「特養の仕事が覚えられない」の克服法:効果的な学習戦略とアドバイス

大規模な特別養護老人ホームは利用者数が多い傾向にあり、仕事や各利用者の情報を覚えるのに苦労することがあります。特に、入ったばかりの新人は、わからないことだらけです。そんな時は、仕事が覚えられない自分に不安を抱いてしまうものですよね。

今回では、新人スタッフが仕事を覚えにくい理由や効率良く覚える方法を解説していきます。

特養で仕事を覚えられなくて辛いと思っている方は、特に参考にしてみてくださいね。

目次

特養新人スタッフが苦労する覚えづらい項目

特別養護老人ホームで働き始めた新人が最初に苦労するのは仕事を覚えることです。

特に以下のような項目は覚えづらく苦戦する傾向にあります。

  • 利用者一人ひとりの名前・顔・部屋
  • 各利用者に合わせた介助方法
  • 利用者のタイムスケジュール
  • 業務の流れ

これから新人スタッフが苦労する項目について詳しく解説していきます。

一人ひとりの名前・顔・部屋

介護の仕事を覚えるためには、まず名前と顔、それぞれの部屋の位置を覚えることが第一です。しかし、従来型の特養であれば、ワンフロアに利用者が20名以上いることも多く、一人ひとりの名前と顔を一致させるのに時間がかかります。

利用者の名前・顔が何日経ってもなかなか覚えられず、苦戦する新人も少なくないです。

各利用者に合わせた介助方法

利用者一人ひとり、介助方法が違います。

具体的な介助方法の違いは以下の通りです。

  • 食事介助:嚥下状態に合わせた介助・食事を口に運ぶペース・配膳のタイミング
  • 排せつ介助:オムツ着用かトイレ誘導か・排尿や排便の頻度
  • 入浴介助:着脱や洗身が一部介助か全介助か

簡単にまとめると上記のような表現になりますが、実際にはもっと細かい個々の介助の違いがあります。また、状態が変われば介助方法も変わるため、同じ利用者でも昨日とやり方が違うというのはよくあることです。

膨大な量の介助パターンを頭と体で覚える必要があるため、それが大変だと心の中で根を上げてしまう人も少なくありません。

利用者のタイムスケジュール

利用者それぞれタイムスケジュールが微妙に異なります。

  • 薬を飲む時間
  • 尿意・便意がない場合にトイレ誘導する時間
  • 寝る時間

など、だいたいの流れは決まっていてもそれぞれ体調や疾患の違いなどから、タイムスケジュールが微妙にズレているのです。

フロア内のだいたいの業務の流れは覚えられても、一人ひとりに対応するためのタイムスケジュールは覚えづらく、それを負担に感じてしまう新人もいます。

業務の流れ

1日の業務の流れを覚えるのも大変です。特に、特養は24時間体制の交代勤務であるため、早番・日勤・遅番・夜勤など、複数の勤務パターンが存在します。

全ての業務を覚える必要があり、覚えきるのに時間がかかってしまうこともあります。

新人が仕事を覚えにくい理由

特養で新人が仕事を覚えにくいのには理由があります。

ここからはその理由を具体的に紹介していきます。

利用者が多いから

特養は大規模な施設が大半で、施設内の利用者の人数が多い傾向にあります。

特に従来型の施設であると、フロアに10~20名以上の利用者がいるため、一人ひとりの特徴を覚えるのに時間がかかってしまいます。また、入浴時に他フロアの利用者の介助を行う必要があることも多く、その場合には自分が配属されたフロアの利用者だけでなく、他のフロアの利用者のことも覚える必要があります。

先輩が忙しそうで聞きにくいから

「わからないことがあればすぐ聞いてね」と言ってくれていても、実際には「先輩が忙しそうで聞きにくい」というのはよくあることです。

どのタイミングで聞いていいのかがわからず、結局声をかけられないまま、不安な状態で仕事をする羽目になってしまうこともあります。

先輩との関係もまだできていない状態で質問しなければならないため、それを苦痛に感じてしまう人も少なくないです。

イレギュラーな場面がたくさんあり混乱するから

介護の仕事はイレギュラーなことが常に起こります。

  • 利用者の体調が急変した
  • 利用者が入退院して状況が変わった
  • 利用者同士の喧嘩が勃発した

など、人相手の仕事であるため、常に不測の事態の連続です。

慣れないうちにイレギュラーなことばかり起こると、ただでさえ緊張し委縮している状態でいるのに、更にペースが崩され、パニック状態になってしまうこともあります。

イレギュラーな場面を克服するには、応用力が必要になるため、まだ基礎が整っていない新人は、それを負担に感じてしまいがちなのです。

効率良く仕事を覚える手順

特養で効率良く仕事を覚えるための方法はあります。

特に効率良く仕事が覚えられる手順を以下にまとめましたので、これから解説していきたいと思います。

1.まずは利用者の名前や特徴・業務内容を覚えるためにメモする

介護の仕事を覚える上で、最初にすべきは利用者を知ることです。

利用者を理解する上で、特に意識して覚えるべき特徴は以下になります。

  • 名前
  • 部屋
  • 性格
  • 疾患
  • 麻痺やケガなどの有無
  • 排せつや入浴方法

すぐに全ての情報を覚えることができなくても、名前と顔が一致するようにはしておきましょう。

先輩職員からタイムスケジュール表を貰えることもありますが、なるべく自分の言葉で業務の流れをメモして覚えるようにすると、より早く流れを頭に叩き込むことができます。

2.タイミングを見計らって先輩職員に質問する

メモしたり、自分で考えたりしてわからなかった部分は、先輩職員に質問するようにしましょう。ここでのポイントは、緊急の場合を除き、タイミングをしっかりと見極めることです。

先輩職員にもさまざまな考えの人がいて、全ての人が質問に丁寧に答えてくれるわけではありません。できることなら、質問しやすい先輩を見つけて聞いていくのがベスト!

先輩職員の時間を頂いているという意識を持ち、敬意ある対応をすると、好感を持ってもらえ、より質問しやすい空気を作ることができます。

3.聞いたことやメモを家でノートにまとめ復習する

聞いたことやメモしたことを家でノートにまとめると、より覚えが早くなります。人間は前日あったことでも、すぐに忘れてしまうものです 

記憶により深く刻むために、復習は大切!

せっかくメモや質問をしたなら、それを最大限に活かす努力をしましょう。

4.復習で再度出てきたわからない部分を確認する

前日復習してわからなかった部分は、翌日先輩職員にまた質問してみましょう。

復習した時点でわからない部分が明確化しているため、質問に先輩職員も答えやすく、更に疑問点を解決することで自分の知識として足りない部分をより正確に補うことができます。

「昨日家で復習してわからない部分があったので、お時間ある時に質問したいのですがよろしいでしょうか?」などと声掛けすれば、

  • 家で復習して努力している
  • わからない部分を解決しようとしている
  • 先輩職員の都合に配慮している

ということがさりげなくアピールでき、好感を持ってもらえるチャンスにもなります。

5.メモで確認しながら積極的に介助などを実践していく

ノートやメモでまとめたことがだいたい理解できたら、実際に介護ケアに活かしていきましょう。最初は怖いかもしれませんが、慣れるためにも積極的に利用者の介助に入っていくことが大切です。

実践してみた上で、疑問に思ったことがあれば、それを覚えておくようにしましょう。

6.不安があれば自分のやり方を先輩職員に確認してもらう

新人のうちは、一人で介助に入ることに不安を覚えるものです。不安であれば、先輩職員に相談してみるのも一つの手。相談すれば、介助する姿を確認してくれるかもしれません。

確認に入ってくれた先輩職員には、必ずお礼を伝えるようにしましょう。

段階を踏みながら自分のペースで特養の仕事を覚えよう!

特養の仕事は、とにかく覚えるのが大変です。新人がそれを不安に感じることは、ごく自然なことであり、「自分だけ覚えが悪い」なんて落ち込む必要はありません。

ただ、覚えるための努力は必要です。その努力が見えれば、先輩職員が味方してくれる可能性は高まります。

大変な面ばかりに悲観せず、自分の目指す介護ケアにビジョンを持って、前向きに仕事に取り組んでいきましょう。

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