間の方には、バルーンカテーテルを使用する場合があります。手術前〜手術後の経過観察時に点滴の適量や健康状態を確認するために、尿量の把握が必要だからです。
また、長時間の手術中には患者はトイレに行けないので、尿路の確保としてもバルーンカテーテルは使用されます。手術〜回復期間に尿管理をするうえで、バルーンカテーテルは活躍します。
排尿障害による日常的な尿管理
排尿障害がある方の中には、日常的にバルーンカテーテルを使用して尿を管理している方もいます。この場合、バルーンカテーテルで常に尿が排出されるようにしておくことで、膀胱に尿がたまることを防ぎます。
これにより、膀胱や腎臓への負担が軽減され、尿路感染症などのリスクコントロールも可能です。日常生活では、尿バッグの管理やチューブの位置確認、排尿量のチェックが欠かせません。介護職や家族が適切に管理することで、利用者の生活の質を保ちながら安全に排尿管理を行うことができます。
バルーンカテーテルの種類と構造を理解しよう
バルーンカテーテルは、患者の状態や使用目的に応じて適切な種類・構造を選ぶことが重要です。誤った選択や使用は、感染や損傷などのリスクを高めるため、介護職や看護職の方も基本的な知識を押さえておく必要があります。
シリコン・ラテックスなど材質の違いと特徴
バルーンカテーテルの材質には主にシリコンとラテックスがあり、それぞれに特性があります。シリコンは柔軟性があり、長期間の留置に向いているため、慢性疾患を持つ患者に適しています。
一方、ラテックスはコストが抑えられる利点がありますが、アレルギー反応を起こす可能性があるため注意が必要です。表面をシリコンでコーティングしたラテックス製もあり、短期使用には選ばれることがあります。
使用目的や患者の状態に応じて、適切な材質を選ぶことが重要です。
サイズや太さの選び方と適応の目安
バルーンカテーテルのサイズは「Fr(フレンチ)」という単位で表され、数値が大きいほど太くなります。一般的な目安は以下のとおりです。
- 成人男性:16Fr~18Fr
- 成人女性:14Fr~16Fr
排尿困難がある場合や血尿、粘稠な尿の排出が必要なときは、やや太めを選択することもあります。一方、高齢者や長期留置が必要なケースでは、感染リスクや粘膜損傷を防ぐために、細めのカテーテルが用いられます。
医師の判断のもと、個々の病態に適したサイズを選ぶことが重要です。
使用される部位とカテーテルの分類
バルーンカテーテルは、主に膀胱に挿入される「膀胱留置カテーテル」として使用されますが、他にも心臓や血管内に用いられるものもあります。
例えば、心臓疾患の治療に使われる「IABP(大動脈内バルーンパンピング)」では、大動脈にバルーンカテーテルが挿入されます。
また、血管の狭窄部を拡張するための「PTCA(経皮的冠動脈形成術)」にも使われる場合があるでしょう。このように、使用部位によって目的や構造が大きく異なるため、用途に応じた分類と理解が求められます。
バルーンカテーテルと自己導尿の違い・メリット・デメリット
排尿を管理する方法には「バルーンカテーテル」と「自己導尿」があります。どちらも尿を排出するための医療的手段ですが、仕組みや管理方法が異なります。以下では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介するので、理解することで、適切なケアを実施できるでしょう。
自己導尿の特徴は?バルーンカテーテルとの違い
自己導尿とは、排尿がうまくできない方が、自分で尿道にカテーテルを挿入して膀胱内の尿を排出する方法です。バルーンカテーテルと異なり、常時カテーテルを留置するのではなく、排尿のたびに挿入・排尿・抜去を行います。これにより、膀胱を自然な形で保つことができ、尿意を感じる習慣も維持しやすいのが特徴です。
一方で、自己導尿は手技が必要で、清潔操作や挿入時の痛み、慣れるまでの心理的なハードルもあるでしょう。バルーンカテーテルは常に排尿できる安心感がありますが、感染リスクや管理の手間が続きます。
自己導尿とバルーンカテーテルは、生活状況や本人の体力、介護環境に応じて使い分ける必要があります。
バルーンカテーテルのメリット・デメリット
バルーンカテーテルには、排尿管理をサポートする便利な面がある一方で、注意しなければならないリスクもあります。ここでは、それぞれの特徴をメリットとデメリットに分けてわかりやすく解説します。
バルーンカテーテルのメリット
バルーンカテーテルを使用するメリットは以下のとおりです。
- 尿が自然に排出されるため、排尿困難や尿閉を防げる
- 尿失禁がなくなり、衣服や寝具を汚す心配が減る
- 本人・介護者ともに排尿管理の手間や不安が軽減する
- 排尿量や色を確認でき、体調変化に気づきやすい
- 排尿を我慢する必要がなく、膀胱への負担が少ない
常時尿が排出されることで、急な失禁や排尿困難の心配がなくなり、安心して生活できる ようになります。排尿状態の理解がスムーズできるため、適切なケアにつなげやすいのが大きなメリットです。
バルーンカテーテルのデメリット
バルーンカテーテルのデメリットは以下のとおりです。
- 長期間使用すると、尿路感染症のリスクが高まる
- カテーテル周囲の皮膚が炎症を起こすことがある
- 管理や交換のために医療職の関与が必要
- 尿漏れや詰まりなどのトラブルが発生する場合がある
- 身体に異物感や違和感を感じることがある
バルーンカテーテルは便利な反面、感染や炎症などのリスク管理が欠かせません。日常的な観察や定期的な交換が必要です。 使用する場合は、医療職と連携して適切に管理しましょう。
日本泌尿器科学会が発表している「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」によると、尿路感染症の4割は病院で起こるといわれています。そのなかの8割が、尿カテーテルを留置していることが原因だと発表しています。
病院や施設でのバルーンカテーテルの管理には細心の注意が必要です。
自己導尿のメリット・デメリット
自己導尿も、排尿の自由度や感染リスクの低さなどの利点がありますが、習得の難しさや手間といった課題もあります。メリット・デメリットの両面を理解し、自分に合った排尿管理法を選ぶことが大切です。
自己導尿のメリット
自己導尿のメリットは以下のとおりです。
- 膀胱を適切に空にできるため、自然な排尿リズムを維持できる
- 常時異物が入っていないため、感染リスクが比較的低い
- 排尿のたびにカテーテルを抜去するため、膀胱への負担が少ない
- 本人が自分のタイミングで排尿できるため、生活リズムを保ちやすい
- プライバシーを守りながら排尿できる
自己導尿は、排尿機能の回復や維持にもつながり、自立的な生活を続けたい方にとって大きなメリット となります。生活の自由度を保ちながら排尿管理ができます。
自己導尿のデメリット
自己導尿のデメリットは以下のとおりです。
- 挿入時に痛みや違和感を感じる場合がある
- 毎回清潔操作を行わないと感染症のリスクが高まる
- 手先の不自由や認知症がある場合、自力で行うのが難しい
- 習得までに心理的なハードルや練習が必要
- 排尿ごとに手間がかかり、外出先での対応が課題になる
自己導尿は、自分で管理できることが前提 のため、状況によっては介助や医療職のサポートが必要になります。継続するには、手技の習得と清潔管理が欠かせません。
【ケース別】バルーンカテーテルを使用している方への介助方法
ここからはケース別に、バルーンカテーテルを使用している方の介助方法例を紹介していきます。例を参考に各シーンの介助を介護現場で実践してみてください。

車椅子の方の移乗時の手順と注意点
バルーンカテーテルが留置していて、車椅子を使用している方の具体的な手順と注意点を紹介します。移乗前後にバルーンカテーテルの位置を確認することが大切です。
車椅子移乗の具体的な手順
車椅子からベッドに移る時の介助方法は以下です。
【車椅子からベッドに移る際の介助方法 例】
- 車椅子のS字フックにぶら下げている留置袋外す
- カテーテルが引っ張られないように気を付けながら車椅子からベッドへの移乗介助する
- ベッドに移ったら留置袋をベッドの下のほうにS字フックにぶらさげる形で置く
- 最後にカテーテルが引っ張られていないか確認する
移乗介助の前後には、必ずカテーテルの状態を確認するようにしましょう。
注意点:カテーテルを踏まない・引っ張らない
バルーンカテーテルを使用している利用者の足元で、バルーンカテーテルを踏んだり引きずっていたりしていないか気をつけましょう。特に利用者が車椅子に乗っている場合は、チューブの位置に注意する必要があります。
車椅子とタイヤの間にチューブが挟まることもあるので、車椅子に乗る利用者のカテーテルの位置には気をつけてください。
注意点:位置が高すぎないか
尿留置バルーンの位置が高いと、尿が詰まるおそれがあります。利用者の尿を留置しているバルーンの配置には、常に気をつけておきましょう。
例えば、ベッドから車椅子に移乗する際や利用者と移動するときは、カテーテルが高い位置にないか確認する必要があります。
バルーンは尿が下に流れやすいように、利用者の陰部から少し下の位置に配置しておくのがポイントです。
入浴介助時の手順と注意点
ここではバルーンカテーテルの利用者の入浴介助や注意点を紹介します。入浴介助時にはバルーンカテーテル内に水が入らないように、気をつける必要があります。
入浴介助の具体的な手順
バルーンカテーテルを使用している方で特浴での入浴介助をする場合の介助方法は以下です。
【特浴に入浴する際の介助方法例】
- 入浴前、衣類を脱ぐ介助をベッド上で行う
- ベッド上からストレッシャーに移乗する
(カテーテルを引っかけないように移乗の際は利用者の身体の近くに留置袋を置き移乗する) - ストレッチャーにS字フックをひっかけ、留置袋をぶらさげる
- ストレッチャーで浴槽まで移動する
- 浴槽に入る前には忘れずストレッチャーからS字フックと留置袋を外す
入浴時に注意すべき点は、カテーテルと留置袋の位置です。移動や移乗をするたびに留置袋を置く場所を変える必要があります。カテーテルを引っ張ることがないよう注意しながら介助を行いましょう。
注意点:入浴前に抜去またはカバーをつける
バルーンカテーテルは、入浴前に抜去するのが理想的なケアです。しかし、施設によっては看護師が足りず、入浴前に対応できない場合もあるでしょう。バルーンカテーテルを抜去せずに入浴する場合は、袋を用意してバルーンが濡れないように対応する必要があります。
注意点:入浴後の再挿入は医療職が行う
施設によっては入浴のタイミングでバルーンカテーテルを新しくします。しかし、介護職はバルーンカテーテルを挿入できないので、入浴が終了したら医療職に対応してもらいます。医師や看護師を呼び、バルーンカテーテルを挿入してもらいましょう。
また、入浴介助では、利用者さんから拒否されることがあるかもしれません。私自身、何日も入浴をされていない方を、お風呂場へ誘導するのにとても苦労したのを覚えています。
どのように声かけをすればいいかわからなかったので、先輩の真似をした記憶があります。お風呂というワードを使わずに「お着替えだけでもしませんか?」や「シャワーだけでもどうでしょうか?」と声かけをすることで、利用者さんにも安心してもらえました。もし介助拒否をする利用者さんがいる場合は、ぜひ試してみてください。
以下では、入浴介助の留意点を11個紹介するので、利用者さんに安心してもらえる介助を実施したい方は、ぜひご覧ください。

おむつ交換の手順と注意点
介護職は、バルーンカテーテルが留置している利用者の排せつ介助を担当することがあります。ここでは、バルーンカテーテルの利用者のおむつ交換と介助する際の注意点を紹介します。バルーンカテーテルの排せつ介助のポイントを知ることで、感染症のリスクを下げられます。
おむつ交換の具体的な手順
バルーンカテーテルを使用している方のおむつ交換をする場合の介助方法は以下になります。
【ベッド上でおむつ交換する場合の介助例】
- 利用者におむつ交換する旨を伝える
- ズボンを脱ぐ前にカテーテルがどの位置にあるのか観察しておく
- カテーテルに気を付けながらズボンやオムツを取る
- 石鹸やお湯を使い陰部洗浄する
- オムツを交換し、オムツの上か下から出るように装着させる
- カテーテルの位置を確認しながらズボンを穿かせる
バルーンカテーテルを留置している方のおむつ交換を雑に行うと、おむつ内でカテーテルが曲がったり折れたりします。 またおむつに付いているテープで、カテーテルを押さえないように配慮する必要があります。
注意点:位置と出し方に注意する
バルーンカテーテルを使用している利用者のおむつ交換をする際は、カテーテルの位置や出し方に気をつけましょう。 男性の場合はカテーテルがついた状態で陰茎を下に向けてしまうと、尿道を傷つける可能性があります。
テープでカテーテルを固定して陰茎を上に向けておくと、怪我が起こりにくくなります。
注意点:尿道から肛門に向けて洗浄・消毒する
バルーンカテーテルから感染症が発生するのは、尿道や陰部にある細菌が膀胱に侵入することが原因です。バルーンカテーテルを留置している利用者をケアする際は、陰部から肛門に向けて洗浄・消毒する必要があります。
女性は尿道口と肛門の位置が近いので、尿道口側から肛門側に向けて陰部洗浄を行いましょう。最も理想的なのは、古いバルーンカテーテルを抜いてから洗浄・消毒をすることです。
排せつ介助の終了後に清潔なバルーンを挿入すれば、細菌が尿道に入り込むリスクを下げられます。
また、以下では排泄介助の方法や注意点を紹介しているので、併せてご覧ください。

バルーンカテーテル利用者の介護施設での対応
介護施設でできるカテーテルの管理方法は限られています。具体的には以下のとおりです。
誤った対応をしてしまわないためにも、事前に対処法を知っておきましょう。
カテーテルの観察や管理
保健師助産師看護師法が改正されたことで、介護職が管理できるバルーンカテーテルの範囲は拡大しています。
具体的には以下のとおりです。
- バッグ内の尿を廃棄(DIB キャップの開閉)
- バッグ内の尿量及び尿の色の確認
- 専門的管理の必要がない膀胱留置カテーテル留置中患者の陰部洗浄
介護職はバルーン内の尿破棄や尿量の確認が行えます。バルーンカテーテルを留置している方の排せつケアも実施できるようになりました。
カテーテルの挿入は医療職が行う
バルーンカテーテルの挿入は医師や看護師が行います。約4週間に1回、主治医や看護師がバルーンカテーテルを交換します。
入浴介助やトイレ介助の際にカテーテルの交換が必要な場合、介護職は医療職を呼びカテーテル交換を依頼しましょう。
医療的ケアを行う際は必ず医療職に連絡や相談をしましょう。
問題が起きたら速やかに報告する
利用者のなかにはバルーンカテーテルを、抜いてしまったり引っ張ってしまったりします。また、尿路や腎臓に疾患を抱えている場合が多いので、腹部に痛みの訴えをする方もいるでしょう。
何か問題が起きたら医療職に速やかに報告してください。介護職が自己判断をして処置してはいけません。
介護職として働く私が思うに、クレームやトラブルが発生した場合は、まず利用者の安全確保が重要です。怪我の状態や意識の確認を行い、ほかのスタッフに医師や看護師を呼んできてもらいます。
可能であれば、医師や看護師が来る前にバイタル測定や血圧測定、パルスオキシメーターの測定などを行います。事故処理が終了したら、事故報告書を作成し今後の事故対策をしていくのが一連の対応です。
バルーンカテーテルに関するよくある質問

バルーンカテーテルを使用する方の介護ケアでまだわからないことが多いという方もいると思います。ここからはバルーンカテーテルの使用と介護ケアについて、よくある質問とそれに対しての回答を紹介していきます。
バルーンカテーテルを入れる理由は?
バルーンカテーテルを入れる理由は、自力で排尿できない場合に、膀胱に尿がたまり続けるのを防ぐためです。寝たきりや排尿困難が慢性的に続く場合、生活の質を維持するためにも使用されることがあります。医師が状態を判断して、必要な期間だけ使用します。
介護スタッフが尿破棄する時の注意点は?
介護スタッフが尿破棄する場合に特に注意すべき点は「感染リスク」です。実は、尿道カテーテルを挿入した段階から、感染リスクを背負っています。尿破棄する時には、ケア前後に手洗いや消毒を徹底し、ガウン・手袋・マスクなどは必ず着用するようにしましょう。
バルーンカテーテルの尿の捨て方について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみましょう。

車椅子を使用する場合バルーンカテーテルはどの位置につけたらいいの?
バルーンカテーテルの留置袋は、逆流しないように、なるべく膀胱より低い位置につけるのが理想的です。車椅子に座っている場合であれば、背もたれの後ろにS字フックをかけて留置袋をひっかけておくのが一般的です。ただし、車椅子を動かす場合や移動する時にカテーテルを巻き込まないように注意しましょう。
バルーンカテーテルから尿漏れする原因は?
バルーンカテーテルからの尿漏れで、一番多い原因が「尿路感染」です。尿路感染により、膀胱が収縮したり、膿によりカテーテルが閉塞したりすることで尿が通過できなくなり尿漏れしてしまうのです。
尿路感染の有無を確認する場合の着目点は以下です。
- 尿のにおい
- 尿量
- 混濁物や浮遊物の有無
上記の様子が、普段と違っていたら尿路感染を疑い、看護師や医師と連携して原因を突き止めましょう。尿路感染以外にも結石や出血などが原因で尿漏れが起こる場合もあります。
バルーンカテーテルの採水方法は?
バルーンカテーテルの採尿方法は以下の手順になります。
- メモリがついた尿器など排尿量がわかる入れ物を用意する
- 手袋やガウンをし、留置袋の排出口を開け、そこから尿器に尿をうつす
- 尿器に尿を排出したら漏れないようにすぐ排出口を閉める
- 尿器で排尿量を計る
- 尿量を計ったら尿をトイレに破棄する
- 一連が終わったらガウンを脱ぎ手洗いや消毒を行う
排尿量は忘れないうちにしっかり記録するようにしましょう。採尿時に大切なのは感染予防と排出口の閉め忘れを防ぐことです。
バルーンが抜けそう・抜けた時はどうする?
バルーンが抜けそうな場合や、実際に抜けてしまった場合は、無理に戻そうとせず、すぐに医療職へ報告・相談してください。自己判断で処置を行うと、尿道損傷や感染リスクが高まる恐れがあります。
カテーテルの固定位置や尿の流れの有無を確認し、異常があればすぐに対応できる体制を整えておくことが重要です。
バルーンカテーテル使用者の入浴はどうする?
入浴時は、事前に医療職へ相談し、入浴の可否や対応方法を確認しましょう。原則として、バルーンカテーテルを留置している場合は感染予防の観点から、カバーの装着や清拭での対応が推奨されることが多いです。
入浴を許可されている場合でも、カテーテル部を濡らさないように注意し、入浴後はカテーテル周囲の皮膚を清潔・乾燥させることが必要です。衛生管理を徹底することで、尿路感染などのリスクを最小限に抑えられます。
また、介護拒否がある方への対処法は、ハードルを下げていくのがおすすめです。例えばお風呂に入るのを嫌がる利用さんを入浴させたい場合、「お風呂に入りましょう」と言っても入ってくれない可能性が高いです。
しかし、「シャワーだけでも浴びてみませんか?」や「着替えだけでもお願いします」など、行動のハードルを下げるとお風呂に入ってくれる場合があります。
女性と男性で固定方法や注意点は異なる?
男女で尿道の長さや解剖学的構造が異なるため、固定方法や注意点も異なります。男性は尿道が長くカーブしているため、カテーテルが折れ曲がらないように太ももや腹部側にゆるく固定するのが一般的です。
女性は尿道が短く、膀胱への挿入距離が短いため、過挿入や固定位置のズレに注意が必要です。いずれも、固定テープで皮膚を傷つけないように配慮し、尿バッグの位置も体より低い位置に保つことが大切です。
バルーンカテーテル使用者が安心して過ごせる介護ケアを目指そう
バルーンカテーテルは、排泄障害の方には有効な医療用管ですが、同時に感染リスクも伴うものです。そのため、感染を防ぐ対策をしっかり行うことが大切です。
バルーンカテーテルのメリットを最大限に活かし、より快適な生活に繋がるケアを心がけましょう。
カイテクは、「近所で気軽に働ける!」介護単発バイトアプリです。
- 「約5分」で給与GET!
- 面接・履歴書等の面倒な手続き不要!
- 働きながらポイントがザクザク溜まる!
27万人以上の介護福祉士など介護の有資格者が登録しております!