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失敗しやすい?訪問看護ステーションの立ち上げ・運営に必要なこと

高齢化社会が進む中、訪問看護の需要は増加傾向にあります。そのため、訪問看護ステーションの運営を検討している方もいるでしょう。しかし、訪問看護ステーションの運営に失敗し、休止や廃業を余儀なくされる事業者が多いのも現実です。長く愛される看護事業を行うためにも、失敗理由を知っておく必要があります。

今回では、訪問看護ステーションの運営が失敗する理由を紹介します。

安定して経営する方法も紹介するので、訪問看護の運営を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次

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訪問看護ステーションの立ち上げ失敗につながる6つの理由

訪問看護ステーションの立ち上げ失敗につながる6つの理由を紹介します。

  • 人手不足が深刻化した
  • 財務の問題を抱えていた
  • 規制や政策の理解が足りなかった
  • 競争が激化した
  • サービスの質が低下した
  • 経営能力が不足していた

それぞれ解説します。

人手不足が深刻化した

訪問看護の立ち上げに失敗する理由には、看護師の人材不足が挙げられます。

訪問看護ステーションを運営するには、厚生労働省の運営基準である「看護職員を常勤で2.5名以上」の人員基準をクリアしなければいけません。つまり、人材が集まらない限り、訪問看護ステーションを開業・運営できません。人材を集めるだけでなく、訪問看護に適した人材を見つける苦労もあります。

訪問看護に必要なスキル・経験を持ち、人間性を重視するとなると、人材確保に時間がかかり、運営が厳しくなる事業所が存在します。

財務の問題を抱えていた

訪問介護ステーションの財務が苦しくなり、持続的な運営ができずに撤退する場合があります。訪問看護の運営には、人件費や施設の維持費、機材購入費などのコストがかかります。そのため、訪問看護ステーションは早い段階で利用者を獲得しなくてはいけません。

営業がうまくいかず、収益が費用を上回らないと立ち上げに失敗します。

規制や政策の理解が足りなかった

介護保険や医療制度の変更、規制の理解が乏しいと運営に影響します。訪問看護ステーションを立ち上げるには、介護保険法の運営基準や厚生労働省の人員基準を満たさなくてはいけません。

厚生労働省が提示している訪問看護の運営基準の一覧は以下のとおりです。
参照:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省

他にも人員基準や運営基準があり、要件を満たさないと訪問看護ステーションの運営は不可能です。

国が指定する基準を満たしていないと行政指導や処分を受け最悪の場合、撤退しなくてはいけません。

競争が激化した

高齢化が進む中で、訪問看護ステーションを運営する事業者は増加しています。そのため、今後は同じ地域で利用者を獲得する競争が激しくなると考えられます。

独自のサービスを展開できなかったり、営業に失敗したりすると、持続的な運営が困難になります。市場調査やニーズを理解した経営が求められます。

サービスの質が低下した

サービスの質が低いと、利用者からの信頼を失い、稼働率が低下します。

問看護ステーションの事業所は、職員の教育や育成を継続的に行う必要があります。

また、専門的な知識を持った看護師が所属しているのも、訪問看護の運営には重要です。職員のリクルーティングにも力を注がなくてはいけません。社内教育や育成を怠り、サービスの質が下がると、医療機関や介護事業所からの紹介が得られなくなります。利用者を獲得するのが困難となり、立ち上げに失敗します。

経営能力が不足していた

経営者の知識や経験不足も、訪問看護ステーションの立ち上げに失敗する理由です。訪問看護師や医療職を経験した後に、訪問看護ステーションの経営を始める方が多いですが、医療に関するスペシャリストであっても、経営に関する知識や経験が十分でないことがあります。資金調達や人員確保などの事業計画を甘く見積もる方も少なくありません。

訪問看護を運営するなら、経営の知識を身につけておく必要があります。

訪問看護ステーションを続けるのは難しい?

訪問看護の運営は難しいのでしょうか。

ここでは、厚生労働省のデータを用いて訪問看護ステーションの廃業率や需要をみていきましょう。

廃業率は他産業とあまり変わらない

訪問介護ステーションと他の産業との廃業率は大きく変わらないと言えます。

厚生労働省のデータによれば、令和3年に廃業した訪問看護ステーションの数は490ヶ所でした。現在、全国には13,003ヶ所の訪問看護ステーションがあり、廃業率は約3.8%となっています。

内閣官房のスタートアップに関する基礎資料集データによれば、スタートアップ企業の廃業率は3.3%です。したがって、訪問介護ステーションと他の産業の廃業率はほぼ同じといえます。

綿密な事業計画を立てていれば、訪問看護ステーションを持続的に運営することは可能です。

看護訪問ステーションの需要は高まっている

訪問看護ステーションの数は平成14年から令和4年まで増加しています。医療保険の訪問看護を行う事業所は平成14年には4,550件でしたが、令和4年には13,866件に増加しています。介護保険の訪問看護を行う事業所も平成14年には4,930件でしたが、令和4年には32,498件にまで増加しています。利用者数も増加傾向で、平成14年には236万人、令和4年には587万人まで増加しています。

データを見る限り、訪問看護ステーションの需要は高いといえるでしょう。

看護訪問ステーションを安定して経営するには

訪問看護ステーションを安定して経営するには、以下の方法を実践しましょう。

  • 働きやすい職場環境を提供する
  • 専門家のアドバイスを受ける
  • 地域の介護事業所や医療機関と関係性を築く
  • 独自サービスを提供する
  • 職員の育成や教育に力をいれる
  • 実行可能な計画やリーダーシップを高める

それぞれ解説します。

働きやすい職場環境を提供する

訪問看護師が長く働きたいと思う環境づくりを心がけましょう。訪問看護ステーションの運営においては、訪問看護師の人材確保が重要です。時短勤務や直行直帰できる制度などを導入し、ワークライフバランスが取りやすい環境を整えていきましょう。職員同士がコミュニケーションを取りやすいように工夫することも大切です。

定期的な面談を設け、職員の不安や不満を解消し、働きやすい環境を提供することをおすすめします。

専門家のアドバイスを受ける

訪問看護ステーションを開業する際は、人員基準や運営基準、設備基準の規制をクリアする必要があります。開業前には、訪問看護の事業に詳しい専門家のアドバイスを受けることが重要です。

訪問看護に特化した会計士や社労士、行政書士などに相談し、医療・介護分野の法的手続きについてのアドバイスを受けましょう。財務面や経営戦略についてもアドバイスを受け、開業直後から運営費の抑え方や診療報酬の最適化を実践できます。

看護・介護経営のコンサルタントに相談して競合調査や採用マーケットなどの市場調査も行うことが一つの手段です。採用広告の作成や入社オリエンテーションの指導など、立ち上げに必要な支援を受けられます。

専門家のアドバイスを受けることで、訪問看護の開業を成功に導けるでしょう。

地域の介護事業所や医療機関と関係性を築く

訪問看護ステーションを長期的に運営するためには、地域の介護事業所や医療機関との関係性を築く必要があります。利用者の紹介は、ケアマネージャーからのものが多いです。

地域の介護事業所や医療機関を訪れ、ケアマネージャーと交流し、訪問看護ステーションを知ってもらいましょう。立ち上げ当初は特に地域との関係性が重要です。

独自サービスを提供する

訪問看護ステーションの運営は、競合他社が増えている現状があります。そのためには市場調査を行い、他の看護ステーションで行われていない取り組みを実施しましょう。保険外のサービスであれば、24時間の見守りや看取りケア、外出・旅行など、オリジナルのサービスを提供できます。

独自のサービス提供により、競合との差別化が可能です。

職員の育成や教育に力をいれる

訪問看護には法定研修がいくつも用意されています。一部を紹介します。

【訪問看護の法定研修】

・看護師等の資質向上のための研修
・ハラスメント等防止研修
・感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止に関する研修

近年ではeラーニングを取り入れた研修も実施されています。eラーニングは、パソコンやスマートフォンを活用してオンラインで学習する方法です。スピリチュアルケアや栄養ケア、浮腫のケアなどの研修が、職場や自宅にいながら受けられます。

教育プログラムや研修計画は、スキルや経験の高い職員を育成するためには必要です。

実行可能な計画やリーダーシップを高める

経営力を磨くことは、看護事業を進める上で大切です。たとえば看護経営コンサルタントに相談し、事業計画を綿密に立てることがおすすめです。立ち上げ当初から十分な資金管理と実現可能な計画を策定できます。また、管理職に必要なリーダーシップ資質やチーム管理の能力も身につけておく必要があります。

コンサルティングを受けたり研修に参加したりして、不足しているスキルを補完しましょう。

多角的な視点から訪問看護ステーションの運営を考えよう

訪問看護ステーションは廃業率が低いものの、新規加入者も増加しています。事業所を立ち上げても、人材確保や顧客確保が困難な状況です。そのため、訪問看護ステーションを開設する際には、経営に関する知識や専門家からのアドバイスを受けることが重要です。

長期間にわたり運営を継続するためには、医療に関する知識だけでなく、経営に関する知識も身につけることが必要です。利用者はもちろん、働く訪問看護師が魅力的に感じる職場づくりを心がけ、長期間愛されるステーションを検討してみましょう。

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