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地域包括支援センターとは?相談事例や利用の流れなどを解説
「介護に困っているけど、こんな内容で地域包括支援センターに相談して良いのかわからない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
誰にも相談できないまま、悩みを抱えてしまえば、解決は難しく介護負担はますます増え続ける可能性があるでしょう。
介護の悩みを解決したいなら、地域包括支援センターに相談することがおすすめです。
地域包括支援センターに安心して相談でき、介護の不安が解消できるようにしていきましょう!
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターは、2006年に自治体によって設立された高齢者や介護に悩むご家族を支援するための相談窓口です。
全国の市町村に設置され、地域の皆さんが安心して介護と向き合える環境づくりを担っています。
センター内では、以下の専門職が連携して業務を行っています。
- 社会福祉士
- 保健師
- 主任ケアマネジャー
介護や医療の知識と経験を持つこれらの専門職が協力し、高齢者の暮らしを支えるために幅広い課題解決に取り組んでいます。
現在では、社会福祉法人や社会福祉協議会などが自治体からの委託を受けて運営するケースも増えています。
2025年を目標に推進されている「地域包括ケアシステム」の中核的な役割も果たしており、今後さらに重要性が増していくでしょう。
参考:厚生労働省「地域包括ケアシステムをご存じですか」
地域包括支援センターの対象者や利用条件
地域包括支援センターの利用を検討している方にとって、対象者や利用条件を事前に把握しておくことは重要です。
ここでは、地域包括支援センターを利用できる方やその条件について詳しくご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
対象者
地域包括支援センターを利用できる人は以下のとおりです。
【利用対象者】
- 対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者
- 高齢者の家族・親族
- 高齢者支援に関わる介護者
- 40歳~64歳で特定疾病がある方
これらの対象者は介護や福祉に関する相談、支援サービスの紹介、要介護認定申請の手続きなど、さまざまなサポートを受けられます。
担当の地域包括支援センターがどこか不明な場合は、市区町村の公式Webサイトで確認できます。
また、市区町村の介護保険担当窓口へ電話で問い合わせることで、簡単に担当センターを調べることも可能です。
利用条件
地域包括支援センターは、65歳以上の高齢者だけでなく、その家族や親族、高齢者の生活を支える介護者が気軽に相談できる窓口です。
さらに、40〜64歳の方でも、特定疾病によって心身の機能が低下している場合には、要介護認定の申請手続きなどで利用できます。
ただし、注意すべきポイントとして、相談先は基本的に高齢者本人が居住している地域のセンターに限られている点があります。
例えば、認知症などで判断能力が低下した親のことで遠方に住む子どもが相談する場合でも、相談窓口は親が暮らしている地域の包括支援センターとなります。
地域包括支援センターの相談事例
日本各地にある地域包括支援センターには、日々多種多様な相談が寄せられています。
ここでは、地域包括支援センターで実際によく見られる相談事例と、それに対する対応方法を紹介します。
引きこもりがちになった高齢者が心配
▼相談事例
高齢の親と同居していますが、最近転倒して骨折して以来、足腰が弱り、うまく歩けなくなってしまいました。その影響で外出を避けるようになり、声をかけても部屋から出たがりません。
さらに、食事や家事への意欲も失っており、今後の体力低下や心身への影響が心配です。将来に対する漠然とした不安も抱えています。
▼対応例
要介護認定を受けていない場合は、地域の高齢者サロンや傾聴ボランティアなど、気軽に人と交流できる場をご案内します。もし要介護認定を受け、要支援1または2と判定された場合には、介護予防を目的としたデイサービスの利用をご提案します。
こうしたサービスを通じて、リハビリや交流の機会を持つことで、心身機能の維持・改善が期待できるでしょう。
また、ご家族の精神的な負担を軽減するためにも、適切な支援や相談先をご紹介するなど、寄り添ったサポートを心がけています。
認知症が進行し、介護負担が重くなっている
▼相談事例
高齢の義理の親が、冷蔵庫にある食材を忘れて何度も同じものを購入したり、散歩に出かけた際に道に迷って帰れなくなったりすることが増えてきました。要介護認定を受けた結果、要介護度が判定され、地域包括支援センターを紹介されました。
現在、家族としての介護負担や精神的なストレスが大きく、不安な気持ちを相談したいと考えています。
▼対応例
認知症の症状によって介護に悩むご家族は少なくありません。すでに要介護認定を受けている場合には、その認定結果に基づいて利用できる介護サービスを一緒に検討し、最適な支援策を提案します。
なお、認知症の症状があっても必ずしも要介護1以上の認定が出るとは限りません。その場合でも、ご家族の負担を軽減するための具体的なアドバイスや、在宅介護をサポートするための地域資源の紹介など、必要な支援をご案内します。
地域包括支援センターでは、ご本人だけでなくご家族の心のケアも大切にしながら、安心して介護が続けられるよう寄り添った支援を行っています。
介護保険についてよくわからないため説明してほしい
▼相談事例
介護保険についてよく理解できていません。高齢の親がいるため、今後の備えとして、費用面も含めた詳しい説明を受けたいと考えています。
▼対応例
介護保険制度や介護サービスについて、仕組みが複雑でわかりにくいと感じる方は少なくありません。高齢者本人だけでなく、そのご家族からも「制度の内容をきちんと知りたい」という声がよく寄せられます。
- 介護保険の基本的な仕組み
- 具体的なサービス内容
- 利用できる支援
- 費用の目安など
これらについて、丁寧にわかりやすくご説明します。制度の理解を深めることで、今後の介護に対する不安を軽減し、必要な準備を進められるようサポートしています。
一人暮らしの親が心配
▼相談事例
一人暮らしの親がいますが、私たち夫婦は他県に住んでいるため、日常生活の様子を十分に把握できず心配しています。最近では物忘れが目立つようになり、特に火の消し忘れなどの安全面で不安を感じています。
▼対応例
遠方に住むご家族が、一人暮らしの高齢者の生活状況に不安を抱くケースは少なくありません。このようなご相談には、まず相談員が詳しく状況をお伺いし、必要に応じて要介護認定の申請を検討することをおすすめします。
また、支援の窓口となるのは、高齢者本人が住んでいる地域の地域包括支援センターです。
相談に訪れる際は、該当するセンターを確認しておくことが大切です。地域の見守り体制や介護サービスなど、適切な支援策をご提案し、ご家族の不安を少しでも和らげられるようサポートいたします。
介護が嫌になった
▼相談事例
これまで要介護認定を申請せずに、高齢の親の介護を一人で続けてきました。しかし、認知症が進行するにつれて常に目を離せない状態となり、夜も十分に眠れず、心身ともに疲れ果てています。
▼対応例
在宅での介護を家族だけで担うことは、大きな負担となることが少なくありません。このようなご相談には、まずご家族の心身の疲労に配慮しながら、現在の状況やお悩みを丁寧にお伺いします。
そのうえで、一緒に要介護認定の申請手続きを進め、適切な支援を受けられる環境づくりをお手伝いします。
介護サービスについて聞きたい
▼相談事例
介護保険の範囲内で利用できるサービスにはどのようなものがあるのか知りたいです。また、現在の状況に合った適切なサービスの選び方についてもアドバイスを受けたいと考えています。
▼対応例
介護保険で利用可能なサービスには、さまざまな種類があります。主なサービスとしては、以下のようなものが挙げられます。
- デイサービス(通所介護):日中の介護やレクリエーションを提供するサービス
- 訪問介護:介護スタッフが自宅を訪問して日常生活を支援
- 特別養護老人ホーム:常時介護が必要な高齢者向けの入所施設
- 介護老人保健施設:医療ケアとリハビリを中心とした中間的な施設
- ショートスティ(短期入所):一時的な介護負担軽減や緊急時に利用できる短期入所サービス
- 有料老人ホーム:民間が運営する、介護や生活支援が受けられる施設
- サービス付き高齢者向け住宅:見守りや生活支援サービスが付いた高齢者向けの住まい
- グループホーム:認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら支援を受ける施設
- 福祉用具貸与:介護ベッドや車いすなど、日常生活を支援する福祉用具のレンタル
このほかにも介護保険内で利用できるサービスは多岐にわたります。
ご相談いただいた際にはご本人やご家族の状況、介護度、生活環境に応じて、各サービスの特徴や利用条件を丁寧にご説明し最適なサービス選びのお手伝いをいたします。
地域包括支援センターの役割
地域包括支援センターには、次の4つの役割があります。
- 高齢者や障がい者の権利を守るための活動
- 介護予防を目的としたケアマネジメントの実施
- ケアマネージャーへの助言や支援業務
- 高齢者向けの相談対応窓口の設置
これら4つの役割について順を追って詳しくご説明します。
介護予防ケアマネジメント業務
地域包括支援センターの大切な役割の1つが、「介護が必要になるのを防ぐためのサポート」です。
これは、高齢者ができるだけ自分らしく自立した生活を続けられるようにすることが目的です。
年齢とともに体力や健康が衰えるサインを早めに見つけ、その人に合った健康づくりの計画を立てることで、元気な時間を長く保てるようお手伝いします。
このサポートには、健康の専門家や福祉の担当者などが関わり、一人ひとりの体の状態や暮らしの様子を詳しく確認します。
例えば、少し物忘れが増えてきた方には、記憶力を保つためのプログラムや、体力を維持するための体操教室を紹介することもあるでしょう。
権利擁護
地域包括支援センターは、高齢者の大切な権利を守るための役割も担っています。
年齢を重ねることで、物事を正しく判断する力が弱くなります。その結果として詐欺や経済的なトラブル、さらには虐待といった被害に遭いやすくなるでしょう。
こうした危険から高齢者を守るために、センターではさまざまなサポートを行っています。
例えば、高齢者が虐待を受けている疑いがある場合には、すぐに状況を確認し、必要に応じて警察や福祉の専門機関と協力して対応します。
また、お金の管理や契約などが難しくなった高齢者も多いです。お金の管理が難しい場合、信頼できる人が代わりに手続きをサポートできる仕組み(成年後見制度)の利用をお手伝いし、安心して暮らせるよう支援します。
包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
地域包括支援センターは、高齢者が必要な介護サービスを安心して受け続けられるよう、地域全体で支える仕組みづくりに取り組んでいます。
この取り組みは、介護の質を高め、長く続けられるサポート体制を目指しています。
- 地域で働く介護の担当者
- 医師
- 福祉施設 など
これらと協力し、支援が途中で途切れないように調整します。
病院での治療が終わり自宅での介護が始まる際には、病院スタッフや訪問介護サービスの担当者などが円滑に情報共有できるよう、地域包括支援センターが仲介役を担います。
高齢者に対しての相談窓口
地域包括支援センターは、高齢者やそのご家族が気軽に相談できる身近な窓口としての役割を果たしています。
介護のことはもちろん、福祉や医療、日常生活のサポートに関する悩みや不安についても相談できるのが大きな特徴です。
「親の物忘れが目立つようになって心配」
「介護サービスを使いたいけど、どう手続きすればいいかわからない」
このような日常の小さな疑問から、深刻な問題まで幅広く対応しています。相談は電話や直接訪問することで受け付けており、必要に応じてスタッフがご自宅へ伺うことも可能です。
また、健康づくりや介護の専門知識を持つスタッフが、それぞれの状況に合わせて適切なアドバイスやサポートを提供しています。
地域包括支援センターを利用するための流れ
地域包括支援センターを活用する際の一般的な流れは、以下のようになります。
- 電話での問い合わせ
- 相談および面談の実施
- 要介護認定申請の支援
- 適切な介護サービスの紹介
- ケアプランの作成とサービスへの引き継ぎ
まずはセンターに電話をかけて相談の予約を行い、指定された日時に訪問して職員と面談します。ご家族が相談する場合でも、原則としてご本人も同席のうえで面談をしなくてはいけません。
面談を通じて要介護認定が必要と判断された場合には、申請手続きに関する説明や申請代行の支援が提供されます。
- 要介護1以上の方は居宅介護支援事業所が継続支援を担当
- 要支援1・2の方は地域包括支援センターが引き続き支援
これらの認定結果に応じて、適切な介護サービスが紹介され、必要に応じた支援が開始されます。
地域包括支援センターを利用する3つのメリット
地域包括支援センターを利用することで得られるメリットは、主に3つに分けられます。
ここでは、それぞれのメリットについてわかりやすくご紹介します。
相談が無料でできる
地域包括支援センターの大きな魅力の1つは、相談が完全に無料でできる点です。
地域の高齢者やその家族のための総合相談窓口として機能しており、どれだけ相談しても費用は一切かかりません。
「相談するだけでも料金が必要なのでは?」と誤解されることもありますが、心配は不要です。話を聞いてもらうだけでも無料なので、気軽に足を運ぶことができます。
もちろん、具体的な支援やアドバイスを受ける際にも費用は発生しません。気軽に立ち寄れることが、多くの人にとって利用しやすいポイントとなっています。
介護保険を利用したい場合にスムーズに話が進む
地域包括支援センターを利用することで得られるもう1つのメリットは、介護保険サービス利用までの手続きがスムーズに進むことです。
介護保険サービスを受けるには、まず要介護認定を受ける必要があります。しかし、この申請手続きは意外と複雑で手間がかかるのです。
そこで役立つのが地域包括支援センターです。申請手続きを代行してもらえるため、必要な手続きがスムーズに進み、介護者の負担を大きく軽減できます。
「自分で全部やらなければならないのでは?」という不安も、ここでは大丈夫です。
手続きの多くをサポートしてくれるので、介護保険の申請が初めての方でも安心して進められるのが嬉しいポイントです。
介護に関する困りごと全般に相談を受けてもらえる
地域包括支援センターの3つ目の大きなメリットは、介護に関するさまざまな困りごとを気軽に相談できることです。
家族の介護で悩んでいたり、一人で問題を抱え込んでしまったりすると、心身ともに負担が大きくなりがちです。
しかし、地域包括支援センターでは、介護に関連するあらゆる相談に対応しています。
ただ話を聞いてくれるだけでなく、具体的なお役立ち情報の提供や、必要に応じて介護サービスや医療機関への橋渡しも行ってくれるのが心強いポイントです。
地域包括支援センターを利用する際の注意点
地域包括支援センターを利用する際は、以下の点に気をつけることで、よりスムーズに相談を進めることができます。
- 相談内容によっては支援が受けられない場合がある
- 相談前には必ず事前に電話で予約を取る
- 居宅介護支援事業所との違いを理解する
地域包括支援センターは高齢者の生活に関する相談窓口ですが、入居型介護や身の回りの世話といった直接的な介護ケアは行いません。
相談の際は事前に電話で予約し、内容を整理しておくとスムーズです。
また、ケアプラン作成を専門とする居宅介護支援事業所とは異なる役割があることを理解しておきましょう。
地域包括支援センターの対応がひどいと言われている理由
「地域包括支援センターの対応がひどい」という噂を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
なぜこうした声が上がるのか、ここでは地域包括支援センターの対応が「ひどい」と言われてしまう背景や理由について詳しく解説します。
直接的なサポートは受けられない
地域包括支援センターは、直接的な介護ケアを提供する機関ではないため、中には「結局、何もしてもらえなかった」と感じる方もいるようです。
しかし、これは誤解と言えるでしょう。
地域包括支援センターは、入浴介助や食事の世話といった具体的な介護サービスを直接提供するわけではありません。それでも、要介護認定の申請代行や介護に関する幅広い相談対応など、介護や福祉に関わる重要なサポートを間接的に行っています。
地域包括支援センターは、表立った支援が見えづらいこともありますが、実際には地域住民の暮らしを支えるための必要不可欠な支援の役割を果たしているのです。
職員によって対応力が違う
地域包括支援センターにはさまざまな事業所が存在し、そこで働く職員がいます。
中には、研修中の新人職員や、まだ業務に慣れていないスタッフが対応することもあるでしょう。その場合、相談がスムーズに進まないことがあるかもしれません。
しかし、心配する必要はありません。多くの職員は、地域住民の課題解決に尽力してきた経験豊富なプロフェッショナルです。
介護や福祉に関する幅広い知識と実績を持っており、困りごとに対して真摯に対応してくれます。
たとえ対応が少し不慣れに感じられても、チームとしてしっかりサポートできる体制が整っていますので、安心して相談してみてください。
忙しく丁寧に対応できない
地域包括支援センターを利用した際に、「丁寧に対応してもらえなかった」と感じたことがある方もいるかもしれません。
しかし、地域包括支援センターは本来、地域住民の困りごとに寄り添い、丁寧に話を傾聴することを大切にしている相談窓口です。
忙しい時間帯や予約なしでの訪問時には、十分な対応が難しい場合もあるかもしれません。もし不安を感じる場合は、事前に電話でアポイントを取ることで、落ち着いて相談できる時間を確保できます。
地域包括支援センターは、皆さんの暮らしを支えるために常に真摯な対応を心がけていますので、ぜひ気軽に相談してみてください。
地域包括支援センターに関するよくある質問
ここからは、地域包括支援センターに関するよくある質問とその回答を紹介していきます。
地域包括支援センターでできないこととできることは何ですか?
地域包括支援センターでは、訪問介護やデイサービスなどの具体的な介護サービスの提供や医療行為、個別の介護プランの作成(要介護認定者の場合)などは行いません。
また、直接的な家事援助や身体介護も対象外です。
地域包括支援センターを利用するのはどのような人ですか?
地域包括支援センターは、主に高齢者とその家族、地域住民、介護や福祉に関わる専門職が利用することを想定した相談窓口です。
具体的には、介護や生活に不安を感じている高齢者が利用します。
地域包括支援センターで相談して介護負担を減らそう!
地域包括支援センターは、地域の高齢者の暮らしの安全や健康を守る機関です。
日本全体で地域の高齢者の安全な暮らしをサポートしていこうとする、包括的ケアシステムの一つであることも理解しておきましょう。
全国各地の自治体に設置されているため、介護の困りごとがあれば気軽に相談してみてください。
地域包括支援センターの職員にサポートしてもらいながら、介護の負担を減らしていきましょう。
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