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准看護師による訪問看護は減算される?2021年度介護報酬改訂から解説

  • 准看護師が訪問すると減算されるって本当?
  • 訪問看護における正看護師と准看護師の違いって何?
  • 減算される内容はどんなことがあるのか

正看護師と准看護師の仕事内容は同じなのに、このように訪問看護における准看護師の訪問の減算があることをご存知でしたか?

レセプトの際にこのことを知らないと、訪問看護ステーションの運営上で大変なことになります。事前に訪問の減算を知っておけば、慌てることはありませんので安心してください。

今回では、正看護師と准看護師の違い、介護保険における准看護師の訪問看護についてを詳しく解説しています。

これから訪問看護で働きたいと考えている准看護師の方、訪問看護ステーションを新設する方、管理者の方は是非とも参考にしてみてください。

目次

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正看護師と准看護師の違い

正看護師と准看護師の違いはご存知でしょうか?

ここでは、以下の項目について具体的に解説しています。

  • 正看護師とは
  • 准看護師とは

それぞれみていきましょう。

正看護師とは

看護師とは、国家試験を受けて合格し、厚生労働省が発行する免許を取得した国家資格の一つです。

正しくは正看護師といい、看護師になるためには、2年制または定時制の専門学校、もしくは大学で4年間、3,000時間以上の授業を受けなければなりません。看護師養成の専門学校もしくは大学を卒業し、国家試験を受けることになります。国家試験を受験した後、約1ヶ月後に合格発表があります。

看護師として就職が決まったとしても、看護師免許を取得できるのはその合格発表後になりますので、免許がないので就職先で看護業務に従事することはできません。しかし、准看護師になった後に看護師国家試験を受験した人は、合格するか、不合格だったとしても准看護師として働くことは可能です。

准看護師とは

准看護師とは、医師、歯科医師、または看護師の指示のもと、療養上の世話や診療の補助を対象者の安楽を配慮し安全に実施する人のことを言います。

准看護師になるためには、准看護師の養成学校に進学し、2年間必要な知識・技術を身につけ、都道府県知事が発行する免許を取得することが必要です。

免許を取得した後は、病院やクリニック、施設などで働くことができます!

看護師と比較すると、看護学校や養成所の学費は比較的安く、仕事をしながら通学する人が多いのが特徴です。

訪問看護における正看護師にできて准看護師にできないこと

訪問看護における正看護師にできて准看護師にできないことはあるのでしょうか?

ここでは、以下の項目について解説しています。

  • 看護計画立案
  • 訪問看護報告書
  • 管理者
  • 他の看護師への指示
  • 24時間緊急対応体制はできるのか?

それぞれみていきましょう。

看護計画立案

看護計画とは、患者の入院から退院までの療養生活の過ごし方や目標などを計画・立案したもので、入院患者全員に対して作成されます。

看護師は、看護学校や大学で看護計画の立案やアセスメントについて学びますが、准看護師は看護計画に関する教育を受けていないため、実務で作成することはできません。

訪問看護報告書

訪問看護報告書とは、その月に利用者さんに訪問した際の状況や内容を文章にまとめて主治医やケアマネージャーへ報告する書類のことです。

利用者さんが自宅でどのように生活し、どのように療養していることを具体的に記載し、看護やリハビリをおこなっているかを報告します。毎月の月末に作成するものであり、1人の看護師がたくさんの報告書を記載しないといけないため訪問看護師にとっては負担でもあります。

病院とは違った状況を主治医やケアマネージャーが知る機会でもあるので大事な書類とも言えます。

管理者

准看護師は、管理職へのキャリアアップができません。また、認定看護師や専門看護師といったキャリアは看護師になって目指す資格です。

助産師や保健師になるためにも、看護師にならないといけません。そのため、准看護師として働いている以上は、キャリアアップは難しく現場で働くことが主になります。

他の看護師への指示

准看護師は、他の看護師に指示を出すことはできません。たとえ相手が歳の離れた後輩であっても同じです。准看護師の教育では、倫理に基づいた看護や科学的根拠に基づいた看護について学ぶ機会がなかったため、看護師への指示ができません。

保健師助産師看護師法にある通り、准看護師は看護師の指示のもと、療養上の世話や診療の補助を対象者の安楽を配慮し安全に実施するためです。

24時間緊急対応体制はできるのか?

訪問看護で特徴的な加算が、24時間緊急対応体制加算があります。これは、24時間電話などによる対応や相談ができることと、24時間緊急訪問ができるということです。

夜間や休日に体調が悪くなった時に看護師に相談ができ、夜間や休日にも看護師に訪問してもらえるなどといったメリットがあります。

指定を受けた訪問看護ステーションの看護師・保健師が対応で来ますが、准看護師は電話当番ができません。

介護保険における准看護師の訪問看護

准看護師にはできないことばかりと感じてしまったかもしれません。

ここでは、介護保険における准看護師の訪問看護について解説しています。

  • 要介護の方への訪問
  • 介護予防における訪問
  • 看護介護職員連携強化加算
  • なぜ准看護師の訪問が減算されるのか

それぞれみていきましょう。

要介護の方への訪問

准看護師による訪問看護を提供した際、所定単位数の90/100を算定することとなっています。

ケアプラン上で准看護師の訪問予定が都合により正看護師の訪問となった場合にも減算となります。逆に、ケアプラン上で正看護師が訪問予定だったのが准看護師が訪問した場合も減算となります。

理由:これまで解説した通りに准看護師は国家資格ではないことと、正看護師ができて准看護師ができないことからでもあります。

介護予防における訪問

介護予防訪問看護の利用者への訪問の際、所定単位数の90/100を算定することとなっています。

ケアプラン上で准看護師の訪問予定が都合により正看護師の訪問となった場合にも減算となります。逆に、ケアプラン上で正看護師が訪問予定だったのが准看護師が訪問した場合も減算となります。

理由:これまで解説した通りに准看護師は国家資格ではないことと、正看護師ができて准看護師ができないことからでもあります。

24時間緊急対応体制

准看護師は24時間緊急対応体制のための電話当番はできません。看護師の指示のもとに緊急訪問で准看護師が訪問することは可能です。その際は90/100の減算となります。

看護介護職員連携強化加算

看護介護職員連携強化加算とは、事業所の看護職員が訪問介護事業所の訪問介護員等に対して、喀痰吸引等の業務が円滑に行えるよう、痰の吸引等にかかる計画書や報告書の作成及び緊急時の対応について助言を行うことです。また、訪問介護員等に同行して利用者の居宅において業務の実施状況について確認すること。また、利用者に対する安全なサービス提供体制整備や連携体制確保のための会議に出席することも含まれます。

同行訪問や会議への出席の内容は訪問看護の記録書に記載しないといけません。24時間訪問看護を行える体制である事業者としての緊急時訪問看護加算の届出をしておく必要があります。

なぜ准看護師の訪問が減算されるのか

なぜ准看護師の訪問が減算されるのでしょうか?

理由:これまでに解説したとおり、准看護師は国家資格ではないことと、正看護師ができて准看護師ができないことからでもあります。

准看護師は、自身で判断して看護業務を遂行することができないからです。

訪問看護における准看護師の減算はあります!

正看護師と准看護師の違いと、病院では耳にすることもなかった准看護師の訪問による減算について解説しました。

正看護師と准看護師ではケアの内容には大きな違いはありませんが、国家資格かどうかや療養上の世話や診療の補助を行う際に医師または歯科医師、看護師の指示のもと動かないといけないということからの違いなのです。

訪問看護における准看護師の減算はありますので、レセプト業務では十分に気をつけなければなりません。

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