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看護師の小論文試験における模範解答の書き方を徹底解説

看護師の採用試験を前に、「小論文って何から手をつければいいの?」「採用レベルの模範解答が知りたい」と悩んでいませんか。

小論文で本当に評価されるのは、自分自身の経験に基づいたオリジナリティです。

そこで本記事では、小論文試験において出題されやすい頻出テーマや採用されるための基本構成、さらに就職希望者と差をつけるポイントまで網羅的に解説します。

この記事を読めば、あなたの強みを最大限に活かした小論文の書き方がわかります。

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目次

看護師の採用試験で頻出する小論文試験において出題されてやすい5つのテーマ

看護師の採用試験で出題されやすい小論文のテーマは、以下に分類できます。

これらは、自身の人間性や看護師としての適性、社会への関心度を総合的に評価するために出題されます。

  • 理想の看護師像に関するテーマ
  • チーム医療における役割に関するテーマ
  • 看護師としての経験に関するテーマ
  • 最新の医療時事に関するテーマ
  • 患者とのコミュニケーションに関するテーマ

ここでは、各分類の代表的なテーマと具体例を解説するので、対策の参考にしてください。

1:理想の看護師像に関するテーマ

理想の看護師像を問うテーマは、人柄や仕事への熱意を評価するために出題されます。

採用側は、どのような看護観を持ち、将来どのように成長したいかを知りたいと考えています。

具体的なテーマ例は以下の通りです。

  • あなたが目指す理想の看護師像
  • 10年後の自分はどうありたいか
  • 看護実習で最も心に残ったこと
  • 私を成長させた出来事

理想の看護師像に関するテーマは、マニュアル通りの回答は避けましょう。

自身の言葉で具体的なエピソードを交えながら、看護師という仕事への想いを伝えることが重要です。

理想の看護師像の詳しい内容ついて知りたい方は、「理想の看護師像とは?面接での効果的な伝え方や小論文の例文を徹底解説!」この記事をあわせてご覧ください。

2:チーム医療における役割に関するテーマ

チーム医療における役割を問うテーマは、専門職として働く上で必要な素養があるかを確認するために出題されます。

特に多職種連携が重視される現代の医療現場では欠かせない視点です。代表的なテーマには以下のようなものがあります。

  • チーム医療における看護師の役割
  • 質の高い看護とは何か
  • 患者中心の医療をどう実現するか
  • 看護師として必要な心構え

チーム医療における役割に関するテーマでは、教科書的な知識を述べないようにしましょう。自分ならどう考え、どう行動するかという具体的な姿勢を示すことで、高い評価を得られます。

多職種連携と看護師の関わりについては、こちらの記事が役立ちます。

3:看護師としての経験に関するテーマ

看護師としての経験に関するテーマは、過去の経験、特に困難を乗り越えた経験について問われることも多いです。

採用側は、壁にぶつかった際にどのように考え行動し、そこから何を学んだかを知ることで、問題解決能力や粘り強さを見ています。

例えば、以下のようなテーマがあります。

  • 学生時代に最もつらかった経験と、それをどう乗り越えたか
  • 自分の長所と短所について
  • リーダーシップを発揮した経験

看護実習などの具体的なエピソードを基に、その経験から何を学び、今後どう活かしていきたいかをアピールすることが大切です。

4:最新の医療時事に関するテーマ

社会情勢や医療を取り巻く最新の課題に関するテーマは、社会への関心度や柔軟な思考力を評価するために出題されます。

「少子高齢化」などの定番テーマに加え、近年は新しい傾向が見られます。

特に注目されているテーマは以下の通りです。

  • 健康格差(経済状況による健康への影響)
  • AI(人工知能)と医療の協働
  • 外国人患者への対応(多文化共生)
  • 子どもの貧困やヤングケアラー問題

日頃からニュースに関心を持ち、これらの課題に対して「看護師として何ができるか」という視点で自分の考えをまとめておくことが採用への鍵です。

5:患者とのコミュニケーションに関するテーマ

患者さんとのコミュニケーションは、看護の質の根幹をなす非常に重要なテーマです。

採用側は、患者さんの心に寄り添い、信頼関係を築ける人物かを見ています。

小論文では、専門職としての対話能力が評価されます。

具体的なテーマ例は以下の通りです。

  • 患者との信頼関係を築く上で大切なこと
  • 傾聴の姿勢についてあなたの考えを述べよ
  • 終末期にある患者およびその家族との関わり方
  • 認知症患者とのコミュニケーションで心がけるべきこと

これらのテーマでは、共感力や誠実さ、そして一人ひとりの患者さんの背景を尊重する姿勢が問われます。

看護のコミュニケーションについて知りたい方は、「看護におけるコミュニケーションの重要性やポイントとは?スキルアップの方法も紹介!」をあわせてお読みください。

看護師の小論文を書く前に押さえておきたい事前準備

看護師の小論文試験では、当日の書き方だけでなく、試験前の準備が合否を大きく左右します。そのため、以下の準備をしておくのをおすすめします。

  • 志望先の病院・施設の理念・方針をリサーチする
  • 自分の看護観・経験をあらかじめ言語化しておく
  • 時事医療ニュースをインプットしておく
  • 制限時間内に書き切る練習をしておく

事前にしっかり準備しておくことで、限られた試験時間のなかでも自信を持って文章書けます。試験当日に慌てないよう確認しておきましょう。

志望先の病院・施設の理念・方針をリサーチする

志望先の理念や方針を把握しておくことは小論文対策の第一歩です。

採用担当者は、応募者が自院の方向性を理解したうえで文章を書いているかどうかを敏感に感じ取ります。

たとえば「患者中心の医療」を掲げる病院に対し、効率性や専門性ばかりを強調した内容では、いくら文章が上手でも評価されにくくなります。

そのため、事前に勤めたい病院・施設の公式ホームページや求人票、採用ページに掲載されている理念・取り組み事例などをリサーチしておくことが大切です。

可能であれば、病院見学や説明会での情報収集も有効です。

事前にリサーチした内容を自分の言葉でメモしておくと、試験当日にスムーズに活かせます。

自分の看護観・経験をあらかじめ言語化しておく

小論文では「あなたはどんな看護師を目指しているか」「これまでの経験で大切にしてきたことは何か」といった、自分自身の内面を問うテーマが頻出します。

こうした問いに試験当日はじめて向き合うと、考えがまとまらないまま時間だけが過ぎてしまいます。

そのため事前に自分の看護観や経験を言語化しておくことで、どんなテーマにも応用できるでしょう。

具体的には、これまでの業務で印象に残った出来事や、患者さん・同僚とのエピソードをノートに書き出すところから始めるのがおすすめです。

「なぜそう感じたか」「そこから何を学んだか」を深掘りしながら整理することで、小論文で使えるエピソードの引き出しが増えていきます。

時事医療ニュースをインプットしておく

看護師の小論文では、「コロナ禍における医療現場の課題」「高齢化社会と看護師の役割」など、時事的な医療テーマが出題されることがあります。

こうしたテーマに対して具体的な知識や自分なりの考えを持っていると、説得力のある文章が書けるようになります。

時事への理解が浅いと、内容が抽象的になりやすく、採用担当者に「現場への関心が低い」という印象を与えかねません。

インプットには、厚生労働省の公式ウェブサイトや看護師向け専門メディア、NHKや新聞の医療・福祉関連ニュースなどが役立ちます。

毎日長時間かける必要はなく、週に数回ニュースをチェックする習慣をつけるだけでも、試験までに十分な知識を蓄えられます。

制限時間内に書き切る練習をしておく

看護師採用試験の小論文には、30〜60分で500〜800字と制限時間と字数が設けられている場合が多いようです。

そのため、ぶっつけ本番では時間配分がうまくいかず、結論まで書けないまま終わってしまうケースも想定されるので、本番前まで繰り返し練習して時間感覚を体に染み込ませることが大切です。

練習の際は実際の試験と同じ制限時間を設定し、頻出テーマから1つ選んで書いてみましょう。

書き終えたら「構成は整っていたか」「結論まで書き切れたか」「字数は8割以上か」の3点を中心に振り返ります。

週1〜2回の練習を継続することで、本番でも落ち着いて対応できる力が身につきます。

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看護師の小論文で他の就職希望者と差をつける3つのポイント

採用レベルの小論文を書くためには、基本構成を押さえることが大前提です。

しかし、それだけでは多くの受験者の中に埋もれてしまう可能性があります。ここでは、3つの重要なポイントを解説します。

  • 具体的なエピソードを盛り込む
  • 志望先の病院や施設の理念と絡める
  • 医療従事者としての客観的な視点を加える

これらのポイントを押さえて小論文を際立たせ、採用担当者の心に残るものにしましょう。

1:具体的なエピソードを盛り込む

小論文で重要なのは、自身の「オリジナリティ」です。一般的な意見や教科書的な知識を述べるだけでは、個性や魅力は伝わりません。

主張を裏付ける理由として、自身の経験に基づく具体的なエピソードを盛り込みましょう。「患者に寄り添う看護がしたい」という主張とします。

「実習で受け持った患者様との関わりで、〇〇という出来事があり、そこから寄り添うことの本当の意味を学んだ」と記述することで、主張に説得力と深みが生まれます。

自分にしか書けない体験談こそが、採用担当者の心に響き、記憶に残る小論文を作成するポイントとなるのです。

2:志望先の病院や施設の理念と絡める

小論文は、志望先の病院や施設への「熱意を伝えるメッセージ」でもあります。

自身の看護観や目標を伝えるだけでなく、それが志望先の理念や方針とどのように合致しているかをアピールするのも大切です。

事前にホームページやパンフレットを読み込み、「患者中心のケア」や「地域医療への貢献」といった理念を正確に把握しておきましょう。

その上で、「貴院の〇〇という理念に深く共感し、私の〇〇という経験を活かして貢献したい」と記述することで、熱意と志望度の高さが伝わります。

自分の考えを曲げる必要はありませんが、理念との接点を見つけ出し、そこで働きたいという強い意志を示すことが採用を引き寄せます。

3:医療従事者としての客観的な視点を加える

自分の考えを熱く語ることは大切ですが、同時に医療従事者として求められる「客観的な視点」も忘れてはなりません。

小論文では、自身の主張が単なる主観的な思い込みではなく、社会的な事実やデータに基づいていることを示す必要があります。

例えば、社会問題に関するテーマであれば、関連するニュースや統計データに触れることで、あなたの意見に説得力と信頼性が加わります。

感情論だけでなく、冷静に物事を分析できる姿勢を示すことで、バランス感覚の取れた人材であると評価されるでしょう。

看護師の採用試験で小論文が重要視される理由

看護師の採用試験で小論文が課されるのは、面接だけではわからない多面的な能力を評価するためです。

ここでは、小論文で評価される重要なポイントを詳しく解説していきます。

  • 論理的思考力を見られている
  • 看護師としての適性を見られている
  • 人間性や価値観を見られている

これらの評価ポイントを押さえることで、自身の小論文は格段に説得力を増すでしょう。

論理的思考力を見られている

採用側は小論文を通して、「論理的思考力」を評価しています。

論理的思考力とは、物事を筋道立てて考え、わかりやすく説明する力のことです。

看護師は多職種と連携し、複雑な状況で的確な判断を下す必要があり、この能力は欠かせません。

小論文は感想文とは違い、与えられたテーマに対して根拠に基づいた主張の展開が求められます。

例えば、主張を裏付ける理由が「私はこう思うから」といった主観的な内容に偏ると、独りよがりな印象を与え、説得力が弱まります。

主張と根拠がきちんと結びついているか、話に一貫性があるかが重要です。

看護師としての適性を見られている

小論文は、看護師として働く上で必要な「適性」があるかを判断する材料になります。

採用側は文章から、考え方や知識レベル、そして専門職としての素質を読み取ろうとしています。

看護師としての適性を伝えるには、まず表現方法が重要です。

「〜だと思う」といった感情的な表現ではなく、「私は〜と考える」のように、論理的かつ責任感のある言葉遣いを心がけましょう。

また、医療や社会問題に関するテーマが課された場合、知識の幅や学習意欲を測る意図があります。日頃から医療ニュースなどに関心を持つことが大切です。

小論文は単なる文章試験ではなく、看護師としてのポテンシャルを多角的に評価する機会です。

人間性や価値観を見られている

小論文では、「人間性や価値観」が、病院や施設が求める人物像と合致するかを確認します。

採用側は文章に表れる看護観や人柄から、入職後に活躍できる人材か、組織に貢献してくれるかを判断しています。

ここで評価されるのは、ありきたりな一般論ではなく、自身の経験から生まれた独自の考え方です。

例えば、過去の体験を交えて「なぜそのように考えるようになったのか」を具体的に記述することで、あなたの人間性に深みと説得力が生まれます。

働くことへの熱意や将来の目標を明確に示すことも、看護師としての意欲を伝える上で大切な要素です。

看護観の伝え方を知りたい方は、「看護師として大切なこと8選!面接や小論文で使える看護観の伝え方も解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

採用レベルの小論文を書くための基本構成(PREP法)

小論文で高評価を得るには、伝えたい内容を論理的に構成することが大切です。

「PREP法」という文章の型がおすすめです。

「PREP法」は以下の流れになります。

  • Point(結論)
  • Reason(理由)
  • Example(具体例)
  • Point(結論)

この順番で書くことで、誰が読んでもわかりやすく説得力のある文章を作成できます。

P(Point)|最初に自分の意見・結論を明確に述べる

小論文では、最初にテーマに対する自分の意見(結論)をはっきりと述べます

なぜなら、冒頭で文章のゴールを示すことで、読み手はあなたが何を主張したいのかをすぐに理解でき、その後の内容が頭に入りやすくなるからです。

「チーム医療において、看護師に最も求められるのは調整役としての役割だと、私は考える。」のように、簡潔かつ明確に自分のスタンスを示しましょう

ここが曖昧だと、文章全体が何を言いたいのかわからない印象を与えてしまいます。

R(Reason)|結論に至った理由や背景を説明する

結論を述べた後は、その考えに至った「理由」を説明し、主張を補強します。

この理由付けが、主張に客観性と深みを与える大切な部分です。

説得力のある根拠を示すことで、あなたの意見が単なる思いつきではなく、深く考え抜かれたものであると証明できます。

「なぜなら、医師やリハビリ担当者など、それぞれの視点を集約し、患者さんにとって最適な治療方針を導き出す必要があるからです。それを実現するためには、患者さんに最も近い立場で全体像を把握している看護師の視点が欠かせません。」といった形で、結論を支える論理的な背景を記述します。

このパートで、思考力が評価されるのです。

E(Example)|自身の経験を交えて具体的に記述する

理由の後は、裏付けとなる「具体例」を盛り込むと、文章にオリジナリティと説得力が生まれます

抽象的な理由だけでは読み手の共感を得にくいですが、自身の経験に基づくエピソードを加えることで、主張にリアリティと深みが増します。

例えば、「看護実習で、医師とリハビリ専門職の意見が異なる場面があったが、看護師が患者の普段の様子を伝えることで、最適なケアプランにつながった経験がある。」といった形です。

自分だけのエピソードこそが、他の人との差別化を図り、あなたの人間性や価値観を伝える強力な武器となります。

P(Point)|最後に改めて結論を強調する

小論文の最後は、冒頭で述べた「結論」を再度示し、文章全体を力強く締めくくります

ただし、単に同じ言葉を繰り返すのではなく、理由や具体例を踏まえて、より発展させた形で述べることが重要です。

これにより、文章全体に一貫性とまとまりが生まれます。

「以上の理由から、看護師には調整役としての役割が強く求められる。今後はこの視点を持ち、多職種間の円滑な連携を促進できる看護師を目指したい。」のように、将来の目標や抱負を加えることで、前向きで意欲的な印象を与えることができます。

結論で、自身の主張を読み手の記憶に残すのです。

【模範解答あり】看護師の小論文頻出テーマ別例文集(800字)

ここからは、看護師の採用試験で頻出するテーマをもとに作成した800字の模範解答を4つ紹介します。

模範解答を読むことで、PREP法にもとづいた構成の組み立て方や、具体的なエピソードの盛り込み方を直感的につかめます。

活用する際は自分の経験や言葉に置き換えながら参考にすることで、オリジナルの小論文を完成させることが可能です。

【例文】理想の看護師像(800字)

理想の看護師像に対する論文の例文は以下のとおりです。

私の理想の看護師像は、専門職としての客観性を持ちながらも、患者一人ひとりに誠実に向き合える看護師である。高度化する医療現場では、感情に流されず状況を的確に判断する力が求められる一方で、患者の思いに寄り添う姿勢も欠かせない。その両立こそが、質の高い看護につながると考える。

なぜなら、看護師は医療チームの一員として科学的根拠に基づいた判断を行う責任を負っているからである。バイタルサインや検査データ、症状の変化を客観的に評価し、必要時には速やかに報告・連携する力が患者の安全を守る。一方で、患者の訴えや表情の変化といった主観的情報も重要なアセスメント材料である。客観的事実と患者の思いの双方を統合してこそ、全人的な看護が実現すると考える。

実習中、術後の疼痛を訴える患者を受け持ったことがある。数値上のバイタルサインに大きな変動はなかったが、表情のこわばりや会話の減少が気になった。私は痛みの評価スケールを用いて状況を整理し、指導者へ報告した。その結果、鎮痛薬の使用方法が見直され、患者は「楽になった」と安堵した様子を見せた。この経験から、客観的指標に基づく判断と、日々の観察から得られる微細な変化への気づきの両方が重要であると学んだ。

以上のことから、私が目指す理想の看護師は、冷静な判断力と温かな人間性を兼ね備えた存在である。専門的知識と技術を磨き続けるとともに、患者の声に真摯に耳を傾け、信頼される看護師へと成長していきたい。

【例文】チーム医療における看護師の役割(800字)

チーム医療における看護師の役割に対する論文の例文は以下で説明しています。

チーム医療において、看護師は患者に最も近い存在として、医療チームを結び付ける要となる役割を担っている。医療が高度化・専門化する現代では、一人の患者に対し多職種が関わることが当然となった。医師は診断と治療方針を示し、薬剤師は薬物療法を支え、リハビリスタッフは機能回復を支援する。それぞれが専門性を発揮する一方で、患者の生活背景や心理状態まで含めた全体像を継続的に把握できるのは、日常生活を支える看護師である。

看護師は観察を通して得た身体的・心理的・社会的側面の情報を統合し、アセスメントを行う専門職である。その上で、必要な情報を的確なタイミングで共有し、時にはカンファレンスにおいて意見を述べ、ケアの方向性を提案することも求められる。単なる情報の伝達者ではなく、患者の代弁者としてチームの意思決定に主体的に関わることが重要である。

実習で、脳梗塞後の患者のリハビリが思うように進まない場面を経験した。私は食事摂取量の低下や夜間不眠に着目し、指導者とともに医師やリハビリスタッフへ情報共有を行った。その結果、治療内容やリハビリ計画が見直され、患者の表情が次第に明るくなった。多職種が連携し合うことで、初めて患者中心の医療が実現することを学んだ。

チーム医療の質は、専門職同士が互いを尊重し、密に連携できるかどうかに左右される。私は看護師として、患者の生活を支える視点を大切にしながら、多職種と積極的に協働し、より質の高い医療の実現に貢献していきたいと考える。

【例文】コロナ禍を経た医療現場で求められる看護師像(800字)

近年の小論文では、コロナ禍を経た医療現場で求められる看護師像も書かされる場合もあるので、例文をチェックしておきましょう。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、医療現場に大きな変化と課題をもたらした。感染対策の徹底、面会制限による患者の孤立、医療資源の逼迫、そして医療従事者自身の心身への負担など、これまで経験したことのない状況に直面した。従来の看護実践に加え、刻々と変化する情報に対応しながら安全な医療を提供する力が強く求められたのである。

まず必要とされるのは、状況変化に柔軟に対応できる判断力である。感染症対応では、ガイドラインが更新されるたびに現場の動きも変わった。看護師には最新の情報を正しく理解し、自身のケアに反映させる力が不可欠である。同時に、不確実な状況下でも冷静に優先順位を考え、限られた資源の中で最善を尽くす姿勢が求められる。

次に、コミュニケーション能力の重要性が一層高まった。面会制限により家族と直接会えない患者にとって、看護師は最も身近な支えであった。患者の不安や孤独に寄り添い、その思いを家族や医療チームに丁寧に伝える役割は大きい。また、防護具着用により表情が伝わりにくい状況でも、声のトーンや態度で安心感を与える工夫が必要である。

さらに、多職種連携を推進する力も欠かせない。感染拡大時には部署を越えた協力体制が求められた。看護師は患者に最も近い立場から得た情報を共有し、チーム全体が同じ目標に向かえるよう調整する役割を担う。

コロナ禍を経て明らかになったのは、看護師が専門的知識と技術だけでなく、変化に対応する力と人に寄り添う姿勢を兼ね備えた存在であることの重要性である。今後も予測困難な状況が起こり得るからこそ、学び続ける姿勢を持ち、患者と社会に信頼される看護師であり続けることが求められている。

【例文】患者とのコミュニケーションで大切にしていること(800字)

患者とのコミュニケーションで大切にしていることに関する例文は以下のとおりです。

私が患者とのコミュニケーションで大切にしていることは、傾聴を基盤とし、共感を通して信頼関係を築くことである。看護師は医療行為を行う専門職であると同時に、患者の最も身近な存在でもある。だからこそ、患者の言葉の奥にある思いや不安に気づき、それを受け止める姿勢が重要だと考える。

傾聴とは、単に話を聞くことではなく、相手の立場に立って理解しようとする姿勢である。患者は病気そのものへの不安だけでなく、仕事や家族、将来への心配など、さまざまな思いを抱えている。しかし、そのすべてを自ら積極的に語ってくれるとは限らない。忙しい現場であっても、一度手を止めて目線を合わせ、相づちやうなずきを通して「あなたの話を大切にしている」という姿勢を示すことが、安心感につながると感じている。

実習中、手術を控えた患者が「大丈夫だと思うけれど、やはり少し怖い」と小さな声で話されたことがあった。私はすぐに励ますのではなく、「怖いと感じていらっしゃるのですね」と言葉を返し、その思いを受け止めた。すると患者は、過去の入院経験や家族への心配について語り始めた。その後、担当看護師と情報共有を行い、医師からも改めて説明の時間が設けられた。手術当日、患者は「話を聞いてもらえて安心した」と穏やかな表情を見せていた。この経験から、共感的に関わることが信頼関係の土台になると学んだ。

信頼関係は一度の関わりで築けるものではない。日々の丁寧な声かけや約束を守る姿勢の積み重ねが、患者にとっての安心につながる。私は今後も、傾聴と共感を大切にし、患者が安心して思いを話せる看護師であり続けたいと考えている。

看護師の小論文に関するよくある質問

小論文対策を進める中で、さまざまな疑問が出てくるでしょう。ここでは、よくある質問にお答えします。

疑問を解消し、安心して対策を進めるための参考にしてください。

小論文は何文字程度で書く練習をすれば良いですか?

最も一般的な「800字」で練習するのがおすすめです。

看護師の採用試験では「60分800字」という形式が多いため、この形式に慣れておくことが本番での対応力を高めます。

もちろん、病院によっては400字や1200字などさまざまですが、800字の構成をマスターしておけば、他の文字数にも柔軟に応用できます。

また、文字数だけでなく時間配分も意識しましょう。

60分の試験では、以下の時間配分を参考に練習すると、本番で焦らず実力を発揮できます。

【時間配分の目安(60分の場合)】

工程目安時間
文章構成15分
執筆40分
見直し5分

指定文字数の8割以上は埋めるのが基本なので、まずは800字を時間内に書き上げる練習を繰り返しましょう。

小論文対策におすすめの本はありますか?

小論文は「論理的な文章力」と「内容の専門性」の両方が評価されるため、どちらか一方の対策だけでは高得点は狙いにくいです。

文章を書くのが苦手な方は、まず小論文の「型」を学べる基礎的な参考書から始めましょう

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自分の課題を明確にし、最適な一冊を見つけて対策を始めてみてください。

まとめ|模範解答を参考にあなただけの看護師の小論文を完成させよう

本記事では、看護師の採用試験で頻出する小論文のテーマや書き方、そして差をつけるためのポイントを模範解答とともに解説しました。

小論文で高評価を得るには、PREP法に沿った論理的な構成が基本となります。

その上で、あなた自身の具体的な経験を盛り込み、志望先の理念と絡めながら客観的な視点も加えることで、他の受験者にはないオリジナリティと熱意を伝えられます。

模範解答はあくまで型(フレームワーク)として捉え、あなた自身の言葉で看護への想いを表現することが採用への鍵です。

この記事を参考に、あなただけの魅力が詰まった小論文を完成させてください。

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