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【例文あり】看護問題一覧・リストとは?看護計画書への書き方・ポイントを解説!
- 看護計画を書くのが苦手
- 患者さんの状態に沿った看護計画を書く方法がわからない
- 看護問題の理論って何?
看護問題や看護計画立案についてこのような苦手意識があることでうまく書けない経験をした人はいませんか?
看護師の仕事をする上で、病院でも在宅においてどの分野でも看護計画は必須です。看護問題が明確になっていないと、患者さんに必要な看護を実践することはできません。
これまで看護問題や看護計画立案が苦手だった看護師、また看護学生さんは是非ともこの記事を参考にしてみてくだい。
また、看護職としてキャリアアップを目指したり、学んだ知識を活かしたい方は、「カイテク」で実務経験を積むのがおすすめです。履歴書・面接不要で働ける単発バイトが豊富にあり、無料で使えるので、ぜひ以下からお試しください。
看護問題の基本

看護問題の基本について理解することは、看護職にとって不可欠です。
まず、患者の急変時の対応や医療ミスのリスク管理など、日常業務における問題を正しく把握することが大切です。そして、これらの問題に対処するためには、信頼できる情報源から学び、適切な対策を考える必要があります。
また、職場環境に起因する問題にも注目することが欠かせません。看護師同士のコミュニケーション不足や業務負担の過剰さなど、職場環境に関する問題も看護問題の一環です。
これらを改善するためには、チーム全体で協力し、問題を共有・解決することが不可欠です。
看護問題の基本を把握し、それに対する適切な対策を講じることで、質の高い看護ケアを提供することが可能になります。
看護問題とは
日常の業務の中で直面する問題だけでなく、職場環境に起因する問題も含まれます。看護師が直面する問題には、患者の健康状態の急変に対する適切な対応や、医療ミスのリスク管理、コミュニケーション不足によるミスなどがあります。
このような問題は、患者の安全やケアの質に影響を及ぼすことがあります。看護問題の理解とそれに対する適切な対策を考え、実行することは、看護職として重要なスキルの1つです。
問題解決能力やチームでの連携が問われるため、日々の実務経験を通じてこれらのスキルを磨くことが求められます。
看護問題の重要性
看護問題の重要性は何よりも患者の安全やケアの質に関わります!
日常業務で直面する問題を正しく把握し、適切に対処することが看護の専門性として求められます。また、職場環境における問題も看護の質や効率に大きな影響を及ぼします。
チーム全体での協力や適切な対策を講じることで、看護問題の解決に向けた取り組みが重要です。
看護問題一覧・リストとは
看護師が日々の業務で直面する問題は多岐にわたります。その一つが、患者の急変時の適切な対応です。急変時に冷静に対応するためには、臨機応変な判断力や迅速なアクションが求められます。
また、医療ミスのリスク管理も看護の重要な課題です。誤薬のリスクや感染対策など、患者の安全を守るためには細心の注意が必要です。
一方で、看護師同士のコミュニケーション不足や職場環境のストレスも看護問題の一つです。業務負担の過剰さや情報共有の不足は、チーム全体のパフォーマンスにも影響を及ぼします。さらに、教育や研修制度の整備、人材不足なども看護問題のリストに挙げられます。
問題について理解し、対策を講じることが、質の高い看護ケアを提供するためには重要です。
一般的な看護問題
一般的な看護問題には、日常業務の中で頻繁に遭遇する課題が含まれます。
例えば、医療過誤や看護ミスによる患者への影響は大きな問題です。薬剤の誤投与や手術前のミスなど、臨床業務におけるヒューマンエラーは看護師にとって深刻な懸念事項です。
また、過労や人員不足による職場環境の悪化も一般的な看護問題の一つです。長時間労働や業務量の増加は、看護師のストレスや疲労を招き、看護の質にも影響を及ぼします。
職場内でのコミュニケーション不足も問題とされています。情報共有の不備や連携の不足は、チーム全体の効率性に影響を及ぼします。一般的な看護問題に対処するためには、教育・研修の充実や職場環境の改善が不可欠です。
連携を重視したチーム医療の推進や、エビデンスに基づいた適切なケアの実践が重要です。
看護診断の流れと注意点
このプロセスは患者の状態を総合的に把握し、個々の患者に適したケアプランを策定するために重要です。
まず、看護師は患者の健康状態やリスク要因、日常生活における機能などを詳細に評価します。次に、その評価結果をもとに、患者の問題や必要なケアを特定します。
そして、それらの問題に対処するために、看護ケアの方針と目標を設定します。
看護診断の際にはいくつかの注意点があります!
まず、患者の状態を客観的に評価し、感情や個人的な意見に左右されないようにすることが重要です。また、複数の看護師が関わる場合には、情報の共有を行い、チーム全体で一貫したケアを提供できるように配慮する必要があります。
看護診断の過程で患者やその家族とのコミュニケーションを大切にし、彼らのニーズや希望に応えることも大切です。
【分野別】看護問題の一覧
看護問題は、患者の状態や医療環境に応じて多岐にわたります。ここでは、各分野で発生しやすい看護問題を整理し、対応策についても詳しく解説します。
高齢者の看護問題
高齢者は加齢による身体機能の低下や慢性疾患の影響を受けやすいため、以下のような問題が発生します。
- 転倒・骨折のリスク
- 嚥下障害・誤嚥リスク
- 認知症・記憶障害
- 排泄障害
高齢者の転倒を防ぐためには、環境整備が重要です。手すりの設置や、滑りにくい床材を使用することで、転倒事故のリスクを軽減できます。
また、誤嚥を予防するためには、とろみをつけた食事や適切な嚥下訓練が効果的です。認知症の患者に対しては、見守り体制の強化や、家族と連携したケアが求められます。
排泄障害については、水分摂取の管理や骨盤底筋トレーニングを指導することで、QOLの向上につながります。
小児の看護問題
小児看護では、成長・発達に伴う健康管理や親子支援が求められます。
- 感染症の管理
- 成長・発達の遅れ
- 食事や栄養管理
- 親のストレスケア
感染症予防のためには、手洗い・うがいの徹底、適切なワクチン接種が重要です。成長・発達に問題が見られる場合は、早期介入が効果的であり、必要に応じて専門機関と連携して支援を行います。
食物アレルギーを持つ小児には、食事内容を工夫し、適切な栄養摂取ができるよう支援することが大切です。また、長期入院する小児の家族には、カウンセリングや情報提供を行い、精神的な負担を軽減するサポートをします。
精神科の看護問題
精神科では、患者の心理的・社会的要因を考慮しながらケアを行う必要があります。
- 自傷・他害のリスク
- 服薬管理の徹底
- 対人関係の問題
- ストレスケア
自傷・他害のリスクを軽減するためには、安全管理を徹底し、定期的なモニタリングを実施することが不可欠です。また、服薬管理については、患者に薬の必要性を理解してもらうと同時に、家族と協力して服薬のチェックを行うことが有効です。
ストレスマネジメントには、認知行動療法やグループセラピーを活用し、患者が自身の感情をコントロールできるよう支援することが求められます。
栄養に関する看護問題
栄養不足や過剰摂取が、患者の健康状態に大きく影響を与えます。
- 低栄養のリスク
- 肥満と生活習慣病
- 摂食障害
栄養管理の基本は、適切な食事計画を立てることです。食欲が低下している患者には、少量でも高カロリーの食品を摂取できるようにする工夫が求められます。
嚥下障害のある患者には、とろみをつけた食事や誤嚥防止のための姿勢調整を行うことが有効です。栄養補助食品の活用も、エネルギー摂取を補う手段として検討すべきです。
外科・術後管理に関する看護問題
外科手術を受けた患者は、術後の回復過程で特有の看護問題を抱えることが多く、適切なケアが求められます。
- 術後疼痛管理
- 創傷治癒の遅延
- 感染リスクの増加
- 血栓塞栓症のリスク
術後の創傷ケアでは、感染予防が最優先となります。清潔なドレッシングの交換や、感染兆候の早期発見が重要です。疼痛管理については、鎮痛薬の適切な投与と、患者の痛みレベルの定期的な評価を行います。
また、離床を促進することで、血栓予防や筋力低下の防止につながります。患者の状態に応じたリハビリ計画を立て、無理のない範囲で運動を進めることが求められます。
在宅看護の看護問題
在宅での療養生活を送る患者には、入院中とは異なる看護問題が発生するため、医療者と家族の連携が欠かせません。
- 家族の介護負担の増大
- 医療機器の管理が困難
- 服薬管理の問題
在宅看護では、訪問看護や訪問介護の活用が欠かせません。家族への介護指導を行い、適切なケアができるようサポートすることが必要です。
また、家族の負担を軽減するために、レスパイトケア(介護者の休息支援)を提供することも効果的です。急変時の対応については、緊急連絡先を明確にし、必要な手順を家族と共有しておくことが重要です。
看護計画書の項目
看護計画書には以下の項目が用意されています。
- 看護問題
- 患者目標
- 看護計画
- 評価
ここでは便秘に悩んでいる患者さんを例に取り、項目を書く際のポイントを紹介します。
看護問題
看護問題(看護診断)は、患者さんが抱える問題を明確にし、看護計画書に記載します。看護問題の書き方は、使用する枠組みや実習先によって異なります。例として、便秘の場合の看護問題の記載方法を以下に示します。
#▲便秘
#▲排便がない状態が3日以上続いている
看護問題は簡潔に表現することもありますし、看護師の言葉で記述されることもあります。複数の問題がある場合は、ナンバリングを使用して列挙していきます。
患者目標
看護問題に対して、患者さんがどのような状態になるべきかを考えるのが患者目標の役割です。目標の内容は、看護的な判断や患者さんの発言を踏まえて具体的に定めましょう。具体例は以下のとおりです。
- 短期目標:3日に1回排便を確認できるように、記録をつける
- 長期目標:散歩やラジオ体操などの運動を通じて排便を促す
短期目標と長期目標を設定することで、患者さんはモチベーションを維持しやすくなります。
看護計画
看護計画は、患者目標を達成するために看護師が具体的な介入策を考えるものです。観察計画(O-P)、援助計画(C-P)、教育計画(E-P)を使用して構築します。これら3つの計画の特徴については後述します。
評価
評価は、実施された看護ケアがどれだけ成果を上げたかを検証する過程です。得られた結果に基づき、今後の看護ケアの方針を具体的に決定します。以下に具体例を示します。
- 排便が1週間近く滞り、下剤を使用した期間もあった
- 様子を見ながら、適時に下剤を使用する
- 1日の水分量が500mlだったため、今後は1日1000ml以上を摂取する
- 運動量は増加傾向にあり、患者本人も散歩を楽しんでいたため、今後も継続する
評価では現状を把握し、今後の方針を具体的に検討していきます。
看護問題一覧・リストの書き方
看護問題一覧・リストの書き方は以下のとおりです。
- NANDA-Ⅰ看護診断を活用する
- 主観と客観の情報から現状を分析する
- 優先順位を考える
- 細分化する
NANDA-Ⅰ看護診断を活用する
看護問題(看護診断)を考える際には、NANDA-I看護診断を使用します。NANDA-I看護診断は、3つの診断タイプに分類できるアセスメントの枠組みです。
実在型看護診断
実在型看護診断は、患者さんがすでに抱えている症状や兆候です。症状・兆候と関連因子の2つの指標で考えていきます。具体的な例文は以下のとおりです。
【実在型看護診断を活用した便秘の患者さんの診断指標】
症状・兆候
水分量の低下
関連因子
脱水、便秘など
実在型看護診断には、問題を引き起こしている症状と原因となっている関連因子を記載します。
リスク型看護診断
リスク型看護診断は危険因子のことです。患者さんの健康状態や家族との関係性などによって、今後起こるリスクを記載します。危険因子に含まれるのは、今見えている症状や徴候です。
便秘が続くと起こりうるリスクを考えていきます。
ヘルスプロモーション型看護診断
ヘルスプロモーション型看護診断は、今の状態から回復していくことでより良い状態につながることを表す診断方法です。症状・徴候で認められている診断名や病名から考えていきます。
看護診断は、患者さんの現在の問題点を考えることが多いです。しかしヘルスプロモーション型の看護診断は、完治や寛解したときについて記載するのが特徴です。
主観と客観の情報から現状を分析する
看護問題(看護診断)は以下の観点から考えていきます。
- 主観的情報
- 客観的情報
主観的情報
主観的情報とは、患者さんの自覚症状や訴えなどを指します。また、家族からの訴えも主観的情報に含まれます。
主観的情報は患者さんの直接的な症状であり、状況把握のために非常に重要な要素です。看護計画書の作成において活用しましょう。
客観的情報
客観的情報とは医療従事者が判断した内容を指します。数値や視覚化などの定量的に判断できる特徴があります。
具体的にはバイタルサインや診療内容、検査結果がその指標となります。医学的に正確な情報をもとに、正確な看護計画書を作成しましょう。
優先順位を考える
看護問題(看護診断)の優先順位を考える際のポイントは以下のとおりです。
- 生命に関わること
- 解決しなければ多くの問題が発生すること
- 波及して多くのことが解決すること
命にかかわる看護問題(看護診断)を最優先にしましょう。看護問題は既往歴や身体的機能、薬剤の使用状況から判断していきます。
細分化する
看護問題(看護診断)は以下のように細分化して判断します。
疾患に伴う苦痛 / 投薬や治療に伴う苦痛 / 合併症に伴う苦痛 / 体動制限に伴う苦痛 / 精神的不安に伴う苦痛
患者さんの身体だけでなく、投薬や治療による痛みも含まれます。さまざまな視点から患者さんの痛みを分類し、看護問題を適切に作成しましょう。
看護問題の優先順位の決め方と実例
看護問題には優先順位を付けることが重要です。すべての問題に同時に対応することは難しいため、患者の生命や健康への影響が大きいものから順に対応する必要があります。
看護問題の優先順位を決める基準
優先順位を決める具体的な基準は以下です。
- 生命の危険度が高いか
- 早期対応が求められるか
- 患者の生活の質に影響するか
特に、呼吸困難や意識障害など、命に直結する問題を最優先にしましょう。急性疾患や術後管理など、早期介入が必要な問題も優先順位は高くするべきです。
また、疼痛や栄養管理など、QOLに大きく影響を与える問題についても優先順位を高く持つことが大切です。
実際の症例をもとにした優先順位の付け方
急性期患者を例にして、優先順位を付けると以下のとおりです。
看護問題:術後の強い疼痛、血圧の上昇
優先順位
- 疼痛管理(鎮痛薬投与、リラックス誘導)
- 血圧管理(降圧剤投与、モニタリング強化)
- 創部感染管理(清潔保持、感染兆候の観察)
看護問題リストの記入例
実際の看護現場では、患者の状態に応じて適切な看護問題リストを作成し、それに基づいた看護計画を実施することが重要です。ここでは、急性期患者、慢性期患者、在宅看護、精神科患者の4つのケースに分けて具体的な記入例を紹介します。
記入例①:急性期患者の看護問題リスト
看護問題
- 創部痛による活動制限
- 術後の感染リスク
- 体動困難による血栓形成のリスク
患者目標
- 術後の疼痛スケール(NRS)で5以下を維持する
- 創部の感染徴候を認めない
- 1日3回のリハビリ運動を実施し、DVT(深部静脈血栓症)を予防する
看護計画
- 鎮痛薬(NSAIDs)の適切な投与と疼痛評価の実施
- 創部の清潔保持と毎日の感染徴候のモニタリング
- 早期離床を促進し、足の運動や弾性ストッキングの着用を指導
- 水分摂取を促し、血流を良好に保つ
記入例②:慢性期患者の看護問題リスト
看護問題
- 血糖コントロール不良(HbA1c 8.5%)
- 糖尿病性末梢神経障害による足のしびれ
- 食事管理の不徹底
患者目標
- HbA1cを7.0%以下に改善する
- 糖尿病性末梢神経障害の症状を軽減し、日常生活に支障が出ないようにする
- 栄養バランスを考えた食事を毎日3食摂取できるようにする
看護計画
- 医師と連携し、インスリンや経口血糖降下薬の適切な調整を行う
- フットケアを実施し、足の傷や潰瘍が発生しないよう管理
- 栄養指導を行い、糖質摂取量の調整をサポート
- 患者自身が血糖測定を定期的に実施し、自己管理できるよう指導
記入例③:在宅看護の看護問題リスト
看護問題
- ADL(活動能力)の低下による生活動作の困難
- 誤嚥性肺炎のリスクが高い
- 介護者(家族)の負担増加
患者目標
- リハビリを継続し、歩行器を用いた歩行ができるようにする
- 誤嚥を防ぎ、安全に経口摂取できるようにする
- 介護者の負担を軽減し、適切な介護環境を整える
看護計画
- 理学療法士と連携し、日常生活動作訓練を実施
- 食事形態をトロミ食に変更し、誤嚥予防のための姿勢指導を行う
- 家族への介護指導を実施し、レスパイトケアの利用を提案
記入例④:精神科患者の看護問題リスト
看護問題
- 気分の落ち込みと無気力状態が続く
- 服薬管理が自己判断で中断される
- 社会復帰に対する不安が強い
患者目標
- 日常生活の中で少しずつ活動量を増やせるようになる
- 決められた服薬スケジュールを守り、治療を継続する
- 社会復帰に向けた計画を立て、小さな目標をクリアしていく
看護計画
- 認知行動療法(CBT)を活用し、気分のコントロールをサポート
- 服薬カレンダーや服薬アラームを活用し、服薬遵守を促す
- 就労支援センターと連携し、段階的な社会復帰プランを立案
患者目標を作成する際の3つのポイント
患者目標を作成する際の3つのポイントを紹介します。
- 主語を患者にする
- 定量的に評価できるようにしておく
- 患者が達成できる目標にする
それぞれ解説します。
主語を患者にする
患者目標は患者さんを主語にしましょう。便秘の患者さんを例に取ります。
- 便意の訴えがある
- 排便があると声をかけてくれる
「患者」と書く必要はありませんが、患者目線で目標を記載する必要があります。
定量的に評価できるようにしておく
数値で判断できたり観察できたりする患者目標を作成しましょう。具体的には以下のとおりです。
- 水分量を1,000ml摂取する
定量的に判断できる目標にすることで、どこまで達成できているかが見えます。
患者が達成できる目標にする
無茶な目標を立てるのはやめましょう。具体的には以下のとおりです。
⚪︎水分量を1日に1,000ml摂取する
×水分量を1日に3,000ml摂取する
患者さんの様子を観察したり本人から聞いたりして、現実的な目標を立てる必要があります。
看護計画を作成する際の4つのポイント
看護計画を作成する際の4つのポイントは以下のとおりです。
- 看護計画の枠組みを使用する
- 看護診断の指標をもとに書く
- 具体的に書く
- 悩み過ぎない
それぞれ解説します。
看護計画の枠組みを使用する
看護計画を立案する際は、以下の3つの枠組みを使用します。
- 観察計画(O-P)
- 援助計画(T-P)
- 教育計画(E-P)
観察計画(O-P)
具体的には以下のとおりです。
- バイタルサイン
- 検査データ
- 患者さんの行動や言動
- 排便の性状や回数
- 喘鳴や咳嗽の状態
患者さんによって違いがあるため、個別性のある計画を記述します。心筋梗塞で入院している方の場合、症状の有無や検査データを把握するなどが観察計画に該当します。
援助計画(T-P)
心筋梗塞の手術で入院している方を例に取ります。
- 心電図の確認
- 酸素投与
- 不満なことがあれば声かけをするよう伝える
手術前から手術後までのケアを計画していく必要があります。
教育計画(E-P)
心筋梗塞を抱えている方の教育計画の例は以下のとおりです。
- 疼痛の原因を説明
- 服薬指導
- リハビリの必要性を説明
患者さんによって違いがあるため、個別性のある計画を記述します。
看護診断の指標をもとに書く
看護診断をする際には3つの指標を活用します。
【看護診断の3つの指標】
・症状・徴候
・関連因子・危険因子
・なりゆき(2つの項目が解決しないと起こり得ること)
心筋梗塞で入院している方がいる場合、患者さんの症状を以下のように各項目に当てはめていきます。
- 症状・徴候
- 疼痛
- 関連因子・危険因子
- 心筋梗塞の影響
- なりゆき
- 体力の低下、発作の原因につながる
心筋梗塞の患者さんに上記の問題があると3つの指標から明確になったことで、以下のような観察計画(O-P)が立てられます。
- 放散痛の有無の確認
- 検査データや画像データの確認
- 日中の活動状況の把握
同様に援助計画(T-P)や教育計画(E-P)を立案していきます。3つの指標を活用して、有効的な看護計画を立てていきましょう。
具体的に書く
提供するケアに違いが生まれてしまうと、正しい達成度や目標設定が困難になります。そのため具体的な看護計画を記入しましょう。例えば、心筋梗塞で入院している方の看護計画は以下のとおりです。
- 巡回したときに放散痛の有無を聞く
- AM8:00とPM20:00に画像データを確認
援助計画(T-P)に時期や時間帯を記載すると、ケアをするタイミングが明確になります。
悩み過ぎない
看護計画の作成には初めは時間がかかるでしょう。経験やスキルによって作成内容は大きく異なります。ミーティングや会議で先輩職員からさまざまな意見をもらう場合もあります。
患者さんの症状も常に変化し修正する必要が生じるため、悩み過ぎずに定期的に変更する書類との意識があると作成しやすいです。
看護問題解決のためのツールとリソース
看護問題解決のためのツールとリソースには、様々なものがあります。まず、診療記録ソフトウェアや看護情報システムは、正確な情報を共有し、連携を図るために重要なツールです。
これらのツールを活用することで、看護師同士や他職種とのスムーズなコミュニケーションが可能となります。
さらに、医療における最新の知識や情報を提供する学術誌やウェブサイト、データベースなどのリソースも重要です。これらを活用することで、専門知識を効果的に取得し、臨床実践に役立てることができます。
また、職場環境の改善を図るための専門家やカウンセリングサービス、ストレスマネジメントプログラムなども有用なリソースです。
ツールとリソースを駆使し、看護問題解決に取り組むことで、より質の高い看護ケアを提供することが可能となるでしょう。
参考文献とガイドライン
参考文献とガイドラインには、看護の実践において重要な情報が豊富に含まれています。
例えば、疾患ごとのケアガイドラインや医学書などの専門書、研究論文、医療雑誌などがあります。
これらの情報源を活用することで、最新の医学・看護の知識を取得し、具体的なケアプランを立案することが可能です。また、看護の実践においては、患者の安全や適切なケアを提供するためのガイドラインが欠かせません。
例えば、感染対策や薬剤管理に関するガイドライン、リスク評価ツール、手技の実施手順書などがあります。これらを参考にすることで、患者への安全なケアを確保することができます。
さらに、専門家による最新のガイドラインやエビデンスに基づいたベストプラクティスをまとめた学会のガイドラインも重要です。
看護師が日々の実践に活かすべきものであり、患者のケアに大きく貢献します。
学習リソースとオンラインツール
学習リソースとオンラインツールには、看護に関する幅広い情報が提供されています。
まず、看護の基礎知識から専門的なスキルまでカバーするオンライン学習プログラムが豊富にあります。このようなプログラムを利用することで、自分のペースで効果的に学習を進めることができます。
また、最新の医学や看護の知識を提供するウェブサイトやデータベースも、臨床実践に役立つ情報が豊富に備わっています。これらのリソースを活用することで、自己研鑽を促進し、スキルや知識の向上につなげることができます。
さらに、看護における各種手技やケアに関する動画、シミュレーションツールも多く存在します。これらのツールを活用することで、実践的なスキルや対応力を高めることが可能です。また、オンラインコミュニティやSNSを活用した情報交換も、貴重な学習リソースとなり得ます。
仲間とのつながりを活かし、情報共有や意見交換を行うことで、新たな視点や知識を得ることができるでしょう。
看護問題一覧を理解し、患者さんに沿った看護計画が書けるようになりましょう!
看護問題や看護計画立案は難しいと感じてしまっていた人も、看護問題や問題を細分化すること、看護計画の書き方についてご理解いただけたと思います。
看護計画は標準的なものがありますが、それに沿って担当している患者さん自身に必要なことを具体的に記述することで、実際の看護ケアに活かしていくことができます。また、患者さんの状態によっては追加も必要になってきます。
これを機会に看護問題一覧を理解して、患者さんに沿った看護計画が書けるようになりましょう。
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