なぜ訪問看護は休めない？休めない現状と対策を考える

「訪問看護は休めない」このような話を耳にしたことがある方もいることでしょう。

なぜ、訪問看護は休めないと言われることが多いのでしょうか？

今回は、訪問看護が休めないと言われる主な理由や、休みづらさを解消する方法、そして働きやすい職場選びのポイントについてご紹介します。

多くの訪問看護ステーションは、土日祝日を非営業日としており、夜勤もないため看護師の転職先としても人気が高いです。しかし、なかには急な休暇を取ることが難しいというケースも多いようです。

「訪問看護は休めない」と言われる理由

訪問看護という仕事上、急な用事で休暇を取ることは難しい場合があります。

こちらでは、訪問看護は休めないと言われる主な理由についてご紹介します。

看護師の人手不足

訪問看護は休めないと言われる一つ目の理由は、現場の看護師の人手不足です。

在宅医療の需要は増加傾向にあり、今後の訪問看護需要も増加していくことが考えられます。しかし、訪問看護師の人員不足が問題視されています。

事業所のなかには、中小規模で最小限の人員で運営しているケースも多くみられます。人手不足である職場は、一人が欠勤すると他の職員の負担が大きくなってしまいます。そのため、なかなか自分の希望通りの休みが取れないと感じることもあるようです。

受け持ち制で代わりが利かない

二つ目の理由は、変わりが利かないということです。訪問看護ステーションでは、主にチーム制と受け持ち制で運営しています。

• チーム制：一人の利用者さんに対して複数名の看護師が訪問する形式です。
• 受け持ち制：一人の利用者さんに対して一人の看護師が担当して訪問します。

一人の利用者さんに対して一人の看護師が担当する受け持ち制は、ケアや対応が属人的になりやすく、急な休みを取りづらいというデメリットが挙げられます。

利用者さんに迷惑をかけてしまうということも負担となり、休みが取りづらいと感じるのでしょう。一方、チーム制は他の看護師がカバーしやすい形式ではありますが、その分人員確保が難しいというデメリットもあります。

どちらの形式もメリット・デメリットがあると言えます。

急な欠勤によるスケジュール調整が難しい

三つ目の理由は、スケジュール調整が難しいということです。

訪問看護のスケジュールは、事前に決まっています。利用者さんにもアナウンスされているので、訪問する看護師の変更があった場合は了承を得る必要があります。

他の看護師が対応しても良いか、あるいは日時を変更してもらうというようにスケジュール調整をしなければなりません。介護保険の利用者さんの場合は、ケアマネージャーにも連絡が必要です。

関わっている全ての人に連絡や了承を得る必要があるため、急な休みは取りづらいと感じる方もいるでしょう。

訪問看護の休みづらさを解消する方法

現場の人手不足やスケジュール調整が難しいことなどから、休みを取ることが難しい訪問看護ステーションがあります。しかし、希望通りの休日が取れないとなると、モチベーション低下に繋がってしまうことも考えられます。

こちらでは、訪問看護の休みづらさを解消するための方法についてご紹介します。

休みやすい制度や環境のある訪問看護ステーションを選ぶ

休日を確保しやすい職場環境を選択することは重要なことです。

チーム制や受け持ち制、どのような形式を採用しているかによって休みづらさが変わってきます。また、余裕を持った人員確保ができている事業所であるかも大切です。

これから訪問看護への転職を考えている方は、求人票や見学などで事前にチェックしておくと良いでしょう。

現在、訪問看護ステーションで勤務している方は、職場環境を見つめ直し、希望に沿わないと判断した場合は他の事業所へ移るという選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

日頃から申し送りや情報共有を徹底しておく

休みづらさを解消するために、日頃から他の職員との連携を徹底しておくことも重要です。

チーム制・受け持ち制、どの形式であっても、利用者さんの申し送りや情報共有を怠らないようにしましょう。他の職員が利用者さんのことを把握できていれば、万が一、急な欠勤が出たとしてもフォローすることが可能となります。

診断名や既往歴、主治医、ケア内容など事前に明記しておくことで、休む側も代わりに対応する側も双方が安心できます。

管理者のスケジュール管理も重要

訪問看護師が休みやすくするためには、管理者のスケジュール管理が鍵となります。いざというときに、利用者さんに迷惑をかけずに、職員同士がフォローし合える体制を整えることが大事です。

一人の看護師が抱える業務が多すぎると、負担が大きくなってしまいます。

業務量のバランスを整え、余裕のある人員確保ができるようなシステムを整えることが望ましいです。

利用者さんへの説明も忘れずに

事業所内での情報共有やスケジュール管理も重要ですが、利用者さんへの配慮も忘れてはいけません。万が一、対応する看護師や訪問日時の変更が発生した場合は、その旨を丁寧に説明します。

労働環境は重要なことですが、自分たちの都合で利用者さんに迷惑をかけてしまうことは良くありません。

どうしても急に休む必要がある場合は、できるだけ早めに利用者さんに伝え、後日改めて挨拶をし、誠意のある対応を心がけましょう。

働きやすい訪問看護ステーションを探すチェックポイント

勤務日数や休日を含め、自分にとって働きやすいと感じる職場を探すには、いくつかポイントを抑えて求人票をチェックしてみましょう。

こちらでは、働きやすい訪問看護ステーションを探すチェックポイントについてご紹介します。

訪問看護への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

年間休日の日数や勤務時間

求人票の年間休日の日数、あるいは勤務時間はチェックしておくべき項目です。自分の希望と合う職場であるかを判断しやすくなります。

常勤や非常勤と様々な勤務形態があります！

週にどのぐらい働き、どの程度休日を確保したいのか、自分の希望と照らし合わせてみましょう。

1日の訪問件数

訪問看護師が1日に訪問する件数は、事業所によって異なります。件数が多い場合は、もちろん負担が大きく、忙しいです。平均としては、1日に4～6件を対応します。

人員確保が充分でない事業所は、一人が担当する件数も多くなるでしょう。その分、休みづらい職場であると考えらえますので、平均件数を目安に求人をチェックしてみてください。

オンコール対応の有無

訪問看護ステーションには、24時間体制で対応している事業所もあります。

オンコール対応がある場合、夜間や休日に緊急対応を要請されます。労働条件としてオンコール対応の有無は大きなポイントです。オンコール対応をすることによって、手当が支給されたり、経験値が向上するといったメリットもあります。

応募を検討している事業所が、オンコール対応があるかどうかを確認しておきましょう。

利用者さんのニーズ

事業所が担当する利用者さんのニーズについて、ある程度把握しておくこともおすすめします。

難病を患っている方、ターミナルのがん患者、小児というように、訪問看護ステーションによって利用者さんのニーズに一定の傾向や特徴がみられます。

対応する利用者さんの疾病などによって、労働環境や求められるスキルなどが異なるため、事前に事業所の特徴を調べておくと良いでしょう。

ワークライフバランスが取れる事業所選びが重要

訪問看護ステーションの人員不足や制度などによって、急な休暇が取りづらいと感じる職場もあります。勤務日数や休日日数など、自分の希望に応じた職場を選ぶことが大事です。

ワークライフバランスが取れる職場を探すためにも、「カイテク」を利用してみましょう。