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【会社にバレる?】ダブルワークをする場合の雇用保険はどうなる?注意点も解説
近年、正社員としての本業を持ちながらもダブルワークをしたり、複数の仕事を掛け持ちしたりする人が増えています。
正社員だけでなく、アルバイトやパートをしながらダブルワークをする人もいます。しかし、中には本業の会社にダブルワークしていることがバレたくない人もいるでしょう。
このような場合、雇用保険への加入はどのような扱いになるのでしょうか?
本業の会社にバレない方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
雇用保険とは
雇用保険とは、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給する保険制度のことです。
厚生労働省は「失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進等をはかるため」ににさらに2つの事業を行っています。
※引用:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/index_00003.html)
つまり、労働者がなにかしらの理由で仕事を失った場合などに受けられる保険ということです。
1.雇用保険の加入要件
雇用保険に加入するには、以下の要件を満たしている必要があります。
- 週20時間以上勤務
- 31日以上の雇用契約の見込み
また、雇用保険は1人に1つずつ番号が与えられています。そのため、1つの企業でしか加入できません。(社会保険は各勤務先で社会保険の条件を満たせば、加入できます)
2.正社員がダブルワークする場合
一般的な正社員の場合、週の労働時間は40時間ほどです。雇用保険以外にも健康保険や厚生年金保険など、全ての社会保険に加入することになります。
3.アルバイト・パートがダブルワークする場合
アルバイトやパートがダブルワークする場合というのは、いわゆる「掛け持ち」をしている状態のことです。
アルバイトを2つ掛け持ちしているのであれば、どちらの会社も、所定の労働時間が20時間以上であるならば、原則、労働者が生計を維持するために必要な主たる賃金を受けている会社が雇用保険に加入することになります。
雇用保険が原因でダブルワークがバレる?
雇用保険は二重加入することができず、1社のみで手続きが可能です。ダブルワークをしていると雇用保険が原因で勤務先にバレてしまうことがあります。
例えば、本業先(ここでは企業Aとします)ですでに雇用保険に加入していて、企業Bで副業を始めるとします。その場合、企業Bは雇用保険の加入手続きを進めます。しかし、企業Aで雇用保険に加入しているため、企業Bの雇用保険の届出は受理されません。
企業Bを管轄するハローワークCから企業Aを管轄するハローワークDに連絡がいきます。その後、ハローワークDから企業Aにも確認の連絡が入ります。そうすると企業Aが疑問を持ち、結果的にダブルワークがバレてしまうのです。
本業先の規約でダブルワークや副業が許可されている場合はバレても問題ありませんが、もし禁止されている場合、バレてしまうと規約違反になってしまいます。クビになってしまう可能性もあるため、できればバレたくないところ。
次項では、ダブルワークや副業をしても本業先にバレない方法を紹介します。
バレないようにする方法
ダブルワークをしていることを本業先にバレないようにするには、副業を始めるときに以下のことを副業先に伝えると良いです。
- 他の企業で働いており、雇用保険にもすでに加入していること
- 雇用保険は1社でしか加入できないこと
ダブルワークしている2つ以上の会社で雇用保険を満たす場合は、原則支払われている給与の高い会社で雇用保険に加入します。
本業先にダブルワークがバレることを防ぐためには、副業先で「1週間の所定労働時間が20時間以上」を満たさないように調整する必要があります。また副業先には、雇用保険に加入したくない旨を事前に伝えておくことも有効です。
雇用保険に関係する2つの制度
ここでは雇用保険に関わる社会制度を2つ紹介します。
どちらの知識も今すぐ必要になるというはありませんが、将来のためにも知っておいた方が良いでしょう。
失業手当
失業手当は正式名称を「基本手当」といい、雇用保険の被保険者が離職・退職した場合に給付される手当のことをいいます。失業前に勤務先から受け取っていた給与額と年齢によって給付される金額が変動します。
失業手当の支給を受けられる日数は、離職時の年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職理由(定年や倒産)などにより、90日~360日の間で適当な日数に決められます。
また、自己都合で離職・退職した場合、雇用保険の加入期間が1年以上で90日、10年以上で120日、20年以上で150日と決められています。
マルチジョブホルダー制度
マルチジョブホルダー制度とは「複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の要件を満たす場合に、本人が申し出ることで、申し出た日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度」です。
- 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
ダブルワークの注意点
雇用保険以外にも、ダブルワークをしていく上で気を付けるべきポイントはたくさんあります。ここでは、その中から特に気を付けるべきポイントを2つ紹介します。
どちらも重要なことですので、必ず覚えておきましょう。
健康管理が難しい
労働時間が長くなったりスケジューリングが大変だったりと、一般的にダブルワークをしている人の方がしていない人と比べて忙しくなりがちです。
どうしても自分の生活よりも仕事を優先する人が多いため、仕事が忙しくなると自分の健康管理が疎かになってしまいます。
ダブルワークをする際は、勤務時間が長くなるため、これまで以上に生活習慣を整え、健康に気を配るようにしましょう。
機密情報の取り扱いに注意
複数の企業で働いていると、取り扱う機密情報も多くなります。
また、付き合う人の数も多くなるため、高い把握力や管理力が求められます。1台のパソコンで複数の企業の仕事をしている場合、誤って別の企業のファイルを送ってしまう可能性もあります。
ダブルワークをする際は企業規則を守ろう!
社会の動き、時代の動きが激しくなり、これまでのように1つの企業に長く所属していても安定できる時代ではなくなりました。
そのため労働者側もリスクを減らして自分の生活を守るため、収入アップを図るためにダブルワークをすることが多くなってきました。しかし、依然としてダブルワークや副業を許可していない企業も多いのが現状です。
ダブルワークをしたい人はダブルワークを始める前に所属している企業の規則や契約を確認しましょう。許可されていない場合はできるだけダブルワークをしないことをおすすめします!
どうしてもダブルワークをしたい人は今回紹介した本業先にバレない方法で始めるとともに、確定申告や住民税などにも注意しつつ、適切な選択と行動を取れるようにしましょう。