看護師の海外転職を徹底解説！資格や給料、求人、5つの人気国で働く方法

「看護師として海外で働きたいけど、何から始めればいいかわからない…」「年齢や英語力に不安があるけれど、私にも挑戦できるのかな？」と、憧れと同時に多くの疑問や不安を抱えていませんか？

そのまま情報収集をためらっていると、キャリアの可能性を広げる貴重なチャンスを逃してしまうかもしれません。

また、漠然とした不安だけが膨らみ、自分に合った海外での働き方を見つけられないまま、時間だけが過ぎてしまう可能性もあります。

この記事では、海外で看護師として働くメリットから、資格取得や語学力に関する具体的な準備、さらには国別の年収や働き方の特徴まで疑問を網羅的に解説します。

この記事を読み終える頃には、海外で看護師として活躍するための具体的な道筋が明確になり、自信を持って新たな一歩を踏み出せるようになるでしょう。

「海外で働きたい」という夢を現実に変えるための、確かな情報がここにあります。

海外で看護師として働くメリット

海外で看護師として働くことは、キャリアに新たな可能性をもたらします。

ここでは、海外で働くことで得られるメリットを紹介します。

• 専門知識や看護観をアップデートできる
• 日本より高い給料・年収を得られる可能性がある
• 国際的なキャリアをきづき自身の市場価値を高められる

これらのメリットを知ることで、海外挑戦への意欲が高まるでしょう。

専門知識や看護観をアップデートできる

海外で働く看護師は、日本の医療現場では経験できないような多様な症例や最先端の治療法に触れる機会が豊富にあります。

これにより、自身の専門知識や技術を飛躍的に向上させ、最新の医療トレンドを肌で感じられるでしょう。

たとえば、特定の疾患に対するアプローチや、日本ではまだ導入されていない医療機器の操作方法など、実践を通して学ぶことができます。

また、異なる文化背景を持つ患者さんや多国籍な医療スタッフと日々関わることで、多様な価値観や文化を理解する力が養われます。

固定観念にとらわれず、柔軟な発想で問題解決に取り組む能力も磨かれるため、看護師としての視野を大きく広げ、自身の看護観を豊かにアップデートできるでしょう。

日本より高い給料・年収を得られる可能性がある

海外で看護師として働く大きな魅力の一つは、国や地域によっては日本と比較して高い給料や年収を得られる可能性がある点です。

特に、看護師の国際的な需要が高い国や、専門性の高いスキルや経験が正当に評価される国では、日本を上回る好待遇が期待できます。

たとえば、一般的にオーストラリアやアメリカ、カナダといった国々では、看護師の平均年収が日本のそれよりも高い傾向にあり、生活水準の向上にもつながる場合が多いです。

ここでは、看護師の平均年収目安比較を紹介します。

国名	平均年収の目安
日本	約520万円
アメリカ	約1,000万円〜1,200万円以上
カナダ	約900万円〜1,000万円程度
オーストラリア	約700万円〜800万円程度

自身の努力や積み重ねたスキルが給与に直接反映される環境は、仕事へのモチベーションを高く維持し、さらなるキャリアアップを目指す原動力となるでしょう。

国際的なキャリアがつき自身の市場価値を高められる

海外で看護師として働くことは、キャリアの選択肢を広げ、自身の専門性を国際的な基準で証明することにつながります。

海外での実務経験は、言語能力や異文化対応力、多様な環境下での問題解決能力といった、日本国内だけでなくグローバル市場でも通用するスキルを習得した証です。

国際的な視点と経験を持つ看護師は、世界的に価値が高く、帰国後の転職や、さらに別の国でのキャリア展開においても大きなアドバンテージとなるでしょう。

このように、経済的な安定とキャリアの成長を同時に追求できるのは、海外で働く看護師ならではのメリットと言えます。

海外で看護師として働く看護師が抱える不安

海外で看護師として活躍したい気持ちはあるものの、具体的にどのような不安を抱えているのでしょうか。

ここでは、多くの看護師が共通して感じる3つの不安要素について解説します。

• 海外で働くメリットが見えづらい
• 自分に合った働き方があるかわからない
• 年齢や英語力への不安がある

これらの不安を解消し、海外でのキャリアを具体的に考えるきっかけにしてください。

海外で働くメリットがイメージしづらい

海外で看護師として働くことは、日本の医療現場では得られない多くのメリットがあります。

たとえば、日本では経験できないような高度な医療技術や最新の治療法に触れる機会が多く、自身の専門知識を飛躍的に向上させることができるでしょう。

また、患者さんの権利を尊重する文化や、多職種連携がより進んだ環境で働くことで、看護観を大きく広げられます。

しかし、これらの具体的なメリットや、海外で得られる給料・年収、キャリアパスに関する情報が不足しているために不安を感じているようです。

自分に合った働き方（国・制度）があるかわからない

海外での看護師の働き方は、国や医療機関によって多岐にわたります。

しかし、日本の看護師が海外で働く場合、「どのような国や制度の選択肢があり、自分に合った働き方を見つけられるのか」と不安に感じる人が多くいます。

たとえば、現地の病院で直接雇用される以外にも、国際ボランティアや短期研修など、あるいは看護助手としての勤務など、多様な形が存在します。

情報が断片的だと、自分にとって最適な道筋が見えず、せっかくの海外挑戦の機会を逃してしまう可能性があります。

年齢（40代・50代）や英語力への不安がある

海外で看護師として活躍したいと願う多くの日本人看護師が、自身の年齢や英語力に対して大きな不安を抱えています。

特に「40代・50代だから海外は難しい」「英語に自信がないから無理だ」といった思い込みで、海外挑戦を諦めてしまうケースは少なくありません。

しかし、国によっては看護師の経験や専門性を重視し、年齢制限を設けていない場所や、シニア看護師を積極的に受け入れている国も存在します。

また、働きながら英語力を向上させるためのサポート体制が充実している医療機関や、日本人向けの語学プログラムを用意している国もあります。

情報が不足しているために、自身の可能性を閉ざしてしまうのはもったいないことです。

正確な情報を得ることで、年齢や英語力に関わらず、海外で働く道が開ける可能性は大いにあります。

海外で看護師になるための2つのルート

海外で看護師として活躍するには、主に2つのルートがあります。

どちらの道を選ぶかによって、必要な準備や経験が異なります。

• 現地の看護師資格を取得して就職するルート
• 国際的な医療支援活動やボランティアに参加する

それぞれのルートを詳しく見ていきましょう。

1.現地の看護師資格を取得して就職するルート

海外で看護師として働くための一般的なルートは、渡航先の国の看護師資格を新たに取得することです。

残念ながら、日本の看護師免許は原則としてほとんどの海外の国でそのままでは使えません。

これは、各国の医療制度、看護教育のカリキュラム、および看護実践の基準が異なるためです。

たとえば、イギリスで正看護師として働くには、日本の看護師免許を取得していることが基本条件となります。 

その上で、NMC（Nursing and Midwifery Council：看護助産師審議会）への登録が求められます。

登録プロセスには、英語能力試験（IELTSまたはOET）の基準スコア達成や、場合によっては現地の大学での追加学習が求められるでしょう。

さらに、NMCの要件を満たすための評価試験（CBTやOSCE）の受験や、場合によっては現地の大学での追加学習が求められます。

国によっては、日本の看護教育課程が一部評価され、試験が免除されるケースもありますが、基本的にはその国の定める資格取得プロセスに従うことになります。

語学力の証明、現地の看護学校での追加学習、そして国家試験への合格が主なステップとなるでしょう。

2.国際的な医療支援活動やボランティア・派遣で活躍するルート

国際的な医療支援活動やボランティアに参加することも、海外で看護師経験を積む有効なルートです。

「国境なき医師団」や「ジャパンハート」のようなNPO法人では、医療支援を必要とする地域で看護師を募集しています。

これらの団体がおこなう活動では、多くの場合現地の看護師資格が求められるわけではありません。

しかし、高度な看護経験や専門性が選考で重視されます。

そのため、資格取得のハードルが低いから挑戦するというより、国際協力への強い意思と確かなスキルを持つ方が進むルートです。

プログラムによっては短期間から参加できるものもあり、まずは海外の医療現場の雰囲気を体験したいという方にも適しています。

発展途上国や災害被災地など、厳しい環境下での医療支援は、看護スキルや判断力を向上させるとともに、国際的な視点や異文化理解を深める貴重な機会となります。

海外で看護師として働くために必要な準備

海外で看護師として働く夢を実現するためには、事前の準備が重要です。

ここでは、具体的に必要な準備について解説します。

• 英語力の向上と証明（IELTS、OETなど）
• 各国の看護師資格・免許の確認と取得
• 海外の医療システムと文化を理解する
• 具体的な求人情報の収集と応募

これらの準備をしっかりとおこなうことで、スムーズな海外挑戦が可能になります。

英語力の向上と証明（IELTS、OETなど）

海外で看護師として働く上で、英語力は必要不可欠です。

患者さんとのコミュニケーションだけでなく、医療記録の作成や多職種との連携にも高い英語力が求められます。

単に日常会話ができるだけでなく、医療に関する専門用語や緊急時の複雑な状況を正確に伝える能力が必要です。

英語力の客観的な証明には、IELTSやTOEFL、またはOETなどの国際的な語学試験で、各国登録機関の定める基準スコアを取得することが重要です。

多くの英語圏の国（例：オーストラリア、ニュージーランド）の看護師登録に必要なスコアは、以下の水準が目安となります。

試験名	総合スコア（目安）	各セクションの最低スコア（目安）
IELTS (Academic)	7.0 以上	6.5～7.0 以上
TOEFL iBT	94 点以上	24 点以上
OET (Occupational English Test)	–	・リスニング/リーディング/スピーキング：B以上・ライティング：C+またはB以上

英語力を向上させるためには、専門学校やオンライン英会話での学習に加え、医療英語に特化した教材やeラーニングを活用するなど、実践的な学習を継続することが求められます。

各国の看護師資格・免許の確認と取得

海外で看護師として働くには、渡航先の国の看護師資格や免許を新たに取得する必要があります。

日本の看護師免許は、原則としてほとんどの国でそのまま利用できません。

各国で異なる資格要件や試験内容を事前に確認し、計画的に準備を進めることが重要です。

たとえば、アメリカで正看護師として働くには、NCLEX-RNという全米統一の国家試験に合格する必要があります。

また、イギリスではNMC（Nursing and Midwifery Council）への登録が求められ、日本の学歴や職務経験が評価される場合でも、追加の英語試験や研修が課されることがあります。

海外の医療システムと文化を理解する

海外で働くためには、その国の医療システムや文化を深く理解することが大切です。

日本の医療システムとは異なる点が多いため、事前の学習と準備が不可欠となります。

医療費の支払い方法一つとっても、公的医療保険制度が中心の日本とは異なり、民間保険が主流の国や、自己負担割合が高い国などさまざまな形態があります。

また、患者さんの権利意識や医療従事者の役割分担も国によって大きく異なります。

チーム医療における看護師の立ち位置や、医師との協働のあり方、患者さんやその家族とのコミュニケーションの取り方など多岐にわたる文化的な違いを把握しましょう。

具体的な求人情報の収集と応募

海外で看護師として働くためには、具体的な求人情報の収集と応募が不可欠です。

まず、海外の主要な求人サイトや、看護師専門の国際転職エージェントを活用しましょう。

希望する国の病院の公式ウェブサイトも参照し、自身のスキルや経験に合った求人を探すことが大切です。

応募の際には、英文履歴書（Curriculum Vitae, CV）やカバーレター（職務経歴書）の作成が必須となります。

これらは日本の履歴書とは異なるフォーマットや書き方があるため、事前にしっかりと準備することが重要です。

また、オンライン面接や現地での面接に備えた対策も欠かせません。

自身の強みや海外で働きたいという熱意を効果的にアピールできるよう、ロールプレイングなどで十分な練習を行いましょう。

【国別】海外の看護師事情と働き方の特徴

海外で看護師として働くことを検討する際、国ごとの看護師事情や働き方の特徴を理解することが必要です。

ここでは、特に人気の高い5つの国について、年収や資格の取得方法を詳しく解説します。

• アメリカで働く看護師の年収と資格
• カナダで働く看護師の年収と資格
• オーストラリアで働く看護師の年収と資格
• イギリスで働く看護師の年収と資格
• ドイツで働く看護師の年収と資格

あなたの目指すキャリアに合った国を見つける参考にしてください。

アメリカで働く看護師の年収と資格

アメリカ合衆国は、看護師の給与水準が世界的に高いことで知られています。

日本の看護師と比較しても高い収入が期待でき、特に需要の高い地域や専門分野ではさらに高年収を得ることが可能です。

以下の表に、アメリカの看護師の平均年収と、現地で働くために必須となる資格の情報をまとめました。

項目	詳細	補足情報・条件
平均年収	約800万円〜1,000万円以上	世界的に見ても高い水準。地域、経験値、専門分野（都市部など）により大きく変動する
必須資格	Registered Nurse (RN)	この資格の取得が必須
資格取得方法	NCLEX-RN (全米統一の国家試験) に合格する必要がある	–
受験資格	日本の看護大学での教育課程が認められる場合がある	州によっては追加の履修を求められることがある
その他必須要件	英語力の証明	TOEFLやIELTSのスコア提出が求められる

アメリカで看護師として働くには、Registered Nurse (RN)の資格取得と、TOEFLやIELTSによる高い英語力の証明が必須となります。

カナダで働く看護師の年収と資格

カナダは、世界トップクラスの医療水準と魅力的な高収入を提供しており、日本人看護師にとっても人気の高い就職先です。

以下の表は、カナダで正看護師として働くために必要な年収水準と資格要件をまとめたものです。

項目	詳細	補足情報・条件
平均年収	約600万円〜900万円程度	アメリカと並んで高い水準であり、質の高い生活を支える収入となる
必須資格	各州が定める看護師資格の登録	登録が必須
資格取得試験	NCLEX-RN（全米統一試験）	2015年以降、アメリカと同じ試験（NCLEX-RN）に合格する
受験資格	日本の看護師免許に加え、カナダの看護教育基準を満たしているかの厳密な審査が行われる。	–
その他必須要件	高い語学力（英語またはフランス語）	IELTSやCELPIPなどの公認語学試験で基準スコアを達成する必要がある

カナダの多様な医療現場で活躍するためには、NCLEX-RN合格と教育基準の審査通過に加え、高いレベルの英語またはフランス語の語学力が不可欠となります。

オーストラリアで働く看護師の年収と資格

オーストラリアは、豊かな自然と高い生活水準から世界的に人気があり、看護師にとっても魅力的な環境です。

以下の表は、オーストラリアで正看護師として働くために必須となる年収水準と厳格な資格要件をまとめたものです。

項目	詳細	補足情報・条件
平均年収	約550万円〜800万円程度	日本と比較して高い水準。経験、勤務地、専門性によって年収増の可能性がある
必須資格	AHPRA (Australian Health Practitioner Regulation Agency) への登録	登録が必須
登録審査	日本の看護師免許を持っていても、AHPRAが学歴や職務経験を個別に審査	日本の教育課程が基準に満たない場合、現地の大学での追加学習やBridging Programの履修が求められることがある
その他必須要件	高い英語力	IELTSやOETなどの公認語学試験でAHPRAが定める高スコアを提出することが登録の絶対条件

オーストラリアでのキャリアを目指す上で、AHPRAによる学歴・職務経験の審査と、高いIELTSスコアに代表される英語力の要件達成が突破すべき大きな壁となります。

イギリスで働く看護師の年収と資格

イギリスで看護師として働くことは、国際的な経験を積む貴重な機会です。

以下の表は、イギリスで看護師として働くために必要な年収水準と必須となる資格要件をまとめたものです。

項目	詳細	補足情報・条件
平均年収	約400万円〜600万円程度	NHS（国民保健サービス）の給与バンド（Band 5以降）に基づいて決定されるため、経験や地域によって異なる
主な勤務先	NHS（国民保健サービス）*の病院	公的医療機関での勤務が一般的
必須資格	NMC (Nursing and Midwifery Council) への登録 登	登録が必須
登録プロセス	日本の看護師資格や臨床経験が評価されるケースもある。	–
最も重要な要件	高い英語力の証明	NMCが定める高い基準スコアをIELTSやOETなどの公認語学試験で達成する必要

イギリスでの国際的なキャリアを実現するためには、NMCへの登録審査を通過することや厳格な英語力基準を満たすことが大切となります。

ドイツで働く看護師の年収と資格

ドイツは日本と同様に高齢化が進み、看護師の需要が非常に高い国です。

以下の表は、ドイツで看護師として働くために必須となる年収水準と、最も重要な要件である語学力や資格承認の手続きをまとめたものです。

項目	詳細	補足情報・条件
平均年収	約350万円〜500万円程度	経験、地域、専門分野によって幅がある
市場の状況	日本と同様に高齢化が進んでおり、看護師の需要が非常に高い。	海外からの看護師にとって大きなチャンスとなる
必須要件 (語学)	ドイツ語での高い語学力	CEFRのB2レベル以上のドイツ語能力試験に合格することが求められる。
必須要件 (資格)	日本の看護師資格のドイツでの正式な承認（資格承認）	手続きが必要となる
資格承認プロセス	日本の教育内容とドイツの基準との比較審査が含まれる	場合によっては、現地の医療機関での追加研修や試験を受ける必要がある

ドイツの医療システムで働くためには、CEFR B2レベル以上のドイツ語能力の習得と、日本の資格をドイツで有効にするための資格承認手続きのクリアが不可欠です。

年齢や英語力に不安がある人向けの現実的な働き方

「年齢が高いから」「英語に自信がないから」と、海外でのキャリアを諦める必要はありません。

ここでは、年齢や語学力に不安がある日本の看護師でも海外で活躍できる具体的な方法を紹介します。

• 40代・50代の経験を活かせる国とルートを選ぶ
• 語学力に合わせた段階的なキャリアを設計する
• 海外研修制度のある日本の病院を選ぶ

これらの方法を知り、あなたの海外挑戦への一歩を踏み出しましょう。

40代・50代の経験を活かせる国とルートを選ぶ

海外で看護師を目指す際、年齢を理由にキャリアを諦める必要はありません。

多くの先進国では看護師不足が深刻化しており、年齢よりも豊富な臨床経験と高い専門性が評価される傾向にあるためです。 

特に、ベテラン看護師のスキルが求められる国では、40代や50代からでも挑戦しやすい環境が整っています。

たとえば、カナダやオーストラリアなどは、看護師資格の登録自体に年齢制限を設けていません。

そのため、専門性の高い経験を活かすことができます。

 ただし、就労ビザや永住権の申請においては、多くの場合、年齢が高くなるほどポイントが不利になるなど別のハードルがあることに注意が必要です。

語学力ゼロでも段階的に海外を目指すキャリア設計をする

海外で看護師としてのキャリアを始めるにあたり、現時点での高い語学力に不安があっても、それに合わせた段階的な働き方からスタートすることが可能です。

まず、現地の語学学校に通いつつ、医療ボランティアや看護助手（AINなど）として働くことで、医療現場で使う実践的な語学力を効果的に身につけられます。 

また、初期段階では、日本人患者が多い日系クリニックや国際医療支援活動など、比較的少ない語学力から始められる職場を選ぶことが有効です。

これらのステップを踏むことで、徐々に専門的なコミュニケーション能力を向上させ、Registered Nurse（RN）などの現地資格取得や、より専門的な病院での勤務へとステップアップする道が開けます。 

海外研修制度のある日本の病院を選ぶ

海外での看護師キャリアを目指すための有効な第一歩として、海外研修制度を設けている日本の病院を選ぶ方法があります。

日本の病院の中には、看護師の国際的な視野を広げる目的で、提携する海外の医療機関へスタッフを派遣するプログラムを提供しているところがあります。

このような制度を利用する利点は、日本の雇用を維持したまま、数週間から数か月の海外の医療現場を体験できる点です。

研修を通じて、働きながら実践的な語学力や異文化での適応能力を養うことができます。

帰国後もその経験を活かして、国際的なキャリアや海外資格取得への準備を有利に進められるため、無理なく海外挑戦の土台を築く賢明な選択肢の一つです。

海外で働く看護師のよくある質問

海外で看護師として働くことを検討する際、多くの疑問が生じるものです。

ここでは、日本の看護師が抱きやすい質問について、詳しく解説します。

日本の看護師免許は海外でも使えますか？

日本の看護師免許は、残念ながら原則としてほとんどの海外の国ではそのまま使えません。

海外で看護師として働くには、渡航先の国の看護師資格や免許を新たに取得する必要があります。

これは、各国で医療制度や看護の基準が異なるためです。

多くの国では、日本の看護師としての学歴や経験が一部認められることもありますが、現地の試験に合格するなどの追加要件を満たす必要があります。

国際看護師の年収はどのくらいですか？

国際看護師の年収は、働く国や地域、経験、専門分野によって大きく異なります。

一般的に、看護師の需要が高いアメリカやカナダ、オーストラリアなどでは、日本よりも高い年収が期待できるでしょう。

たとえば、アメリカのRegistered Nurse（RN）の平均年収は約800万円以上とされています。

しかし、国ごとの物価や税金、住宅費などの違いも考慮する必要があるため、額面だけで比較するのは適切ではありません。

海外で働く看護師の英語力はどのくらい必要ですか？

海外で看護師として働くには、医療現場で問題なくコミュニケーションが取れる高い英語力が必要です。

患者さんや多職種との円滑な意思疎通はもちろん、医療記録の正確な理解と作成、緊急時の迅速な対応にも英語力が求められます。

看護師資格取得やビザ申請の絶対条件は、IELTSやTOEFL、OET（医療英語特化）など、各国登録機関が定める語学試験の基準スコアをクリアすることです。

海外の看護師の仕事内容は日本とどう違いますか？

海外の看護師の仕事内容は、国によって日本の看護師と異なる点が多くあります。

たとえば、役割分担がより明確で、看護師が医師に近い権限を持つ「高度実践看護師（NP）」などの制度が確立している国もあります。 

また、専門看護師の制度が発達しており、特定の専門分野で高度なケアを提供する機会も多いです。

異文化の中で働くことで、日本の看護では得られない多様な経験を積むことができ、自身の看護観を広げられます。

まとめ｜海外で看護師として活躍する新たな一歩を踏み出そう

この記事では、海外で看護師として働くことへの不安を解消し、そのメリットや具体的な準備、国ごとの特徴について詳しく解説しました。

海外での挑戦は、専門知識や看護観をアップデートし、日本よりも高い給料や年収を得る可能性を秘めています。

また、国際的なキャリアを築き、自身の市場価値を高める貴重な機会となるでしょう。

現地の看護師資格取得や国際的な医療支援活動への参加など、海外で働くためのルートは複数存在します。

年齢や英語力に不安がある方でも、適切な国選びや語学力に合わせた働き方、海外研修制度の活用によって、夢を実現できる可能性は十分にあります。

この記事を通して、海外で看護師として活躍するための具体的なイメージを持てたなら幸いです。

情報収集をしっかり行い、計画的に準備を進めることで、国際的な舞台で活躍する新たな一歩を踏み出せるでしょう。