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多職種連携における看護師の役割とは?チームから頼られる動き方を解説
「多職種連携の重要性はわかっていても、現場でどう動けばよいのか、自分の役割がぼんやりしていて不安…」と感じていませんか?
看護師として患者さんと家族に最も近い立場だからこそ、意見の食い違いや専門用語の壁に戸惑うこともあるものです。
この迷いを放置すると、情報が途切れてケアの質や安全性が下がったり、無用な対立や業務の負担増につながりかねません。
多職種連携(チーム医療)の全体像と目的
多職種連携とは、患者中心の質の高い医療を提供するため、それぞれの専門性を発揮して協力し、サポートすることです。
ここでは、以下を解説します。
- チームで最適なケアを提供するという目的
- 多職種連携とチーム医療の違違い
- 関わる主な職種と役割の範囲
それでは、チーム医療の質を左右する全体像を見ていきましょう。
チームで最適なケアを提供するという目的
多職種連携の大きな目的は、さまざまな専門職が協力し、患者さん一人ひとりにとって最善の医療とケアを提供することです。
医療の高度化や患者さんのニーズの多様化にともない、一人の専門職の知識や技術だけでは対応しきれない場面が増えてきました。
例えば、医師が治療方針を立て、看護師が日々のケアを行い、理学療法士がリハビリを支援します。
それぞれの専門性を最大限に発揮して情報を共有することで、病気の治療だけでなく、患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上といったサポートが実現します。
多職種連携とチーム医療の違い
「多職種連携」と「チーム医療」は、ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密にはニュアンスが異なります。
チーム医療は、主に病院内など特定の場所で、明確な治療目標を共有する専門職の集まり(チーム)を指す傾向があります。
一方、多職種連携はより広い概念です。在宅医療のように、所属する組織や働く場所が異なる専門職同士が、一人の患者さんを支えるために協力しあう場合も含まれます。
例えば、病院のNST(栄養サポートチーム)は「チーム医療」の典型例です。
訪問看護師と地域のケアマネジャー、かかりつけ医が連携するのは「多職種連携」のイメージに近いでしょう。
関わる主な職種と役割の範囲
チーム医療は、さまざまな専門性を持つ医療従事者たちの協力によって成り立っています。
患者さん中心のケアを実現するためには、それぞれの職種がどのような役割を担っているのかを理解しておくことが大切です。
連携する機会の多い主な専門職種と、その役割は以下に示します。
職種 | 主な役割 |
---|---|
医師 | 診断、治療方針の決定、医療行為全般を担う |
看護師 | ・24時間患者に寄り添い、療養上のケアや精神的支援を行う ・他職種との調整役も担う |
薬剤師 | 処方内容の確認や服薬指導、副作用の管理を行う |
理学療法士(PT) | 「立つ」「歩く」など基本的な動作能力の回復を支援するリハビリの専門家 |
作業療法士(OT) | 食事や入浴など、応用的・社会的な動作能力の回復を支援する |
言語聴覚士(ST) | 「話す」「聞く」「食べる(嚥下)」機能の訓練や支援を行う |
管理栄養士 | 患者の状態にあわせた栄養計画を作成し、食事面から治療をサポートする |
医療ソーシャルワーカー(MSW) | 医療費や退院後の生活など、社会的・経済的な問題の相談に応じる |
これらはあくまで一例です。患者さんの状況によっては、臨床心理士やケアマネジャーなど、さらに多くの専門職がチームに加わります。
多職種連携における看護師の3つの役割
多職種連携において、看護師はチームの中心的な存在です。
それは、患者さんと最も近い距離で、最も長い時間関わるという特殊な立ち位置にいるからにほかなりません。
ここでは、チームの要として看護師に期待される3つの重要な役割について、具体的に解説します。
- 患者と家族に近い「代弁者」
- チーム全体の情報を繋ぐ「調整役」
- 24時間体制で変化を捉える「観察者」
この3つの役割を意識することが、チームから頼られる存在になるための第一歩です。
代弁者:患者と家族の声をチームに届ける
看護師は、患者さんやご家族の思いをチームに伝える「代弁者」という重要な役割を担います。
24時間患者さんのそばにいる看護師は、日々のケアや会話をとおして、医師やほかの専門職には直接言いづらい本音や不安を汲み取れる立場にあるからです。
「先生の前では緊張して言えなかったけど、本当は家に帰りたい」「この治療は副作用が心配」といった患者さんの小さな声に耳を傾けます。
その言葉にならない思いを専門的な視点で解釈し、カンファレンスなどでチーム全体に共有することで、治療方針やケアプランの見直しにつなげます。
【体験談】
多くの看護師が経験することですが、患者さんは医師の前では「大丈夫です」と答えます。
一方で、看護師にだけ「本当は痛みが辛い」「家に帰りたい」といった本音や、時には“わがまま”に聞こえるような発言も。
その言葉の背景にある不安や願いを汲み取り、どうすれば角を立てずに、かつ正確に医師へ届けられるか。常に、方法を考えています。
調整役:情報と業務をつなぎ合意形成に務める
看護師は、さまざまな専門職が持つ情報をつなぎ、チーム全体の動きを円滑にする「調整役(コーディネーター)」の役割を果たします。
患者さんに関するあらゆる情報が、日々のケアを行う看護師のもとに自然と集まってくるため、チームの中心として機能しやすいのです。
具体的には、医師の治療方針、理学療法士のリハビリの経過、管理栄養士の食事プランなど、各専門職からの情報を集約します。
そのうえで、カンファレンスでの議題を設定したり、必要な情報を適切なタイミングで他職種に伝達したりと、チームが円滑に機能するように調整することも大切な役割です。
より高度な医学的知識と調整能力が求められる場面では、診療看護師のような専門性の高い看護師が活躍することも期待されるでしょう。
診療看護師について知りたい方は、「NP看護師になるには?仕事内容や給料、特定看護師との違いまで解説」をご覧ください。
観察者:24時間の変化を捉えアセスメントにつなげる
看護師は、24時間体制で患者さんの心身の状態を継続的に見守り、わずかな変化も見逃さない「観察者」としての役割を担います。
医師やほかの専門職が関わる時間は限られていますが、看護師は日勤・夜勤を通じて患者さんのそばにいる時間が長いからです。
そのため、バイタルサインなどの客観的データはもちろん、「いつもより口数が少ない」といった数値では測れない変化にも気づくことが可能です。
こうした日々の観察から得られたリアルタイムの情報は、異常の早期発見や、治療効果の判断、ケアプランを修正するための重要な根拠となります。
厚生労働省の主要文献からみる多職種連携における看護師の役割
多職種連携の重要性は、国の医療政策を司る厚生労働省の文献からも明確に読み取れます。
高齢化が進み、医療の場が病院から地域・在宅へと移るなかで、看護師に期待される役割はますます大きくなっています。
ここでは、以下について解説します。
- 公式定義と関連施策
- 特定行為の位置づけと看護師の権限・責務
- 研究が示す満足度の向上
国の公式な視点から、看護師に期待される役割を具体的に見ていきましょう。
公式定義と関連施策
厚生労働省は、多職種連携を「地域包括ケアシステムの実現に不可欠な要素」と定義し、さまざまな施策でその推進を図っています。
高齢者が住み慣れた地域で生活を続けるためには、医療・介護・予防・生活支援などのサービスが一体的に提供される必要があるからです。
例えば、退院支援カンファレンスを評価する診療報酬や、在宅医療における連携を促すための加算などが設けられています。
病院や地域のクリニック、訪問看護ステーションといった異なる組織の専門職が、一人の患者さんを支えるために情報を共有し、協働します。
これらの制度は、国がそうした連携を後押ししている証拠なのです。
特定行為の位置づけと看護師の権限・責務
厚生労働省は、特定行為研修を修了した看護師を、多職種連携において迅速な医療提供を可能にするキーパーソンと位置づけています。
在宅医療や救急の現場など、医師が常にその場にいるとは限らない状況で、患者さんの状態変化に迅速に対応する必要性が高まっているためです。
特定行為研修を修了した看護師(診療看護師)は、医師が作成した手順書に基づき、脱水時の点滴開始や褥瘡の処置といった特定の医療行為を自らの判断で実施できます。
これにより、医師の到着を待つことなく必要なケアを提供でき、患者さんの重症化防止につながります。
看護師の権限が拡大する一方、その判断に対する責任も大きくなるため、高度な知識と倫理観が求められます。
研究が示す満足度の向上
厚生労働省が公開する調査研究事業の報告書などでは、多職種連携の実践が患者さんやその家族、そして医療従事者自身の満足度を向上させることが示されています。
連携によって情報共有が円滑になり、一貫性のある質の高いケアが提供されるため、患者さんは安心感を得やすくなります。
また、医療従事者にとっては、それぞれの専門性を発揮しやすくなり、一人で課題を抱え込むことによる精神的な負担の軽減や、やりがいにもつながります。
実際に、多職種カンファレンスを定期的に実施している事業所では、患者さんのQOLが向上したというデータも報告もありました。
このことから、連携がケアの質と関係者の満足度双方に良い影響を与えることがわかります。
【場面別】多職種連携における看護師の役割
多職種連携における看護師の役割は、働くフィールドによってその重心が異なります。
病院内だけでなく、患者さんの生活の場である在宅や施設など、求められる動き方や連携する相手もさまざまです。
ここでは、各場面における看護師の役割の特色を解説します。
- 在宅・訪問看護における看護師の役割
- 急性期・手術室における看護師の役割
- 介護施設・老健における看護師の役割
- 精神科・小児科における看護師の役割
- 地域包括ケアで求められる看護師の役割
- 回復期・慢性期における看護師の役割
ご自身の働く現場と照らしあわせながら、具体的な動き方のヒントを見つけてみてください。
在宅・訪問看護における看護師の役割
在宅・訪問看護における看護師は、利用者の生活を守る「司令塔」として、地域に点在する多職種をつなぐ必要があります。
利用者には、病院と違い資源が限られた生活の場で医療の提供をします。
そのため、主治医やケアマネジャー、ヘルパー、リハビリ専門職などが個別に関わるため、情報を集約し調整する看護師の存在が不可欠だからです。
例えば、ケアマネジャーが立てたケアプランを医療的視点から確認し、利用者の状態変化を主治医に報告して指示を仰ぎます。
訪問看護師は医療と介護、そして生活をつなぐ役割を果たし、利用者が住み慣れた場所で安心して暮らし続けるための環境を整えます。
急性期・手術室における看護師の役割
急性期や手術室の看護師は、次々と変わる患者さんの状態を正確に把握し、迅速な情報共有でチーム医療の安全を支えます。
生命の危機に直結する場面が多く、一瞬の判断ミスも許されない緊迫した環境だからです。
例えば、急性期病棟では、救急搬送された患者さんの初期治療で、医師や検査技師、薬剤師と密に連携します。
また手術室では、執刀医や麻酔科医と術前の情報を確認し、術後は病棟看護師へ経過を詳細に申し送ることで、切れ目のないケアを実現します。
介護施設・老健における看護師の役割
介護施設や介護老人保健施設(老健)の看護師は、利用者の日々の健康管理を担い、介護職と医療機関をつなぐ「橋渡し役」となります。
介護施設は生活の場であり、主は介護職員ですが、多くの利用者は慢性疾患を抱えており、医療的な視点での観察が欠かせません。
看護師は日々のバイタルサイン測定や服薬管理、褥瘡(じょくそう)処置などをとおして利用者の健康を支えます。
また、介護職員からの「いつもと様子が違う」という報告を受け、医学的にアセスメントを行い、必要に応じて嘱託医や協力病院へ連絡・相談する判断を下します。
精神科・小児科における看護師の役割
精神科や小児科の看護師は、患者さん本人だけでなく、その家族も含めた心理・社会的な支援を行い、多角的な視点でチームをつなぐ役割を担います。
これらの領域では、病状だけでなく、患者さんの心理状態や発達段階、家族関係などが複雑に影響しあうため、多職種による包括的なアプローチが不可欠です。
精神科では患者さんとの対話で信頼関係を築き、その思いを医師や臨床心理士、精神保健福祉士(PSW)と共有して治療計画に反映させます。
小児科では、子どもの不安を和らげるケアはもちろん、親の精神的なサポートも行い、医師や保育士、栄養士などと連携して子どもと家族を丸ごと支えます。
地域包括ケアで求められる看護師の役割
地域包括ケアにおける看護師は、医療と介護、そして病院と地域社会をつなぐ中心としての役割が求められます。
高齢者が住み慣れた地域で生活し続けるためには、医療や介護、生活支援など多様なサービスを切れ目なく提供する必要があるからです。
例えば、退院支援カンファレンスに参加し、病院での治療内容をケアマネジャーや訪問介護事業所に正確に伝えます。
また、在宅での療養生活が始まれば、利用者の健康状態の変化をかかりつけ医に報告し、必要な医療につなげるなど、地域全体の情報を把握し調整役を担います。
回復期・慢性期における看護師の役割
回復期・慢性期の看護師は、患者さんの「生活の再建」と「自己管理能力の向上」を多職種と連携して支援する役割を担います。
この時期の目標は、病気の治療そのものよりも、後遺症と付き合いながら自分らしい生活を取り戻したり、病状を安定させたりすることだからです。
回復期では、理学療法士や作業療法士と密に連携し、リハビリの進捗にあわせた日常生活のケアを行います。
慢性期では、管理栄養士と食事指導を行ったり、薬剤師と服薬管理の方法を検討したりと、患者さんが主体的に病気と向き合えるよう支援します。
看護師が患者さんの生活視点に立ち、多職種と協働することがQOL向上につながるでしょう。
看護師が多職種連携で直面する課題と解決方法
多職種連携は理想的なチーム医療を実現するうえで大切ですが、現場では多くの看護師が困難に直面します。
価値観の異なる専門職が集まるからこそ、意見の対立や情報共有の難しさが生じるのは当然です。
ここでは、看護師が連携の場で抱えがちな3つの課題と、それを乗り越えるための具体的な方法を解説します。
- 職種間の意見が対立してしまう
- 多忙で情報共有の時間がとれない
- 自分の役割が曖昧で動きにくい
これらのよくある課題も、具体的な解決策を見ていきましょう。
職種間の意見が対立してしまう
職種間で意見が対立した際は、一度立ち止まり「患者さんにとっての最善は何か」という共通のゴールに立ち返ることが解決の糸口となります。
意見の対立は、各専門職がそれぞれの立場で患者さんのことを真剣に考えている証拠でもあるからです。
例えば、早期離床を目指す理学療法士と、術後の安静を優先したい看護師とで意見が食い違う場面があります。
このとき、感情的に反論するのではなく、互いの専門的視点(データや観察結果)を尊重し、客観的な情報をもとに議論することが重要です。
そうすることで、「安全を確保しながら、どのタイミングで離床を開始するか」という、より建設的なテーマへと議論が発展します。
多忙で情報共有の時間がとれない
日々の業務が多忙で、十分な情報共有の時間がとれない課題は、効率的な仕組み作りで乗り越えられます。
関係者全員が長時間集まるのが難しくても、情報伝達の方法を工夫すれば、連携ミスを防ぐことは可能です。
毎朝決まった時間に5分だけ行う「ハドル(短時間のミーティング)」を導入し、その日の重要事項だけを共有するルールを作るのも一つの手です。
また、全員がいつでも確認できる連絡ノートやホワイトボードの活用、あるいは施設によってはICT(情報通信技術)を使ったチャットツールを導入することも有効でしょう。
大切なのは、忙しさを理由に情報共有を諦めるのではなく、自分たちの職場環境にあった、無理なく続けられる方法を見つけ、習慣化していくことです。
自分の役割が曖昧で動きにくい
多職種連携の場で自分の役割が曖昧に感じ、どう動けばよいか迷うときは、看護師独自の強みに立ち返ることが大切です。
その強みとは、「患者さんに近い立場で寄り添う視点」と「チーム全体の情報を繋ぐ調整役」としての視点です。
専門職が集まるカンファレンスでは、他職種の専門的な意見に圧倒されてしまうかもしれません。
しかし、看護師には日々のケアをとおして得た「患者さんの小さな変化」や「ご家族の思い」といった、ほかの職種にはない貴重な情報があります。
まずは、その情報をチームに提供することから始めてみましょう。
自分の役割を固定的に考えるのではなく、「チームに足りない視点を補う」という意識を持つことで、何をすべきかが見え、主体的に連携に関われるようになります。
多職種連携の学びを深める方法
多職種連携のスキルは、日々の実践に加え、意識的な学習でさらに向上します。
ここでは、スキルアップにつながる具体的な学習方法を紹介します。
- 関連する文献や論文で知識を得る
- 院内外の研修や勉強会に参加する
- レポートや小論文で実践を言語化する
なんとなく関わるのではなく、体系的な知識のインプットと、自らの実践を客観的に振り返るアウトプットを組み合わせることが重要です。
関連する文献や論文で知識を得る
多職種連携のスキルを体系的に学びたい場合、関連する文献や論文を読むことが有効です。
日々の業務で得られる経験知だけでなく、理論的背景を学ぶことで、ご自身の行っている看護に学術的な裏付けを持つことができます。
CiNii ArticlesやJ-STAGEといった論文検索サイトで「多職種連携」や「チーム医療」と検索すれば、多くの先行研究に触れることが可能です。
他施設の成功事例や課題を知ることで、自施設での連携のあり方を見直すきっかけにもなります。
院内外の研修や勉強会に参加する
院内外の研修や勉強会への参加も、連携スキルを高める学びの場です。
多職種連携をテーマにした研修では、専門家から新しい知見を学べるだけでなく、ロールプレイングなどをとおして、他職種の視点を疑似体験できます。
例えば、地域の看護協会や関連学会が主催する研修に参加すれば、他施設の看護師と情報交換ができます。
自施設では思いつかなかった連携の工夫や課題解決のヒントを得られるかもしれません。
レポートや小論文で実践を言語化する
日々の実践をレポートや小論文にまとめることは、経験を学びに変えるプロセスです。
業務を進めるなかで、連携がうまくいった事例、あるいは困難だった事例があるでしょう。
そのときの状況、自分のアセスメントや行動、そして結果を文章に書き起こしてみてください。
なぜ成功したのか、何が課題だったのかを客観的に分析できます。
例えば、「Aさんの退院支援」といったテーマで振り返ることで、自身の関わり方を論理的に整理できます。
なんとなく行っていた実践が、再現性のあるスキルへと変わるでしょう。
経験を書き出して振り返る習慣は、看護師としての思考力を鍛え、今後の連携の質を向上させる力になります。
看護師の多職種連携におけるよくある質問
ここでは、多職種連携における看護師の役割についてよくある質問に回答します。
日々の実践のヒントとしてご活用ください。
チーム医療においての看護師の役割は?
チーム医療における看護師の役割は、患者さんとチーム全体の「中心軸」となり、連携を円滑に進めるキーパーソンとなることです。
なぜなら、看護師は患者さんと最も近い距離で、最も長い時間関わるためです。
そのため、医療的な情報だけでなく、患者さんの本音や生活背景といった多角的な情報を把握できる立場にあります。
例えば、医師や理学療法士など他職種からの情報を集約し、日々のケアに反映させることせことも求められるでしょう。
逆に、ケアのなかで得た患者さんのわずかな変化や不安の声を、カンファレンスなどで他職種にフィードバックする橋渡しの役割も担います。
このように、チーム医療の質を高めるうえで看護師に期待される重要な役割といえます。
看護師の4つの役割は?
一般的に「看護師の4つの役割」とは、ICN(国際看護師協会)が看護の基本として示す、以下の4つの責任を指します。
役割 | 具体的な内容 |
---|---|
健康の増進 | 人々がよりよい健康状態を維持・向上できるよう、生活習慣の指導や健康教育を行う役割 |
疾病の予防 | 病気にならないように、予防接種の推奨や感染対策の指導などを通じて人々を守る役割 |
健康の回復 | 病気や怪我をした患者さんが元の健康状態に近づけるよう、日々の療養上の世話や医療処置の補助 |
苦痛の緩和 | 治癒が望めない場合でも、痛みや不安などの苦痛を和らげ、その人らしい最期を迎えられるよう支援する役割 |
これらの役割は、多職種連携の場においても、看護師がどのような視点で患者さんに関わるべきかの基本指針となります。
看護師として専門的な関わりを知りたい方は「看護師にしかできないこととは?医療現場で求められる役割や重要性について」を一読ください。

看護師はなぜ多職種と連携する必要があるのですか?
患者さん一人ひとりにとって最適なケアを提供するために、多職種との連携は必要です。
現代の医療は高度化・複雑化しており、高齢化にともなって複数の疾患を抱える患者さんも増えました。
そのため、一人の専門職の知識や技術だけでは、治療から生活支援まで、多様化する患者さんのニーズすべてに応えることが困難になっています。
例えば、医師が病気の治療を行い、理学療法士がリハビリを、管理栄養士が栄養管理を担うなど、各専門家がそれぞれの視点で関わることが重要です。
多職種連携で大切なことは何ですか?
多職種連携において大切なことは、第一に「患者さんのためのケア」という共通の目標をチーム全員で共有することです。
そのうえで、互いの専門性を尊重し、積極的にコミュニケーションをとることが重要になります。
専門性や背景が異なるメンバーが集まるため、時には意見が対立することもあるでしょう。
しかし、それぞれの職種が持つ独自の視点や知識を認め合い、対等な立場で意見交換をする姿勢が、より良いケアプランの作成につながります。
日頃から他職種の役割や業務内容に関心を持ち、感謝の気持ちを伝えあうといった小さな積み重ねが、円滑な連携の土台となる信頼関係を築きます。
看護師に求められることは何ですか?
多職種連携において看護師には、チーム全体の情報をつなぎ、連携を円滑に進める「調整役(コーディネーター)」としての役割が求められます。
看護師は24時間体制で患者さんと最も近い距離で関わるため、医療的な情報はもちろん、患者さんの日々の変化や不安、ご家族の思いといった多角的な情報を把握できる立場にあります。
その情報をチームの中心として集約し、カンファレンスなどで他職種に的確に伝えることが重要です。
また、他職種からの情報を日々のケアプランに反映させるなど、情報の中継役も担います。
まとめ|多職種連携における看護師の役割はチームの「要」
本記事では、多職種連携の全体像から、看護師に求められる具体的な3つの役割、コミュニケーション能力、そして場面ごとの動き方までを網羅的に解説しました。
多職種連携において、看護師は単なるチームの一員ではありません。
患者さんと最も長い時間関わり、その声なき声を代弁し、多様な専門職の情報をつなぐ「調整役」となり、日々の変化を見逃さない「観察者」として機能する、まさにチームの「要」となる存在です。
専門的な視点と関わりが、チーム医療の質を大きく左右し、患者さんにとっての最善のケアを実現する力を持っています。
この記事で紹介した役割やコミュニケーションのヒントを、明日からの看護実践に一つでも取り入れてみてください。
自信を持ってチームの中心で活躍することで、自身の専門性もさらに高まっていくはずです。
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