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看護師のクリニカルラダーとは?メリット・デメリットや評価方法を徹底解説
「看護師のクリニカルラダーがよくわからない」「自分のレベルをあげるために何をすればいいか、具体的な評価方法や目標が知りたい」と、キャリア形成に必要な制度に疑問を感じていませんか?
クリニカルラダーの正しい知識がないままでは、日々の努力が適切な評価に結びつかず、成長の機会を逃してしまうかもしれません。
また、制度の活用法を知らないと「ラダーは意味がない」と感じてしまい、せっかくの成長の手引きを活かせずに終わる可能性もあります。
この記事を読み終える頃には、クリニカルラダーへの理解が深まり、自身の現在地と次の目標が明確になっているはずです。
そして、ラダーをあなたのキャリア形成の指標として活用し、看護師として自信をもってステップアップできるようになるでしょう。
看護師クリニカルラダーとは?個々の能力を成長をさせるシステム
看護師クリニカルラダーは、看護の実践能力を段階的に評価し、成長を支援する仕組みです。
まずは制度の定義や目的、混同されやすいキャリアラダーとの違いについて詳しく確認していきましょう。
- クリニカルラダーの意味
- クリニカルラダーの目的
- クリニカルラダーとキャリアラダーの違い
ここでは、クリニカルラダーの基本的な概念について解説します。
クリニカルラダーの意味
クリニカルラダーとは、看護師の評価システムを構築して看護実践能力を向上させる仕組みのことです。
2016年に日本看護協会によって発表され、現在では多くの医療機関で導入が進んでいます。
「ラダー」という言葉は「はしご」を意味しています。
看護師がより上級のポジションを目指すための目標を、段階的なはしごになぞらえて名付けられました。
この制度は看護師だけでなく助産師にも導入されており、個人の習熟度を客観的に示す指標となります。
助産師の場合、その段階は「CLoCMiP(助産実践能力習熟段階)」として示されるのが特徴です。
クリニカルラダーの目的
クリニカルラダーの目的は、看護師の経歴に関わらず共通の実践能力指標を開発し、成長を支援することです。
これに沿った適切な評価をおこなうことで、看護ケアの質を保証し、患者さんへ安全な看護を提供できます。
看護師は多様な経験をもっていますが、ケアの方法がバラバラでは統一したサービスを提供できません。
指導者によって教え方が異なると、経験の浅い看護師は混乱し、患者さんの不信感につながる恐れもあります。
そのため、どのような職場であっても共通の基準で能力を評価できる仕組みが大切です。
クリニカルラダーとキャリアラダーの違い
クリニカルラダーとキャリアラダーは、どちらも看護師の成長を支援する仕組みですが、評価の焦点が異なります。
| クリニカルラダー(CL) | キャリアラダー(CRL) | |
|---|---|---|
| 評価の焦点 | 看護実践能力の習熟度 | 職務(役割)の段階的変化 |
| 主な評価対象 | ・知識 ・技術 ・臨床での思考力 ・態度 など | ・昇進 ・昇格 ・職務内容 ・責任範囲 など |
| 具体的な例 | レベル新人からレベルIVへの到達 | 一般看護師から主任、師長、専門看護師などへの昇進 |
| 目指すもの | 質の高い看護を提供できる看護師への成長 | 組織内での役割とキャリアパスの確立 |
| 関係性 | 実践能力の向上が、より高度な役割を担う前提となる | クリニカルラダーと連携して運用されることが多い |
両者は連携して運用されることが多く、実践能力の向上(クリニカルラダー)が、より高度な役割(キャリアラダー)を担うための前提となります。
クリニカルラダーを構成する4つの実践能力
日本看護協会が定義するクリニカルラダーは、看護師に共通して必要な「看護実践能力」を4つの側面から構成しています。
これらは単なる技術の習得だけでなく、倫理観や組織人としての役割など、専門職として多角的な成長を目指すための指標です。
- 専門的・倫理的・法的な実践能力
- 臨床実践能力
- リーダーシップとマネジメント能力
- 専門性の開発能力
ここでは、指針にもとづいた各能力の具体的な定義と内容について詳しく解説します。
1.専門的・倫理的・法的な実践能力
自らの判断や行動に責任を持ち、倫理的・法的規範にもとづき看護を実践する能力です。
看護師としての基盤を形作る要素です。
| アカウンタビリティ | 自らの判断や行動の結果に責任を負い、自身の役割や能力に応じた看護をおこなうこと |
| 倫理的実践 | 生命や権利、多様性、プライバシー等を尊重し、倫理的な意思決定のもと行動すること |
| 法的実践 | 法令やガイドライン、所属組織の規範を認識し、遵守すべき行動を徹底すること |
専門職としての責務を果たすためには、日々の実践がこれらの規範から逸脱していないかを常に省察する姿勢が求められます。
看護師の倫理綱領について知りたい方は、「看護職の倫理綱領とは?2021年改定の16項目を事例でわかりやすく解説」をご覧ください。

2.臨床実践能力
個別性に応じた適切な看護を実践し、状況に応じて自律的に判断し行動する能力です。
| ニーズをとらえる力 | 体系的な情報収集とアセスメントを行い、優先順位を的確に判断して記録・共有すること |
| ケアする力 | 患者とのパートナーシップのもと、状況にあわせた看護計画を立案・実施・評価すること |
| 意思決定を支える力 | 信頼関係と対話にもとづき、患者がその人らしく生きるための意思決定を支援すること |
| 協働する力 | 多職種や組織と相互理解し、知識・技術を活かしあいながら連携して看護を実践すること |
根拠にもとづいた質の高いケアを届けるには、これら4つの力を循環させ、患者さん一人ひとりの物語に寄り添うアプローチが欠かせません。
3.リーダーシップとマネジメント能力
組織の一員として、効率的かつ効果的な医療提供のために状況や役割に応じたマネジメントをおこなう能力です。
| 業務の委譲/移譲と管理監督 | 法的権限に応じ、看護チーム内や他職種への業務委譲および遂行の管理・監督を適切におこなうこと |
| 安全な環境の整備 | リスク評価を行い、医療安全、感染予防、災害対応などの環境維持・実現を図ること |
| 組織の一員としての役割発揮 | 業務改善やチームワーク向上に貢献し、優先度を考えた時間管理などを適切におこなうこと |
たとえ役職に就いていなくても、周囲と協働して安全な看護環境を整えることは、プロとして必要なスキルといえるでしょう。
4.専門性の開発能力
看護師としての資質・能力を向上させ、質の高い看護を通じて社会に貢献する能力です。
| 看護の専門性の強化と社会貢献 | 制度・政策への提言や看護学の発展など、専門組織を通じて社会に貢献すること |
| 看護実践の質の改善 | 看護成果の可視化・分析を行い、改善プロセスや同僚・学生の学習支援に関わること |
| 生涯学習 | 自己研鑽を生涯続け、多様な人々と共に学びあいながら自身の能力を維持・向上させること |
| 自身のウェルビーイングの向上 | 質の高い看護を実践し続けるために、自身の身体的・精神的・社会的な良好な状態を向上させること |
自身のウェルビーイングを大切にしながら学び続ける姿勢は、変化の激しい時代において自分らしいキャリアを切り拓く力になります。
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クリニカルラダーの5段階のレベルと評価指標
クリニカルラダーは、看護師の習熟度を「新人」から「レベルIV」までの5段階で定義しています。
パトリシア・ベナーの看護論を基盤としており、経験年数ではなく実践能力の段階的な向上を評価する仕組みです。
各レベルの到達目標は、以下の表の通りに設定されています。
| レベル | 習熟段階の定義(到達目標) |
|---|---|
| 新人(N) | 基本的な手順に従い、必要に応じて助言を得て看護を実践する |
| レベルI | 標準的な看護計画にもとづき、自律して看護を実践する |
| レベルII | 患者の個別的な状況に応じた判断と看護を実践する |
| レベルIII | 幅広い視野で予測的な判断をもち、看護のロールモデルとなる |
| レベルIV | 複雑な状況で創造的な実践を行い、組織や分野を超えて参画する |
実際の運用では、これらの各項目についてレベルに応じた「5段階評価」が行われます。
評価の尺度は以下の通りです。
- S:非常によい
- A:よい
- B:ふつう
- C:努力が必要
- D:非常に努力が必要
学校を卒業したばかりの時期は、まず初心者に相当する「レベルI」の自律を目指して経験を積みます。
レベルIIIは一人前から中堅層に該当し、より高度なレベルIVは組織を変革する達人の領域といえるでしょう。
自分の現在地を客観的に把握することで、次に強化すべき能力が明確になり、着実なキャリアアップが可能になります。
クリニカルラダーの評価や実施方法
クリニカルラダーの評価は、単にレベルを判定するだけではありません。
自己評価と他者評価を組みあわせ、ポートフォリオや面談を活用して成長を支えるための仕組みです。
具体的な実施方法を理解し、主体的なキャリア形成に役立てましょう。
- 自己評価と他者評価による現状把握
- ポートフォリオを活用した成長の可視化
- 将来の姿と今の自分をリンクさせる「組織との対話」
自身の能力を客観的にとらえ、着実にステップアップするための方法を解説します。
自己評価と他者評価による現状把握
クリニカルラダーの評価では、上司による他者評価だけでなく自己評価も同時におこなうことが大切です。
双方の視点を突きあわせることで、自分の認識と周囲からの客観的な評価の差が明確になります。
評価される側は「できている」と思っていても、評価する側から見ると課題が残っているケースは少なくありません。
反対に、本人が気づいていない長所を上司が評価し、自信につながる場合もあります。
お互いの認識をすりあわせるプロセスは、相互理解を深め、信頼関係を気づく機会にもなるでしょう。
また、常に自己評価を意識して業務に取り組むと、積極的にキャリアを進めている実感が得られます。
ポートフォリオを活用した成長の可視化
自身の成長過程や能力を証明するために、ポートフォリオを活用して学びを蓄積しましょう。
ポートフォリオとは、看護実践や研究成果、研修の記録などを一元化したファイルのことです。
具体的な活用手順は以下の通りです。
- 1年後のなりたい姿を目標として設定する
- 目標達成のための具体的な行動計画を記入する
- 研修での気づきや自己研鑽の資料を随時入れていく
- 日々の実践を振り返りながら自己評価をおこなう
近年ではICTを活用した「e-ポートフォリオ」を導入する病院もあります。
端末からアクセスして技術の到達度を記録できるため、振り返りがよりスムーズになります。
将来の姿と今の自分をリンクさせる「組織との対話」
自分のなりたい将来像と組織から求められる役割を統合させるには、看護管理者との対話が欠かせません。
病院のビジョンと個人のキャリアデザインが重なりあうことで、働くモチベーションはより高まります。
面談の場では、現在の評価結果を踏まえ、どの能力を強化すべきかを具体的に話しあいましょう。
管理者はあなたの強みを活かせる配置や、必要な学習の機会を提案してくれる支援者でもあります。
組織の目標に貢献しつつ、自分自身の専門性をどう磨いていくかという視点が大切です。
「どのような看護師になりたいか」という思いを伝え、組織の期待とリンクさせていきましょう。
クリニカルラダー導入のメリット・デメリット
クリニカルラダーは、看護師の成長を支えるツールですが、活用にあたってはメリット・デメリットが存在します。
制度の恩恵を最大限に受けるためには、利点だけでなく、現場で起こりうる課題もあらかじめ把握しておくことが大切です。
個人と組織それぞれの視点から、導入によるメリットとデメリットを詳しく解説します。
- 看護師(個人)のメリット
- 看護師(個人)のデメリット
- 医療機関(組織)のメリット
- 医療機関(組織)のデメリット
制度への理解を深めることで、日々の業務における負担感を軽減し、前向きに取り組むヒントが見つかるはずです。
看護師(個人)のメリット
クリニカルラダーを活用することで、自身の立ち位置を客観的に把握し、自律的な成長へとつなげることができます。
- 自分の立ち位置と次の目標の明確化になる
- 着実なスキルアップの実現できる
- 公平で公正な評価を得られる
- モチベーションの維持と向上ができる
目標が具体化されることで、日々の業務を漠然とこなす不安が解消され、専門職としての自信を育むことが可能です。
看護師(個人)のデメリット
一方で、制度の運用が日々の多忙な業務を圧迫し、負担感を生んでしまう側面も否定できません。
- 日常業務以外の負担が増加
- 「技能ありき」の看護への偏りの可能性
- 自己評価と他者評価のずれ
- 求められるレベルアップで心身へのプレッシャー
多忙な時期ほど、時には立ち止まって振り返る時間を確保し、自身のウェルビーイングを大切にする意識が大切です。
医療機関(組織)のメリット
医療機関側にとっても、看護の質を標準化し、体系的な人材育成を行えるという大きな利点があります。
- 段階的な指標によって共通の基準で指導ができる
- 組織全体の看護の質が向上する
- その人の強みを活かした適切な役割分担や配置転換が可能になる
- 評価制度の透明性が確保される
組織全体で能力開発をサポートする環境を整えることは、結果として患者さんへの安全な医療提供体制の強化に直結します。
医療機関(組織)のデメリット
導入にあたっては、形骸化を防ぎ、スタッフの意欲を削がないための丁寧な運用が求められます。
- 導入目的が十分に浸透していないと、「無駄な事務作業」となる
- リソースの確保と運用コストがかかる
- 評価をおこなう管理者側の理解やスキルが不足すると公平性が保てない
- 数値評価が心理的に抵抗を感じるスタッフがいる
組織は個人の負担に配慮しつつ、キャリア形成を支援する「対話」を継続し、制度の本来の目的を共有し続ける努力が欠かせません。
ラダー評価をあげるための学習と行動方法
クリニカルラダーの評価をあげるためには、日々の実践を「学び」として積み重ねる具体的な行動が求められます。
単に研修を受けるだけでなく、現場での思考プロセスを可視化して、役割を広げていく姿勢が評価へとつながるでしょう。
- 日々の看護記録から学びを言語化する
- リーダー業務や教育的役割へ積極的にチャレンジする
- アンラーニング(学習棄却)の意識をもつ
日々の看護実践を振り返り、プロフェッショナルとしての能力を証明するための具体的なアクションを解説します。
日々の看護記録から学びを言語化する
クリニカルラダーの評価において、日々の看護記録は自身の実践能力を証明する証拠となります。
そのため、単に実施した処置を記載するのではなく、その背景にある判断や意図を言語化して残すことが大切です。
特に、患者さんにあわせた個別性の高いケアや、リスクを予測した安全な介入が伝わるような記述を心がけましょう。
具体的には、以下の視点で先輩の記録や行動を分析してみましょう。
- 先輩の看護記録を読み、情報やアセスメントをする
- カンファレンスから、状況を整理してプロセスをまとめる
- 自分の記録と比較し、足りない視点や表現の違いを書き出す
「なぜその計画になったのか」という判断の根拠を読み解く力を養えば、リスクを見通した質の高いケアが提供できるようになります。
視点の違いに気づき、それを自分の看護に活かすサイクルを回すことが、評価をクリアする近道となるでしょう。
リーダー業務や教育的役割へ積極的にチャレンジする
上位レベルのラダー評価をクリアするには、チーム運営や後輩育成といった役割を担う経験が大切です。
リーダーシップやマネジメント能力は、実際の役割を経験することで大きく向上します。具体的には、リーダー業務での適切な業務委譲や安全な環境整備、後輩・学生への学習支援などがあげられます。
現場での役割を広げることで、以下の能力を磨くことができます。
- チーム全体を把握し、業務の優先順位を判断する力
- 多職種と連携し、目標達成に向けて調整を図る力
- 周囲の学びを支援し、組織の看護の質に貢献する力
たとえ責任が重いと感じる役割でも、前向きにチャレンジすることが自身の専門性を高める大きな力となります。
組織の課題解決に主体的に関わる姿勢そのものが、プロフェッショナルとしての高い評価につながるはずです。
アンラーニング(学習棄却)の意識をもつ
働く場所や領域が変化する際には、意識的にこれまでの知識や常識を脇に置く「アンラーニング(学習棄却)」が重要になります。
過去の成功体験に固執しすぎると、新しい環境で求められる最適な判断を妨げてしまうことがあるからです。
特に、異動や転職といった節目は、自分の看護実践能力を再評価し、学びを再構築する絶好の機会といえます。
アンラーニングを実践する際のポイントは以下の通りです。
- 過去の価値観を一度リセットし、新しい環境のルールを学ぶ
- 自分の能力を見直し、強化すべきスキルを特定する
- 最新のガイドラインなどをもとに、看護技術をアップデートする
環境の変化を学びのチャンスととらえ、思考を柔軟に保つことは、生涯学習を続ける看護師にとって大切な心得です。
古い常識を捨てる勇気を持つことで、より複雑な状況に対応できる「レベルIV」の実践能力へと近づけるでしょう。
看護師クリニカルラダーに関するよくある質問
クリニカルラダーの運用にあたっては、給与への反映や昇進のスピードなど、多くの看護師が共通の疑問を抱いています。
制度を自身のキャリア形成に賢く活かすためにも、あらかじめ不明な点を解消しておくことが大切です。
ここでは、代表的な質問について回答していきます。
ラダーの段階があがると給料もアップする?
クリニカルラダーの段階があがったことで直接給与がアップするかは、病院の給与体系によります。
多くの病院では、ラダーの昇進を昇給や職務手当の査定基準の一つとして採用しています。
しかし、実際の昇給額は勤続年数や人事考課全体によって決定されるのが一般的です。
そのため、ラダーの進級が必ずしも大幅な基本給の増額に直結するわけではありません。
ただし、ラダーの上位レベル(レベルIVなど)は、役職への昇進の前提条件となることが多いです。
主任や師長といった役職に就くことで、役職手当や資格手当が支給されるようになります。その結果として、トータルの給与が増加するケースが多く見られます。
ラダーIII(中堅)に到達する年数の目安は?
ラダーIIIに到達する年数は、個人の学習速度や病院の教育体制によって異なります。
一般的にラダーIIIは「中堅看護師」と位置づけられ、経験年数3〜5年目程度が目安とされることが多いです。
この段階では、標準的なケアをおこなうレベルIIから、複雑な事例に対して幅広い視野で予測的な判断ができる能力が求められます。
ただし、経験年数はあくまで目安であり、設定された実践能力を実際に達成しているかが重要です。
到達を急ぐあまり、日々の振り返りが疎かになっては、専門職としての確かな成長にはつながりません。
そのため、自身の学習目標と病院のラダー基準を照らしあわせ、着実にステップアップすることが推奨されます。
ラダーがあがらないのは看護師に向いていないから?
ラダーの段階が思うようにあがらないからといって、看護師に向いていないと落ち込む必要はありません。
習熟の速度は個人の得意分野や配属部署の特性、ライフステージによって大きく左右されるからです。
ラダーがあがらない主な原因は、適性ではなく「学習の計画や振り返りの方法」にある場合がほとんどです。
多忙な業務のなかで自己評価が不十分だったり、目標と実践がリンクしていなかったりすると、評価につながりにくくなります。
停滞を感じたときは、上司や管理者との対話を通じて、自身の状況を客観的に見直してみましょう。
管理者からのフィードバックは、自分の盲点に気づき、学びの方向性を修正するよいきっかけになります。
また、これまでの「あしあと」をポートフォリオで振り返り、自分ができたことを認めることも大切です。
評価レポートで参考にすべき書き方や例文はある?
クリニカルラダーのレポートでは、例文を流用するのではなく、自身の経験を具体的に記述することが大切です。
評価者が重視するのは、単なる「成果の報告」ではなく、看護師としての「思考プロセス」だからです。
自分の言葉で実践を振り返ることで、臨床判断の質が高まり、評価へと直結しやすくなります。
具体的な記述のポイントは、以下の通りです。
- 事実と結果をわける
- 判断の根拠を添える
- 患者さんの変化を記載する
レポートを埋めるための作業ではなく、自身の学びを深める機会ととらえてみましょう。
自分の思考を整理して記録し続ける習慣が、専門職としての説明責任を果たす力にもつながります。
まとめ|クリニカルラダーを活用して自分らしいキャリアアップを
看護師クリニカルラダーは、看護実践能力を客観的に評価し、5段階のレベルを通じて成長を可視化するシステムです。
その目的は、人々の健康に寄与することを目指し、看護師の自律的な成長とキャリア形成を支援することにあります。
評価は自己評価と他者評価を組みあわせて行われ、自身の認識と客観的な評価のズレを修正する機会となります。
このプロセスを通じて不足しているスキルや知識を明確化することは、次の目標を設定するための確かな手引きとなるでしょう。
クリニカルラダーは、幅広いニーズに対応するジェネラリストとしての成長だけでなく、認定看護師などのスペシャリストへの道を開く基盤にもなります。
仕組みを深く理解し、自分自身のキャリアプランに活用することで、あなたは自信をもって次のステップに進むことができるでしょう。
今回の内容を参考に、まずはご自身の現在の習熟段階を確認し、1年後のなりたい姿を描くことから始めてみませんか?
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